戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ダーティカカオ収穫のバイト

 本州では梅雨入りが報告される中、ブラックカンパニーでは簡単な業務を中心に外回りの仕事が戻ってきていた。

 

 人造ヒーロー達も戦闘員のスーツとマスクを被って戦闘員として仕事に従事してもらっていた。

 

 やる仕事はよくお世話になっているデビルサーモンの養殖所の手伝いだったり、脱法米という遺伝子組み換えで通常の米より中毒性と栄養素が異常に高い通常栽培が禁止されている米の田植えの手伝い、南米のクランベリーが収穫時期なので収穫の手伝い等の危険性が少ない仕事から順に仕事を戻していた。

 

『いやはや、ブラックカンパニーさんと連絡が取れなくなった時は今年のカカオの収穫はどうしようかと思いましたよ』

 

「新人ばかりですが、使えるのでよろしくお願いします」

 

『こちらとしてはKさんが居るだけでもありがたい』

 

 今日は南米でダーティカカオの収穫作業に従事である。

 

 和訳するとくすんだカカオと言う意味になるが、このカカオは味が濃縮されており、このカカオを加工したカカオマスを普通のカカオに1:100の割合で混ぜると、出来上がるチョコレートやココアが人の味覚に対して美味しいと本能的に伝えてくるようになり、チョコレートの品質を数段階引き上げるのであるが、実る場所が普通のカカオだと3から4メートルに木の高さを調整するのだが、ダーティカカオは高さ15メートルという高さからしか実る事が無い。

 

 他のカカオよりも太陽光を沢山浴びることでくすんだカカオになると言われている。

 

 まぁそんな高さなので普通に収穫するのは命の危険を伴い、空を飛ぶことが出来る怪人や戦闘員が収穫スタッフとして雇われる事がある。

 

 ちなみに今日のメンバーはイエロー、レグレス、超と戦闘員10人と人造ヒーロー10人、それに俺である。

 

「イエロー、レグレス、サード、オクタ、ノナの5人は空を飛んで収穫して袋に詰める。他のメンバーは他の従業員のカカオ収穫の補助! 取りかかれー」

 

「「「おっす!」」」

 

 空を飛べるメンバーがダーティカカオをガンガン収穫していき、地上班が収穫されたダーティカカオをトラックまで運んでいく。

 

 他には普通のカカオ収穫も行われているので、従業員が木から落としたカカオをキャッチして袋に入れる作業をしていく。

 

『今回は空を飛べる人数が増えて助かるよ!』

 

「前に俺が木に登って収穫するのは流石に効率が悪かったので、新しく入ったメンバーで使えるのを見繕いましたからね」

 

『この調子なら1日でダーティカカオの収穫はできそうだね! じゃあKや力に自慢のあるメンバーにはカカオを割って種を掻き出す作業をしてもらおうか』

 

「わかりました」

 

 俺はマスクの通信をオンにして地上に居る人造ヒーロー達を呼び寄せた。

 

「Kさんおまたせしました!」

 

『だいぶ背の小さいのが集まったが、この戦闘員達が力自慢なのか?』

 

「ええ、普通の人間の数十倍は怪力ですよ……ワン、このカカオを引き裂いてみろ」

 

「はい!」

 

 カカオを横に掴むとパカリと半分に引き裂いた。

 

『こりゃ驚いた! 確かに怪力だ』

 

「収穫したダーティカカオは普通のカカオよりも硬いからお前らの力で割って中のカカオ豆を取り出せ」

 

「「「はーい!」」」

 

「じゃあ俺もその作業に入ります」

 

『あぁ、よろしく頼むよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Kさん! レグレスさん凄いね! 滅茶苦茶高速で収穫してるよ」

 

 モノワンことワンがレグレスを指差す。

 

 するとレグレスは両手の指を分離させて低出力のビームでカカオポットと呼ばれるカカオの木の実と木の接続部分に当て、焼き切る感じでダーティカカオを収穫していた。

 

 しかも最近また成長したらしく、丸い無線式ビットと呼ばれる物が両肩に計6基追加され、それを自由自在に操ることで落とされたダーティカカオを袋に入れていた。

 

 レグレスの周りだけSFの世界である。

 

 ちなみにイエローも近距離(2メートル以内)なら電撃に指向性を持たせることに成功し、指から電撃を発射して、カカオポットと木の接合部分を外し、袋に入れていた。

 

 収穫量であるが、サードとオクタが飛べるだけなので1個収穫している間に、風を操れるノナが風の刃でダーティカカオを収穫し、落としても風で空中に留めることが出来るので5個分先に収穫することが出来ていた。

 

 イエローも5個、レグレスは20個同じ時間で収穫が出来ている。

 

「能力を使っていかに仕事を効率化するかがコツだ。例えばワンだって体から光線が出せるんだから目から光線出してカカオに切り込みを入れればより早く割る事が出来るだろう」

 

「あ、確かにそうですね!」

 

「これも能力のトレーニングだと思って作業しろ。仕事が出来るくらいには能力が育っていると俺は思っているからな」

 

「ケケ、それだと俺は能力使えなくないですか?」

 

「そういう時はなシックス、道具を使うんだ」

 

 俺はナタを掴むとカツンとダーティカカオを縦に割った。

 

「能力で足りないところは道具を頼る。博士に言えば喜んでサポートアイテムを作ってくれるから仕事に適した道具を持ち込め……ほら」

 

 俺はナタをシックスに渡す。

 

 他にも能力が今回の作業に適してないと思った奴にはナタを渡していく。

 

「仕事はいかに事前に準備して楽出来るかだ。お前達覚えておけよ」

 

「「「はーい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

『いやぁ! ありがとうございました! ダーティカカオの収穫は終わりましたよ!』

 

「あぁ、こちらこそありがとうございます。また仕事があれば来ますので」

 

『ええ、是非おねがいします!』

 

 ちなみにこの仕事は日給8000円と普通のバイト程度しか金は稼げないが、地域柄を考慮すれば十分支払ってもらっている。

 

 危険性も少ないし、新人戦闘員の研修で扱う仕事なのでこんな感じだ。

 

「お前ら撤収! 帰るぞ」

 

「「「はーい!」」」

 

 そのままワープベルトを起動して北海道の基地に帰るのだった。

 

 

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