戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ホワイトの誕生

 コポコポコポとカプセルから液体が抜けていく。

 

 カプセルに満たされていた濃縮した超人化薬と成長促進剤が抜けていき、銀色の長い髪をした少女がゆっくりとカプセルの底に丸まって寝っ転がる。

 

 プシューっと少女の口元に付けられたマスクからガスが漏れると、少女はケホケホとむせる。

 

 徐々に少女は目を開いていき、マスクに手を当てて、マスクを外す。

 

 銀髪の裸の少女はカプセルの中で立ち上がり、手をカプセルの壁に手を触れると、カプセルが外開きのドアを開くように、開いていった。

 

 カプセルから出た少女はロボット達から声をかけられる。

 

『おはようございます』

 

 少女は知識を確認しながらこの場面で適切な言葉を口に出す。

 

「おはよう……ございます?」

 

『ええ、おはようございます少女アンノーン』

 

「アンノーン……それが私の名前?」

 

『いえ、まだ名前が与えられていないのでアンノーンと仮称させてもらっています』

 

『こちらを着てください』

 

 そう言って渡されたのは病衣であり、手に取ると、手の動きを確認しながら病衣を着てみる。

 

『こちらにどうぞ』

 

 ロボットの指示に従ってカプセルの並ぶ部屋から出ていく。

 

 よくよく部屋を見てみると、カプセルが20基並んでおり、その中に5歳くらいで似たような顔の少年少女が5人ほどぷかぷかと浮かんでいた。

 

「あの子達は?」

 

『腹違い……いや卵子の違う貴女の兄弟姉妹になります』

 

「兄弟……姉妹……」

 

『部屋を移動しますよ』

 

 部屋を移動しながら少女は自分の手に力を込める。

 

 すると氷の結晶が現れ、手の中で溶けてしまった。

 

『どうかしましたか?』

 

「いや、なんでもない」

 

 少女は部屋を移動するのだった。

 

 

 

 

 

 

 天井は明るい光源パネル、壁や床は抗菌の綺麗な銀色のタイルで覆われており、床暖が効いているのかほのかに暖かい。

 

 通路を歩いていくとロボット達が薬品や書類を持って行き来をしていた。

 

『ではこちらの部屋に入ってください』

 

 目の前を歩いていた? 動いていたロボットが扉を開けて中に案内されると、部屋の中にはテーブルと椅子、それに鉛筆と消しゴムが置かれており、椅子に座るように促されて、私は椅子に座る。

 

 すると別のロボットがリモコンを押すと壁からモニターが出てきて、画面に男の人が映った。

 

『……なんて話せばいいんだ?』

 

 開口一番男の人はそんな事を言われた。

 

 目の前に映る男性は私の父親を名乗り、Kという明らかに偽名の様な名前を言われた。

 

『うーん、本名はもう捨てたから本当に俺の名前はKなんだが……好きに呼んでくれ』

 

「じゃあ……お父様?」

 

『……まぁ良いか。名前はホワイト。それがお前の名前だ』

 

「ホワイト……私の名前……」

 

『まぁ少しお話しようか……画面越しで申し訳ないな。色々検査があるから我慢してくれ』

 

 そう言うとロボットが現れて、腕にバンドを巻くと注射器で採血をしていった。

 

「お父様……私は何のために生まれたのですか?」

 

『何のためか……俺が働いているブラックカンパニーで社員として働いて欲しいが』

 

「それが私が生まれた目的?」

 

『そこまで難しく考えなくて良いぞ。まぁなんだ……似たような境遇の怪人達が居るから仲良くやってくれや』

 

「私の知識だとブラックカンパニーって悪の組織で、私も怪人って奴になれるように頑張れば良いの?」

 

『あー、まー……頑張らなくてもお前さんは怪人になれる才能があるが、先輩の怪人に色々習って生活に慣れてくれ』

 

「ふーん……ねぇ私のお母様はもしかしてヒーロー?」

 

『ああ、ヒーローだったぞ。俺が捕まえた』

 

「お母様はどんな人なの?」

 

『俺も知らない。俺とお前の母さんとの関係はそんなもんだ』

 

「よくわからない」

 

『俺もよくわからない関係だな……まぁあんまり気にしない方が良いぞ』

 

「はい……」

 

『他に何か聞きたい事はあるか?』

 

「えっと……お父様は私を愛せますか?」

 

『家族愛みたいなのはあるぞ。ただ俺とホワイトの関係は血が繋がっている以上の関係は無い。冷淡だと思うか?』

 

「うん、冷淡……でも私の知識にある人間の生まれ方と私の生まれ方、育ち方が違うから……なんとも」

 

『まぁ今度会ったら飯でも作ってやるよ。これから色々なテストがあると思うから頑張れよ』

 

 すると画面は暗くなってしまった。

 

 その後ロボットがまた現れて色々書かれた紙が配られ、性格テストやら適応テストやら、算数や国語、英語の3教科の高校生レベルのテストをやらされた。

 

「はぁ……終わった……」

 

『お疲れ様です。軽食を食べた後に能力のテストになります』

 

 軽食として出てきたのはおにぎりであり、海苔付きの梅干しおにぎりであった。

 

 塩気が効いていて美味しく感じる……暗くなったモニターに私の顔が映っているが、色白で目尻が上がっており、瞳孔は小さめで、自分で思うのもなんだがクールっぽい印象に思う。

 

 おにぎりを2つ食べ終わり、ロボットに連れられて部屋を出ると、地下に続く階段を降り、扉を開けると動く床のある通路に出た。

 

 始めて他の人と出会うが、ピッチリしたスーツ……知識を掘り起こすとブラックカンパニーの戦闘服を着た男女達が動く床に乗って移動をしていた。

 

 あ、他の人も居るんだ……人間初めて見たと思いながら通路を歩いていくと、トレーニングルームと書かれた場所に到着し、中に入ると戦闘服を着た人達や異形の姿をした怪人達がトレーニングをしていた。

 

 その人達と目が合うが、私が病衣を着ている為か貴重なモノを見る目で見られた。

 

『では筋力テストを開始します』

 

 そう言われてマシンの使い方を習いながら、重りを付けてマシンを動かしていく。

 

 重量挙げで250キロを挙げると周りから拍手が起こり、足に重りを付けた状態で懸垂を100回連続で行ったり、パンチングマシンを殴ると2430キロと出たりした。

 

 ロボットが色々記録を取っていき、隣の戦闘訓練室にて模擬戦闘をしろと言われたので出てくる人型の仮想戦闘員をどんどん倒していき、50人倒したところで終了となった。

 

 シャワーを浴びて、ロボットから先ほど通路やトレーニングルームで出会った戦闘員と同じ戦闘服に着替えると、事務所と書かれた場所に移動するのであった。

 




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