別冊星達のミュージアム 第3号   作:苗根杏

13 / 18
13作目は、苗根杏の作品です。
ハーメルン→ https://syosetu.org/user/216522/
X→ https://x.com/rhythm_johannes?s=21


星達のオーケストラ Duo!! 後編 ホワット・ア・ワンダフル・ワールド

「聞いていてちょうだい」

「なんで俺なんだ」

 

 光聖の分のドリンクも注いできた奏奈は、なんでもないかのようにタブレットで曲を探し始める。

 

「あんたに聞いてもらった方がいいじゃない。音楽、好きなんでしょう?」

 

 デリカシーというか、そういう配慮を感じさせない物言いに呆れながらも、コイツには何を言っても無駄だという初対面から数時間で得た諦観を胸に、光聖はぽつぽつと話し始める。

 

「別に……古い音楽が好きなだけ。あと、趣味で人工音声に歌わせてるくらいか……」

「え、あんたボカロPなの?」

「ボカロじゃあない。Synthesizer Vだ」

 

 似て非なるものであることだけが分かる奏奈だが、何が何だか分からないと首を傾げる。

 

「細かいわね、モテないわよ」

「お前が言う?」

「あたしはモテるわ。律夢が悲しむから切り捨ててきたけど」

 

 その言葉に嘘はなかった。小学生の頃、付き合ってくださいと奏奈が告白された場面をたまたま見ていた律夢が、二人の間に割って入って『お姉を取らないで』と泣いていたのを、奏奈は昨日の事のように鮮明に思い出せる。

 

 実際、律夢はシスコンである。今でも奏奈がどこかに嫁に行くことを考えては、1人でうんうん唸る夜もある。

 

 マイクを持ちながら、『LOVE PHANTOM』の前奏に奏奈は光聖の隣に座って言う。

 

「じゃあ、作曲はできるのよね?」

「作詞もな」

 

 少し距離が近い。というか今日、ずっと近い。光聖はパーソナルスペース激狭女子に少々たじろぎながら、距離をほんのちょっと取りつつ言う。

 

「下手の横好きだ」

「みんな最初はそうよ」

「……なんだよ。何が言いたいんだ」

 

 まだ分からないの? とばかりにキョトンとした奏奈に、彼は「最初は、ってなんだ」と問いを重ねる。

 

 すると、奏奈は。

 

「あんたが入ればいいじゃない」

 

 なんでもないかのように、そう言って見せた。

 

「はっ……?」

「曲を誰が作るか問題、解決!!」

「待て待て待て!!」

 

 ウキウキでB’zを歌おうとする奏奈の手を引っ張る。「どうしたのよ」と言う彼女に、「どうもこうもない!!」と叫ぶ。

 

「曲作るってのがどういうことか分かってんのか!? 時間がとんでもなくかかるんぞ!?」

「いいわ、あたし達だって修行に時間がかかるもの。その間にいい曲、作ってよね」

「……お前、図々しいな」

 

 やれやれと首を振りつつも、歌に関しては一家言ある光聖。奏奈の歌はきちんと聴いている。

 

 ああ、ここが外れやすいのか。高音は苦手だな、しかしキーを下げていない。プライドが高いのか、はたまた下げ忘れか。

 

 目につくポイントをすべて口に出していくが、奏奈はそれら全てを真摯に受け止め、反映させていく。

 

「どうっ!?」

「……もう一曲。今度は低めのやつ」

「わかったわ!」

 

 そうして、奏奈の特訓は始まった。

 

「曲作ってよ〜」

「興が乗らない」

「なら、あたしの歌で乗せるわ。カラオケ行きましょ!」

「万年80点台女が何を……」

 

 来る日も、来る日も。

 

「光聖〜? 行くわよ〜」

「今日は3時間な」

「じゅうぶんッ!」

 

 彼女はカラオケに誘い続けた。そして、彼は歌を聴き続けた。

 

 たまに律夢と絶佳を加えた4人で行くこともあったし、クラスの親睦会でも同席した。

 

「作ってちょうだい」

「気分じゃあない」

 

 メンバーにも誘われたが、光聖は相変わらずそこに関しては断り続けた。そこはかとなく、やんわりと。

 

「今日は行ける気がするわ!」

「89点で調子乗っちゃってまあ」

「舐めないで。89.8点よッ」

 

 しかし、カラオケには行き続けた。

 

 光聖自身は、カラオケが嫌いではなかった。歌うのが好きだった。が、彼は奏奈と2人の時は決して歌わなかった。

 

 一種のプロデュース熱というものが、彼の中にはめらめらと燃えていたのであろう。

 

「高いところ、無理して出そうとしてるな。声の出し方から変えていこう」

 

 光聖は歌が好きだった。律夢ほどではないが、そこそこに上手い方である。

 

 が、上手いからこそ、そして音楽を山ほど聴いて耳が肥えているからこそ、自分の音のズレに厳しくなっていった。

 

 疲れてしまった彼は、合成音声に歌わせる道を選んだ。

 

「お腹から出すんでしょう? 声って」

「いいや、頭のてっぺんから出すんだ」

「早く教えてくれればよかったのに」

「図々しい……」

 

 そんな彼を前に、なんとも言えない歌唱力で、アイドルになろうだなんて言い出す奴が現れた。

 

 色々言いたくもなる。半ば壁打ち、半ば八つ当たり。自分が出来ないようなことも、どんどん言っていった。

 

 それでも奏奈は、光聖の厳しい指導に向き合った。心から、母さんのように歌って踊れて可愛いスクールアイドルになりたかったからだ。

 

「あと作ってちょうだい、曲」

「とことん図々しいな! お前が作れよッ」

 

 人に物を頼む態度だけは成長していないものの、歌は確実に上達している。

 

「作れるわけないじゃない」

「教えるから! 作り方!」

「じゃああんたが作れば早いわね」

「……あっ」

 

 いやいやいや、と、論破されそうなところでかぶりを振って否定する光聖。

 

「お前……スクールアイドルになる上で何が出来るんだよ」

 

 奏奈は少し困ったように言う。

 

「あたしは絶佳みたいに可愛くない」

「知ってる」

「律夢みたいに歌が上手くもない」

「嫌という程知ってる」

「あんたみたいに嫌味も言えない」

「喧嘩か?」

 

 少しでも地雷を踏んだと思った自分がバカだった、と光聖は頭を抱えた。

 

 奏奈はそれでも自慢げに、自分の仲間のいい所を挙げ続ける。その中には、光聖の音楽センスや確かな指導力を褒めるものだってあった。

 

 慣れないガチ褒められに戸惑いつつ、光聖は奏奈の声を遮って言う。

 

「じゃあ何ができるんだ!!」

「タッチダウンライズっ!」

「なんだその技!?」

 

 一息ついた彼女は、下を向いてつぶやく。

 

「あとは、あんたに取り入ることくらい……それしか、できないのよ」

 

 彼はハッとした。

 

 こいつはこいつなりに、グループのためになろうとしている。歌が上手くなるようにカラオケに通いつめているのだってそうだ、俺を引き込むことだって。

 

 マイクを握る力が強いせいで、鉄棒をやり込んだ後のようなマメのある手を見つめ、奏奈は声のトーンを一変させる。

 

「筋トレみたいに、地道に頑張ることしかあたしは知らない。みんなに助けてもらわなきゃ、あたしはただのアマゾネス・クイーンよ」

 

 自嘲。そこまでするか。泣き落としか? いや、本心であることには変わらないだろう。光聖は戸惑いを消せないまま、頭をぐしゃぐしゃとする。

 

 さっきまで憎まれ口叩いてたクセに、今度はそんな顔しやがって。

 

 ズルい。極めてズルいぞ、澁谷奏奈。

 

 散々しぶりにしぶった挙句、光聖は妥協案を出した。

 

「名前くらいは……考えてやるよ。グループの」

 

 つまりデレである。

 

「あっ!? 名前!! 考えてない!!」

「……今更気づいたか、筋肉ダルマ」

「やだ、照れちゃう」

「褒めてねェ!!」

 

 そして、1ヶ月が経過したある日。律夢は他のふたりよりも、ひと足先に。

 

「最終試験!」

「デスぅ〜!」

 

 1期生の、かのんを除いた4人と共に、最終試験を迎えていた。

 

「試験って、今度は何するんですか?」

 

 これまで、トラックのタイヤ6つをロープで引く、反復横跳びの男子高校生のスコア平均を超える、亀の甲羅を背負って新聞配達などなど、様々な試験を乗り越えてきた律夢。

 

 思いもよらない方法で筋肉を鍛えてくる千砂都、最終ともなればどんな無理難題を出してくるか分からない。律夢は思わず身構える。

 

 千砂都は「じゃあ、律夢くん!」と言って、集合場所である原宿竹下通りを指して言う。

 

「この街のゴミをひとつ残らず拾ってきて!」

「……はい??」

 

 いや、無理難題だ。無理ではある。

 

 でも、こう、なんというか…………。

 

 予想と大きく違うのが出てきたなァ〜ッ。

 

「ほら、声優の伊達さゆりさん達がやってたじゃん! ゴミ拾いだよ! ゴミ拾いっ!」

慈善活動(ボランティア)とアイドル修行を掛け合わせた取り組み……さすがです」

「昔からメニュー考えてるだけあるわよね」

 

 感心する他のメンバーをよそに、律夢は腑に落ちない表情をしていた。腑に落ちたい。釈然としたい。そんな思いが顔に書いてある。

 

 手を横に振り、引きつったようにはにかみながらも、彼は真意を聞こうとする。

 

「いやいやいや……」

「なんで僕がそんな事やらなくっちゃあいけないんだ、って顔してるね」

「半分は当たってます。耳が痛い」

 

 ぐぬぬ、と眉間をおさえながら、律夢は千砂都にすがるように理由を聞く。

 

「ボランティアするにしても、何故最終試験に?」

「行けば分かる」

「……そうだ。お姉と似たタイプだ、この人」

 

 こういうタイプを前には、諦めが肝心。光聖よりも先に諦めることを選んだ、奏奈のような人間に慣れた律夢は、その場でストレッチをはじめる。

 

 可可はトングと袋を渡し、「難しく考えなくてイイんデスよ」と言う。

 

 一口にゴミ拾いと言っても、色々とコツはありそうだし、この試験にも何か意味があるはずと、疑ってはばからない律夢。可可の言葉を繰り返すも、肩の力は抜けなかった。

 

「ゲーム……感覚……」

「あ、ちなみに制限時間なんだけど」

「え?」

 

 千砂都はLINEで掃除範囲を送り。

 

「ここ全部の掃除を日没までに終えてね!」

「……はい!?」

 

 驚くべきことを口にした。

 

「さあ、勇者よ! 原宿全体をピカピカにするのだ〜!」

「いやいやいや!!」

 

 現在時刻は、基礎練をたっぷりした後の15時。春の日没時間は、およそ18時手前。

 

 悠長に話している暇は無い。律夢はすぐにアップを終わらせ、千砂都の「じゃ、スタートぉ〜!」の合図で走り出した。

 

「……足、早くなったわね〜」

「体力モ増えまシタね」

「ささ、私たちは見守るとしますか!」

 

 4人はぞろぞろと律夢の後ろをついていき、ゴミの拾い忘れをチェックする。

 

「ゴミ……あった!」

 

 実は澁谷家イチの几帳面である彼。少しズボラなところがある母と姉の洗濯物を畳んだことや、部屋を掃除したことは、一度や二度ではない。

 

 そんな彼にかかれば、ゴミを残さず拾うのは、さほど難しいことではない。問題は『スピード』である。

 

「あったというか……はあッ……ありすぎるな……はあッ」

 

 日没までにゴミを拾うには、広い通りにバラけて捨てられたそれを、満遍なく、かつ効率よく拾う必要がある。

 

 そのために必要なのは、ゴミに反応できる反射神経、素早い足さばき、そして──。

 

 最後の要素には、律夢はまだ気づいていなかった。

 

「このルートを行けば! 次はこっち!」

 

 しかし、それでもなんとか彼は食らいつく。

 

 何年も住んでいるが、ここまで汚いとは知らなかった。明治神宮。渋谷パルコ。競技場にモディ、タワレコ……。

 

 彼は通行人を避けつつ、ゴミを的確に拾っていく。ボクシングや反復横跳びの応用で、地面を蹴ることを意識して移動を繰り返す。

 

 人にぶつからないように、かつゴミを見逃さないように。彼は使命に駆られたメロスのように、ひたすら走り続けた。

 

「いいね〜、キビキビ動いてる」

「足さばきがかなり熟してマス」

 

 試験の終わりに何が待つかは分からない。試験に失敗すればどうこうというわけでもない。

 

 ただ、みんなのために。諦めない気持ちだけが、彼の中には燃えていた。

 

 肺活量などの限界を迎え、代々木公園の野外ステージに腰掛けながらも、彼はずっと心の中で唱えていた。

 

「はあ、はあッ」

 

 僕が。僕がやらなきゃッ。

 

 皆に迷惑をかけちゃうからッ。

 

 休んでいる暇などない、セリヌンティウスが死ぬわけでもないのに、彼は日が沈むのとスピードで走り出した。いや、走り出そうとした。したはずなのだ。

 

 そこで、足が止まった。

 

 彼の脳内にあったイメージは、ローラーだった。道路を均すような、そんな大きなローラーが、腰に巻き付けられている感覚。

 

 特訓を始めてから、1ヶ月かそこらの彼。しかし、休みの日もなく続けていたものだから、律夢の筋肉は覚えていた。

 

 自分は疾走(はし)るために出来たんじゃあないッッ。

 

 強靭(つよ)くなるために出来たのだとッッ。

 

 これから筋肉にかかる負荷を想像した律夢は、 あろうことか脳内でローラーを作り出し、自分に括りつけてしまった。

 

 ああ、辛いな。動きたくないな。努力とは、こんなに痛いものだったのか。さすがは最終試験。僕には、とても、とても。

 

 そう心の中でつぶやき始め、かつての律夢に戻りそうになった、その時。

 

 野外ステージの客席、そこの階段でグリコをしている子供を、彼は見つけた。西暦2049年になっても無くならない遊びは、さすがにルールがシンプルだ。

 

 ジャンケンをして、グーで勝てば3段、チョキかパーで勝てば6段、階段を登り進めることができ、最後に頂上に着いたものの勝利。

 

 しかし、その子供たちは少しだけルールにアレンジを加えていた。

 

「グ……リ! コぉッ!」

「おいおい、グリコでそれならチョコレートはもっとヤバいぜ」

「……??」

 

 1段飛ばしだ。グリコで6段、チョコレートかパイナップルで12段。

 

 随分デカい階段でやるんだな。ああ、あれも特訓なのかな。って、まさか。特訓なら、あんなに楽しそうな顔をするはずが──。

 

「……ゲーム……感覚……」

 

 律夢はハッとした。自分はこれまで、あんなに笑顔で特訓をしてきたことがあっただろうか? 

 

 試験をクリアした時こそ笑ったことはあるが、それまでは必死に食らいつき、口角を上げることもなかった。

 

 余裕がなかったのかもしれない。が、1ヶ月の鍛錬で少しばかり筋肉のついた彼の身体は、2分ほど休んだだけで『イけるぜッッ』と声を上げる。

 

「ふふ。なんだ、そゆこと」

 

 座り込んで笑い出す律夢の手には、既にパンパンになったゴミ袋が3つ。トングだって持っている。身体の疲労はずっと蓄積され、そう簡単には走り出せないはず。

 

 はず、だった。

 

 律夢が野外ステージ客席の階段を、子供たちを追い抜いて登るのには、3秒もかからなかった。

 

「早!?」

 

 代々木公園を出る間にも、ゴミを拾い続け、駅を通り過ぎ、ついに原宿名物の竹下通りへと律夢は向かう。

 

 人も多ければゴミだって沢山。律夢に言わせれば、ラスボスである。

 

 しかし、ゲーマー脳の律夢は、エンドルフィンをドバドバ出しながら、人混みに突っ込んで行った。ヨダレが垂れそうになるのをおさえ、笑い声もこらえて。

 

「千砂都さん!」

「任されたッ」

 

 さすがに休日の竹下通りに、すみれを初めとした有名人がゾロゾロと来れば、人だかりが出来てしまって混乱を招くこと間違いなし。

 

 一番スクールアイドル時代と見た目が変わっていて、表舞台にもあまり出ていない千砂都が、先回りする3人に代わって律夢を追いかけることに。

 

「うわ……」

 

 しかし、律夢よりも足の早いはずの彼女は、なかなか追いつけない。どうしてだ、ゴミだって拾い忘れがないし。千砂都は彼をよく見てみると、あることに気がついた。

 

 効率化に重きを置いているのだ、彼は。それも、人間ひとりくらいなら楽々入るような大きさのゴミ袋に、ゴミをパンパンに詰め、それを複数個持ちながら。

 

 ある時は電柱に捕まり、ある時は路地裏をマッハで駆け抜け。人にぶつからないようにする気配りと効率的なルートの走り方を、彼は高速で演算しているのだ。

 

 先回りして、竹下通りの出口に来た3人も、それが遠目から見えた時、思わず唖然とする。そして、ニヤリとも。

 

「彼ならば」

「ええ、あの子なら」

「リズリズなら!」

「うん……いける」

 

 律夢は今、かつてない程に楽しんで試験をこなしていた。オリチャールートで、まるでARゲームをしているかのように、現実世界を駆け回る。

 

 ああ、これか。

 

 日没までにクリアするための、最後の要素。

 

「ははッ」

 

 楽しむことッッッ。

 

 努力する者が、楽しむ者に勝てるワケがないッッッ。

 

 そうして彼は、竹下通りを抜け、1期生達のところに着地する。

 

「ゴールッ!!」

「……すっかり変わったわね。筋肉はもちろん、顔つきだって」

「リズリズぅ……もうモヤシなんかじゃないデスよ……!」

「この子が、私たちの意志を継ぐ……」

 

 感動に目を潤わせる恋に、遅れてきた千砂都は頷く。

 

「うんッ」

 

 スーパースターのタマゴ。澁谷律夢。

 

「はあッ、はあッ」

 

 大量のゴミを天に掲げ、律夢は思い切り叫ぶ。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ」

 

 雄叫びにつられ、テンションが極まった千砂都は、律夢に抱きつく。

 

「本当によくやった!! 律夢くんッ!! キミはもう、スクールアイドルだ!!!」

「ッ…………!!!」

 

 一瞬だけ躊躇するも、彼は千砂都を、いや、師匠を抱き締め返す。

 

「ありがとうございますッッッ」

 

 鼓膜を破らんばかりの声量で言うものだから、千砂都だけではなく、その周りの人達は思わず耳を塞いでしまう。

 

「……スクールアイドルの声量、ですね」

「そうね……あッ!?」

 

 今の叫びで力を出し尽くしてしまったのか、律夢はふらふらとし出し、後ろに倒れかける。

 

「ふあ……」

「律夢くん!!」

 

 それを支えたのは、結果から言えば、4人の誰でもなかった。今までこの場に顔を出さなかった、かつ、今までも一番近くで支えてきた人だった。

 

「……母さん……」

「頑張ったね」

 

 かのんが微笑んで褒めてくれるものだから、律夢はすっかりふにゃっとした、いつもの笑顔で笑う。

 

「僕……やったよ……」

 

 時を同じくして、カラオケボックス。

 

「ダメね。また律夢に教わらなきゃ」

 

 92点。光聖から言わせれば及第点、十分に上達しているはずだが、それでも奏奈はデンモクを見つめてため息をつく。

 

 彼は天井のミラーボールを見つめ、ハッ、と笑って言う。

 

「アマゾネスの女王なんだろ? 前だけ向いとけ、ティアラが落ちるだろ」

「…………」

 

 ふと出た言葉に、奏奈は目を丸くする。

 

「優しいのね」

「……うっせェ」

「最初から、素直にそういう風に言ってくれれば良かったのに」

 

 光聖の肩にぽすっと頭を預け、奏奈は目を見つめて言う。

 

「……チッ、言わなきゃわかんねーかよ」

 

 人生の中で、素直じゃない、と何度も言われてきた彼は、かのんに心を許した時の彼の母親ほどではないが、コイツになら自分の高校生活を預けてもいい、と思い始めていた。

 

 ここまで自分の心を乱し、カラオケにも山ほど付き合わせ、初恋を奪われたのだ。逆に責任を取ってもらわなければ困るまである。

 

「ええ。声に出さなきゃ分からない」

「…………」

 

 彼は「〜〜〜ッッッ」と声にならない唸り声をあげ、自分のカバンを乱雑にごそごそと漁る。

 

 そして取り出したのは、ノートパソコンだった。

 

「歌が荒削りな野蛮人と!! 体力不足の陰キャと!! 顔がいいだけの一般人のために!! 俺が曲を書いてきたって言ってんだよッ、このドブカスがァ!!」

 

 唾が飛ぶほどの叫び。人生で一番の大声に、奏奈は少々面食らいつつ、にやりと笑ってみせる。

 

 そして、光聖を両手で抱きしめた。胸に顔をぐりぐり押し付けながら、嬉しさを全身で表現する。

 

「ちょっ、抱きしめんな! ぶっ飛ばすぞ!」

「あたしに勝てるとでも? ふふ、んふふっ」

「……え、背骨折られる?」

「そんなに太い骨は折れないわよ、流石に」

「細いものなら折れるかのように……」

 

 実際、強すぎる力に光聖はヒヤヒヤしながら、抱きしめ返しこそしないものの、頭を撫でて落ち着かせようとする。

 

「あんたも……一員ね?」

 

 歯を見せて笑う彼女に少々ドキッとしつつも、光聖は「何のだ」と問う。

 

 すると、迷いもなく。

 

「このグループの!」

 

 そう答えるものだから、光聖はカバンからまた何かを取り出す。何やらメモ帳のようなもので、表紙には『グループ名の案』と書いてあった。

 

「……このグループ、じゃあねェ。ちゃんと名前は用意した」

「ふふっ。期待してるわ」

「俺らの、名前はッッ」

 

 その名前は奇しくも、澁谷かのん達が立ち上げたグループ名に似たものに着地していた。

 

 そしてまた、時と場所を同じくして、奏奈の隣の部屋。

 

「はあ、はあッ」

「うん。規定範囲に到達したね」

「あ、ありがとうございました……」

「これでようやく独り立ち。修行も卒業かな」

「!!」

 

 絶佳は、音羽という人間から歌のお墨付きを貰ったことに、跳ねて喜ぶ。それを微笑みながら見る音羽は、デンモクに何やら打ち込んでいる。

 

 そして、予約手前の画面にしてから、それを絶佳に渡す。

 

「これを最終試験にしよう」

 

 今の絶佳は、まさに絶好調。どんな曲だって、自分らしく、可愛く歌える気がしていた。

 

 が、その画面を見た時、彼は思わず言葉を失う。

 

 それは、これまで生きてきた中で何万回と聴いたが、カラオケなどで歌うことは禁じてきた、言わば封印曲。

 

「『☆ワンダーランド☆』……!!」

 

 中須かすみのソロ曲であった。

 

 結ヶ丘の受験前や、骨折による大きな手術の前、などなど。挫けそうな時、心が限界を迎えた時、絶望に打ちひしがれている時。いつも、この歌が絶佳を救ってきた。

 

 一番尊敬するスクールアイドルの曲を、「好きなんだよね? じゃあ、一番自信もあるはずでしょ?」と差し出してくる音羽の顔が、絶佳には悪魔の微笑にしか見えなかった。

 

 震える唇から、なんとか絶佳は言葉を振り絞って言う。

 

「できません」

 

 数十秒の沈黙の後、にこにこと笑ったままの音羽は「どうして?」と問う。

 

「今まで何でもしてきましたが、こればかりはッ」

 

 理由もワカっているクセにッ。イジワルだッッ。

 

 絶佳はデンモクを手で押しのけようとするが、その手に力は入らない。

 

「君ならできる」

 

 ああ、自分でもワカってるさ。これも今まで何度だって乗り越えてきた試験のひとつ。

 

「やらなきゃいけないんだ。今後、そういう時はいくつだって来る。その度に……立ち止まっちゃあいけない。スクールアイドルは、限られた時の中でしか輝けないんだから」

 

 乗り越えなきゃ、いけない。私たちには時間がないんだから。

 

「かすみさんが3年生の時、矢澤にこさんの曲をカバーしたっていうエピソード、知ってる?」

 

 もちろん知っている、と絶佳は首を縦に振る。中須かすみの、スクールアイドル卒業公演での出来事だ。

 

 今までオリジナル曲で勝負してきたスクールアイドル人生の中で、初めてカバーした曲が、矢澤にこの『まほうつかいはじめました!』だったというのは、かすみんファンの中では言わずと知れた名エピソード。

 

 後に中須かすみは語った。

 

『──かすみんは、彼女のことがすっごく好きで……ああいう可愛いアイドルになりたいって、ずっと憧れにしてきたんです』

 

『でも、憧れっていうのは、同時に手が届かないことを認めるような言葉でもあるんです』

 

『だからこそ、にこにーみたいになるには、憧れを捨てて挑まなきゃいけなかったんです。まだまだあんな風なアイドルにはなれていないかもしれません、でも……』

 

『彼女みたいになるには、彼女と並ばなきゃいけない。そんな決意を込めて、かすみんはあの曲を演りました──』

 

「──並ばなきゃ……やらなきゃ……いけない……」

「うん。これは、最終試験だから……彼女が、キミの憧れなんだから」

 

 うわごとのように言う絶佳の肩に手を置き、音羽はこう続ける。

 

「超えるんだ。憧れだけじゃない、その上を行く気概で行こう。どうせやるならッ」

 

 そうだ。知っていたさ。いつかは、こうなることくらい。

 

 この私を、王様にでもなんにでもしてくれる心の支え(ワンダー・オブ・ユー)にして、超えなければならない心の壁(ワンダー・ウォール)である、中須かすみに向き合わなくっちゃあいけないなんてことは。

 

「……やってやりますよ」

 

 絶佳はおもむろに立ち上がり、マイクのスイッチをつける。

 

「かすみさん!! 見ててくださいッ!! 私の……全力の歌ッッ!!!」

 

 その王冠、貰い受けるッッッ。

 

 これまた時と場所を同じくして、絶佳の隣の部屋。

 

「上手ぁ……!!」

「最高デスぅ〜!!」

「あんた、共演までしたのにまだサニパオタクなのね」

「そのスタンスは変わりまセンッ」

 

 Sunny Passionの『Till Sunrise』を歌い終わり、カラカラの喉で律夢は椅子に座り込む。

 

 試験終わりのご褒美として、かのんを含めたLiella! の1期生と共にカラオケに来た律夢は、コンディションも絶好調のなかで、可可のリクエストに応えてサニパを熱唱した。

 

 恋は「こんなに楽しいのは何年ぶりでしょう……」と感慨に浸りながらも、「それにしても」と辺りを見回す。

 

「随分広い部屋を貸してもらいましたね」

「バク転もできるよー!」

「ホントにやらないでよね!?」

 

 1期生組ではしゃいでいるのを見て、少しだけ5人にしてあげようと思った律夢は、コップを持って席を立つ。

 

「ちょっと、飲み物取ってきます」

「行ってらっしゃい、律夢」

 

 そしてドアを開けて、ドリンクバーの機械の真ん中にコップを置いた時。右と左にも、同じタイミングでコップが置かれた。

 

「あ」

「え?」

「あらあら」

 

 ガラガラの声で驚く奏奈。汗だくの額を拭って2度見する律夢。一層際立った可愛さを存分に活かしたリアクションをする絶佳。

 

 奇しくも、原宿の同じカラオケ店に集まっていた3人は、互いの顔を見て、ほぼ同時に吹き出す。

 

「集まったなら話は早いわ! 皆で歌いましょっ」

「うんッ」

「合わせ練習だね」

「最後の要は、連携……!」

 

 ファンタを入れたコップを掲げて、奏奈は2人に目配せをする。

 

 これが、円陣。かすみを通じてスクールアイドルに多少詳しい絶佳は、少しグッときつつも、アイスティーを掲げる。

 

「行くわよッッ」

 

 ここでやるのか、やれやれ。と思いながらも、律夢も筋肉痛に襲われる右手に白湯を持ち、掲げる。

 

「1!!」

「2!!」

「3!!」

 

 そこまで数え、先程教えてもらったグループ名を叫ぼうとする奏奈。

 

「……よん」

「!!?」

 

 それを遮ったのは、光聖の持ったオレンジジュースがグラスたちにぶつかる音だった。

 

「な、なんでここに……」

「わりーかよ」

「や、そういう話ではなく……なんで??」

 

 カラオケにいるというのはギリギリ理解出来る絶佳と律夢だが、この円陣に加わる意味というのが分からなかった。

 

 ふふん、と奏奈は鼻をこすりながら、光聖の肩を抱き寄せて笑う。

 

「光聖、仲間になったから!」

「仕事仲間な。俺の華々しい経歴の一部になれ、お前ら」

「も〜、素直じゃないわね!」

 

 2人のやりとりを見て、全てを察した絶佳と律夢は、苦笑いになった顔をつきあわせる。

 

「人たらしだね、お姉ちゃん」

「まったくだ」

 

 

 ────

 

 

「あ〜?」

 

 結ヶ丘高等学校『真』スクールアイドル部、その初回単独公演。そこに妻と一緒に来ていた音羽は、すれ違った人の発した声に、聞き覚えがあった。

 

 振り返ると、目つきの悪いオールバックがこちらを見ていた。多目に見てもカタギとは思えないその風貌だったが、彼の声と目にピンときた音羽は、恐る恐る問いかける。

 

「……狩谷、くん?」

「東、音羽……か?」

 

 ズンズンと歩み寄る佑聖に、音羽は身動ぎもせずに目を合わせる。

 

 音羽は150cm台、対して佑聖は180cm台。完全に見下す姿勢だ。

 

「なんでテメーがここにいンだよ」

「いや、晴れ舞台……っていうか? うん、うちの娘と息子と、その友達(弟子)の」

「……ふーん」

 

 表情を変えずに話す二人の間には、少しのピリつきがあった。音羽に言わせてみれば、『Dazzling Game』の時に発生していたイナズマの、どす黒い版。

 

「えっ? 知り合いなの?」

 

 只事ではない、と焦るかのんに、音羽は「ごめん、2人で話をさせて」と優しく笑う。

 

「え? あ、う、うんッ」と答えたかのんは、先に会場である体育館に向かった。

 

 音羽と佑聖のふたりは、自販機前に移動する。

 

 佑聖は元々持っていたコーヒーをちびちび飲み、音羽はレモンティーを自販機で買う。その間にも、ふたりは微妙な距離感を保っていた。

 

 現に、2人分しか腰掛けることのできないベンチに座ることなく、音羽は自販機の前に立ったままである。

 

 先に口を開いたのは、佑聖だった。

 

「さっき東と言ってしまったが、お前……澁谷音羽、なのか?」

「えっ!? なんで知ってるの!?」

 

 舌打ちをして、佑聖はコーヒーの缶をゆらゆらとしながら話す。

 

「俺のせがれが、お前んとこの双子をプロデュースしてるだとか何とかで。アイツ、曲作りだか何だか知らねーけど、ギタージャカジャカ鳴らすわ、鼻歌急に歌い出すわで、四六時中うるっせーの」

 

 本当に疎ましく思っているのは、光聖が奏奈を好きになったであろうことであったが、彼はなんとか本音を飲み込んだ。

 

 苦笑する音羽は、頭をかいて詫びる。

 

「ごめんね。うちの子が巻き込んじゃったみたいで」

「……おめーはいつも謝ってばっかだな。それはあの頃と変わらない」

「そうかな? あはは、ごめん」

 

 またもや謝る彼に、佑聖は立ち上がって、彼の髪の毛をかき乱す。

 

「っあ"〜〜!! コノヤロウ!!」

「うぁあ〜っ!? あ、頭わしわししないでぇ!」

 

 そのまま軽く突き飛ばし、ベンチに再びどかっと座って足を組む佑聖は、次の言葉に詰まっていた。

 

 数分して、ようやく彼は本音を口にした。

 

「悪かったなァ」

「……へ?」

「いや……謝って済むことじゃあねーっつのは、俺もよく分かってる。ただ……なんだ……」

 

 躓きながら、といった風に途切れ途切れに話す彼の声量は、段々と落ちていった。

 

「葉月……いや、その……恋さんから、色々聞いた」

「!!」

 

 数年前、佑聖は妻の仲介で恋と話すことがあり、そこで音羽について、結ヶ丘であったことについてを色々と聞いた。

 

 それから、会う機会があれば謝ろうだなんてことは何千回、何万回も佑聖は考えていた。今や彼の妻の方が尖っているほど、佑聖は丸くなっていた。

 

 相手が音羽なので、昔のノリに戻っているだけであって。本当は、何度も何度も、後悔していたのだ。あの日々のことを。

 

「若気の至りだなんて言い訳するつもりは無ェさ。だが……謝罪は、するべきだ」

 

 立ち上がって、頭を下げて「この通りだッ」と言う佑聖。

 

 音羽は正直、驚きもしていなかった。彼も彼で、かのんから少しだけ佑聖の話は聞いていたからだ。アーティストとして活動する中で、同じアーティストの佑聖を知ったそうで。

 

 音羽は「頭、上げてよ」とだけ言い、ベンチに座る。

 

「大人になったんだね。狩谷くん」

「偉そうなのも、変わってねーんだな」

「そう見えてただけでしょ? 昔は」

「……お前も、すっかりオヤジだな」

 

 未だ頭を下げたままの佑聖の袖を引っ張り、音羽は言う。

 

「じゃあ、仲直りの印にさ……なろうよ」

「何にだよ」

「パパ友、ってやつ?」

 

 そう言いながら、音羽はレモンティーを彼に向ける。

 

 とことんペースを乱してくる。お前のそういうところが、昔の俺は嫌いだったんだよな。

 

 とは思いつつ、今やどうとも思わなくなった佑聖は、レモンティーにコーヒー缶を軽くぶつける。

 

「チッ」

「狩谷くんとの友情に、乾杯〜!」

 

 丸く収まった、と思っていた音羽だが、佑聖は佑聖で違うところに引っかかっていた。

 

「……あと、俺も苗字変わったから」

「え?」

 

 苗字である。

 

 彼の今の苗字、といえば。

 

「佑聖・マルガレーテ」

「……うっそぉ〜〜ッ……」

 

 あんぐりと口を開ける音羽は、一泡吹かせてやったとばかりにケタケタ笑う佑聖を尻目に、ぶつぶつと何やらつぶやき始めた。

 

「僕ら、苗字で呼んでたんだ……マルガレーテちゃんのこと……」

 

 そこかよッッ!! という叫びは、体育館の方にも届いたんだとさ。

 

 

 ────

 

 

「律夢。足、震えてるわよ」

「筋肉痛……」

「あ、緊張じゃなくて!?」

「筋トレ続けてるんだ、偉いね」

「あたしも光聖と週一でカラオケ行ってるわ!」

「そろそろ小遣いがピンチ……」

 

 いつも通りのような会話をする4人。ただ、衣装を着た3人の中には、同じくらいの大きさの不安と緊張が渦巻いていた。

 

「……歌えなくなったら、どうしよう」

「お姉、深呼吸」

「可愛い! 可愛い! 可愛い!」

「自己暗示のクセつよっ」

 

 本番五分前になって、そのマイナス感情は一気に表に出始めた。

 

 光聖はため息をつき、向き合って丸くなる3人の背中を叩いて回る。けっこうな力で。

 

「わっ!?」

「きゃあっ!?」

「いったァ!?」

「……お前ら、何もんだ」

 

 奏奈はノータイムで「スクールアイドルよ……この学校の」と答える。

 

「なら、向き合ってやるべきことはソレじゃあねーだろ」

 

 それだけ言って、音響担当も兼ねている光聖は、上にある音響室に行ってしまう。

 

「……彼の言う通り。私たちがやるべきは!」

 

 絶佳がそう言って、手を二人の間に広げて差し出す。

 

 澁谷の双子はそれを見て、息ピッタリに手を重ねる。

 

 これより始まるは、一世一代の大舞台。ならば、やることといえば『円陣』しかあるまいッ。

 

 一袖と二袖の間にて、3人は真に結束する。円陣を通して。

 

「本番一分前〜!」

 

 スタッフ代わりのクラスメイトの声を聞き、3人は円陣のかけ声をあげる。

 

 手には汗、顔には笑顔で。

 

「1ッ!!」

「2ィッ!!」

「3ンッ!!」

「よ〜ん!」

 

 音響室からも聞こえるもう1人のメンバーの点呼に、3人は笑いながら、手を上にかかげる。

 

「“Lieuble(リエーブル)”!!!」

 

 自分たちの『誇りの名』を叫びながら。

 

『スーパー……スタートッッッ』

 

 幕が上がる。

 

 私たちはもう、スクールアイドル。舞台の上、奏奈は眩しい光の海に手を振って、涙をこらえて微笑んだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。