戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

96 / 140
社内闘争の火種→鎮火

 3人娘とオクタとホワイトが女子らしくキャピキャピ話している中、俺の元に博士から連絡があった。

 

 俺は食事を終えると博士の研究所に移動し、話の内容を聞く。

 

「博士、ホワイトの事か?」

 

「それもあるが画面を見てくれ」

 

 そこに映し出されたのは逆三角の貝殻から人の体が生えた男……容姿からしてテレキに見えた。

 

「私が前から作っていた怪人の覚醒を促す薬……怪人覚醒薬の投与をテレキに今日行った。結果、C級相当の怪人であった彼の能力は大幅に向上し、A級相当まで引き上げることに成功したのだよ」

 

「2段階も上げることができたのか……新型の怪人化薬と併用は出来るのか?」

 

「理論上出来るはずだが、旧式の怪人化薬や市販の怪人化薬で怪人になった人物を優先したい。濃度を上げなければならないからねぇ……それに組織としてはS級戦力が多いに越した事は無いが、既存の使えない戦力を使える戦力にした方が効率的とは思わないかね」

 

「そりゃそうだ。となると吸収したり下部組織になった組織の怪人を覚醒させていく感じになるか?」

 

「あぁ、とりあえず今ブラックカンパニーの下部組織や吸収したC級、B級の怪人15名にこの薬を投薬しようと思っている。バニーからの許可は得ているが、一応Kが連れてきた人員達だから報告しないといけないと思ってな」

 

「あぁ、助かるよ」

 

 俺はテレキの向上した能力の事が書かれたレポートを見ていき、そのまま近くの椅子に座る。

 

 博士も俺の横に座り、給仕ロボットがココアを出してきた。

 

 博士は甘党だからな。

 

 コーヒーよりもココアの方が好きだし、コーヒーを飲む時も砂糖とミルクをドバドバ淹れる。

 

「博士から見て樺太南部のロシア基地を制圧出来ると思うか?」

 

「余裕で出来るだろう。制圧だけならねぇ……維持となると話は別になるけど」

 

「だよなぁ」

 

 人員が足りないと何度も言っているが、人造ヒーロー達がA級上位からS級としての能力を持つ怪人になってくれたお陰で軍事基地を陥落させるだけの戦力は整いつつある。

 

 今回の怪人覚醒薬が戦力に換算されてなかった怪人達に投与されて戦力として使えるのであれば間違いなく勝てる。

 

 切り札である電磁パルス爆弾もあり、これを冬季に作戦を行った場合、エアコン等も機能しなくなり、寒さという恐ろしい敵が襲いかかってくることになる。

 

 そうなれば容易に制圧することは可能だろう。

 

 ただ軍事基地の機能を維持したりすることになると相応の人員が必要になるし、ロシア軍人達を捕まえて戦闘員に加工するのもオママの施設でも1日50人が限界である。

 

 一応捕獲カプセルの中にいればコールドスリープ状態になり、生命維持は出来るが、南樺太には10万の人口が居る為に基地を制圧後に各街を統治するとなると相応の人数が必要になる。

 

「オママの技術の人格排出設備の拡張はできないのか? 1日500人くらいできれば10万人の人口といえども1年に満たない期間で全員を戦闘員に改造することが出来るが」

 

「まぁやれるだけやってみるよ。でもそれをやると漁船型ハウニブの量産が遅れるが」

 

「漁業は人員がそろってからやっても十分良いだろうし、南樺太の10万……まぁ若者として使える人材はもっと少ないだろうが、それだけの人員が確保できれば日本への侵攻も弾みがつく」

 

「日本侵攻はいるのかねぇ」

 

「正直今の日本は制圧したところで旨味がねぇんだよなぁ……持ち前の技術力も国際影響力も円も暴落、衰退……だったらマーレのネオジャパンと仲良くして樺太に新政府を建てた方が有意義だろうが」

 

「日本内戦……本当になんで起こってしまったのやら」

 

「まぁ日本政府……いやヒーロー側の驕りだろうな。もっともこの内戦で日本政府が勝ち抜く様ならとんでもない人造国家に進化する可能性もあるが」

 

「人造ヒーローの技術を人口維持に投入したら凄い事になるだろうねぇ……ただ採掘拠点であった海底都市をマーレに奪われたから別の場所に作ることになるだろうが……」

 

「ネオジャパンことマーレから海底都市建造の技術を交換することは出来ないか」

 

「難しいだろうねぇ……ネオジャパンが求める技術を供与しないといけないけど」

 

「そんな技術は……神のエキスくらいか」

 

「神のエキスだったら食いつくかもしれないが、海底都市を作るのには流石にブラックカンパニーだと人材が足りないだろうねぇ」

 

「「はぁ……」」

 

 将来の見通しがつかない事に色々考え込む俺と博士だった。

 

 

 

 

 

 

 

 怪人覚醒薬で怪人達を覚醒させていくのは劇的であった。

 

 今まで社内でも戦力としてはブラックカンパニーの一強という感じであったが、自分達が力を持つと独自に動きたくなるのが性であり、自分達の出身の企業や組織の立場を向上させようと社内政争をやり始めようとしたので、俺が全員戦闘訓練室でぶん殴って正気……というより覚醒による全能感で舞い上がっていた奴らに誰がトップかを分からせた。

 

 何なら俺が新人のホワイトを自身の娘だと紹介させ、ホワイトにも戦わせ、オクタに勝てるホワイトに元C級やB級からA級レベルに覚醒した怪人達では勝てるはずも無く、俺とホワイトにボコボコにされてブラックカンパニーが上でそれ以外は全員下というのを明確にした。

 

 馬鹿馬鹿しい政争の火種を鎮火させ、逆にブラックカンパニーでベテラン戦闘員をしていた5人の戦闘員達(T1等)を順次怪人化させていくのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。