アビドスと太陽を守りたい月 作:キヴォトス一般人
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何故かこれも普通より1.2倍くらい長いです。()
”ねえ、アヤネ”
「どうかしましたか、先生」
”セレネって得意武器はスナイパーライフルって情報だったんだけど……”
追撃作戦中、先生は部室に居るアヤネにそんな話をする。
先生は、予めアビドスの情報を確認していたのだが……もちろん、その中には在籍生徒の名前もあれば資料もある為、くまなく調べていたのだが、その中で先生は今回の戦闘で気になることがあった。
「あー……そうですよね。でも、先生の情報は合っていますよ?」
”そ、そうなの?”
あまりにも普通にアサルトライフルを使っているのを見て、先生が見た情報は別のものだったのではないかと疑っていたが、アヤネの言葉により間違っていなかったことが分かった。
というよりも、最初はセレネは情報通りにスナイパーライフルを使って後方から火力支援を行っていたので情報通りだったはずなのだが、急に前に出ると言い、アサルトライフルに切り替えてホシノと共に殲滅戦を行っていたのだ。
「セレネ先輩の得意武器はスナイパーライフルで合っていますが、中近距離でも対応できるようにってアサルトライフルも使うようにしているそうです」
”……なるほど”
「数が減って殲滅戦に入るとセレネ先輩は普通に前に出て、ホシノ先輩と一緒に戦線を維持してくれるのですよね」
”そうなんだね……何というか凄いな……”
「たぶん……他にも驚くことはあるかもしれません」
”え……”
◇◇
『カタカタヘルメット団の撤退を確認しました! やりました』
「やりましたね☆」
「弾があればこんなもんよ!」
「ん。これでしばらくは襲ってこないと思う」
「いやぁ、大人の力ってすごいね」
「……ホシノちゃん、たぶんこんなことを出来るのは先生くらいだと思いますよ?」
改めて先生という存在を認識させられましたね。
今回は指揮下にわたしも入らせてもらいましたが、確かにかなり戦いやすい感じはしました。それに、かなりの数の補給物資を用意してくれていたようで、万全の状態で追撃することが出来ました。
元々、弾がないという訳ではないのですが補給ルートとかがアビドスでは少ないので、節約して戦っていたのですよね。定期的に買い出しをしても、襲撃は無くなりませんし、治安維持にも使う必要があって結構かつかつな状態でした。
それをシャーレが一気に問題を片づけてくれたわけです。この数があればかなりの間は少し贅沢をして使っても長持ちするかもしれませんね。
そうしてカタカタヘルメット団への追撃作戦については圧勝という形で終わりました。
今更ヘルメット団相手に後れを取るような面々ではありませんからね。弾さえあれば、本来のパフォーマンスを発揮して、敵を倒してくれます。ヘルメット団自体はそこまで強くないのですが、如何せん数が多いです。
なので、1人1人がそこまで強くなくとも数の暴力で襲ってくるので厄介なのですよね。
「ん。セレネ先輩も最初は狙撃してたけど普通にホシノ先輩と一緒に前に出て無双してたよね」
「相変わらず、お二人の連携は凄いですね☆」
「いやいや、セレネちゃんが強すぎるんだよ」
「いや何言ってるんですか。ホシノちゃんの方が強いでしょう」
「また始まりましたね☆」
え、何のことですかノノミちゃん。
シロコちゃんの言う通り、わたしは最初は後ろで狙撃をしていましたが、数を減らした後はいつも通り前に出てアサルトライフルで敵を倒していました。
そのまま狙撃を続けてもよかったのですが、まあそこは気分ということで……駄目ですかね?
因みに指揮をしてくれていた先生にもちゃんと伝えましたよ。そうじゃないと急に前に出ては指揮もおかしくなってしまう恐れがあるでしょうしね。
「とりあえず、帰りましょうか☆」
「そうですね」
「ええ」
「ん」
「だね」
ヘルメット団の残党が居なくなったことを確認した後、わたし達はアビドスに帰るのでした。
◇
「……突然の追撃作戦でどうなるかと思いましたが、何とかなりましたね」
「ん」
「気にせず弾を撃てるっていいわね……!」
「スカッとしましたね」
「まあこれですぐに襲撃してくることはないはずだよー」
再び対策室に戻ってきた面々はそれぞれの感想を口にする。
ヘルメット団の前哨基地を壊滅したことにより、今後の襲撃の頻度は減るだろう。とはいえ、油断できない状態なのは変わっていないのだが。
今回は弾数を気にせずに全力で攻撃したこともあり、今まで以上の戦績をアビドスの面々は挙げていた。
「ひと段落が付きましたし……先生にはアビドスの現状についてお話させていただきますね」
”うん、よろしく”
そうアヤネが切り出せば、先生を除いた6人全員が真剣な顔になる。それを見た先生は、何か大きなものを抱えているということをすぐに察する。
「まず……単刀直入に言ってしまうとアビドスには巨額な借金があります」
「ん」
「そうね……先生は知らないかもしれないけれど」
”借金……?”
「はい。今現在、アビドス抱える借金の総額は6億5千万円となっています」
”ろ、6億……”
その桁違いな金額に流石の先生もびっくりする。
どう考えてもこんな生徒達が抱えていいような金額ではない。アビドスの治安が悪くなっていることや、砂漠化が進んでいることなどは事前に調べていたので知っているものの、借金については先生は知らなかった。いや、知らなかったというより情報がなかった。
”ど、どうしてそんなに……”
「先生は……アビドスのことをどこまで知っていますか?」
”ええと。砂漠化が進んでいることとか、オアシスが枯れてしまったこと、既に砂に埋もれてしまった場所がある……そのくらいかな”
「よく、調べてますね」
そう答えるのはセレネであった。
”もちろん。生徒のことや学校のことだからね。先生としては当然だよ”
「……そうなんですね」
先生が答えれば、セレネはそれだけ返し表情を少し緩ませる。
「私達……いえ、我が校が借金を抱えた理由としては色々あるのですが……先生はアビドスが昔はかなり大きな学園だったのは知っていますか?」
”うん”
それは先ほど言ったように、アビドスのことを知る為に事前に調査をしていたこともあり昔は大きな学校であることは先生も知っていた。
「流石ですね。……昔のアビドスはキヴォトスでも屈指を誇る学園でしたが、度重なる砂嵐や砂漠化の影響でどんどん人が離れて行ってしまい、今に至ってます。砂漠化や砂嵐などの自然災害に対応するために我が校は大量の資金を投入せざるを得ませんでした」
アヤネが説明を続ける。
アビドスがこの状態になってしまった一番の要因は、誰もが知っているであろう、砂嵐と砂漠化の悪化である。極論を言ってしまえばこの要因が無ければ、今でもアビドスはキヴォトス屈指の学園として名を馳せていたであろう。
「ですが、このような状況に陥ってしまった学校に巨額の資金を貸し出してくれる銀行なんて存在する筈がありませんでした。……だから、悪徳金融業者を頼るしかありませんでした。まあ、いわゆる闇金ですね」
”闇金……”
「先生が思うところはあると思いますが、当時のことを考えると仕方がなかったのでしょう」
「そうですね……対策をする必要があった」
「――ですが、対策や対応むなしく、砂嵐は年々悪化していく一方で借金は増え続けました」
「それで今に至ってる訳だよ」
最後にそうホシノが言う。
「でもさっきの6億円というのは確かに巨額ではありますが、わたしとホシノちゃんが1年生の時はもっとありましたからね」
”そ、そうなの?”
「そうだね……あの時は8億円くらいかな?」
”は、はちおく……”
再びとんでもない桁の金額が出てきたことにより、先生は再び驚く。
「え、セレネ先輩、ホシノ先輩、それ初耳なんですけど!」
軽く話す2人にセリカが反応する。
「えっとホシノ先輩……昔は8億円だったんですか?」
「うんそうだよー。あれ、セリカちゃんとアヤネちゃんには言ってなかったっけ?」
「あー、ホシノちゃん。たぶんそれを知っているのはわたしとホシノちゃん、シロコちゃんとノノミちゃんだけですよ」
「ノノミ先輩とシロコ先輩は知ってたの!?」
「ん。話は聞いてた」
「入学する前にちらっと聞いてましたね☆」
ノノミとシロコもまた軽く返せば、セリカは驚き固まってしまう。アヤネに至っては困惑した表情を見せていた。
”ええとつまり……2年間で2億円近く返済したってことだよね? それはそれで凄いね”
「そういうことにはなりますね。でも、1年の時は確かにわたしとホシノちゃんだけでしたが、2年の時はノノミちゃんとシロコちゃんが入ってきてくれたのもあって思ったより多く返せたんですよね。いやぁ、感謝してもしきれないです」
「ん。そんなこと言ってるけど、一番稼いでいたのはセレネ先輩」
「そうですね☆」
「アビドスの為に頑張りたかっただけですよ。でも本当にシロコちゃんとノノミちゃんのおかげで楽になったのは事実ですよ? そして今年に至ってはアヤネちゃんとセリカちゃんも来てくれましたからね」
「だねぇ。昔と比べればかなりにぎやかだよ~おじさんは嬉しいよぉ」
”何というか……凄いね?”
「話を逸らしてすみません。昔は8億円あって、2年の時に7億円、今になって6億5千万円となっています。これが今のアビドスの借金ですね」
「……ちょっと私も驚いていますが、ひとまずはセレネ先輩の言う通り、6億5千万円の借金が我が校にはあります」
”……”
「減ってはいても巨額なのは変わりないよね」
「ん……」
”うん、そうだね……”
ホシノの言う通り、6億5千万まで減ってはいてもそれが普通に見れば巨額であることは変わりがない。それには何も知らなかった先生も同意する。
「それで今回、先生が支援物資を持ってきてくれたから、今以上に借金返済に力を入れられる訳なんだ」
「借金以外の問題は一発で片付いちゃいましたね☆」
「ん。大人ってすごい」
「いやそれはさっき言ったように先生しかできないことだと思いますよ?」
そんな会話をするアビドスの面々を見て先生は改めて、全員を見る。
「先生?」
”そのアビドスの借金の返済、私にも手伝わせてほしい”
「……!」
「先生も物好きだねえ~」
”生徒の為に動くのが先生だからね”
「そ、そう……」
「先生も中々あれですね」
”?”
「何でもありません。……えっと、改めてよろしくお願いしますね、先生」
”よろしくね”
そう言って先生はセレネの差し出してきた手を掴み、握手するのだった。
大人の力ってスゲー(すっとぼけ)
え? ここは普通セリカが外に出るんじゃないかって?
……この世界線ではセレネが居るので先生へのセリカの初期好感度はちょっとだけ高いです(テキトー)
原作に沿わせつつオリジナルを混ぜるのは至難の業……書ける人は尊敬する