【アリスの部屋】
「……え、っと。」
アリス「そんなに緊張する?」
「……しない方がおかしいかと。」
部屋に招かれてから、ずっとこんな調子である。
部屋をジロジロ眺めるわけにもいかないし、アリス本人を見るとさっきのを思い出すし。
「……そ、それで、何を話そうか?」
適当に話題を見繕う。
アリス「そうねぇ……
「……俺?」
アリス「えぇ、貴方のこと。」
「知りたいも何も…何の取り柄もない普通の男だけど。」
アリス「そうかしら?見てて面白いけども。」
「……そういうアリスはどうなんだよ?」
アリス「私?ただの魔法使いよ。」
「そーじゃなくて…何でそこまで色々してくれるんだよ?」
アリス「……何で、ねぇ……。」
「……いや、理由が無いなら良いんだけど。」
アリス「……久々だったからよ…誰かとこんな風に過ごすなんて。」
人形「ホーライー!」
「ど、どうした、背中を押して……。」
人形からグイグイと背中を押されて、アリスとの距離が縮まる。
アリス「……近いわよ。」
「俺に言うなや……。」
アリス「……でも、別に良いわよ。」
「……おう。」
お互いに何も言わずに、ただ隣同士で座り合う。
アリス「……ねぇ、人里以外も見て回りたいって…本気?」
「なんで?」
アリス「……別にっ、聞いただけよ。」
「……まぁ、見てみたいよ、やっぱり。」
アリス「……そう。」
「でも、やっぱり1人で行くのは……まだ少し怖いかも。」
アリス「……な、ならっ…私がついて…行く、わよ?」
「……良いのか?」
アリス「あ、貴方がどうしてもって言うなら……よ?
それに、ボロボロになって帰ってくるのを見たくないわ。」
「……アリス。」
アリス「な、何よ。」
「ありがとな。」
アリス「……ふ、ふんっ。」
「……ちょっと顔赤い?」
アリス「……こっち見たら、怒るわよ///」
「悪い悪い。」
クスッと笑った後、立ち上がる。
これ以上居たら、お互い寝不足になっちゃうしな。
アリス「……えっ……。」
「?」
アリス「……戻、っちゃうの?」
「時間も時間だしね。」
アリス「………………。」
「おやすみ、アリ─────」
アリス「…………待って。」
手を掴むアリス。
顔は俯き加減で、力はあまり込められてなかった。
「……待ってって…。」
アリス「…もう少し…居て……。」
ゆっくりと立ち上がって、向かい合うアリス。
「…俺は別に良いけ……」
言いかけた、その時だった。
アリス「…………っ!」
「うわっ!?」
手を引かれたまま、俺もアリスもベッドにダイブした。
「ア、アアア、アリス……っ!?」
アリス「………………///」
密着したまま、動こうとしないアリス。
もう何から何まで当たってる……気がする。
「ちょっ、は、離れよ……?」
アリス「……やだ……///」
そう言って、腕を回すアリス。
一部始終を見ていた人形達も手で顔を隠してしまった。
アリス「……///」
「…このまま……寝るか?」
アリス「…………ん…///」
まさかな…と、質問してみたが…返ってきたのは肯定だった。
「……知らないからな。」
アリス「……良い……から///」
気を利かせたのか、人形が電気を消した。
月明かりに照らされて、僅かにアリスの顔が見える。
アリス「……背中……大きい……///」
「そりゃ…男だから。」
アリス「……何だか……安心する……///」
酔ってるのか…と、思うくらいふにゃふにゃした声で満足気な表情を浮かべるアリス。
アリス「……今日は…このまま……離さないで……///」
「……それは…ちょっと恥ずかしい、かも。」
アリス「……わ、私も…恥ずかしいのは…同じ、よ…///」
なら何で……とは、聞けなかった。
……………………………………………………
【次の日の朝】
結局、そのまま朝を迎えてしまった。
アリスは俺の中で寝ている。
「……起こすの、ちょっと躊躇うな……。」
覗き込むと、すやすやと寝息をたてるアリスの姿が。
「……なぁ、どうしよう?」
人形「ホーライ!」
自分の頬を突っつく人形。
「……いや、流石にそれは……怒るだろ。」
人形「ホーライ!」
大丈夫!と言わんばかりに、親指を立てる人形。
謎の信頼感があるので、とりあえず従ってみることに。
アリス「……んっ……んぅっ……///」
「困った顔……可愛いな。」
……いかん、この言い方は色々と不味いかもしれない。
「……。」
─────突然。
なんの突拍子もなく、俺はアリスの頭を撫でた。
アリス「─────っ!?///」
「……え?」
撫でられた瞬間、アリスが体をビクッと震わせた。
アリス「…………お、はよう……///」
「……お、おはよう。」
アリス「……///」
「……もしかして……起きてた?」
アリス「……その、可愛いなって辺りから……。」
……マジか。終わった。
「……ごめん。」
アリス「……別に、怒ってない、わよ……その……嬉しかったし…///」
「……そ、っか…。」
アリス「……そろそろ、起きる?」
「……どうしようか。」
アリス「私は…もう少し、こうして居たい…///」
「……分かったよ、アリス。」
結局、密着した温かさからか…2人とも二度寝をしてまったのであった。
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