アビドスと太陽を守りたい月 作:キヴォトス一般人
ここからは不定期となります。
分かりやすくするため、話数は連続ナンバリングとします。
46話:家
「ここに帰ってくるのは久しぶりですね」
色々とあった後、わたしは1年生の初期の頃に過ごしていた家の目の前にやって来ていました。
「だいぶ……時間を空けてしまいましたね」
借金関係の問題がひと段落つき、返済も今までよりもかなり楽になりました。稼ぎを少し落として返済している状態ですが、それでも元金が結構減るようになりました。
そう言えばわたし達のところに毎月、回収に来ていたあの人は解雇されたようです。理由までは分かりませんが、まあ、色々あったのでしょうね。因みに新しく回収しに来た人は結構紳士的でした。
そもそもカイザーローンやカイザー銀行自体が連邦生徒会の調査が入って色々と公になり、だいぶ立場が危うい状態となっていますね。それでも維持できているのは流石はカイザーと言うべきでしょうか。
「まあそれはいいですかね」
カイザーについてこれ以上考えるのは無駄なので、思考を切り替えます。カイザーグループ自体もそこそこの打撃が入ったんじゃないですかね? 知らないですが。
「へぇ、ここがセレネちゃんの家かぁ」
「ん?!」
そんなことを考えながら家の方に足を進めようと思ったら後ろからホシノちゃんの声が聞こえ、わたしらしくない声を上げてしまいました。
「セレネちゃんでもそんな声出すんだねえ。これはいいのを見れたかも」
「ホシノちゃん……何でここに」
わたしでも驚く時は驚きますよ……言葉にもならないこれは反射的に出てしまうものですし、どうしようもないです。ホシノちゃんに聞かれたのはちょっと恥ずかしいかもしれませんね。
というより、何でホシノちゃんがここに居るのですかね……外に出るよとは伝えましたけど、場所までは言ってなかったはずですが。
「……さてはホシノちゃん、付けてきましたね」
「うへぇ」
ジトっとホシノちゃんを見ます。
というか、わたしが尾行に気付かなかったとか、不覚ですね……やっぱりホシノちゃんの尾行スキルというか、隠密スキル? レベルアップしてませんかね。
「学校はどうしたんですか……」
「シロコちゃん達が居るから大丈夫大丈夫」
「あとでシロコちゃん達に感謝しないとですね」
基本的には校舎にはわたしかホシノちゃんが必ず居るようにしていましたけど……あの一件の後からだいぶアビドスも平和になりましたけども、それでも油断大敵、なのですがねえ。
「ちゃんと掃除とかして綺麗にしてからホシノちゃん達を入れたかったんですけどね」
「うへ、それはごめんよ」
「まあいいです。汚れていても気にしないでください」
「そこは問題ないよーついて来たのはおじさんだし」
「やっぱり尾行して来たんですね」
「ふっふっふ」
全くホシノちゃんは……。
家にはさっきも言ったように、全然帰って来ていませんから恐らくかなり汚れていると思います。手入れとかしてない訳ですからね。冷蔵庫に入っているものとか、置いてある調味料とか――たぶん全滅でしょうね、賞味期限的な意味で。
「とはいえ、ちょっとホシノちゃんはここで待っててください」
「おっけ」
流石にいきなり中に入れるのは危ないかもしれませんからね。
そう言ってわたしは、まずは1人で家の中に入る為にドアを開きました。わたしが暮らしていた家は一軒家だったりします。2階建てというちょっと豪華というかおしゃれな感じですね。
カイザーコンストラクションの土地となっていましたが、一連の出来事の影響で彼らは一部の土地を手放しています。その手放した土地の中の1つがこの地区ですね。
連邦生徒会……いえ、正確には連邦捜査部のシャーレの先生の立ち合いもあり、不当な金額で売られることはなく、総合的な観点からの基本的な価値で買い戻すことが出来ました。
先生はあの騒動の後もちらほらとアビドスに来てくれては、わたし達のことを支援してくれたりしてくれています。本当にありがたいことですが、アビドスの問題はアビドスで解決したいというのもありますし、そこまで大きな干渉はしないようにお願いしています。
少しわがままかもしれませんが、やっぱりアビドスですからね。もちろんどうしようもないことや困ったことがあったら相談するようにしています。
先生も色々と忙しそうに活動しているようですね。わたしが言えた義理ではないですが、体調には気を付けて欲しいですね。
「……ふふ」
思わず笑いがこぼれました。
色々とありましたが、こうして平穏を手に入れられたのはとてもいいことだと思います。そしてアビドスにここまで手を貸してくれた大人は先生が初めてでした。
「皆も既に先生に対しては好意的になってますね」
気持ちは分かりますね。セリカちゃんも最初はつんつんしていたけど、今ではそこまでではなく先生への信頼は上がっているようです。それはわたしやホシノちゃんも同じです。
最初はあれでしたが……わたしも先生のことは信用し始めていますよ。
とはいえ、わたしがやることはこれからも変わることはないです。皆を守っていきたいです。
「思ったよりは汚れていませんね」
そんなことを考えながらもわたしは、家の中に足を踏み入れます。確かに所々に埃は被っていますが、想像以下でした。この程度であれば、簡単な掃除くらいで普通に使えそうですね。
「台所もリビングも……それぞれの部屋も問題なさそうですね」
ホシノちゃんを中に入れるのであれば、リビングがいいですかね? ここも確かに汚れていますが、そこまでではないので大変ではなさそうです。
◇◇
「お邪魔します~」
「ホシノちゃんいらっしゃい」
簡単なやり取りをしてホシノちゃんを中に案内します。
簡単な掃除をして、普通に座れるくらいにはしておきましたので、リビングへと通しました。一応、テーブル1つに椅子は4つありますけど、全て埋まることはないですね。
向こう側にはソファーとかテレビもありますけど、テレビは付くか分かりませんね。まあ仮に付いたとしても何もやってないかもしれませんが。むしろ、受信しないまであり得ますね……。
「中は結構広いねえ」
「一応一戸建ての2階建てですからね」
「それさ、全部使うことってあるの?」
「ないですね」
「ないんだ……」
ちょっと微妙な顔をするホシノちゃん。
1人しか居ないし、そもそも1年生の初期の頃しか使ってなかったので……部屋は無駄にありますが、全部を使うことはありませんでした。
「好きなところ座ってください」
「うへぇ。それじゃあ、ここかな」
「あ、そっちですか……」
椅子ではなくソファーの方に座り込むホシノちゃんを見て苦笑いしました。
一応、そっちも簡単な掃除はしましたから座れると思います。どこか気持ちよさそうにソファーに座ってますね、ホシノちゃん……。
「おーこれ結構ふかふかだねぇ」
「だいぶ放置していましたが、思ったより傷んではいないですね」
少しは傷んでいますが、気にするレベルでもないです。普通に問題なく使えそうです。
「今日はごめんね、後なんか付いてきちゃって」
座った後しばらくすると、ホシノちゃんがそう謝って来ました。
「別に大丈夫ですよ。ただホシノちゃんの尾行に気付けなかったのは不覚ですね……」
「ふっふっふ……」
「何かホシちゃんの隠密スキルですかね? 何か上がってませんか」
「おじさんもやればできるんだよぉ」
「出来るでしょうね……ホシノちゃん、スナイパーも出来そうですね」
「うへ、それはどうかなぁ。前、セレネちゃんの銃を借りたとき上手く扱えなかったしなぁ」
「わたしのやつは口径が大きいですし、普通のスナイパーライフルなら使えるかもしれませんよ」
人を選ぶと思いますね、このスナイパーライフルは。
とはいえ、よく考えるとノノミちゃんのガトリングの方がかなり重そうです。このArtemisもそこそこ重量はありますけど、ノノミちゃんのやつよりは軽いですよ。
前、持たせてもらったときがありましたけど……何とか持てるくらいでしたね。そのまま弾を撃つことはどうでしょう? できそうな気はしましたが、やってませんね。
「気が向いたら試そうかな」
「それ試せないやつですね」
「うへ、そんなことはないよ……?」
まあ無理して不慣れな銃を使うのはよくないですが。
「……」
「……」
わたしはホシノちゃんを見ます。
ソファーにもたれかかっているホシノちゃん……のんびりしていますね。青と黄色の瞳も相変わらず、綺麗ですよね。え? わたしもオッドアイだろって? 確かにそうですけども。
「セレネちゃん?」
「ホシノちゃん」
「な、何かな?」
ホシノちゃんに近付きます。
「久しぶりに一緒にお出かけしましょうか」
「うへ!?」
後半に連れて少なくなってしまったホシノとの絡みを補強します(オイ)
番外編は不定期で尚且つ、時間軸が飛びまくりますのでご注意を――
ちょっとしたアンケを設置しました(ネタがあまりないとか言えない)
番外編ネタ(※参考までに)
-
ifルート的な何か
-
セレネ話
-
ホシノとセレネの話
-
過去の生徒会
-
セレネとユメの話
-
対策委員会とセレネ
-
イチャつけ(誰とは言わない)