東方神明夢   作:A×K(アツシくん)

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7幕~幻想郷を大冒険③~

【紅魔館前】

 

「……で、紅魔館とやらに着いた……が。」

見上げて、へぇーと声を漏らす。

 

「でっけぇな」

アリス「当たり前じゃない、お屋敷だもの。」

「んでも、こんだけ大きいと逆に住み心地悪そうに感じるな。

アリスの家くらいがちょうど良い。」

 

アリス「あら、口説いてるのかしら?」

「……どうした、熱でもあるのか?」

アリス「う、うるさいわねっ、無いわよ!///」

 

???「あのぉ~……」

アリスに歪まれる横から声がした。

 

「はい?」

振り向くとそこには……。

 

???「門の前で何を~……。」

「……中華服。」

申し訳なさそうな顔で間に割って入る中華服を着た少女が居た。

 

アリス「美鈴、一応お客よ、私たち。」

美鈴?「あっ、そ、そうだったのですか?!…あの、こちらの方は?」

アリス「紹介するわね、柊 北斗。人間よ。」

「……あ、ども。」

 

美鈴「初めまして、紅美鈴です。紅魔館の門番をしています。」

手のひらと拳を合わせてお辞儀する美鈴さん。

……素人でも分かる、立ち方に隙がない事に。

 

美鈴「……あ~、なるほど。

霊夢さんに渡した招待状を譲り受けたと。」

「まぁ、そんなところです。」

半ば押し付けられたという表現が正しいが。

 

アリス「ついでに図書館にも行く予定だったわ。」

美鈴「図書館ですか?……うーん、パチュリー様は、今お休みになられてますが…。」

アリス「挨拶するだけよ、行きましょ北斗。」

「あ、あぁ、分かった。」

 

美鈴「あっ、その前に…。」

上から下まで眺める美鈴。

 

美鈴「…貴方、相当腕が立つようですね。

少し、私と手合わせ願います。」

嬉々として身構える美鈴。

それを見て、俺はため息をついた。

 

「やだ。」

美鈴「えぇ、なるほど、では─────

……えっ、えぇっ!?」

「行こうか、アリス」

アリス「あっ、ま、待ちなさいよ!」

 

美鈴「あ、あの~っ!!

咲夜さんからの招待だから大丈夫だと思いますけど

()()()には、お気をつけを~!」

美鈴の声を背中越しに聞いて

俺とアリスは紅魔館へ足を踏み入れた。

 

「…広いな。」

アリス「えぇ、迷わないように用件を済ませましょ。」

そう言って歩き始めた時だった。

 

 

咲夜「ようこそお越しくださいました。」

「─────っ!?」

誰も居なかったはずの後ろから声がした。

振り返ると、何食わぬ顔で咲夜さんが立っていた。

 

咲夜「()()()から呼んで来るように命を受けましたのでお声掛けに。」

「…お嬢様ぁ?」

咲夜「はい。」

アリス「図書館に行こうとしてたけれど…断ると怖そうだし。

先にこっちを済ませちゃいましょ、北斗。」

「…アリスがそう言うなら…。」

咲夜「では、ご案内いたします。」

 

俺とアリスの間を通って先に目的地に向かう咲夜さん。

「…お嬢様ってどんな人なんだ?」

アリス「そうねぇ…。」

んー、と考えるアリス……だが。

 

アリス「まぁ、カリスマって感じかしらね。」

「…はぁ………ほう?」

会えば分かる…か。

 

 

 

 

……………………………………………

 

 

【紅魔館 最奥】

 

咲夜「お連れしました、お嬢様。」

???「来たわね…ふぅん。」

 

玉座に座るお嬢様と言われる主を俺の目が捉えた。

 

???「ようこそ、紅魔館へ。」

…が。

 

「幼っ。」

???「……………。」

咲夜「…………。」

アリス「…………。」

 

あ、いけね…思った事そのまま言ってしまった。

 

???「…ふっ、まぁいいわ。

人間の言うことよ、私は寛容なカリスマ吸血鬼であり紅魔館の主…許してあげるわ。」

「吸血鬼…そうか。」

確かにキバとか爪が鋭いな。

 

???「自己紹介がまだだったわね。

私の名前は、レミリア・スカーレット…レミリアでいいわ。」

「…柊 北斗だ。」

レミリア「ふふっ、北斗ね…貴方がここに来る運命は分かっていたわ。」

「運命?」

 

レミリア「それはこっちの話…で、貴方…色々大変だったようね。」

「…まぁ、ここ数日バタバタしてたな。」

レミリア「ふぅん…でも、貴方の数奇な運命はまだ始まったばかりよ。

せいぜい…死なない程度にこの世界を生き抜いていきなさい。」

 

 

「………。」

レミリア「どうしたのかしら、あまりに有難い言葉に─────」

「なんかカリスマって感じしないな。」

レミリア「…………。」

アリス「ちょ、ちょっと…!」

「おかしな事言ったかな?」

 

アリスとの会話のやり取りを聞いてたレミリアが不機嫌そう顔をした。

 

レミリア「…そう…なら…。」

レミリア「─────試してみる?」

その言葉を合図に、レミリアが大きな槍を取り出す。

 

レミリア「…咲夜!」

咲夜「…承知しました。」

目を閉じて、レミリアが攻撃するのを静かに待つ咲夜。

 

アリス「ほ、北斗…!」

「…こりゃ、本気…っぽいな…。」

レミリア「神槍~スピア・ザ・グングニル~!!」

「……視える!」

 

皮一枚で躱してレミリアの方へと向かい合う。

────が。

 

人形「ホーライ!」

「っ…(…後ろ…っ!?!)」

人形からの声で、本能的に回避する…しかし。

 

「…投げナイフ…本気のようだな。」

頬から鮮血が垂れるのを感じる。

避けたつもりだったが、掠めたようだ。

 

アリス「…ほ、北斗、大丈夫っ!?」

「…なんとかな。」

咲夜「初見でこの攻撃を避けた事は賞賛しましょう。

─────ですが、次は全て当てます。」

 

そう言うと、えも言えぬ感覚と共に再びナイフが降り注ぐ。

「ちぃっ!!」

必死に避けてると…懐から…。

 

レミリア「あら、忘れられては困るわ?」

「人間相手に2対1かよっ…!!」

レミリアからの追撃を何とか避ける。

アリス「───加勢するわよ、北斗!」

「…アリス、悪いな。」

 

と、言ってくれたものの…彼女を巻き込みたくないのが本音だ。

「……。(考えろ、考えろ…打開策はあるはずだ…。)」

集中力を極限まで高めて意を決すると、懐に入っていたスペルカードが光り始めた。

 

 

「…これは…っ…。」

その時、自分の見ていた世界が変わった。

降り注ぐナイフも、咲夜さんやレミリアの動きがスローに見えたからだ。

しかし、自分の動きはいつも通りで咲夜さんのナイフを回避することが出来た。

 

 

(これが…スペルカード……っ…!)

しかし、効果が持続する時間は短いようで…直ぐに何時もの光景に戻ってしまう。

 

咲夜「…っ!(避けた…あの量の攻撃を…!?)」

レミリア「…なるほどね。」

「(2人の位置が近い…なら…!!!)…アリス、離れてろ。」

アリス「……えっ?」

 

その時、脳裏に浮かぶのは…紫の言葉。

紫【ギリギリで回避するとパワーアップする。】

「……なら、この一撃に…賭けるしかねぇ!」

咲夜「何か来る…!」

レミリア「──面白い、来なさい!」

 

「……怪我しても…知らねぇからッ!!!!!」

右の拳に力を込めて2人に襲いかかる。

 

 

レミリア「この力…予想以上ね…。」

咲夜「…えぇ、紙一重でした…。」

 

1回目に放った時よりも大きなエネルギー弾は地面に触れると

周囲を巻き込むほどの衝撃を与えた。

 

アリス「…くっ、うぅっ…!」

人形「…ホーライー…。」

「………ぐっ…。」

しかし、代償は大きく…動くことが出来ず、膝をついてしまった。

 

レミリア「…ふぅ、だいたい分かったわね、咲夜。」

咲夜「えぇ、失礼しました。」

敵意が消えたのか、2人はクスッと笑った。

 

「…ったく、ただの人間相手に2対1は卑怯だっつの…。」

アリス「…ほ、北斗…っ!」

心配したアリスが駆け寄ってきた。

 

アリス「…傷が…ちょっと待ってて、すぐに手当をするから。」

レミリア(しかし、すごいパワーね…グレイズのコントロールとスペルカードの扱い方さえ覚えれば…もしくは…。)

レミリア「無礼な態度をとってしまったわね、お詫びをするわ。」

「…そりゃどうも、貴方(レミリア)の攻撃は避けれましたけどね…。」

 

レミリア「………。」

その言葉を聞くと、俯いてプルプルと震えるレミリア。

 

レミリア「咲夜ぁっ!!こいつ生意気~っ!!」

涙目でこっちを指差すレミリア。

そこに屋敷の主たる風貌は無い。

そしてこれには咲夜さんも苦笑いを浮かべていた。

 

咲夜「…え、と…図書館に御用でしたね。行って構いませんよ。」

「…こっちは大丈夫なのか?」

咲夜「グズるのはすぐに止むと思いますので…。」

レミリア「さぁくやぁ~っ!」

アリス「…こう言ってるし…行きましょ?」

人形「ホーラーイ。」

「…わ、分かった。」

 

半べそをかくレミリアみて、少し申し訳ない気持ちでその場を後にする2人だった。




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