その後、アリアハンでちいさなメダルを探したり、南の洞窟を探索したりと歩き回り、その道中に現れる魔物を倒してレベルも上げながら、日も暮れて真っ暗になった頃に、レーベへと辿り着いた。
村人に話を聞けば、『魔法の玉』を持っている老人の家が隣にあるが、鍵がかかってので入れないと言われてしまった。
そして、その扉を開けられる『盗賊の鍵』を持つ人物がナジミの塔に居るらしい
しかし、レーベに着く頃にはもう夜になっていた為、宿屋で一泊する事にした。
「ナジミの塔周辺には魔物が沢山居るらしいね、気を付けないと…」
アイリーンはベットに腰掛けどうのつるぎを手入れしながら、明日の事を考える
「ナジミの塔に通じる秘密の通路がどこかにあるそうですし…」
アリアハンの井戸の中に居たちいさなメダルをあつめているおじさんから貰ったトゲのムチを手入れしながら、リリスも明日の事を考える。
「…レーベより奥の森の中に、建物が見えた…多分、あそこ」
大きな森の宝箱にあったせいなるナイフの手入れをしながら、ルビーは自分の見た建物を伝える。
「そんな所に建物が…明日そこに行ってみましょう」
目標が決まり、どうのつるぎの手入れを終えたアイリーンは、立ち上がって背伸びをする
「……目標が決まったなら一つ、言いたい事がある」
そんな中、ルインが手を挙げる
「なんでしょう?」
「…どうかしたの?」
「何か問題がありますか?」
リリス、ルビー、アイリーンに問われたルインは一言言う
「何故自分も同室なのかって事に疑問や嫌悪感とかないのか?君達」
そう、宿屋で泊まるまではよかったのだ。
問題は四人部屋に案内された事
女性が3人居るとは言え、ルインは男である。
何かの間違いを起こす気もないが、本人達の気持ちの問題もある。
しかし、三人の返答は
「ルインくんは結構真面目でしょ?一緒に寝ても大丈夫だと思うの」
「…ルインは…大丈夫って…分かるから」
「問題ないよ?」
三人とも平気という返答だった。
「…君達がそう言うなら良いんだが…」
本人達が良いならと納得して、ルインは早々にベッドに入る。
〜〜〜〜〜〜〜
そして、翌朝
「ふぁぁ…よく寝ましたわ」
「…ん、おはよう」
「んー…よく寝た…あれ?ルインさんは…?」
アイリーン、リリス、ルビーの三人が起きると、ベッドにルインの姿が無かった。
宿を出た3人は、村人に話を聞きながら、ルインを探し始めた。
「明け方にレーベから出て行く人影を見た、と聞きましたわ」
「…多分、ルインだと思う」
「レーベの外に行ってみよう…!」
アイリーン達は、レーベの外に出て、昨日ルビーの言っていた建物に向けて歩いて行く事にした。
もしかしたら、早めに起きて行ってしまっているかもしれないからだ。
そのまま森を進むと、ルインはすぐに見つかった
しかし、ルインはいっかくうさぎに囲まれていた。
「助けないと…!」
急いで走るアイリーン達は、とんでもない光景を見る。
「ヒャダルコ」
一言、そう呟けば
いっかくうさぎの頭上に、氷の塊が現れ、氷の刃を飛ばし始める。
いっかくうさぎ達に躱せる訳もなく、そのまま真っ二つに斬られて消えると、ゴールドと宝箱…そして木々に突き刺さった氷の刃が残った。
「…ルインさんってもしかして…私達よりも強い…?」
「あの魔法が使えるという事はそうでしょうね…」
「…隠してた?」
そして、ルインは溜息を吐いて振り返る
「あー…実はアリアハンに来るまでに鍛えてたんだ。死にかけたりもしたが」
そう言って、ルインは隠しててすまないと頭を下げて謝罪する。
「問題ありませんわ、誰しも隠し事はありますから」
「…そう、話せない事は…みんなある」
リリスとルビーはそう言って、ルインの謝罪を受け入れた。
「強さを隠してた事は何も問わないけど…早朝から何をしてたの?」
「ああ…これだよ」
そう言って、ルインは腰に下げた袋から種を取り出す。
「…これは?」
「ああ、食べると力が上がったりする種ですわね」
「…でもこれはすばやさの種」
アイリーンは種が何なのか分からないが、リリスとルビーは分かったらしい
「いっかくうさぎが稀に宝箱の中身として落とすんだ。これを集めてたんだよ」
「…でも、なんでわざわざ?」
アイリーンが首を傾げると、ルインはアイリーンを見つめて答えた。
「戦闘中、アイリーンが満足に動けてない様だったから、補う為に集めてたんだよ」
「な、なるほど…」
ルインに言われるままに、アイリーンは手のひらに山の様なすばやさの種を受け取る。
「……これ、食べなきゃなんだっけ…」
「食べなきゃだぞ」
見るからに苦そう…と呟くアイリーンは、意を決してすばやさの種を頬張った。
(に、苦い!不味い!美味しくない〜!)
目尻に涙を溜めながら、何とか食べたアイリーンに、リリスが水袋を渡す。
「あ、ありがと…」
ゴクゴクと、勢いよく飲み干して、アイリーンは一息吐いた。
「ん?…あれ?身体が軽い!」
アイリーンはすぐに体の変化に気が付いた
足が思う様に動くのだ
「すごい!種ってすごいんだね!」
しかし、種の効果が高かったのか
「……私より…速くない?」
ビュンビュンと動き回るアイリーンに、足の速さというアイデンティティを奪われた気がするルビーは、少しショックを受け
「…大丈夫ですわ、鍛えていけば…貴女もこの速さになりますわよ…」
そんなルビーを、リリスは頭を撫でて優しく慰めた。
因みにゲームだとアイリーンには素早さの種を5個使ったら全部+3を引くという強運になったので、素早さが45になり、パーティ内最速になりました…
素早さ35もあったルビーは泣いて良い
魔法使いのレベルが高いのは、ほぼしあわせのくつのお陰です。