ペルソナのニャルをコズミックホラーと誤解した男   作:清流

6 / 27
神山神社の俊英

 「こうして二人で異界に潜るようになって、もう二年目になるんですね」

 

 異界を探索中、どこか感慨深げにみこが呟く。ここはこの辺りの異能者の修行場として管理されている特殊な異界だ。既に何度も探索経験もあるし、警戒しつつ話す位の余裕はある。

 

 「確かにもう二年目になるのか。色々あったな」

 

 俺も同意を示すが、そこには苦いものが混ざっていることにみこには気づかれてしまった。

 

 「健太郎君のこと気にしているんですか?徹は悪くないですよ」

 

 「そうは言うが、もう少しやりようがあったんじゃないかと思ってしまうんだ」

 

 俺だけがみこと呼び捨てしあうほどに親しくなって、神社の用事(そういうことになっているが実際は悪魔関係の依頼)とはいえ、度々二人で出かけているのは、健太郎からすれば面白くないのは当然だと思う。ちょっと視線が色気づいてしまっているのも、思春期真っ盛りの年頃の男として仕方のないことではあるが、それで瑞穂やみことの付き合いが微妙になってしまったのも、健太郎の不満を大きくしてしまった。

 結果、俺と健太郎は断絶した。一方的に絶交を告げられた形だった。神社の所用について詳細を尋ねられ、神社関係のことなので、関係者以外には話せないと答えたことがその原因だった。みこや瑞穂も擁護してくれたが、それが余計に健太郎の逆鱗に触れたらしい。激昂した健太郎に、一方的に殴られたのは記憶に新しい。覚醒しているし、レベルも上がっているので、全部避けてなんなら反撃すらできたが、そうする気にはなれなかった。あいつの怒りを分かってやれるのは、受け止めてやれるのはあの場では俺だけだったのだから。

 まして、俺は前世も含めれば、健太郎よりもはるかに年上なのだ。もう少し健太郎に寄り添ってやれば良かったように思う。とはいえ、あいつの女好きは筋金入りなので、俺につきまとわれても鬱陶しいだけかもしれないが。

 

 あれ以来、健太郎とは話していない。バッタリ会うことがあっても、気まずそうに顔をそらすだけだ。瑞穂は普通に話してはくれるが、何か薄々察しているようで、以前のような屈託ない付きあいではない。

 

 「健太郎君が悪いんです。本当に話せないのに、無理矢理聞き出そうとして、徹を殴るなんて許せません」

 

 「覚醒してるから、本当にダメージとかほぼなかったんだから、気にしなくて良かったんだぞ」

 

 「そういう問題じゃないです。明らかに健太郎君が悪いのに、どうして徹が殴られないといけないんです!それに体は平気でも心は傷つきます……そうでしょう?」

 

 さらに失敗したのは、健太郎とみこの仲も決定的に拗れてしまったことだ。どうやら、余程俺が一方的に殴られたのが腹に据えかねたらしく、健太郎を平手打ちにしてしまったのだ。あの時の健太郎の心底傷ついたような表情とにじみ出る後悔の念は忘れられない。同時に、俺を守るように立つみこの凜々しさも……。

 

 「そうだな……。うん、なら、俺はみこに礼を言わなきゃな。

 俺のために怒ってくれてありがとう。あの時のみこは本当に格好良かった。これからも面倒かけるけどよろしく!」

 

 後悔しても、過ぎたことはもう戻らない。まあ、原作通りなら、健太郎は女関係含めて高三になるまで相当にやりたい放題するらしいから、ここで一度断絶したのは正解だったかもしれない。原作ゲーム中のちゃんとした恋人を作ろうとするまで、本当にあいつはアレなので……。実際、その片鱗は端々に見えていたので、恐らく原作とそこまで異なることはないだろう。

 

 「どういたしまして!もう、すぐからかうんですから……でも、嬉しいです。こちらこそ、不束者ですがこれからもよろしくお願いします」

 

 「不束者って、結婚の挨拶じゃないんだぞ」

 

 みこは時々天然ぼけというか、アレなことをやらかす。本人は完全に無意識で、意図してやっていないので、本当に反応に困る。今回は茶化してみることにした。

 

 「け、結婚!?も、もう!そんなんじゃありません!すぐからかうんですから!」

 

 真っ赤になって、慌てるみこは大変可愛らしい。本当に見てて飽きない少女である。この少女の生が平穏であることを願わずにはいられない。たとえそれが絶対に不可能であると理解していても……。

 

 

 

 

 

 

 (また遠くを見るような視線で私を優しく見てますね。何を考えているんでしょう?)

 

 どこか憂い顔で自分を見つめる徹に、みこはいつものことだと思いながら考える。

 

 卯月徹、みこと彼との仲は物心つくかつかないかの時にまで遡る。幼少の頃、神社を両親と共に訪ねてきた彼が、彼女が石段から落ちかけたのを手を引っ張って咄嗟に助けてくれたのが始まりだ。

 そうして、二人遊ぶようになり、二人で遊んでいたところに健太郎と瑞穂がやってきて、いつの間にか四人で遊ぶようになったのだった。四人で色んなことをした。イタズラもしたし、ままごとや泥遊び、思いつくものは何でもやった。

 四人でいるのは楽しかったし、いつもわくわくしていたのをみこは覚えている。

 

 だが、一方でみこには不満もあった。だって、彼女は徹だけで良かったのだ。自分と同じような力を持ち、同じ悩みを共有できるであろう彼だけで。今は大切な友達である瑞穂だが、かつて疎ましく思ったことがないわけではなかった。

 

 (だって、私達は違うもの。親しくなっても、結局こうなってしまうですから……。)

 

 それはみこが、人とは違う力を持っていると幼少の頃に理解した時からずっと抱いている諦観であり、彼女が人付き合いに壁を作っている原因だ。

 人とは違う、それはそれだけで恐怖だ。まして仲のいい友人の中で自分だけがとなれば、尚更であった。みこの父親は薄々それを察していたようで、自ら悪者にすらなって彼女を守ろうとしていた。

 だから、徹も力があると知った時、みこがどれ程嬉しかったことか。独りじゃないというだけで、どれだけ救われたことか、彼女自身以外誰も知らないであろう。

 

 故に、健太郎の絶交宣言とそれに関わる顛末は、みこにとって受け容れがたいものだった。

 

 みことて健太郎の気持ちが全く理解できないわけではなかった。徹や瑞穂ほどではなくても、健太郎だって彼女の友達には変わりはないのだから。友達に秘密にされるのは嫌なことだし、まして秘密を共有している人間が他にいるなら尚更だ。

 でも、同じくらいに分かって欲しかった。仲のいい友達に秘密にしたくてしているわけではないということを。友情を盾にされても、あそこまで頑に言えないのは相応の事情があるということを。

 

 正直、叩いたのはやり過ぎたかもしれないと思っていたが、そのこと自体にみこは後悔していない。いくら健太郎が願っても覚醒していない彼が徹の代理を出来るわけがなく、悪魔業界に関わるどころか、知ること自体が危険だったのだから。

 だから、どれだけ問い詰められようとも、徹が話せないのは当然であって、明らかに悪いのは健太郎だった。それでも、徹は健太郎に悪いことをしたと少なからず気に病んでいるのをみこは知っている。

 

 (徹は優しすぎます!……私以外にも!)

 

 みこは徹が自分以外の他者に見せる優しさが不満だった。健太郎や瑞穂に対するそれは、他者に比べて非常に大きいもので、覚醒して以来ますます大きくなったような気すらしていた。

 もっとも、その対象には当然みこも入っているし、むしろ、一緒に修行したり異能者と活動している分、瑞穂や健太郎に向けられるそれより大きいまである。それでも、不満に思ってしまうのは微妙な乙女心というものなのかもしれない。

 

 みこが悪魔の気配を感じて、弓を構えようとすれば、すでに切り込んでいた徹が、妖刀を抜き放ちLV26ジャックランタンを一刀両断にしていた。彼女でなくても見とれそうな、電光石火の早業だった。

 

 (やっぱり、徹は凄いし格好いいです……。)

 

 みこの口から、ほうと感嘆の息が自然と漏れる。かつて無自覚だった恋慕の情は、一緒に過ごした一年で明確な初恋へと変化していた。

 自然と徹の方に目がいってしまうし、離れている時も彼のことを思わないことはない。無自覚ではあるが、態度にもそれが滲み出てしまっている。

 健太郎がきれたのも、そこら辺が大いに関係しているのだが、生憎とみこには自覚がなかった。恋は盲目とはよく言ったものである。

 

 とはいえ、みこは恋に溺れるだけの少女ではない。見とれてるようにみえても、その身は弓を構え矢を番えて、しっかりと周囲を警戒している。

 ジャックランタンを囮に上空から迫っていたLV19フィアラル2体を見逃すことなく、矢で射貫く。弱点を貫いたとはいえ、一矢で即殺とはいかなかったが、2体とも地に墜とすことには成功していた。そこを徹が見逃すことなく斬殺する。みこは弓矢を構え、さらなる悪魔の襲来に備える。

 もう慣れたもので、二人の連携は堂に入ったものだった。

 

 「どうやら、これ以上は来ないか。中々狡猾な奴だったな」

 

 「そうですね。でも、次は地上の方を私に任せてください。いくら対空に向いているからとはいえ、ちゃんとそちらも対応できないといけませんから」

 

 「それもそうだな。俺も対空出来るようにしないといけないからな」 

 

 二人は一仕事終えたとうなずき合うと、次への課題を話し合う。

 この時間がみこが好きだった。誰にも邪魔されることのない徹と自分だけの時間なのだから。

 巫女としての修行に、異能者として悪魔討伐、いずれもけして楽なものではない。放課後がほぼ潰れるから部活動もできないし、遊ぶ時間は勿論学生らしい時間も削らなければならないのが現実だ。

 

 だが、それでも徹と一緒なら大丈夫だし、幸せだとすらみこは思える。

 

 (初恋は叶わないというけど、そんなの関係ないです。この初恋が、私にとって最初で最後の恋……。)

 

 そうであることを願い、この恋が成就することをみこは心から願っていた。

 

 

 

 

 

 前から歩いてくる二人の男女、特に長い髪を結わえた巫女服姿の美少女の方に男達は目を見張った。

 自分達に比して圧倒的に若かったからだ。どう考えてもティーンエイジャー、それも中学生くらいとなれば、驚くのは無理もないだろう。

 

 なにせ、ここは地方の重要霊地守護者管理下にある修行用霊地だ。この先にあるのは修行用異界しかなく、目の前の男女の年齢を考えれば、当然の反応でもあった。それでも特に少女の方に反応したのは、少女が美しかったのもあるが、それ以上に彼女は有名人だったからだ。

 

 神山神社始まって以来の天才『神山 みこ』の名は、この近辺では有名だ。巫女以外にはなれぬと確信した親がみこと名付けたことも、生まれてすぐに格上の霊地守護者の跡取りに嫁ぐことが決まったことも、それを助長していた。

 今は家自体が存在しないが、格上の霊地守護者に嫁ぐことがどれ程の偉業か、悪魔業界では知らぬ者はいない。つまり、『神山 みこ』はそれ程の天才だったというわけだ。この実績をもって神山家の格は当然に上がる。上手いことやったものだとやっかむ者も少なくなかった。

 

 しかし、みこの父親である神主の人柄を知る多くの人間からは、娘を守りたい一心であろうと看破されていた。なにせ、名付けの際もせめてもの反抗としてあえて平仮名にしたのを彼らは知っている。そこに家の格を上げようとか、格上に媚を売ろうなどという打算がないことをよく理解していたのだ。

 実際、中学に上がるまで、本格的な修行をさせずに好きに過ごさせていたし、幼少の頃顔見せしたくらいで、メシア教の台頭で嫁ぐはずの霊地守護者が死んで以来、霊地守護者の集まりにも連れてくることはまずなかったのだから。もしかして、異能者として育てず、普通の娘として育てるのではという憶測が流れるくらい、彼が娘を掌中之珠として、大切にしているのは明らかであった。

 

 だから、一年ほど前に神山の神主がみこと一緒に卯月の末裔である男を連れて、霊地守護者の集まりに来た時には驚いたものである。それも、これからは本格的な修行もさせ、悪魔討伐も行わせるというのだから、どういう心境の変化だと開いた口が塞がらなかった。二人に対する様々な憶測や無責任な噂が飛び交ったのも、無理もないことであった。

 

 そんな渦中にある両者は、礼儀正しく礼をして去って行く。男達も軽く礼を返し、止まることなく歩みを進めるが、しばらく距離をとれば、自然と件の少年少女の話になるのは無理からぬ話であった。

 

 「あれって神山の嬢ちゃんだろ?美人になったもんだな!」

 

 一番若手の男が口火をきるが、真っ先にそこなのは、やはり若さだろう。

 

 「よせよせ、あの嬢ちゃんは完全に卯月の坊主にほの字だし、何よりまだ中学生だぞ」

 

 それを窘めるのは、三十路手前の男だ。リーダー格なのだろう、なんとも言えない迫力がある。

 

 「ははっ、そうだな。嬢ちゃんは隠しているつもりかもしれんが、端から見ればバレバレだよな」

 

 それに同調するのは、若手の男の兄だ。美女とくれば見境がない弟に辟易しているので、早々に諦めるように言った。

 

 「ちぇっ、才能があっていい女はことごとくが紐付きかよ」

 

 「まあ、いいことではないか。あの少年なら神山家も安泰だろう?」

 

 不貞腐れる若手を最年長の男が宥めるが、状況と相手が悪かった。

 

 「仁さんは、妻帯者ですから、俺の気持ちはわかんないですよ」

 

 若手の男は、ますます不満気だ。

 

 <やめておけ、お前とあの娘では釣り合わぬ>

 

 そんな若手はおろか、その場の全員の心胆を寒からしめたのは、突如響いた謎の声であった。

 

 「これは白狐様、お出でになられていたとは」

 

 <よい、何やら興味深い話が聞こえたのでな。くちばしを突っ込んだに過ぎぬ>

 

 その場に跪こうとしたリーダー格の男を、声の主は制止する。

 

 (そういえば、この方他人の色恋沙汰が大好物だったけ……。やらかしたな)

 

 仁は、ここの異界の主である霊獣の悪癖を思い出して、頭を抱えた。自分の結婚話の時のことを考えれば、絶対に長くなると確信できたからだ。

 

 「白狐様、釣り合わないって才能がですか?そりゃあ、あっちは神山家始まって以来の天才かもしれませんけど、俺だって若手の中じゃ有望株ですよ」

 

 これは誇張などではなく、れっきとした事実であった。女にだらしないところこそあるが、彼は近隣の異能者の中でも相応の実力者だ。だからこそ、最年少でありながら、この年上ばかりの集団に混ぜられているのだから。

 

 <その程度では足りぬ。お前の霊格(レベル)はいくつだ?>

 

 「えっ?ふふーん、なんと18ですよ。凄いでしょ!」

 

 それは地方の異能者としては、胸を張っていいものだった。男の年齢を考えれば尚更だ。リーダー格の男でさえ、LV22なのだから自慢してもいいことであった。

 

 <戯け足りぬわ。神山の娘は25、卯月の小僧にいたっては30だぞ>

 

 「「「「ハアアアアアアアア!?」」」」

 

 その場に男達の絶叫が響いた。あの若さで霊格が25に30、それは最早驚天動地の驚きだった。どんな化物だという話である。

 男達とて遊んできたわけではない。ずっと地道に修行してきた者達なのである。それがたった一年で、中学生に抜かれたとあっては、誰も納得いくはずがない。

 

 「な、なんでどうやって?」

 

 最早、霊獣に対する敬語すら忘れて、リーダー格の男は尋ねた。

 

 <そんなに驚くことはあるまい。あやつらは、直接異界に入っているからな>

 

 「そんな命知らずの荒行を!?」

 

 仁は、二人の危険行為に眉を顰めざるをえなかった。

 なにせ異界に直接入るというのは、命知らずの荒行である。悪魔のテリトリーに侵入するということなのだから当然だ。

 彼らのような慣れた修行者であっても、異界に直接入ったりはしない。精々が異界と繋がる結界で隔離された場所で、白狐から追い立てられた悪魔を狩る程度だ。

 

 <何を言うか、それが本来の修行なのだ。命の危機なくして魂の研鑽はない。貴様らのやり方では真の強さなど得られんよ>

 

 白狐からすれば、近代の修行者は温すぎる。自身の適正以下の霊格の悪魔を数を頼みに倒して、得意げになっているようにしか思えない。しかも、自分に追い立てられて少なからず消耗している悪魔をだ。

 いかに人側に寄り添う修行用異界の主だからと言って、流石に昨今の修行者の堕落ぶりには眉をしかめざるを得なかった。

 

 「そうはおっしゃいますが、異界に生身で潜るなど自殺行為です。あの二人は特別な神仏の護りを得ているのですか?」

 

 若手の兄が、これならありえるのではないかという問いをするが、白狐の答はにべもない。

 

 <そんなものはない。あの二人は実力だけで生き残っているのだ>

 

 だからこそ、卯月の少年が異界に入れてくれといった時、白狐は心底驚いたものである。なにをそれ程生き急ぐのかと。

 流石に心配になって、コッソリつけていたのだが、少年は全く危うげがなかった。凄まじい炎で薙ぎ払い、達人の如き剣筋で妖刀を振るう。少女の方も最初は圧倒されるだけだったが、次第についていけるようになっていた。

 これは心配ないなと思ったが、今度は逆にどこまで行けるのか興味が出てきたので、少女の仲魔として分霊をつけてやった。いざという時の保険でもあったが、無用の長物であった。

 

 (<本当に杞憂であったわ。最早、ここの最上位異界でなくては修行にすらならぬとは、若き才能の恐ろしさよ>)

 

 最早、本来守護者一族にしか解放しない修行異界への侵入を許可しなければならないほど、両者の霊格は上がっている。もう少しすれば、自分すら打倒せしめるだろうと白狐は確信すら抱いている。

 なにせ、少女に託した分霊はすでに自分の霊格にかなり迫ってきているのだから。末恐ろしい才能であると言わざるを得ない。

 

 「あの娘、修羅勢だったのか。怖っ!」

 

 若手はブルブルと身を震わせる。最早、先程までの憧れというか色恋の気配は欠片もなかった。

 

 「ああ、我々には縁のない存在だな」

 

 兄も心底同意すると頷いた。

 

 「うんうん、私達は一歩一歩地道にだね」

 

 仁も異論はなかった。

 

 「そうだな、我々には我々のやり方がある。若さ故の無謀に付き合ってはやれるほど、我らの責務は軽くないのだから」

 

 リーダー格の男が重々しくしめる。

 彼らの言い分は正当だ。地方において、異能者は貴重である。実力者であるなら、尚更だ。雨後の筍ごとく殺し合いの中で異能者が生まれる魔都東京とは訳が違うのだ。悪魔を討伐できるのは異能者だけなのだから、簡単に死ぬことは許されないのが地方の偽らざる実情だった。

 そんな彼らからすれば、命知らずの荒行に若さ故の無謀で突っ込んでいる二人は異常者ですらあった。

 

 <やれやれ、仕方あるまい。まあ、誰しもがああはなれぬか>

 

 白狐は不満げに嘆息するが、あの二人が異常な才能の持ち主であることも理解している。早晩、この地方に収まらぬ実力者になるであろうことは、火を見るよりも明らかであったのだから。

 

 もっとも、当の徹はメガテンやペルソナ本編の主人公達のやり方を踏襲しているだけだったりする。異界に入って悪魔と戦うのが普通だと彼は考えているに過ぎない。それが現実だと命知らずの荒行で、クズノハとか覚悟ガンギマリの命知らずくらいしかやらないことを彼は知らない。みこは徹がやっているので、それに従っているに過ぎない。もしも父親が修行の実態を知ったら、確実に卒倒するだろうことは間違いない。

 

 

 




ゲームでやっていることって、敵の本拠地やテリトリーに自分から侵入してるんですよね。あれって現実では、凄く命知らずの行為だよなと考えたら、こうなった。気づかないうちにドン引きされる修羅勢になっていた二人というお話。
ちなみに主人公のレベルはニャルによってアナライズ偽装されております。

感想では、ダイス結果に言及して欲しいですか?

  • いやいや、全面禁止で
  • 感想ならいいんじゃね
  • 感想書いている人が求めているならOK
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。