アビドスと太陽を守りたい月   作:キヴォトス一般人

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対策会議(過去)です。
いえ、物語中は過去じゃないですけどね()

いつもありがとうございます!


13話:対策会議

「はい、恒例の対策会議を始めるよ~」

 

 いつも通りわたし達は対策室に集まっていました。

 前にも言ったと思いますが、ここは対策委員会室というのが正式名称です。とはいえ、何か語呂が悪いということでわたし達は対策室と呼ぶようにしています。対策委員室、というのも何か微妙ですしね。

 

 それでこの教室は実のところ、生徒会室でありません。わたしとホシノちゃんが1年のときに使用していた生徒会室は別に存在しているのですが、名前の変更と共に教室も変えよう、というホシノちゃんの案に乗って違う空き教室を対策委員会室としました。

 まあ、ホシノちゃんも色々と考えていたのでしょうし、部屋を変えることは別に反対しませんでした。そんな生徒会室はそのまま残っています。

 

 全校生徒2人であったアビドスはノノミちゃんとシロコちゃんが入ってくれたこともあり、4人となりました。それでも少ないことに変わりはありませんが、それでも賑やかになりました。

 

「わたし達アビドスが払わなくてはいけない借金の残りですが……ざっと7億円ですね」

「いや~本当に先が見えないよね」

「ん……」

「巨額ですよね」

「これでも結構減ってるんですよ」

「そうだねえ……」

 

 そしてわたし達が返さなくてはいけない金額はまだまだ巨額です。

 これでもかなり減っている方なのですよ? 知ってるかもしれませんけど……ノノミちゃんとシロコちゃんのおかげもありますけどね。

 

「状況が状況だけに仕方がないことなのでしょうが……」

「まあね。色々と過去の資料も漁ってたしてるけど、砂漠化とか砂嵐による対応費用のせいかな」

「借りた先もよろしくないですね」

「カイザーローンでしたっけ」

「そうそう」

 

 さっきも言ったようにこれでもかなり減ってる方ですからね。一番初めの頃は9億円近くだったものが、わたし達とユメ先輩の代では8億円ほど。そして今は更に減って7億円となっています。

 思ったより返済できていますけど、それでもやっぱり先が見えないのも事実です。カイザーローンはまあ、何というか……闇金というものです。だからアビドスに巨額な融資をした訳ですけどね。

 

 とはいえ、わたしはこのカイザーローンを含め、このアビドスの現状についてカイザーコーポレーションを疑っています。

 証拠とかはありませんが、土地を売却した相手はカイザーコンストラクションですし、返済先についてもカイザーローンです。どっちもカイザーコーポレーションのグループ会社なのですよね。

 

 こんな偶然ってありますかね? いえ、疑うことくらいしか出来ないのですが。

 

「そんな訳で! 何かいい意見がある人~」

「ん!」

「シロコちゃんどうぞ。いや何となく予想がつくんだけど」

「銀行強盗」

「「……」」

 

 そんなことを考えていると、話が進んでいました。

 そしてシロコちゃんはかわいいのですが、ちょっとやんちゃなところが玉に瑕ですね……好戦的なところも合わさっているのでしょうけど。

 ノノミちゃんもホシノちゃんも苦笑いをしています。

 

「却下」

「しゅん」

 

 ばっさりとホシノちゃんに却下されたシロコちゃんは落ち込みます。毎回恒例の流れではありますが、シロコちゃんはもっと違う方法を考えてほしいですね……思わずわたしも苦笑いします。

 

「やっぱりこれで……」

「それは駄目ですよ」

「ですよね」

 

 それに頼るのは駄目です。そこはホシノちゃんも同じ意見のようで、わたしが却下すると頷いてくれていました。

 

「いつも通りだねえ」

「そうですね……ホシノちゃんは何かないのですか?」

「えーおじさんに聞いちゃう?」

 

 わたしはホシノちゃんに話を振ってみます。

 アビドス廃校対策委員会、略称として対策委員会と名前を変えていますが、結局は借金という負の遺産は引き継いでしまっているので、結局のところアビドス生徒会の時と活動方針は変わりませんね。

 

「バスをハイジャックしてアビドスに連れてこよう」

「……ホシノちゃん?」

「ん……面白そう」

「シロコちゃん……」

「あはは……」

「生徒数が増えれば稼ぎも増えるし、現実的だと思うよ!」

「いや、ハイジャックの何処が現実的なんですかね……」

 

 とんでもないことを言うホシノちゃんとそれに同意するシロコちゃんを見てわたしは再び苦笑いをします。ノノミちゃんも困ってるじゃないですか……。

 

「でも確かに生徒数を増やすというのは大事かもしれませんね。ハイジャックとか犯罪はおいておいて」

「それは確かにそうですね」

 

 ノノミちゃんも生徒数を増やす点においては同意のようでした。

 とは言え、今更こんなところに来てくれる生徒とか居るのでしょうかね? いえ、シロコちゃんとノノミちゃんが来てくれましたけど。

 

「ん。私と同じような記憶喪失の人を保護する」

「えぇ……」

「きっと他にも居る……はず」

「いや、そんなことが頻繁にあっても困りますよ……」

 

 仮にシロコちゃんと同じような子が居たら間違いなく保護はしますけど、そんなことが頻繁にあっても困りますね……。アビドスは記憶喪失者の多い自治区とか言われそうです。

 

「セレネちゃんは何かないの~? おじさんに聞いといて副委員長のセレネちゃんは言わないのは不公平だよ~」

「むむ」

 

 そんなことを考えていると今度はホシノちゃんがわたしの方に振ってきました。ホシノちゃんの言う通りなので、何も言えないのですが……そうですね、何がありますかね?

 

「そうですね。ここはでっかく、一発を狙って宝くじを大量購入しましょう」

「えぇ……」

 

 戸惑うホシノちゃん。

 

「それは、どうなんでしょうか……」

 

 苦笑いするノノミちゃん。

 

「セレネ先輩、豪快」

 

 ちょっと違う感じで見てくるシロコちゃん。

 何ですか、その反応は……ちゃんと意見を言ったじゃないですか。でもぶっちゃけ、先程の2つの案よりかは、宝くじのほうが平和的だと思います。

 

「宝くじは当たれば確かに一攫千金ですね……」

「どうせ当たらないでしょ~あんなのー」

「でもでも、実際当たったっていう結果もありますし、ワンチャンはありそうじゃないですか?」

「うへぇ……」

 

 キャリーオーバーとかで、当てた人とかかなり運がいいですよね。でもホシノちゃんの言うことも分かりますね。当たるかどうかは本当に運次第と言うかなんというか。

 とはいえ、そういった賭けのことも考えないと案は思い浮かびませんしね……難しいところです。

 

「やはりいい案と言うか、いつも通りですねえ」

「そうだね」

「やはり地道にコツコツしかないのでしょうかね」

「ん」

 

 とは言え、このまま地道にコツコツ返していくとしても返済しきれないことは分かりきっていますし、先程考えたことを思い出します。

 もしカイザーがアビドスの現状を悪化させた元凶だと言うなら、仮に一括返済できたとしても返済済みにするかは怪しいですね。

 

「んー稼ぎを今以上に増やすくらいしか出来ませんね」

「セレネちゃん、無理はダメだよ?」

「……はい」

 

 わたしがそんなことを呟くとそれを聞いたホシノちゃんがちょっとした圧を出しながら言ってきました。

 

「ホシノ先輩とセレネ先輩って仲がいいですよね」

「そうかなぁ? まあでも1年の頃からの付き合いだしねえ」

「ですね」

 

 わたし個人としても仲が悪いとは思っていませんしね。

 

「ノノミちゃんとシロコちゃんが来る前は2人で色々していたからねえ」

「ええそうですね」

 

 気付けば2年生になっていましたからね。

 色々あるとやはり時間の流れは早く感じますよね。わたしだけかもしれませんが……そう思いながらノノミちゃんとシロコちゃんを見ます。

 

「?」

「セレネ先輩?」

「いえ、そう言えば2人にはまだちゃんと言えてなかったなと思いまして」

「何がですか?」

「ん」

 

 ちょっとだけ困った顔をするノノミちゃん。シロコちゃんは相変わらず、表情が少し分かりにくいですが、何となく分かります。

 

「――アビドスに来てくれてありがとうございます」

「っ」

「!」

 

 自分でできる限りの笑顔を作り、2人の後輩に言うのでした。

 

 




無自覚なのかこの子?



相変わらず過去の会議は捏造(たぶん)
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