戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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目覚める人造ヒーロー達

 数日後、人造ヒーロー達の意識が覚醒したと博士から報告があった。

 

 バニーさんと俺はプレハブで作られた臨時の博士の研究所に入ると、ベッドの上に寝っ転がっている人造ヒーロー達であるが、頭にヘッドギアみたいなのが着けられていた。

 

 そしてそのうちの1人の男の子が体を起き上がらせてこちらを見ている。

 

「おお、来たか! 見たまえ、ちゃんと意識を覚醒させることに成功したぞ! 体調面でも異常なし。健康そのものだ! 彼女が組織のボスであるバニー総領だ。挨拶したまえ」

 

「始めましてバニー総領様、僕は被検体ナンバー001ですよろしくお願いします」

 

「うーん、001だと言いづらいから君の名前はモノワンね。ギリシャ語の1と英語の1を合わせたわ」

 

「戦闘員名じゃなくていいのか? バニーさん」

 

「怪人になるの確定しているから良いのよ。どうせ悪の組織組合にも登録できない様な子達だし」

 

「……モノワン……僕の名前はモノワン」

 

「博士これから彼はどうするのかしら?」

 

「まず知能検査や知識がどこまで刷り込まれているかの検査、身体能力テストを受けてもらってその後は特に考えてないねぇ」

 

「じゃあ終わったら教えて、他の子達が起きたらこの名前を与えてちょうだい」

 

 バニーさんはサラサラとメモをすると10人分の名前を書いたのを博士に渡した。

 

「わかった。Kはどうする? テストを見ていくかい?」

 

「バニーさん、コイツらのテストを俺も見たいんだが」

 

「ええ、良いわ。私は今日の分の書類を片付けているわね」

 

 そう言ってバニーさんは事務所に戻っていった。

 

 博士はゆっくりヘッドギアをモノワンから外す。

 

「そう言えば捕まえてきた時にはコイツら髪がもっと伸びていたよな」

 

「ああ、脳の調整装置(ヘッドギア)に絡まるといけないから男女共におかっぱ頭に整えておいたのさ」

 

「なるほど……しっかし髪色がカラフルっすね」

 

「親のヒーローや超人に変化している過程で髪色が変色しているっぽいねぇ……モノワン君行くぞ」

 

「はい博士」

 

 

 

 

 

 

 

 俺と博士はモニタールームに移動し、モノワンの様子を見守る。

 

「被検体001ことモノワン。髪色は明るい茶髪。知能指数は131。Kが盗んできたのは正式量産型っぽいね。常に落ち着いている。喋った感じの感触も良好だ」

 

「知能指数131ってずいぶんと高いですね。確かギフテッドって呼ばれる人達が130超えの知能指数じゃなかったっけか?」

 

「ちなみにKの知能指数が101ね。日本人の平均よりほんの少し高いが普通の範囲内だ」

 

「まぁだろうな。ちなみに博士は?」

 

「私かい? 私は159ある!」

 

「一気に胡散臭くなったぞ……」

 

「なんだと! 酷いじゃないか! ちゃんと頭が良いんだぞ!」

 

「はいはい、そういう子供っぽいところが博士の残念なところですよ」

 

「むきー! ……と、まぁ知能指数はこの際重要ではない。あくまでどれだけ学習能力や瞬間記憶、計算、空間把握などの俗に言う地頭に当たる部分だ。おそらく正式量産型ということは誤差10以内に抑えてくるだろう。125から135くらいの知能指数と思った方が良いかな。もしかしたら130が下限かもしれないがな」

 

「130って実際どうなんだ? もっと頭の良い様に調整も出来たんじゃないか?」

 

「おそらく彼らがギリギリギフテッドクラスに調整されているのはヒーローとしてはそれ以上に上げる必要性が無かったからだと思うな」

 

「と言うと」

 

「私みたいにアイテムを開発したりするのはもっと頭が良くないといけないが、彼らはあくまでヒーローとして前線で戦うことを想定しているから戦闘IQを高めている傾向がある。それに知能指数を高く上げるんだったらコンピューターの性能を上げたり、専用のロボットを作ったほうがコスパが良いからな」

 

「なるほど」

 

 するとぞろぞろとロボットに連れられて他の子達もテストを受け始めた。

 

「やはり125から135の範囲っぽいねぇ」

 

「でもヒーロー側が人の製造に手を出すとは思わなかったな。そこまで追い込まれていたのか?」

 

「倫理観が外れるほど被害は出ていないと思ったが、それだけ悪の組織を警戒しているということだろうか……あとは日本人の減少もあるかもしれないねぇ」

 

「ヒーロー側の事は分かりませんからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何! 完成間近だったヒーローが盗まれた!」

 

「はい、最終調整に入っていたヒーロー10名が何者かにより盗まれました。幸い他のエリアのヒーロー達は無事でしたが……」

 

「警備システムと内部工作員が居ないかの確認。製造場所の移転をしなければ……」

 

 ヒーロー側はKによってロールアウト目前に迫っていた人造ヒーローが盗まれて大慌てである。

 

 これでKが盗んだ人造ヒーローをオママのところに渡していたりでもすれば、ヒーロー側のスパイにより辿ることができたかもしれないが、Kは全て自社で抱えてしまった為に情報が漏れることが無く、辿ることが不可能であった。

 

 しかも最終調整中だったヒーローだけに完成を見越して他の個体には着けられていた自爆装置等も外されており、完全に裏目に出てしまったのである。

 

 結果ヒーロー協会の上層部は今回の事件を隠蔽し、製造過程のミスで10体の人造ヒーローを処分したというカバーストーリーを捏造。

 

 警備責任者が別の理由が付けられて降格人事が行われるだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

「流石人造ヒーロー……既に能力も使えるのか」

 

 空を飛んだり、火を生み出したり、風を操ったり……ヒーローは超人化の過程で人の姿を保ったまま能力を獲得する場合があるが、人造ヒーローは既にその域に達していた。

 

 更に嬉しいことに怪人としての適性も初期イエローに匹敵する40%前後という数値を叩き出し、高い可能性を秘めていた。

 

「これならば今の施設環境でも半年あれば怪人にすることができそうだねぇ……それに刷り込みが行われているおかげか戦闘のセンスも高い。あとは経験を積ませていけば……凄いことになるんじゃないかねぇ」

 

「イエローは生き残った戦闘員の教育、レグレスは育成の適性が怪しい……となれば超にコイツらの育成をやらせてみるか」

 

「彼女も彼女で身体が急成長したばっかりで能力が不安定だ。事故が起こる可能性が高いと私は思うが?」

 

「ウルフにも補佐させるよ。俺は外回りして稼がないといけない。テレキさんだと能力不足……となればA+からS級の能力がある超にやらせるが適任だ」

 

「博打に出るねぇ」

 

「出ないと難しいからな。新生ブラックカンパニーの再建を急ぐ必要があるからな。博士も頼むぜ」

 

「任された」

 

 

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