戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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怪人マッチ 1

「今日は依頼が来た。個人的に贔屓してもらっている政治家の先生の護衛の依頼だ」

 

 個別トレーニングが始まってから約2週間後、俺が新しい依頼を引っ張ってきた。

 

「政治家? 政治家って悪の組織と繋がっていて大丈夫なの?」

 

「清廉潔白をうたっている奴の中にも繋がっているのが居るくらいだ。今のご時世ヒーローも政治に絡むとややこしくなる。悪の組織と個人的なパイプがある分には表に出なければ大丈夫だ」

 

「ふ~ん」

 

 逆に言うと俺も政治家の先生との繋がりは1人しか居ないが……。

 

「今日は戦闘服の上に私服で行くからマスクは……持っていくだけ持っていって何かあれば付ける感じで」

 

「「「はーい」」っす」

 

 というわけで俺はビジネススーツに着替え、ワープして先生の自宅に訪ねる。

 

「すみません悪徳先生は居ますか?」

 

『はい、どちら様でしょうか』

 

「本日SPの依頼があったKと言うものです」

 

『少々お待ちを』

 

 すると扉が開き、先生自らが対応してくれる。

 

「やぁやぁK君久しぶりだね」

 

「お久しぶりです悪徳先生。先生もお元気そうで何よりです」

 

「そちらの嬢ちゃん達は?」

 

「俺が担当している戦闘員です。十分に訓練を受けているので並の暴漢は倒せる実力があります」

 

「Fっす! よろしくお願いします!」

 

「Mで〜す! 先生よろしくお願いしま〜す」

 

「Aです! 頑張ります!」

 

「まぁK君が側に居てくれれば何でも良い」

 

「今日の依頼は護衛とのことですが」

 

「ああ、怪人マッチの誘いが来てな。是非とも見たくてね」

 

「なるほど……」

 

 準備は出来ていると黒塗りの高級車……リムジンに乗り込んで俺達は会場に移動する。

 

 車の中でFが怪人マッチって何ですかと聞いてきた。

 

「怪人マッチは怪人達でやる試合の事だ。戦闘訓練室みたいに死なない設定の場合もあれば、捕まえてきたヒーロー対怪人の賭け試合をやったり……まぁ色々だ。ランク制にもなっていて怪人のC級とかB級は自己申告と言っていたが、こういう怪人マッチをやることで自身のランクをしっかり測る場でもある」

 

「まぁ違法賭博の一種だ」

 

 すると横に乗っていた悪徳先生が

 

「K君は戦闘力を測るのが上手くてねぇ。結構儲けさせてもらっているんだよ」

 

 そう言う。

 

「まぁ危険な場所だし、たまーにヒーローに嗅ぎつけられて襲撃を受けるから護衛をお偉いさんは欲するんだよ。政治家や会社の社長なんかが沢山いる場所でもあるから一種の社交場としても機能しているんだ」

 

「なるほどっす!」

 

 リムジンを走らせること1時間、船に乗り換えて更に1時間……離島に到着する。

 

 離島に足を踏み入れると、一件閑散とした寂れた漁港という感じであるが、民泊の中に入るとワープパネルになっており、そこから別の場所にワープする。

 

 するとどこかのスタジアムに繋がっており、観客で溢れかえっていた。

 

「すごい熱気!」

 

「Kさん、ワープベルトで飛んできちゃいけないの?」

 

「普通のワープベルトだと室内の空間には転移することができないが、特殊なワープパネルを使うと地下にも繋がるようになっているんだ。事実ここはインドの山脈の中をくり抜いて作られたスタジアムだしな」

 

「へぇ~」

 

「おい、特別観戦席に移動するぞ」

 

 悪徳先生に言われて特別観戦席に移動すると、表の世界で見たことある人物がちらほら居た。

 

 例えば分厚いステーキを食べている客は独裁者として有名なムニ将軍だし、ワインバーで談笑しているのは大手自動車メーカーの各国の代表だったり、悪徳先生が挨拶に向かった先にはテレビ局の社長だったりと大物がゴロゴロしている。

 

 その人物の護衛として連れてきている人物もなかなかの強者がゴロゴロしている。

 

 テレビで見たことのある人ばっかりで3人娘はガチガチに緊張してしまう。

 

「基本この場では無礼講だ。最低限の礼儀をわきまえれば大丈夫。料理よそってくるから先生の近くに居なさい」

 

「「「は、はい」」っす!」

 

 俺は料理を貰いに行き、バイキング形式で悪徳先生の好きな料理を受け取り、運ぶと、やはり緊張している3人娘と困惑する悪徳先生。

 

「この子達大丈夫なのかね?」

 

「申し訳ありません。こういう場に来るのが初めてなもので」

 

「まぁ騷ぐわけじゃないから別に良いが……それよりも賭けだ。賭け! 今日の出場選手の情報を貰ってきたぞ」

 

 そう言われてリストを見てヒーロー対怪人デスマッチの組み合わせが多い事に気がついた。

 

「今回はデスマッチが多いですね」

 

「あぁ、ヒーローよりも強い怪人が当てられるから何分で死ぬか、制限時間を超えてヒーローが生きていればヒーローの勝ちというシンプルな戦いだ」

 

「ヒーローが勝つ場合がオッズが高い感じですかね」

 

「まぁあり得ないがそんな感じだ」

 

「あぁ……じゃあ今回は第3試合のヒーロー側に全賭で良いですよ」

 

「ヒーロー側の勝利にか?」

 

「俺が捕まえたヒーローです。戦闘員にやられたって事で評価が凄い低くなってるだけで普通にA級の実力があります」

 

「ふむ……392倍か……100万投入で良いだろう。K君も賭けるか?」

 

「じゃあその試合で多分ヒーローが勝って暴れると思うんで、俺が飛び込みしてデスマッチ参加してくるんで俺に賭けてください。1割ファイトマネーということで」

 

「流石K君分かっているじゃないか。今日はたっぷり稼がせてもらうぞ!」

 

「俺はそのヒーローに挨拶してきますわ。来賓客なら選手と会えるんですよね」

 

「あぁそうだ。私も行こう」

 

 勿論3人娘も連れて、選手控え室に移動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 怪人達が立派な個室が与えられている中、ヒーロー達は牢獄の様な場所に囚われていた。

 

 俺達は顔が割れると困るのでマスクをしている。

 

 ちなみに戦闘員のマスクは博士が偶に変なデサインのを作るので普段使いの奴以外にも色々あったりする。

 

 今日は髑髏のマスクも持ってきて今被ってきていた。

 

 3人娘は普段のマスクをしているが……。

 

「こちらになります」

 

 職員に案内されて、そのヒーローに出会う。

 

 ヒーローは食事をしている真っ最中だった。

 

「よぉターロウ久しぶりだな」

 

 ピタっと食事をしていた手を止めてこちらをヒーローターロウは睨めつける。

 

「……あの時の怪人だな」

 

「お、覚えていたか。A級ヒーローだったのに戦闘員の俺に負けたからB級の下扱いになったのはどうだ?」

 

「お陰でまともな飯すらも与えられねぇよ。今日は試合があるから久しぶりに腹いっぱい食わせてもらったがな」

 

「今日の試合に出てくる怪人を殺せば俺とリベンジマッチさせてやる。分かってるんだろ? どの道死ぬってのは」

 

「……」

 

「死ぬならリベンジしてから死にたいよな。その場を与えてやるよ。喜べヒーロー」

 

「ずっと気になっていたが……お前は本当に戦闘員なのか? そこらの怪人よりも強いじゃねぇか」

 

「俺は戦闘員だよ。戦闘員K。それ以外に名前はねぇな」

 

「……戦闘員Kか。分かった。試合後楽しみにしておく」

 

「一瞬で片付けろよ」

 

 俺はヒーローターロウにそう言うと付き合ってくれた悪徳先生に礼を言って観戦室に戻るのだった。

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