戦闘員K!強すぎる!   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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博士の息子1号君

 プシューっとカプセルの1つが開く。

 

 中から12歳くらいの素っ裸の男の子が出てくる。

 

「全く、カプセル内に外の情報が入ってくるように基地内各地にマイクを仕込み、これをカプセル内で延々と聞かせるとは……なかなかに狂ってるねぇ母上は」

 

 そう言った男の子はロボットから白衣を貰うと、そのまま羽織り、研究所の中を歩く。

 

「母上、1号です。入りますよ」

 

『ああ、今開ける』

 

 プシューっとドアが開き、中で母親の博士が薬品を作っていた。

 

「全く、実の息子が生まれたのに薬品の方が大切ですか?」

 

「いや~、私の知識がコピーされて、更に初期型として他の兄弟姉妹より早く調整が終わったからねぇ……こうやって早く外の世界に出してあげたのに不満かい? 我が息子よ」

 

「まぁそれだけ猫の手でも借りたい状況ということなのだろう母上」

 

「まぁそうだねぇ」

 

 僕こと1号(仮名)はいきなりカプセルから出されて母親の手伝いをしてくれと借り出されることになった。

 

 全く、生まれたばかりの息子にする仕打ちじゃないと思うが。

 

「で、基地内にマイクを仕込んで、僕に基地内の情報を流し込んで何をさせたいのさ」

 

「いや、なるべく早く会社に順応してもらいたかったからねぇ。しかもKの遺伝子のお陰で脳のキャパも上がっているから、多少無理させても大丈夫と判断したから利になると思ってやった」

 

「無理やりすぎでしょ」

 

 さて状況を整理しよう。

 

 まず僕こと1号は母上とKこと父上の卵子と精子を組み合わせた試験管ベイビーである。

 

 それを博士が成長促進剤とか超人化薬を注入し、調整し、怪人としての適性をそのまま頭脳の発展に繋げるように調整していた為に、頭の中に量子コンピューターが入っているくらい頭が良くなっている……と自認している。

 

 で、僕含めて兄弟姉妹が5人おり、博士がなるべく調整を早くして生み出されたのがプロトタイプの僕ということになる。

 

 なんと製造日数は60日……早いねぇ。

 

 60日で赤ん坊すっ飛ばして12歳前後の肉体になっていた。

 

 博士の知識が入っているのと頭に僕にやってほしい事が刷り込まれている。

 

 僕に任されているのがブラックカンパニーの兵器生産である。

 

 博士は自身の苦手分野をそのまま息子に丸投げしたということになる。

 

「ロボットから資料は受け取ってくれ。研究所は自由に使って良いから」

 

「はいはい、全く赤ん坊に仕事を任せるとか鬼畜な母親だ」

 

 カプセルの中でも考えてはいたが、ロボットからレグレスとテレキの資料を貰い、僕が考えている新しい兵器についての考えを纏めていく。

 

 まずレグレスの無線ビットという兵装がある。

 

 これは両肩付近から6基の無線で動く誘導式ビーム兵装であるが、これをレグレスは意のままに操ることが出来る。

 

 テレキもサイキック能力により自由に物質を操作することが出来る。

 

 これを兵器として運用することができれば、ロボット達に搭載しているAIよりも柔軟かつ戦闘用に適した無人機を製造することが出来る。

 

 勿論この兵器を操作するには多少のサイキック能力が必要になるが……。

 

「怪人化の実験では、怪人化は本人の資質に大きく左右され、外部からの影響をある程度は受けることになる。となるとサイキックエネルギーを体内に蓄積出来るようになれば高確率で僕が求める水準のサイキック能力を持った怪人に変化してくれるハズ……」

 

 僕は早速サイキックエネルギーを生成する装置を製作し、それを体に影響を与えるベルトを作るのであった。

 

 

 

 

 

 

『勝者ブラックカンパニー! ジオツー!』

 

 ここはインドの怪人マッチ会場……そこで観戦をしている企業の重役達が話し合っていた。

 

「ブラックカンパニーさんは次々に有望株を怪人マッチに送り込んできますなぁ」

 

「ええ、本当……昨年に1回壊滅的被害を受けたのに不死鳥の如く蘇ってきたわね」

 

「新しく首脳陣になった者達が有能なのか……それともこれが本来のブラックカンパニーの力なのか」

 

「日系企業はどこも日本内戦に注力しているのにブラックカンパニーは距離を置いていたわよね」

 

「あぁその様だ」

 

 海外の企業の間でブラックカンパニーが日本資本のある海外の工場が投げ売りされた際に車や家電製品といった工業製品の製造ラインを買収した話は有名だ。

 

 悪の組織の間でも日本円がこんなに早く暴落すると思っていた企業は少なく、日本内戦でネオジャパンと共に日系企業で数少ない勝ち組と見る人も多かった。

 

「悪の組織を無差別に吸収、膨張した組織は今の日本内戦で泥沼にハマった中、しっかり制御下に置けると判断した企業だけを買収、吸収し、成長したのはなかなか中小企業に出来ることではありませんなぁ」

 

「まぁ我々としては日本が疲弊した際に勝ち組に融資して日本の内部に深く侵食できればいいだけですが」

 

「また新しく勢力ができたんじゃなかったかしら? 東北同盟と中部革命軍でしたっけ?」

 

「小さな勢力が纏まっただけですがね……三つ巴が五つの勢力に変わった……ただそれだけ」

 

「人的資源が枯渇気味の日本の鬼手である人の製造……ネオジャパンが手に入れた人造ヒーロー製造ラインは相当優秀らしいな」

 

「ええ、お陰でネオジャパンが最終的な勝者になると予想が見られますわね」

 

『勝者ブラックカンパニー! モノワン!』

 

「あら、また勝ちましたわ、ブラックカンパニーの選手が」

 

「これでS級怪人がまた2人誕生ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁ! 僕らS級!」

 

「ホッホッホ……やりましたねワン。これでファイトマネーもガッポリですよ」

 

「ジオツー……口調作ってる?」

 

「いやいや、S級怪人になったことですし、威厳ある振る舞いをしないといけないと思いましてね」

 

「似合わねー……でもこのファイトマネーでお嫁さんを身請け出来るし……メイドなんかも侍らせる事が出来そう!」

 

「ホッホッホ、僕らの優秀な遺伝子を引き継いだ子供を沢山作りたいですね……そう言えばKさんの子供がロールアウトしたとオクタから報告がありましたよ。名前はホワイトだそうで」

 

「へぇ……強いの?」

 

「どうやらオクタは全力で挑んで負けたらしいですよ」

 

「そりゃ今度会うのが楽しみだ!」

 

「さて、出向期間は4ヶ月……その間に稼げるだけ稼いでしまいましょう」

 

「そうだなジオツー!」

 

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