「やっほーっす! 久しぶりっすね」
「超じゃん久しぶり」
私、ブラック2以下20名のブラックカンパニーに引き抜かれた人達をブラックカンパニーの基地に連れて行くために超が案内役として来てくれた。
「えっと座標が北緯53度35分で東経142度56分、更に細かくするとxxx-xxの番号を入れると、本拠地近くに飛べるよ」
「……オッケー、場所がでたわ……気になったんだけどレグレスかKさんって戦闘員の方が来ると思ったんだけど……」
「Kさんは最高幹部だから別の仕事で忙しくて、レグレスはちょっと前にとあるやらかしをして総領の機嫌を損ねたからこき使われてるっす。で、ブラック2と知り合いだし、仕事が空いていた僕が来ることになったっす」
「そうなのね……というかあの人そんなに偉い人だったんだ……」
「戦闘員だけど怪人になった僕でも簡単に倒されるっすよ」
「またまた……怪人マッチ10位になったこともある超を簡単に倒せるハズないでしょ?」
「いや、普通に瞬殺っすよ?」
「マジ?」
「マジっす」
そんな会話をしながらブラックカンパニーの本拠地……オハ基地に移動するのであった。
地図上ではオハの街はゴーストタウンになっていたと調べて出ていたので、ワープして、街を見渡すが、確かに廃墟もあるが、新しそうな建物もちらほら点在している。
「新しい建物はマンションみたいなのは地下基地への入り口だったり、社員に与えられた一軒家なんかも新しい建物っすね。まぁ殆どの建物は地下にあるっすよ」
「なんで地下に?」
「ロシア領を裏金使って住んでいる状態なんすよ。だから表ではブラックカンパニーのペーパーカンパニーが借用していて、それ以外の土地は実行支配している形っすから、あんまり地上に建物を建てるとロシアに攻撃される可能性や、衛星写真で基地の規模がバレるかもしれないっす。あと雪が凄く積もるっすから、それの対策でもあるっすよ」
「へぇ……」
私達は超に案内されて、地下通路に移動する。
地下は1階層が10メートルになっていて、巨大な地下駐車場を更に天井を高くしたのをイメージすると分かりやすいかもしれない。
各所にワープ装着が置かれており、エレベーターの様に人数が入り込むとその部屋ごと別の場所に移動するようになっているっぽい。
超が慣れた手つきで操作をして、私達含め21人全員が部屋に入ると、ワープが開始し、数秒後には別の場所に到着していた。
「事務所前っすね。事務所で入社の手続きをするっす」
そう言われて荷物を持って事務所に移動すると、総領(社長)である兎の怪人バニーさんが私達に話しかけてくれた。
「よく来てくれたわ! 新入社員の皆さん! 私達ブラックカンパニーはあなた達を歓迎するわ! 入社の手続きが終わったら社宅に荷物を置いて全員検査を受けてもらうことになるけど、検査結果で怪人適性率が100%を超えていたら今日中には怪人になってもらうわよ」
「え! いいんですか!」
「あなた達は私達がヘッドハンティングした結果来てもらったという事にするから、これぐらいの優遇はしないとね。それに待遇も怪人の方が良いから……そっちの方が良いでしょ」
と言われたのでお言葉に甘えることにした。
全員入社手続きを終えて、また超に案内されて社宅に移動する。
移動は今度は動く歩道に乗って移動していく。
約10分ほどで、居住区Bと書かれた場所に到着し3階建ての建物が団地の様に何棟も建てられていた。
私達はB-3棟に案内され、鍵を渡されていく。
「間取りは全ての部屋が一緒になってるっす。1号棟は食堂棟になってるっすから、食事をする時は食堂棟に行くと良いっす。生活用品などの売店系は2号棟の中に入ってるっす。品揃えはあんまり期待しないほうが良いっすけど、なるべく皆の力で品揃えを増やしていって欲しいっす」
超にそう言われながらも、荷物を置くために部屋に入ると、今まで私が住んでいた場所とは違って1人1部屋……いや、キッチンにトイレとバスルームが別々かつ、お風呂も広く、シャワーも綺麗。
しかもリビングの他に寝室も1部屋付いている。
寝室にはセミダブルのベッドやテレビも置かれており、至れり尽くせりといった感じだ。
家電も冷蔵庫、ドラム式洗濯乾燥機、電子レンジ、電気ケトル、エアコン、ドライヤーに先ほども言ったテレビ等の欲しい物は一通り揃っていた。
「超、私達ってどんだけ期待されているの……」
「いや? これブラックカンパニーの社員の標準な設備っすよ。家電類は自社製品で性能がちょっと型落ちだったりするし……」
「これで……標準!?」
「あ、1棟は100人生活できるように出来ているから、部屋番号間違えないようにね。あと各階の中央にランドリーコーナーがあるから洗濯物が大量にあるようならそこを使って欲しいっす」
「はぇ~、至れり尽くせりね」
「荷物置いたら研究所に移動するっすよ」
そう言われて、私達は部屋に荷物を置いて、鍵代わりになっている腕輪の様な腕時計を装着し、ドアをロックしてから移動する。
研究所は事務所の隣で地上を含めて10階建て、面積も1フロアが野球場に匹敵する大きさで、そこに博士と呼ばれる人とナンバーズと呼ばれる人達の6人と無数のロボットが働いているらしい。
超からブラックカンパニーの心臓部だと言われた。
「やぁやぁ、よく来たね新入社員の諸君!」
緑色の髪をした瓶底メガネのちびっこが博士という人物で、小型の飛行する椅子に乗って現れた。
「さぁ皆の検査をするから更衣室で病衣に着替えてくれたまえ!」
と言われ、更衣室に用意された男女で色が違う病衣を着用する。
そのまま採血されたり、謎のマシーン通されたりして、最後にベッドに寝かせられて謎の薬品を飲まされた。
他のベッドで寝ていた子達が叫び始めて、私も全身に激痛が走る。数秒後には収まったので姿を確認すると、顔はそのまんまだが、コウモリみたいな大きな翼にトカゲみたいなでっかいしっぽが生えていた。
手もなんか黒っぽい鱗が肘辺りまで伸びている。
膝下も鱗で覆われ、怪獣みたいな足になっていた。
「えっとブラック2君はドラゴンっと……次の子はカエルかな?」
などと博士が言っていき、私達全員の怪人化が完了したっぽい。
皆それぞれ見ると多種多様な怪人になっており、頭がペンライトみたいになっているのも居れば、手に口がついている子も居たりと本当に様々だ。
「うん、良いデータが取れたね。体の動かし方や能力の検査、それに新しい名前は後々決めることにしよう。名前はそれぞれで付け合う事にするから、どんな名前が良いか決めておいてくれ」
そう言われて、社宅に帰された。
超からは
「おお! ドラゴンっすか! 黒龍って感じで似合ってるっすよ!」
と褒められたが、こんな簡単に怪人になって良いものかと……なんか釈然としない。
嬉しいのは嬉しいのだが……。
「良いじゃないっすか! 強くなれた! 給料も待遇も上がる! 仕事もノルマに追われることがない! 良いこと尽くめっすよ」
「うーん」
「まぁそのうち慣れていくっす」
翌日、レグレスも私の名前を見てくれて、超から龍の一種で蛟をカタカナにしたミズチという名前にすればと言われて、他の子からもミズチという名前が気に入られた為に、私はブラック2改めてミズチという名前になるのだった。