黒一点な男魔法使いの話   作:モフモフ毛玉

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いざないの洞窟を抜けて

 

翌朝、アイリーン達はいざないの洞窟に向けて歩き出した

 

道中の魔物達は手強く、特に魔法使いのメラは脅威だった。

 

「でも、着実に強くなっているね」

 

「…杖で撲殺できる様になったしな」

 

「ブーメランで一撃というのも増えたね」

 

「私が取りこぼしを拾う形ですわね」

 

それぞれが自分の成長を実感しながら、小さな祠に辿り着いた

 

入ってみれば一人の老人が椅子に座っており

 

「お若いの、まほうのたまはお持ちかな?」

 

「はい、待ってます!」

 

「ならば、いざないの洞窟にお行きなされ、泉のそばのはずじゃ」

 

「分かりました」

 

そう聞きながらも

 

「…あ、小さなメダルあった」

 

ルビーは小さなメダルを集めていた

 

そして、小さな祠を出れば、すぐそこに木々に覆われた泉があった。

 

「きっとあそこね」

 

そのまま森に入ればすぐそこには小さいながらも泉があり、奥には石造りの遺跡の様なものと地下へと続く階段があった。

 

「…ここを降ればいいのかな」

 

「まぁ魔物は居るだろうから気を付けて行った方がいいな」

 

「…幾ら強くなったとしても、油断は出来ない」

 

「そうね、気を付けて進みましょ」

 

そうして、四人は地下へと続く階段を降りた。

 

地下は崩れた遺跡の様だった。

しかし、とても長い降り階段が先へと続いていた

 

「滑ったりしたらただじゃ済まないよね、これ…」

 

「慎重に降りるか」

 

そのまま四人は慎重に階段を降り、長い時間をかけて階段を降り切った。

 

降りた先では老人が石畳の上に一人立っていた。

 

「ここはいざないの洞窟じゃ…じゃが階段は石壁で封じられておる」

 

老人はアイリーン達にそう告げた。

 

「…そのためのまほうのたま?」

 

「まぁそれ以外ないな…」

 

「だね…」

 

「ですわね」

 

そのまま石壁に寄ってみると、まほうのたまをしかけれそうな壁の窪みを見つける

 

アイリーンはそこにまほうのたまをしかけると紐から火花が飛ぶ

 

「わっ…わっ…!?」

 

「急いで隠れるぞ!」

 

「あの岩影なら大丈夫だと思う」

 

「急ぎますわよ!」

 

そして、4人は急いで岩の影に隠れた

 

隠れるとほぼ同時に、まほうのたまは一瞬光ると大爆発を起こし、石壁を粉砕した。

 

すると、老人がアイリーン達へと歩み寄り

 

「今正に封印は解かれた。お主にこれを授けよう」

 

そう言って老人は大きな一枚の地図を授けた。

 

そう言うと、老人は砕けた石壁の先を見つめた後、アイリーン達へ言い放った

 

「この洞窟を超えた先には果てなき世界が待っておる。気を付けて行くのじゃぞ!」

 

「…はい!」

 

「…ここからが本番、だね」

 

「そうですわね、気を引き締めて行きましょう」

 

「…不安だ」

 

アイリーン達(と不安げな一名)は気を引き締めると、崩れた先へと歩みを進めた。

 

先へ進めば、老人の言う通り、地下へと続く階段があった。

慎重に降りた先には、崩れて何年も放棄されている遺跡だった。

 

「広い…」

 

しかも、所々が崩れて穴が空いており、覗いてみれば穴の下にも空間が広がっていた。

 

そのまま慎重に進めば、宝箱が一つあった。

 

開いてみると、中にはうさぎのしっぽが入っていた。

 

「…えっ?なんでこんな所にうさぎのしっぽが…??」

 

困惑するアイリーンとは裏腹に

 

「確か性格が変わるアイテムだったはずだな」

 

「可愛いしっぽですわねぇ」

 

「もふもふだ」

 

残る3人は三者三様のリアクションだった

 

「む、まだ先に道があるな」

 

ルインのその言葉に、アイリーン達は宝箱の奥へと続く道に行ってみる事にした

 

道なりに行けば、また宝箱があり、中にはめざましリングが入っていた。

 

「もしかして、ここは宝箱が沢山ある…?」

 

「…そうかも知れない」

 

「せっかくですし、探索しながら宝箱を探ません事?」

 

「まぁ、魔物は襲って来るが」

 

アルミラージからのしっぷうづきを受けてグフッと声を漏らした後に撲殺しながら、ルインは答えた。

 

そしてアイリーン達は宝箱を探しながらあちこちへ向かった

 

途中、大きく裂けた穴の前に立つ男が居たので話しかけると

 

「オォォォ。おっかねぇ場所だな…踏み外したら下の階まで落っこったまうぜ」

 

「やっぱり下の階があるんだ」

 

しかし、いざないの洞窟にはイモムシの魔物…キャタピラーが居た為

 

「いやぁぁぉぁ!!」

 

アイリーンは叫び声を上げてルインにしがみつく

 

「メラ!メラミでもいいです!早く燃やして下さい!!」

 

「どっちでもそこまで変わらないんだが…?」

 

勇者の要望通りにメラミで燃やしながらルインは溜息を吐く

 

そんな事もありながら、探索を続け

 

「あら、少し強くなりましたわ」

 

「私も…」

 

途中、リリスとルビーのレベルが上がり、新しい特技を覚えた

そしてくまなく探索を続けていると、下へと続く階段を見つける

 

「行ってみよう」

 

アイリーンがそう言って、階段を降りて行く

三人も後から続いた

 

降りた先には三つの扉があった

 

「一つ一つ開けていこうかな…」

 

「罠には気を付けてね」

 

アイリーンは試しに左端の扉へ向かい、とうぞくのカギで扉を開ける。

先に進むと宝箱があり、中にはカメのこうらが入っていた

 

「なんでこんな所にカメのこうらが…?」

 

疑問に思うも、そのままふくろへと仕舞う

 

そのまま来た道を戻り、真ん中の扉を開けば

先にあるのは二つのツボだった。

 

「…中に何か入ってる…ゴールドとかしこさのたねみたい」

 

「じゃあ残るは右端だね」

 

そして最後になる右端の扉を開けると長く続く廊下と下へと降りる階段があった。

 

そのまま道なりに行くと青く輝く何かが見える

 

「…あれは転移の魔法陣だな、恐らくアレに乗って行くんだろう」

 

「へぇ…じゃあアレに乗れば先に進めるんだ

 

ルインのその呟きに、アイリーンは興味津々で魔法陣に近寄り、魔法陣の中心部分に到達する

 

「うっ…」

 

すると、ぐにゃりと世界が歪む様な感覚に襲われその場で蹲る。

 

「ん…?」

 

目を開けば、そこは先程とは違う景色が広がっていた

 

正面には巨大な扉が鎮座しており、先程の遺跡よりもしっかりとした造りの石壁が部屋の周りを覆っている。

 

「…これが転移か」

 

「なんか変な気分…」

 

「新鮮な感覚ですわね…」

 

3人もアイリーンの後に続いて現れた。

 

「よし、先に進もう」

 

とうぞくのカギを使い大きな扉を開く

目の前には大きな階段があった。

その階段をひたすら登って行けば

 

「やっと…外だー!」

 

深い森の中だろうか、木々と草は風で揺らめき、心地よい風が吹く

 

「…ブーメラン発見」

 

ルビーはさっそく落ちていた装備を発見していた。

 

そのまま辺りを探索し、森から出ようとしたその時

 

ガサガサと草が揺れ、スライムが飛び出して来た

しかし、襲い掛かろうとはせず、ただじっとこちらを見つめていた

 

「…わるい魔物じゃ…なさそう?」

 

「襲って来ないしな」

 

「おとなしい子みたいですわね〜」

 

「そうだね」

 

「待て、待つのじゃ!!」

 

すると道の先からローブを羽織った老人が急いで歩いて来た。

 

「ふぅ…何とか間に合った…しかしお前さんらよくこのスライムに攻撃しなかったのぅ」

 

「何となく、わるい魔物じゃなさそうだったし…?」

 

「襲って来なかったしな」

 

「おとなしい子でしたもの」

 

「襲って来ないなら、何もしない」

 

4人のその答えに老人は小さな声で呟いた

 

「ふむ…この者達であれば…

 しかし…よかったのぅ、これで怖がる必要はもうないぞ」

 

老人がスライムにそう話しかけると、スライムは嬉しそうに揺れる

 

「お前さん、知っておるか?この世界にはごく稀に、魔性が消えておとなしくなるモンスターが現れるのじゃ

…このスライムの様にな」

 

そう言うとスライムは元気に跳ねた

 

「ほっほっほっ、お前さんらを気に入っとる様じゃ

 ワシはそう言った魔性の消えたモンスターを集めて世話をしておる

 おっと名乗るのが遅れたな

 

 わしこそ、かの有名なモンスターじいさんじゃ!」

 

「…モンスターじいさん?」

 

アイリーンは首を傾げ

 

「…あぁ、風の噂で聞いたな」

 

ルインは納得し

 

「…聞いた事はある」

 

ルビーはそう呟き

 

「あらあら、有名人ですわね〜」

 

リリスは微笑むのみ

 

その後、モンスターじいさんから魔性の消えたモンスターを集める事とお礼にささやかな品を用意している事

 

ここから先に行くとあるロマリアという国にはそんなモンスター達に力比べをする場所、モンスター・バトルロードという施設がある事を教えて貰った。

 

「…そんなモンスターばかりなら、本当によかったのに」

 

「……」

 

そう小さく言うルビーの言葉を、ルインだけが聞き取れていた。

 

 

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