今回、少し短いです。
久しぶりに夢を見た、楽しかったあの頃の夢を。子供のままでいられたあの頃の夢を。
「ユメ先輩、私はどうすればよかったんですかね。」
答える人は、いない。
ユメ先輩が意識を失ってから三か月がたった。私とホシノは表面上はアビドス生徒会としての業務を再開したが、三か月前のような明るさはなくなっており、暗く、無音な空間が続いていた。
口を開くことは少なく、街に出てはヘルメット団のアジトを襲撃し、借金を返す。ほとんど私たちはロボットのようなものだっただろう。一緒に行動することも少なくなった。家に帰ることもほとんどなくなり、学校の使われていない教室を使って生活をしていた。食事もほとんど栄養バーなどで簡単に済ますようになった。ホシノは髪を伸ばし、私は髪を切った。本当はどこか、誰も知らないところで死んでしまいたかったが、これ以上にホシノに心労をかけることはできないと考え、思いとどまることができた。
嘘だ。本当は死ぬことが怖かった。結局、私は自己保身しか考えていないクズである。
そんなことを続けていたある日、いつものようにヘルメット団のアジトがあると報告されていた廃ビルに向かった時、そこにソイツはいた。
「ククク...初めまして、でよいのでしょうか。小鳥遊ルリ...いえ、キヴォトス最高出力の神秘を持つ、『黎明のラー』さん。」
「何それ?私にそんな高尚な名前は許されていないんだよ。私には神のように人を助けることなんてできない。逆に、人を傷つけることしかできない咎人だよ。私の名前は小鳥遊ルリ。それ以上でも、それ以下でもないんだよ。」
「そうですか。ククク...貴方の姉もそのようなことを言っておりましたよ。やはり、双子というものは似るものなのですね。」
「で、なんでこんなところに貴方はいるの?それと、貴方の名前は?」
「ククク...そう焦らないでください。私がここにいるのは貴方にとある契約を持ちかけるためですよ。そして、私の名前ですか...『黒服』、とでもお呼びください。少なくとも、貴方の姉からはそう呼ばれております。」
「そう。で、契約って何?どうせ、ロクでもない契約なんだろうけど。私、暇じゃないんだよね。」
「ククク...手厳しいですね。私の契約はただ一つ。貴方がアビドスを退学し、私に協力すれば、借金の50%を負担しましょう。見たところ、貴方は姉に対してかなりの負い目があるようですね。それこそ、今すぐ消えてしまいたいほどに。」
「ッ、黙れ‼」
「おぉ、怖い怖い。まぁ、急かしはしません。詳しい内容はこちらに。良い返事を期待しておりますよ。ククク...」
そう言うと黒服はどこかに消えてしまった。文字通り、跡形もなく。一瞬、私は白昼夢でも見ていたのではないか。と思ってしまった。しかし、目の前に置かれた契約書が嫌でも現実を認識させてくる。今日は、何かをする気になれなかった。
生徒会室に戻ると、ホシノが机に突っ伏して、寝ていた。毛布を掛けるついでに、久しぶりにホシノの寝顔を観察する。久しぶりにじっくりと見たホシノの顔は安らかで、きっといい夢を見ることができているのだろう。この顔を守るためならなんだってできる。私をそんな気持ちにさせてくれるような顔だ。もしかしたら、私はいない方がいいのかもしれない。今後起こるであろう悲劇。私がいなければ最終的にはハッピーエンドになる悲劇たち。私は......
「姉さん、すみません、お話があります。少しお時間よろしいですか?」
「うへ~。急にかしこまってどうしちゃったのさ。」
「これを受け取ってほしくて。」
そう言って私はホシノに退学届を渡した。
「ルリちゃん、どうしたの?急に。それに、おじさんはこんなもの受け取れないよ~。」
最近、ホシノと会話していなかったから気づかなかったが、ホシノもだいぶ未来のホシノのようになってきている。
「姉さんも会ったかと思われますが、『黒服』というやつがいるのは知っていますよね。そいつの契約に乗ることにしました。」
「どう...して...」
「私、実は私が生まれなかった場合の世界がどうなるかっていうのを知っているんです。その世界では、最終的に姉さんは幸せになっていました。私は、怖いんです。自分のせいで、不幸な未来が訪れるのが。それに、ユメ先輩を救えませんでした。救えたかもしれないのに。だから、消えることにしました。」
私はハッピーエンドが好きだ。だから、バッドエンドなんか見たくない。これは、逃げだ。不幸な未来が見たくない私の、傲慢な逃げだ。
「そっか...ルリちゃん、ちょっとグラウンドに行ってて。すぐに行くから。」
「?わかりました。」
グラウンドでホシノを待っていると、右手に「Eye of Horus」を構え、左手にユメ先輩の形見である「IRON HORUS」手にし、防弾チョッキを着たホシノがやってきた。そして私に防弾チョッキを投げ渡し、こういった。
「それ着て。どうやら今のルリちゃんを言葉で止めるのは無理そうだし、力づくで止めさせてもらうよ。私が勝ったら退学届の件はなかったことにしてもらうからね。」
「な、なにを言って...」
「ルリちゃん、私はもう誰も失いたくない。だからこうすることにしたんだ。
ルールは先に膝か背中を地面につけた方の負け。それだけだよ。」
「...わかりました。姉妹喧嘩なんていつぶりですかね。」
「さぁ?でも、高校入ってからは一回もなかったね。」
私とホシノはそんな軽口をたたきながら着々と準備を整えていく。
「準備、できました。」
「それじゃ、はじめよっか。このコインが地面についたらスタートね。」
ピンッ
ホシノがコインを指ではじく。
チャリン
コインが地面に落ち、戦いの火ぶたが切られた。
ここから戦闘描写書かなきゃか......
どこかで言ってたかもしれないですが、ルリは神秘の出力だけ見るならキヴォトス最高です。
しかし、神秘の量で言えばホシノの半分もありません。そのため、ガス欠が早いです。作者の頭の中のイメージではホシノがプリウスで、ルリはF1カーです。(異論は認めます)
そのため、屋内でのタイマンなら各学園最強格にも十二分に通用します。
しかし、屋外での多人数戦だとかなり苦戦すると思います。そのため、前回の六日目にあったゲヘナモブとの戦いは疲れもあってか辛勝って感じです。
ストーリ見返したらいろいろと矛盾点を発見したので、改訂版を出したいのですが、よろしいでしょうか?(大筋は変わらないと思います。)
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いいよ
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このままでいいよ