「それじゃあチーム分けしましょうか?」
「えぇ、バランスを考えて分けましょう」
「てなると俺とお嬢は別れて・・・・・放クラって誰が運動得意なんすか?」
「そうね・・・・・あの3人の中だと樹里かしら?」
「樹里さんってのはどなたで?」
「アタシだよ」
金髪の子だった。
「ちなみにお幾つで・・・・・?」
「17だけど、なんでだ?」
「小宮さんが小学生って知って、もう何も信じられなくなったもんで」
「あー・・・・・」
「おっと、話戻しますね。樹里さんと小宮さんだったらどっちが強いっすか?」
「あぁ、アタシだな。っていうか、夏葉よりアタシの方が───」
「あら?聞き捨てならないわね。今すぐ決着をつけてもいいのよ?」
早い早い早い。
お嬢の闘争心がやべぇ。
「上等だ!」
こっちもだった。
2人はあっという間に勝負を始めちまった。
俺と放クラの3人は外に出て観戦することにした。
横にいるのは小宮さんと、大和撫子の子と、お団子ヘアの子。
「そういや自己紹介してなかったっすね。田中です」
「あ、園田智代子です!17歳です!」
元気な子だな。
「杜野、凛世と・・・・・申します。16歳で・・・・・ございます」
ゆっくり喋るなぁ。
落ち着いた子だ。
マジでお淑やかって感じだ。(完全にイメージだけど)
「田中さんって、夏葉ちゃんの付き人なんですよね!」
「そうすよ」
「やっぱり夏葉ちゃんのこと好きだったりするんですか!?」
何を聞いてんだこの子は。
杜野さんは止めてくれるだろうって思ったら、園田さんの隣で興味津々な顔してる。
まさかこの2人、胸キュンが好きなタイプか!?
「ないっすね。他に好きな人いるんで」
「えぇ!?」
誰かは言えねぇけどな。
同じ事務所のアイドルだって言ったら普通に不味いだろ。
ていうか園田さんは言いそうな気がする。
「凛世ちゃん、どう思う?」
「田中様は、夏葉さんを・・・・・愛していないと?」
「愛してないっていうか・・・・・」
年頃の女の子が軽々しくそういうことを言うんじゃありません。
まぁ、お嬢はめっちゃ美人だと思う。
お嬢に好きって言われたら俺は多分ホイホイついてく。
けどそんな事は(多分)ねぇから、俺は鈴木さんを好きなままでいれる。
「俺とお嬢は付き合い長いわけでもないんで、愛してるとかそういう話じゃないっすね」
「愛に時間は関係ない!ですよ!」
すげぇ興奮してる。
多分俺とお嬢をくっ付けて、色恋沙汰に結びつけたいんだろうな。
女子高生ってのはある意味怖いぜ。
「とにかく、俺とお嬢はそういうのじゃないんで」
「ちぇー、キュンキュンするお話聞きたかったのになー」
ちぇーじゃねぇわ。
・・・・・ていうか、小宮さん全然喋らねぇな。
小宮さんの方を見ると、いつの間にかお嬢と樹里さんと一緒にバドミントンしてた。
「俺らもやりますか」
「えっ!?」
・・・・・園田さん、本当は運動したくねぇんじゃねぇか?
「ほら、あなた達も早くやるわよ!」
「どわ!?」
タイミング良くお嬢がこっちに来た。
園田さんの逃げ場を無くして、チーム分けしてバレーをやることになった。
(俺は利き手と逆の手を使ってプレイするようお嬢に言われた。まぁそりゃそうか)
○○○○○
「えいっ!」
「ごはっ!」
「田中さーーん!?」
○○○○○
「園田さん、くれ!」
「はいっ!」
「オラァ!!」
「っ、果穂!」
「はいっ!」
○○○○○
「田中!」
「さんつけろや!」
「わっバカ、早く打てって!」
○○○○○
「凛世ちゃん、田中さんが狙ってるよ!」
「はい」
「・・・・・クソが!」
「あれー私!?」
○○○○○
「これで───終わりよ!!」
「あかーーーん!!」
○○○○○
こいつら、中々強ぇ奴らばっかだ。
今は流石に疲れたのか全員休憩してるけど、なんだかんだ勝敗は五分かもしんねぇ。
「太郎くん、スタミナに関しては本当に大したものね」
そう言うお嬢もちゃんと立ってる。
足震えてるけど。
「女の子に負けてたら格好つかないっすよ」
「アタシ、だって、負けてねーよ・・・・・!」
樹里さんも立ってる。
足震えてるけど。
「ギリギリそうに見えますけど」
「うるっ、せー・・・・・!」
他の3人・・・・・園田さん、杜野さんはダウン。
小宮さんも楽しそうにしてるけど座ってる。
今は全員で飲み物飲んでる。
汗の量がマジでやべぇ。
けど、それ以上に不味いことが起きていた。
「お嬢、ちょっといいすか」
「どうかした?」
お嬢を皆から少し話して、小声で話す。
「今俺も含めて皆Tシャツ1枚じゃないすか」
「そうね」
「汗で服が透けてるもんで、下着が見えるんすよ」
お嬢は視線を胸元に落とした。
それにつられて俺の視線も自然と下に───は絶対落とさねぇ!
「・・・・・た、確かにそうね」
ちょっと恥ずかしそうにすんなよ可愛いな!
「お嬢はともかく他の4人とは初対面なんすから、そんなセクハラ現場になったら絶対ダメっすよ」
「・・・・・私はともかく?」
「お嬢は手遅れっていうか・・・・・」
「詳しく聞きたいわね?」
アイドルが手の骨鳴らしちゃいけません!
怖い笑顔ってこういうのなんだろうな。
美人なのは変わんねぇけど。
「寝起きのお嬢とかもっとっすよ?」
「そんな刺激的な格好をしてた記憶はないけれど・・・・・」
簡単に言えば、「家でのお嬢が可愛すぎて下着が見えるよりドキドキしてるからまだマシ」ってだけの話だ。
けど下着が透けて見えるのは年頃の男子に良くない。
てかアイドルなんだから絶対ダメだ。
「詳しく言うとセクハラになるんで」
「・・・・・あなた、私をそういう目で見てるの?」
前にもこんな話したよな。
見ちまうに決まってんだろ。
流石にキレんぞ。
「まぁ、そう・・・・・っすね。すんません」
お嬢は美人、スタイル良い、おまけに良い人とかいうバケモンみてぇな魅力を持ってる。
そんなん好きになるだろ!
鈴木さん?それとこれとは別だ。今俺と1番身近な女の人はお嬢だからな。そっちに意識がいくのは仕方ない。
・・・・・ていうか、鈴木さんとも結構会ってねぇな。
っと、いかんいかん。
お嬢との話の続きだ。
「最低」
お?
喧嘩か?
となると、いよいよ俺もお嬢の家を出る時か。
「───ふふっ、なんてね」
「へ?」
「あなたをスカウトしたのは私だもの。それに、最初にもそんな話をしたじゃない?」
「覚えてたんすか」
「もちろんよ。それにあなたは
なんか、胸が痛ぇ。
行動に移してないだけで褒められたもんじゃねぇんだけどな。
「気にはして欲しいっすけど・・・・・」
「何か言いたげね?」
「言っても怒らないすか?」
「そんなの、何を言うかによるわ」
「・・・・・結構気持ち悪いし、恥ずいんすけど」
「?」
俺が何言うかも知らないで、お嬢は小首を傾げる。
普段「ストイックでカッコイイ!」みたいなタイプなのに、仕草は可愛い側なのは普通にずりぃ。
「お嬢、朝弱いじゃないすか」
「むっ」
可愛いけど一旦スルーだ。
「朝のお嬢をほぼ毎日見てドキドキしっぱなしなんすよ。だから気にせずいられたら、身がもたねぇっていうか・・・・・」
「・・・・・そ、そうなの?」
だーかーらー!
なんでそこで顔赤くすんだよ!
余計ドキドキすんだろが!
「こ、これからは気を付けるわ」
「・・・・・うす」
「と、とりあえず移動しましょう?」
なんか、変な空気になっちまった。
今後こういうのはできるだけ控えねぇとな。
「そっすね。まず着替えねぇと」
「・・・・・あんまり恥ずかしがってるようには見えないけど?」
「気持ち悪い申し訳なさの方が勝ってるんすよ」
「そ、そんなに自分を責めなくてもいいのよ?」
「お嬢、皆待ってますけど」
「あ、そうね!」
強引に話を終わらせて良かったかもしれねぇ。
お嬢が変に優しくなりそうで怖かった。
「ほら、あなたも行くわよ!」
・・・・・あーくそ、顔あっちぃな。