前半は日記形式です。
この先しばらく陰鬱な雰囲気が続きますので、苦手な方は読むことを控えることを推奨します。
一日目
ホシノと二手に分かれて探すことになった。ただひたすらに探した。人が水なしで行けていける日数は約三日と聞いたことがある。キヴォトスの頑丈な人間なら一週間くらいはいけるかもしれないが、ここは砂漠である。できるだけ早く見つけなければいけない。ユメ先輩が少しでも多く水を持っていることを期待しよう。
二日目
一日たったことで少し冷静になることができた。車を使用して探しに行こうとしたが、あいにく私達では車を運転することができなかった。こんなどうでもいいことをしているうちにも刻一刻と時間は過ぎて行っている。他の学校に支援を頼もうかと考えたが、私達には何のコネもなく、頼れる相手もいなかった。過去の自分の能天気さに腹が立ってきた。
三日目
今日も見つからなかった。ホシノといったん合流して情報の共有を行ったが、何もなかった。ホシノの目の下にはくっきりと隈が浮かんでおり、見るからに寝ていないであろう形相だった。
明日以降は原作ではシェマタの列車砲があったといわれるゲヘナの方へ二人で行くことにした。明日こそは見つけなければ。
四日目
ゲヘナのクソどもに絡まれたせいで無駄に時間と体力を消耗してしまった。今日は少しでもいいから休もうとしたが、できなかった。ユメ先輩が死にかけているであろう中でそんな悠長なことができるわけがなかった。もうユメ先輩がいなくなってから四日もたってしまった。手遅れになる前に急がなければいけない。
五日目
今日も手掛かりすら得られなかった。無能な自分がこの上なく憎く思えてくる。これはきっと自分への罰なのだろう。未来を知っていながら、決められたストーリーに沿って何も未来を変えなかった自分への罰なのだろう。休んでいないからか、体が重くなってきたが、そんなことを気にしている時間など、私には一秒すら与えられていない。足を、動かせ。
六日目
またゲヘナのクソどもに遭遇した。一昨日追い払ったやつらの知り合いらしく、しつこく、蛆のようにわいてきた上、ご丁寧に戦車まで用意してきた。何とか殲滅することができたが、ユメ先輩が原作で言っていた、戦いで問題を解決しても、それはまた次の争いになり、なんでも暴力で物事を解決したら自分を見失うことになる。という言葉を思い出してしまった。しかし、私は
七日目、
ついに一週間がたってしまった。常人ならまず、命はないだろう。しかし、私にあきらめることはできない。生きているかもしれないという希望にすがらなければ、私の心は壊れてしまうかもしれないから。諦めるのはすべてが終わってからだ。歩みを止めるな、私、それは、今するべきことではない。
八日目
いつの間にか寝てしまっていたようだ。時間を確認したら4時間も寝てしまっていたようだ。私にはそんなこと、許されていないというのに。時間を確認するついでにホシノからのモモトークが来ているか確認したが、音沙汰なしだった。あちらもなにも手掛かりを見つけることができていないらしい。早くしなければ...
九日目
ユメ先輩の衣服が落ちていた。初めての手がかりだ。おそらく、暑くて脱いだのだろう。
しかし、大きな進歩だ。ホシノにモモトークで衣服を発見したことと、見つけた座標を送信しました。おそらく、明日になればホシノもこちらにやってくるだろう。もしかすると、ユメ先輩は助かるかもしれない。早く見つけなければ...
十日目になった。ホシノも合流し、二人で周囲を歩いていると、倒れた一つの人影をみつけた。
「「ユメ先輩‼」」
私とホシノは無我夢中で叫び、駆け寄った。顔は真っ青で、体温は異常なほど高くなっていた。
「ル...リ、ちゃ...ん、ホ...シノ、ちゃ...ん。」
ユメ先輩は私たちの名前をつぶやくとそのまま力なく意識を失ってしまった。
「ルリ‼近くの病院調べて‼すぐ運ぶよ‼」
「わかった‼」
こうして私たちは何とかユメ先輩を病院に運び、その場に倒れてしまった。
目が覚めると病院のベッドの上にいた。隣のベッドにはホシノが寝ているが、ユメ先輩の姿は見えない。
「探さ...ないと...」
まだ重い体を引きずりながら、体についている機器を強引に外し、病室の外へ出ようとすると、慌てたような雰囲気の医者が走ってきた。
「安静にしていてください‼まだあなたの体は万全ではないのですよ‼」
「そんなことはどうでもいい、ユメ先輩は、どこ?」
「ユメ先輩?あぁ、梔子ユメさんのことですか。彼女は集中治療室で現在治療中です。予断を許さない状況ですが、おそらく命は助かるでしょう。」
「よ、よかった~。」
「ですが、砂漠で熱にさらされ続けていた影響か、脳の方に深刻なダメージがあり、意識が戻るかはわかりません。最悪の場合脳死となってしまう可能性もあります。」
「そう、ですか。」
「はい。ですが、あと少しでも病院に運ばれるのが遅ければ命はなかったでしょう。そう、気に病まないでください。」
「分かり、ました。」
それから二時間後、ホシノも目を覚ましたが、二日たっても、三日たってもユメ先輩が起きてくることはなかった。そしてユメ先輩が意識を失って四日目。医者から話があると言われた。
「梔子ユメさんのことですが、脳の検査を行ったところ、大脳の損傷が著しく、
「そ、そんな...」
それ以降の話は全く頭に入ってこず、医者の言った一生このままという言葉が脳にこびりつき、忘れられず、気づけば私とホシノは家にいた。
「ごめん、お姉ちゃん。私のせいだよ。あの日、私が風邪をひいて休まなかったら、喧嘩を止めることができたら、こんなことにはならなかったんだよ。」
「それは違うよ、ルリ、私のせいだよ。私がユメ先輩と喧嘩したのが悪かったんだ。それさえなければ、こんなことは起こらなかった。」
違うんだホシノ。未来を知りながらそれをだれにも打ち明けず、かといって何か対策をするわけでもなく、なぁなぁで生きてきた私がいけないんだ。現にこんなことが起きても私はホシノに嫌われるのが嫌で原作知識があることを言っていない。私はそんなクズで、汚い奴なんだよ。だから自分を責めるのをやめてくれ。全部、全部私が悪いんだ。
その日の夜、私は夢の中でユメ先輩に出会った。
「ルリちゃん、久しぶり。」
「ユメ、先輩?」
「いや~、ひどいよルリちゃん。まさか未来の知識があるのに、私が未来で死ぬことを知ってたのに、どうして教えてくれなかったの?」
「そ、それは...」
「なんで黙っちゃうのさ~。私、ルリちゃんのせいでずっと眠ったままになっちゃうかもしれないんだよ?」
「.........」
「まただんまり。ほんとルリちゃんって都合が悪くなると黙っちゃうよね。そんな意気地なしだから...」
「うるさい!ユメ先輩はそんなこと言わない!言うはずないんだ‼」
「はぁ、だんまりの次は逆切れか~。ルリちゃん、私とルリちゃんはしょせん他人。真の意味で相手を理解することなんてできないんだよ。まぁいいいや。ルリちゃん、私、ルリちゃんにお願いがあるんだ。できるだけ、苦しんで生きてね。私を殺したという罪の意識の中、苦しんで苦しんで苦しんで生きてね。」
目が覚めた。シーツは私の汗でびしゃびしゃになっていた。
「オェッ。」
誰にも聞こえないような私の小さな嗚咽が暗く、人気のない部屋に響いた。
もう私は、心の底から笑うことはできないだろう。
シリアスな文って、書いてる側も精神削られますね。
ユメ先輩が目を覚ますかは、作者にも書き進めるまでは分かりません。まさにシュレーディンガーのユメ先輩です。
また、誤字報告とても助かっております‼皆様の感想やお気に入り、評価が作者の原動力になっています。ですので、今後ともなにとぞよろしくお願いします。
ストーリ見返したらいろいろと矛盾点を発見したので、改訂版を出したいのですが、よろしいでしょうか?(大筋は変わらないと思います。)
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いいよ
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このままでいいよ