鈴木羽那?めっちゃ恋してますけど?   作:フェンネル

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アイドルって身近にいるんだなぁ たろを

景色良いとこでボーッとしてると、攻めた格好の美人さんが目に入った。

その人も俺と少し離れたところでボーッとしてる。

この景色とは明らかに雰囲気が違うせいで、そっちに目がいっちまう。

 

「何見てんだよ」

 

「あー・・・・・美人だなと」

 

「・・・・・気色悪いなお前」

 

「申し訳ないっす」

 

・・・・・どっか行かねぇのかよ。

ま、眼福だから全然良いけど。

そこから特に会話はなかった。

 

「お姉さんはなんでここに?」

 

「あ?話しかけてくんな」

 

()()()()()はな。

印象悪くなるかなとか思ったけど、最初に「気色悪い」って言われたし、まぁ今更一緒だろ。

 

「せっかく会ったんなら話さなきゃ損でしょ」

 

「お前はな。私は違ぇんだよ」

 

尖った女の子だな。

そっからはなんて話そうか考えてたらいつの間にか時間が経っちまった。

 

「ほんじゃ、また会ったら話しましょうね」

 

「帰れ」

 

「お姉さんも腹冷やしますよ?ちゃんと帰ってくださいよ」

 

「うっせぇ」

 

 

 

 

 

○○○○○

 

 

 

 

 

俺は今、(自分にとっての)修羅場に巻き込まれていた。

 

「君が夏葉の付き人の田中くん・・・・・で間違いないかな?」

 

目の前にいるのは、スーツの男。

鈴木さんといた、あの男。

つまるところ、なんとかプロダクションのプロデューサーだ。

 

「そうです」

 

ある日、お嬢が帰ってきたと思ったら一緒にいた。

最初は何事かと思ったが、向こうの方が気まずそうにしてるからどうでも良くなった。

今俺の目の前にはプロデューサー1人。

お嬢は風呂入ってる。

 

「答えにくかったら大丈夫だけど・・・・・夏葉と付き合いは長いのかな?」

 

なんでそんな質問してくんのかって思ったけど、多分お嬢をアイドルにしようってんだな。

確かにお嬢ならすげぇアイドルになりそう(完全に私見)だけど、いつもの仕事があるからなぁ。

並行してアイドルなんてできんのか?

ていうか、会ったばっかの男を家に連れてくるなよ。

 

「ちょっと前に初めて会ってスカウトされました」

 

「なるほど・・・・・2人暮らしっていうのは、夏葉から?」

 

「はい」

 

すげぇ考え込んでる。

まぁ普通に考えて、これからアイドルになろうって人が男の影チラつかせるのは超NGだろ。

プロデューサーの考えは誰が聞いたって正しいと思う。

 

「あと、大事な質問をさせてもらうんだけど・・・・・その、どういう関係かとかって・・・・・」

 

すっつっげぇ気遣われてんな。

プロデューサーってのはよく分かんねぇけど、面倒くさそうだな。

あと大変そうだ。

この人めっちゃ冷や汗かいてるし。

なんか・・・・・嫉妬してる場合じゃねぇな。

 

「付き人っす。俺が言っても説得力無いかもしんないすけど、下心あってお嬢と住んでるわけじゃないすよ」

 

「そ、そうなの?」

 

今のところはな。

お嬢は変に無防備だから困る。

もしもの時があったらその前に出ていくけど、可能性が0だって断言すんのは普通の男なら無理だぜ。

 

「な、なら良かった。変に疑ってしまって申し訳ない」

 

ていうか、どっから俺の事聞いたんだ?

 

「夏葉が君の事をよく話すんだけど、男の子とは聞いていなかったからもしや、なんて思ってしまってね」

 

お嬢ーー!!

 

「俺自身、なんで雇ってもらったかよくわかってないすけどね」

 

プロデューサーはよっぽど重く考えてたのか、どっと疲れた様子で

 

「はは・・・・・」

 

と力なく零した。

 

「そういやプロデューサーさん?はなんでお嬢をスカウトしたんすか?」

 

「え?スカウト?」

 

なんか変な反応だな。

・・・・・ちょっと待てよ?

俺の事を()()()()

今日スカウトしたばっかじゃねぇのか?

 

「プロデューサーさんってお嬢と会ったのは今日が初めてじゃないんすか?」

 

「結構長い付き合いだけど・・・・・夏場から聞いてなかったかな?」

 

ん?

変な感じだな。

結構長い付き合い?

お嬢とプロデューサーさんが?

 

「俺、夏葉のプロデューサーなんだ。厳密には283プロダクションのアイドルの、だけどね」

 

へ?

 

「お嬢のプロデューサー?」

 

「うん」

 

「283プロダクションってのは確かアイドル事務職っすよね?」

 

「知ってたんだね。そうだよ」

 

この人はその事務所所属の()()()()のプロデューサー。

そんでもって()()のプロデューサーってことはまさか───

 

「・・・・・お嬢ってアイドルなんすか?」

 

「あぁ。「放課後クライマックスガールズ」っていうユニットを組んでるんだ」

 

てことは、すでにアイドルになってんのに俺を付き人にスカウトした挙句、2人暮らしなんて危ねぇことを自分で提案したのか?

・・・・・ヤバくねぇか。

お嬢ってそんなに危機管理能力無かったっけ?

まとも枠じゃねぇのか?

 

「ユニット・・・・・」

 

「あぁ。期待の5人組さ」

 

・・・・・お嬢が283プロダクションに所属してるってことは、鈴木さんと一緒に仕事する可能性とかあんのかな?

俺はお嬢の付き人だから、もしお嬢のアイドル活動について行ったりすることがあるなら───

 

「へぇ・・・・・」

 

鈴木さんに会えるんじゃね?

結局握手会とか1回も行ってねぇけど、大丈夫か?

ていうかよく考えたら、アイドルの鈴木さん全然知らねぇな。

 

「田中くんは好きなアイドルとかいる?」

 

プロデューサーなだけあって楽しそうだな。

 

「・・・・・一応っすけどいますよ。1人」

 

 

 

 

 

○○○○○

 

 

 

 

 

『あたしのこと、ずっと応援してて』

 

 

 

 

 

○○○○○

 

 

 

 

 

「大好きなアイドルが」

 

 

 

 

 

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