本当少しだけ描写の変更あります
バレンタインは過ぎてるというツッコミは受けません
今日は2月14日、すなわちバレンタイン。男どもはいくつチョコをもらえるかと盛り上がり女子は女子で好きな人に渡せるかなんかで盛り上がったりするイベントであるわけだ。まぁ当然俺のクラスでもその話題で盛り上がるわけで──
「お前らいくつチョコもらえたよ?まあどうせお前らのことだし?どうせだれももらえてないんだろ?」
「わり、俺3つもらった」
「俺4つ」
「えーいいなー俺1つしかもらってないや」
「俺プロポーズされたわ」
おい誰か1人チョコだけじゃなかったやつ混じってるぞ
「お前ら嘘だろ?!なぁ!嘘だと言ってくれよ!誰もいねぇのかよ……この……裏切りもんどもがぁぁぁぁ!!」
「まぁまぁ落ち着けよ暁ハート先生、その名を聞いて誰か今からでも渡しにくるかもしれないだろ?」
因みに雑ピはついに他学年のやつらにも暁ハートであることがバレたらしい。図書室でノート開きっぱにしてトイレに行くとか無用心すぎるだろ……
「うるせぇよ!!!……というか楽郎!お前はどうなんだよ!お前もどうせもらってんだろ?!斎賀さんあたりに!」
「「「うんうん」」」
「いやもらってねぇよ。お前ら一体どれだけも俺と斎賀さんを付き合ってることにしたいんだよ。……というか、付き合ってることにされると大変なことになりそうだから嫌なんだけどな(ボソッ)」
本当に今誰かと付き合ってるとか噂が流れるのは洒落にならない。何をされるのか分かったもんじゃない。
「いやお前らどっからどうみたって付き合ってるだろ?斎賀さんとかお前の前の時だけ顔赤らめてんじゃねぇか……というかお前なんか言ったか?」
「いや、なんにも……というか顔を赤らめてるんじゃなくてあれが普通なんじゃないのか?」
玲氏は少し顔が赤めの人だからそれを勘違いでもしてるのだろう。両方に迷惑な話なんだからやめてもらいたいんだがなぁ…
「いや、お前……さすがにお前鈍感が過ぎやしないか……?」
「何言ってんだお前」
人のことを珍獣でも見るような目をしやがって……半裸でも鳥頭でもないんだぞ。
「とにかく、俺にはまだしも、斎賀さんにも迷惑がかかるから付き合ってるだなんだと囃し立てるのはやめてくれ」
「いや、はぁ…………いいよ、お前がそういうやつだっては分かった。これでもう話は終わりだ。はぁぁぁ………」
「とりあえずもういいんだよな?んじゃもう帰らせてもらうわ」
「おう、もう勝手にしろ………」
ったく、家に帰ったらどんなことになってるか分かったもんじゃないのに拘束しないでくれ……少しでも遅くなったら何されるか分かったもんじゃない。とりあえず勝手にしろとも言われたしさっさと帰るか……
──────────────────────────
結局学校では誰からももらうことは無かったわけだが……むしろそれでよかったかもしれない。うちの
「あの、えっと、陽務くん!」
「あれ、斎賀さん?どうかした?」
「え、あ、ひゃい!斎賀でひゅ!っじゃなくて!陽務くん!よかったらこれもらってくらしゃい!」
訂正。たった今もらうことがなかったのは嘘になった。どうやら神は俺に随分な試練を与えたいらしい……碌なやつがいないな神ってのは。
「おぉ、チョコレートか……ありがとう、受け取らせて……ってもういないし。どこ行ったんだ……」
渡された手前断ることもできないしもらったが……これを持ち帰った日にはどうなることか……
「おい」
「あ?」
誰だ今を俺を呼んだ奴は。いや今の声はさっきまで聞いていた、そう──!
「雑ピ!」
「うっせぇ!というかやっぱさっきの嘘じゃねぇか!とっ捕まえろ!」
おい待て嘘だろ!?クソ!こんなところで力尽きてたまるかってんだ!
「うおぉぉぉ逃げろぉぉぉぉ!!!」
というか本当にどこに行ったんだ玲氏ぃぃぃぃ!!!
──────────────────────────
なんとか逃げ切れた……今日は陸上部の野郎が休みで助かったぜ……
(とはいえ、本当にこれを持ち帰るわけにはいかないんだよなぁ………でももらったものを捨てるのは流石に……)
思考がぐるぐる回る、恐怖と申し訳無さに板挟みにされて結論を出すことができない。そうやって考えている間にも俺の足は進み──
(やべ、もうつく……)
遂に俺の家まであと少しというところにまで辿り着いてしまった。紅音はおそらく家の前で待っているのだろう。もうこうなってしまった以上覚悟を決めるしかあるまい。その決意を胸に抱いて今俺の家に足を踏み入れる。
(えぇい、なるがままよ!……ってあれ?
しかしだれもいなかった!……なんてことが紅音に限ってあるはずがない。……もしや既に家の中に入っているのか?確認の意味も込め、気をつけながら家の中に入る。
(いやいやそんな、さすがに紅音といえど鍵を閉めた家になんて入れるわけ……)
「おかえりなさい、楽郎さん!」
「おう…ただいま???」
いた。いてしまった。しかしどうやって入ってきたんだ?そこのところはきちんと聞かないといけない。
「楽郎さん、どうかしましたか?そんなに不思議そうな顔をして」
「いや、紅音はどうやって家に入って来たのかなって……鍵とか閉め忘れてたなんてことはないだろ?」
「あ、合鍵です!一週間くらい前に作りました!」
おい待て、さらっと言われたがいつの間に合鍵なんて作っていたんだ。
「とりあえず、
「いや、ここ俺の家なんだがな……まあそうだな、部屋かどこかに行くか」
そう言いながら靴を脱ぎリビングに入る。
「あら、楽郎おかえりなさい」
「ただいまお母さん……え、っていうかお母さん何か紅音に言うことないの?」
リビングに入ればお母さんに迎えの言葉を送られた……んだが、なんでお母さんは紅音に何かしらの疑問なり何かを持っていないのだろうか。一応南米から帰ってきたあとに彼女ができたとは言ったが、どんな子だとも言ってないし紹介したこともなかったはずだが……というか冷静に考えると色々言ってなさすぎでは?
「楽郎さんいったいどういうことですか」
「ちょっと紅音は静かにしてて……いや、ほんとうに言うことないの?ほら、勝手に家に入ってきたこととか……」
「え〜だって楽郎の彼女さんなんでしょ?それに楽郎が合鍵を持たせたんじゃないの?今回は別にいいけど、今度から合鍵を作るときはちゃんと言ってね?」
なぜ俺が合鍵を持たせたことになっているんだ?まさかとは思ったが、紅音ならやるだろうと小声で聞く。
「なぁ紅音、もしかしてなんか勝手にお母さんに色々言ったりしてないか?」
「楽郎さん、嘘も方便ってやつです」
やっぱりかぁ………勝手に色々言われても困るんだがなぁ……そのことは後できちんと言っておかなきゃいけないな。
「なにか言ってる?楽郎」
「いや別になんでもないよ。とりあえず俺の部屋行くか?紅音」
「はい、初めてなので楽しみです!」
──────────────────────────
とりあえず俺の部屋には着いた……が、これは同時に逃げる場所がないということでもある。そんな中玲氏からもらったチョコレートなんて見つかった時にはどうなることか……カバンから出さなければなんとかなるかもしれないが、こういうタイプは謎の力でそういうものを見つけてくると俺の
「とりあえずさっき言ってたあげたいもの……ってかまあ今日に限ってはほぼ一択か。まあいい、とりあえず出してくれないか?」
「はい!ちょっと待ってください……ああ、その前に楽郎さん」
「どうした?」
まさかカバンの中にブツがあることがバレたか……?いやいやさすがにそんなまさか……
「ちょっとカバンの中見せてくれませんか?多分チョコ入ってますよね?」
バレてた!!!!俺の勘は間違ってはいなかったか……なんでこんな時ばっかり正解を引き当てるんだ。
「いやぁ?なんのことかなぁ?ちょっとさっぱりわからないなぁ?」
「やっぱりありますよね?見せてください」
「いやだからないって!というかあったとしてだからなんか問題あるのか?見せる必要がないだろ?」
「いや、あります。いいから早く見せてください」
「あっ待て──」
待って紅音普通に力強くないか?!取られる……!
「ほらやっぱり入ってる……なんで隠したんですか?」
「いや………それは…………」
「言わなくてもいいです。言いたくなかったんですよね。大丈夫ですよ」
「そうか……それでそれは……」
「でも、楽郎さんを愛しているのは自分だけでいいんです。わかりますか?だからこんなものいらないですよね?ねぇ、楽郎さん」
いや、人からもらった物をいらないと言う訳にはいかん……!しっかりここは否定しなくては……!
「いや、そんなことな……」
「いらないですよね?」
「いや、そんな……」
「いらないですよね?」
「いや」
「いらない、ですよね?」
「………………ハイ、イラナイデス……」
圧に負けた。いや、怖すぎるだろ……
「うんうん、わかってくれたらいいんです……コレ、自分が預かっときますね?」
「ハイ……ハイ」
「あと、最後に教えて欲しいんですけど……これって誰からもらいました?」
「いやーえーそれは………」
これを言うと玲氏身に何が起こるかわかったもんじゃ……待てよ?玲氏なら返り討ちにするんじゃ………いや、そう言う問題ではないか…………とにかく、今度こそこれを言ってはいけない。
「なんで言ってくれないんですか……?私たちの間に秘密は必要ないですよね……?」
「いや、紅音だって言えないことの一つや二つくらいあるだろ?例えば……あー………その…………ス、スリーサイズとか……」
「?私のスリーサイズはバスト……」
「OKわかった、紅音がなんの躊躇いもなくそう言うのが言えるのはわかった、だから言わなくていい。……ともかく、紅音はなんでも言えるのかもしれないけど、俺は秘密とかはきちんと保っときたいタイプなんだ。わかってくれるか?」
「はい、わかりました。だから、これは私のわがままです。教えて、くれませんか?」
「いや、だから教えられないって……」
「教えてくれませんか?」
「何度だって言うぞ?俺は教えられない」
今度は絶対に負けない……こんな手には屈さないぞ……!
「そうですか………なら、少し、手荒な手に出るしかないですね……?」
何をする気でいるんだ?そう思ってる間に紅音は持ってきていたカバンから何か取り出す。それはそこら辺のスーパーとかで買えそうなどこにでもある、しかしそれでいてしっかりと光沢を放つ
「ひっ」
「痛い目にはあいたくないですよね……?大丈夫ですよ、私も一緒ですから………言ってくれれば、それで済みますから……ね?」
「……いや、それでも………言いたく、ない……」
もはや半ば自分に言い聞かせるように否定の言葉を重ねる。
「そうですか……なら……」
何をするつもりだ?とそう思っていると紅音は一気に顔をズイっと寄せ、カッターを持った右手を見せつけるように視界の中央に置き言い聞かせるように語る。
「これが最後の通告です……痛くされたくなかったら、もう、言っちゃってください」
「ヒィッ……エト、アノ…………サイガ、レイサン、トイウカタ、デス……」
カッターナイフを突きつけられて脅されたんじゃもう言わざるをえない……というか近くで刃をみたらちょっと赤黒いもんが付いてた気がするんだが、も気のせいだよな……?
「さいが……サイガ………れい……へぇ………?はい、ありがとうございます、楽郎さん?」
「あぁ……わかったからもうそれを仕舞ってくれないか……?恐ろしくてしょうがない」
「ああ、はい!わかりました!今しまいますね!………えっと、それと……今こんな流れで渡しちゃうのもアレなんですけど、チョコレートです!よかったら今ここで食べちゃってください!」
と、いつもの元気な感じに戻った流れでそのままチョコをもらった。ハートの形をしているが、作るのに失敗してしまったのだろう、歪んだ形をしている。サイズはそんなに大きいわけじゃなくて食べやすい。
「へぇ、これ手作りか?わざわざ作ってくれてありがとな?それじゃ、さっそくいただくとしますか!」
口を開けて一口食べる。おいしい。甘さと共にほろ苦さが口の中に広がるビター味のチョコレートで何度も食べたくなる味をしている。……のだが、二口目のあたりで気になり始める。何か
「楽郎さん?どうですか?おいしいですか?」
「うん、おいしい、おいしいんだけど……なんか入れた?」
「あぁ、血とか入れてますよ?愛を伝えるのに良いってネットにあったので!ほら、血入れるために
本当に入れやがってたぞこいつ……こういうのも愛とかそういうのなんだろうがさすがに生理的嫌悪感がヤバい………
「うえっ……気持ち悪くなってきた………つーかお前もそれ大丈夫かよ……」
「はい!楽郎さんのためですから!」
「それさっきも聞いたわ………あっやばいちょっとトイレ行ってくる」
「大丈夫ですか楽郎さん?!」
────都合により映像を変更してお送りします────
nice boat.
はー気持ち悪い………でも少しは楽になったぞ…………
「紅音ぇ………とりあえず今度からそういうのはやめてくれ…………こうなるから。うぷっ……」
「はい………すみません……今度、お詫びと言ってはなんですがまたチョコ持ってきても良いですか?」
「んあ……別にいいけど、今度は血とか入れるなよ?というかそもそもなんか異物を混入させるなよ?」
「…………………はい」
絶対今度は髪の毛とか入れるつもりだっただろ………さては反省してないな、こいつ……
「まぁわかればいい……というか紅音って家遠かったよな?明日も学校あるんだしちょっと早いかもだけどもう帰っておいたほうがいいんじゃないか?」
「そう、ですね、まだ一緒にいたいですけど……もう帰っておくことにします」
そう話し、俺らは部屋から出て玄関の外へと向かう。
「それじゃ、またシャンフロで会いましょう!さようならー!」
「おう、じゃあな」
そうやって別れの挨拶を済ませたあと、家の中に戻る。紅音も帰ったことで何か「バレンタイン」という日が終わってしまったかのように感じる。そうやって今日という日を大事にしながら生きていく……というのはカッコつけすぎか。
「あ゛ぁーなんか疲れた……今日はもう寝ちまうか……」
あー布団が気持ちいいウェルカムお布団グッバイ意識……zzz……
因みに後で聞いた話によると雑ピはあの後