乙骨くんの憂鬱アーカイブ   作:イルカライフル

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乙骨くん、随分と楽しそうですね!
短めです


試験勉強部

 

平和で楽しい時間、そんなものは長く続かない

 

誰かの怒り、憎しみ、恨み、恐怖、そしてそれらの負の感情はやがて呪となる

 

何が正しい選択なのか、何が間違いだったのか。それに気づくことができなかった。ダメだ

 

とうしてだ。ダメだ

 

僕のせいだ、僕が里香に、里香ちゃんを、里香は……

 

ただひたすらに過去の自分が憎い、何もできない今の自分が憎い

 

──僕はもう何もしたくない──

 

 

 

 

ーー

 

 

今日も何一つ変わることのない普段の日常の中の1日にすぎなかった

 

 

「たしか、憂太だったか。憂太、私に勉強を教えてくれ」

 

 

「勉強を?僕が?」

 

 

「今度の学年末試験、なんとしても次の学年に上がらなければならない。けれど今の私はテスト勉強どころか勉強の基礎すらほとんど分からないんだ」

 

 

「そ、そっか。確かアズサさんは転校してきたんだったね」

 

 

前の学校については詳しく知らないが転校したほどだ。勉強どころではなかったのかもしれない。それならば答えは決まっている

 

 

「わかった、今日の放課後に勉強会をしよう」

 

 

「ホントか!ありがとう憂太」

 

 

勉強会をするのはいいけど……僕でいいのかな?

 

勉強会の方針を考えていると、何やら廊下から慌ただしい足音が聞こえてきた

 

 

バーンッ

 

 

勢いよく教室の扉が開かれる

 

 

「憂太くん大変です!大事件です!テスト1週間前なのにペロロ様のイベント続きですっかりテスト勉強を忘れていました!」

 

 

どうやらヒフミさんは例の鳥のイベントに夢中で、学年末のテスト勉強にまったく手をつけていなかったようだ

 

 

「……せっかくだし、ヒフミさんもいれて3人で勉強会をしない?」

 

 

「えっと、3人ですか?」

 

 

ヒフミさんがそう聞き返しながら辺りを見渡し、アズサさんと目が合う

 

 

「私は白洲アズサだ。憂太からヒフミのことは聞いている。私としてはヒフミにも勉強を教えてもらいたいのだが……」

 

 

「アズサちゃんですね!もちろん私もわかる範囲で勉強を教えましょう!」

 

 

「ありがとうヒフミさん、僕一人じゃ教えるのも心配だから助かるよ」

 

 

「あはは、三人寄れば文殊の知恵とも言いますしね、場所は私の家でもいいですか?実は家にテスト勉強に必要な教材を置いてきてしまっていて……」

 

 

「私は構わないぞ」

 

 

「僕もヒフミさんがいいなら」

 

 

「それじゃあ決まりですね」

 

 

こうして僕を含めたヒフミさんとアズサさんの3人でテストにそなえた勉強会をすることになった

 

 

ーー

 

 

「全員揃いましたね!それでは勉強会を始めましょう!」

 

 

「えっと、それぞれが苦手な科目を中心的に勉強して、分からないところはお互いで聞き合うって方針でいいかな?」

 

 

「よろしくお願いする。憂太、ヒフミ」

 

 

勉強会が始まるとそれぞれが自分の課題を進め始めた。苦手な科目を中心的にやっているため、2人ともあまり進みはよくなさそうだ

 

 

「憂太、ここの問題なんだが……」

 

 

「ここは公式があるからこの公式に当てはめていくと……ほら、簡単にできるよ」

 

 

「なるほど……公式を覚えておく必要があるんだな」

 

 

「あのー憂太くん、ここ何ですけど単語が難しくてなかなか覚えられないんですけど……」

 

 

「ここはね、覚えやすいやり方があって……」

 

 

「憂太くんは勉強が得意なんですね」

 

 

「少しでも出来ることを増やしたかったからね。こんな風に人に教える機会があってよかったよ」

 

 

勉強会は順調に進んでいき、その後もいくつか勉強について聞かれたがすべて教えることができた

 

 

「憂太のおかげで今日は随分と勉強が進んだ」

 

 

「そうですね、これならいい点数がとれそうです!」

 

 

「よかったぁ、2人ともいい点数が取れるといいね」

 

 

「……ところでヒフミ、家に来た時から気になっていたんだが周りにいるこのかわいいのはなんだ?」

 

 

「か、かわいい?」

 

 

「ペロロ様のことですね!!」

 

 

僕がまさかと思っていると、ヒフミさんが興奮した様子でペロロについて話し始めしまった

 

 

「なんて愛くるしい見た目なんだ!」

 

 

(これって僕の感覚がおかしいのかな?)

 

 

「よければアズサちゃんも1つ持っていきますか?」

 

 

「いいのか!」

 

 

「はい!これで友達です!憂太くんも欲しいですか?」

 

 

「遠慮しておきま〜す……」

 

 

ーーテスト後日

 

 

「憂太くん!学年2位なんてすごいじゃないですか!!」

 

 

「今回は結構準備したからね、勉強会もあったし楽しく勉強できたよ」

 

 

(それにしても学年1位の人はすごいなぁ、全教科満点って)

 

 

「浦和さんですか、これはなんというか……別格な気がしますね」

 

 

上には上がいるとはこういう事を言うのだと乙骨憂太は感じた

 

 

ーー

 

 

きっとこんなにも素敵な時間はながく続かないだろう

 

 

僕は便利屋68の陸八魔さんに呼ばれ、再びゲヘナに足を踏み入れた

 




少しずつ不穏になっていきます
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