アビドスと太陽を守りたい月 作:キヴォトス一般人
明日は諸事情の為、もしかすると投稿ができないかもしれないです。
「あがっ!?」
ホシノ達がヘルメット団と交戦している中、突然後方に控えていた別のヘルメット団がその場に倒れ伏した。
「おい、どうし……ぎゃ!?」
続けてそれに反応した別のヘルメット団が同じようにその場に倒れ伏した。いきなりのことだったのもあり、誰もが状況を把握できずにいた。
「ぎゃあ!?」
「おい、後ろだ! 後ろを警戒し……ぐは」
「何が起こって……っ」
その出来事はとどまることを知らず、次から次へとヘルメット団を倒していく。その様子を先生やホシノ達、残りのヘルメット団達が愕然と見ていた。
しかし、驚いたのも束の間でありホシノは何が原因なのかを理解し、表情を緩ませた。続けてシロコ、ノノミと何が起きているのかを理解し始め、最終的にはセリカとアヤネも把握した。
”えっと……何が”
そんな様子を先生は茫然を見ていた。
「あーこれは」
「そうですね……」
「ん」
「間違いないわね……」
「この精度にこの弾は……」
”えっと、皆は分かっているの?”
「分かっているというか……最初は驚いたけどねぇ」
「先生。さっき言っていた、わたし達のもう1人の先輩ですよ☆」
そこで先生は理解する。
この状況を作り出しているその正体は、まだ会えていないもう1人の3年生であると。
「これはもうおじさんたちの出番はないかなぁ?」
「いやいや、まだまだ敵は居るわよ! やるわよ!」
「はい、お仕置きです☆」
『先生、引き続きお願いします!』
”わかった”
やる気十分な面々と、アヤネにそう言われれば仕方がない、先生は指揮を続行するのだった。
◇
「ただいま戻りましたー」
「セレネちゃん、おかえりー」
「ん」
「セレネ先輩おかえりなさい☆」
「おかえりなさい、狙撃助かりました」
「相変わらず、セレネ先輩はえぐいわね……」
「むむ、セリカちゃんそれはどういう意味ですか」
「にゃ!?」
そんなことを言うセリカちゃんにはお仕置きです。
「ちょ、セレネ先輩耳触らないで!?」
「お仕置きですよー」
「何かした!?」
「えぐいと言われました」
「そこ!? いや事実よね」
「むむ」
「にゃっ」
セリカちゃんの方が身長は高いので、普通では届かないのですが……まあ背伸びすれば一応届きますし、こうすることでセリカちゃんは抵抗するように動くのでそこを上手くコントロールして耳を触って見せるのです。
「セレネ先輩、ごめんさい、謝るので許してください!」
「まあいいでしょう」
「相変わらずセレネちゃん容赦がないなあ」
「ホシノ先輩、止めて欲しかった……」
「いやあごめんごめん」
”仲が良いんだね”
おや?
そんなやりとりをした後に対策室を見れば、見慣れない人が居ますね? 身長はそこそこでしょうか? 何ともまあ中性的な顔ですね、どっちか分かりませんが大人であることは何となく分かります。
「お客様ですか?」
「あ! そうです。セレネ先輩、以前送った支援要請を受理してきてくださった先生です!」
「おー」
この人が先生ですか。
確かに何か不思議な感じがしますね……大人というとやはり黒服が思い浮かんでしまうのですが、この人からは嫌な気配はしませんね。まだ分かりませんが……少なくとも悪い人ではないかもしれません。
「先生ですか?」
”そうだよ! 初めまして”
「初めまして」
わたしがそう言うと先生も笑顔で返し、首からかけているIDカードを軽く持ち上げて、わたしの方に見せてくれます。
なるほど、本当に先生というか連邦生徒会なんですね……ようやく、支援要請が受理されたようです。今までは何の返答もなかったのですけどね……。
いえ――それはあくまで連邦生徒会でしょう。
先生の顧問をしているシャーレは確かに大本は連邦生徒会ですけど、組織としては別なのかもしれません。このシャーレの権限もかなりものみたいですからね。
連邦生徒会としては支援が出来ないけれど、シャーレとしてならば支援ができる……ということを考えると、連邦生徒会も色々あるのかもしれませんね。それに今は連邦生徒会長が行方不明っていうのもありますし……
ホシノちゃんはまだ少し疑っているような感じで先生を見ていますね。仕方がないことですけどね。こればかりは、先生自身が信用を得るしかありません。
「先生。改めて、ありがとうございました」
”気にしないで”
「丁度、全員揃っているので簡単な自己紹介を……私達はアビドス廃校対策委員会です」
アヤネちゃんが先生に向き直って口を開きます。
なんでも先生の指揮はかなり戦いやすかったとかなんとか? わたしは丁度、ここに居ませんでしたので恩恵を感じることは出来ませんでしたが……。
「私はオペレーターをしています、1年の奥空アヤネです。こちらが……」
「同じく1年の黒見セリカよ」
アヤネちゃんが最初に自己紹介をした後にセリカちゃんが同じように名乗ります。
「そしてこちらが……」
「ん。2年の砂狼シロコ」
「同じく2年の十六夜ノノミです☆」
1年生組……と言っても2人ですが、自己紹介を終えると次はノノミちゃんとシロコちゃんの番になります。
「最後にこちらの2人が……」
アヤネちゃんがわたしとホシノちゃんの方を見ます。ここは副委員長であるわたしからにしましょうか。とはいえ、先生は何となくわたし達の全員の名前は知っていそうな感じですが。ちゃんと事前調査もしたのかもしれませんね。
「3年の星月セレネです。対策委員会の副委員長をしています。それでこっちのホシノちゃんが……このアビドス廃校対策委員会のボスです」
「うへ、ボスとかなんか嫌だよー……」
「え、でもボスですよね」
「ボスですね☆」
「うへぇ……。ええと、小鳥遊ホシノ。ボスじゃなくて委員長をしているよ。よろしくね~」
”よろしく!”
ボスというのは間違いではないですよね? ホシノちゃんは否定していますけど……まあそれはさておき。
それぞれの自己紹介が終わると、わたし達は再び先生の方に目を向け、次にアヤネちゃんが口を開きました。
「先生、改めて支援物資ありがとうございます。このおかげで今までよりかなり余裕をもって襲撃を防ぐことが出来ました」
”それはよかった。この襲撃はいつも?”
「はい……毎日とまでは言いませんが、かなりの頻度でわたし達の校舎を襲撃してきます。ただ……」
「ん。今回は数がかなり多かった……今までよりも」
”そうなの?”
「そうですね。倍とまでは言いませんが……」
確かに遠くから見た感じでもいつもよりも数は多かった気がします。あとはヘルメット団が使っている武装とかも……これは今に始まったことではないのですが、不良にしてはいい武器を使っているというのが気になっています。これはホシノちゃんも同じ感じでしたし。
「今回は何か覚悟を決めた顔をしていた気がする」
「それいつものことじゃない? でも、確かにちょっと焦っているようにも見えたわね」
……焦る理由は何でしょうね?
いえ、何となく予想出来ますが……あまり考えたくはありませんね。今までもずっと疑っていましたけど、結局は疑うことしか出来ないこの状態ですからね。
やはり、昔から……今までの間でも思っていましたが、裏に何かが居ると思います。それがカイザーなのか? 黒服なのか? 或いはその両方なのか? まだ分かりませんし、証拠も何もないのですが。
「……」
アビドスの土地の件もありますからね。この話についてはホシノちゃんとは共有済みですが、まだ他の皆には伝えていません。今以上の負担を増やす訳にもいかないですからね。
ただ、ホシノちゃんとも話しましたがいずれは話す必要があると思います。負担をかけたくないというのはありますが、それでも大切な仲間でもある訳です。隠し事をするというのはどうしても気が引けてしまうのです。
「セレネちゃん?」
「あ。すみません、ちょっと考え事をしてました。それでホシノちゃんどうしましたか?」
「あまり無理しないでね? えっとね、どうせならこっちからヘルメット団を攻めようって話になった」
「え」
ホシノちゃん、中々アグレッシブですね?
と思ったら、ノノミちゃんやシロコちゃん達もやる気満々ですし、セリカちゃんも同じ感じですね。アヤネちゃんはちょっと戸惑っていますが、先生も何か乗り気ですね?
「……確かにいいかもしれませんね」
「それならやっちゃおー」
『おおっ!』
そんなこんなで、凄い乗り気である面々に流されるがまま、わたし達の作戦は決行されたのでした。
追撃っ
セリカの耳を触りたい()