俺がオママの所に行き、新しい戦闘員を北海道の基地に連れてくると、怪人やベテラン戦闘員の連中は苦い顔をしていた。
「知ってるのがちらほら居る……であります」
「表の知り合いが戦闘員に改造されるのは普通に来るものがあるね……」
「まぁ全部カラーコミュニティが悪いってことで」
実際カラーコミュニティが悪いし……。
一応調べている限りではカラーコミュニティの残党は生きては居るらしいが、勢力はガタガタ、一部の組織は逃げ出してカラーコミュニティが完全に無くなるのも時間の問題になっていた。
「まぁカラーコミュニティはもう良いわ。私達が叩かないでも勝手に消滅するでしょうから……今は敵を作らないことと戦力増強よ!」
バニーが言うように戦力増強が急務であると同時に、俺がアメリカの宇宙軍から奪ってきた神のエキスとか言う痛い名前の薬であるが、薬の成分情報を匿名の闇オークションに出したところ、値段はどんどん吊り上がり、25億ドルの値段で落札されて現金が転がり込んできた。
ちなみに購入したのはスペースジャックである。
米軍から集中攻撃を受けてなお日本円で3750億円にもなる費用を抽出出来るのが凄まじい。
まぁお金は足がつかない様にロンダリングされて3500億円くらいに目減りするが、それでも大金である。
バニーさんが複数の闇銀行の口座に500億円ずつ入っているのを見て狂喜乱舞を一時しており、俺が後からやったことを報告すると、1日部屋に閉じ込められてイチャイチャした。
そのため資金が回復どころか本社崩壊前の数十倍になったため、資金に関しては問題が無くなり、給料の停止処置も解除になった。
まぁ給料が出ても周りが山なので闇市場に行くしか金の使い道は無いが……。
資金問題が解決し、博士から怪人化薬の改良は1ヶ月程度かかると言われ、博士はウヒョヒョと言う奇声を上げながら楽しそうに研究を進めている。
で、イエローに新人の戦闘員10名を任せるが、流石に1人で面倒を見るのは厳しいと言われたので、レグレスとベテラン戦闘員からS1と言う男が立候補してイエローの補佐をすることになった。
レグレスも前回の反省を活かしてイエローの補佐と言う立場を崩さないようにしながら、イエローの教育に沿って新人戦闘員の育成を進めていた。
「ようやく人員に関してもこれで39人まで回復か」
横に座っていたバニーさんが今後どうするか話を進める。
「とりあえずこの資金を使って樺太の土地を買って、樺太で拠点を作らないと」
「闇市場のロシア市場で土地の権利書が叩き売りされていたよな?」
「どちらかと言うとシベリアとかが多いけどね……」
「あとはロシア国籍も購入しないと……代表は俺にしようか?」
「そうね……怪人の私だと表の戸籍とかは面倒くさい事になるでしょうし」
「あとは人材派遣以外にも稼げないとなぁ。資金があるうちに何かしないか」
「そうねぇ……でも需要のあるのってなんだろね」
「漁業……とか? 裏側の技術を使えば漁業は何とかなるかも?」
うーんと2人で色々悩む。
まぁとりあえずロシア市場を調べてから色々動くことにするのだった。
バニーさん……いや、バニーと2人で闇市場のロシアエリアに足を踏み入れた。
日本エリアと違い、言語もロシア語に切り替わる。
美味しそうなロシア料理屋等もあるが、ロシア地域で一番取引されているのは資源関係、次に武器、そして土地である。
土地の権利書を扱っている店に行き相場を調べてみると樺太の土地は、北樺太なら数十万で山1つという値段で叩き売りされており、居住地がほぼ無い為価値が暴落していた。
一応炭鉱だけはそれなりの値段がするが、北樺太の更に北半分程度であれば100億ルーブル(200億円)あれば買える値段になっており、バニーは即刻購入を選択。
炭鉱が5箇所、開発すれば漁港にもなり、炭鉱だけじゃなくて天然ガスや鉄等の鉱石資源も沢山ある。
しかもオハと呼ばれる場所からは油田が存在するが、人口の減少と産出量の減少で石油採掘が停止しており、ゴーストタウンになっていた場所も買い取ることが出来た。
「ヨーロッパロシア以外のロシアはほぼ機能していないっぽいな」
「権利が投げ売りされていたからね……極東のウラジオストクは厳重に守っているっぽいけど」
「あとはロシア市場の人の安さだ」
俺とバニーはロシア市場の人身売買市場も見ていたが、日本だと戦闘員が1人約100万から500万で取引されるが、ロシア市場だと最安値で10万、高くても50万で決着していた。
なんなら牛とかの方が値段が高い。
まぁロシアで人を買って、追加料金はかかるがオママのところで処置してもらうのがたぶん安全面を考慮すると一番安くて安心だろうが……。
日本とは違う意味で崩壊しているロシアの裏側だった。
人は畑から採れる……昔のロシア軍に対して使われた言葉である。
今ではこれはクローン人間を兵士として活用している現ロシアにも当てはまる。
そんなクローン兵を裏市場に横流しして利益を得ているっぽく、それが人身売買市場の異様な安さに繋がっている。
勿論そんなクローン兵は図体ばかりデカくて知識はほぼ無いでかい赤ん坊状態であり、ロシア軍は製造が終わってから知識を刷り込むことをしていたが、その事を知らなかった俺達ブラックカンパニー側は試しに買った戦闘員用の者があまりに知識が無かった為に、これでは擬似人格を注入しても知識が無さすぎて活用できない事が判明した。
一応俺が人造ヒーローを作っている機械を丸ごと持ってきていたため、培養液の中で刷り込み教育することは出来るが、設備投資が必要である。
なので廃墟同然になっている北樺太のオハにて第二拠点の建造と博士の本格的な研究所の建設を開始するのであった。