先生はアビドスの生徒達の戦闘指揮を取り始めた。指揮の能力は圧倒的であっという間にヘルメット団は撤退していった
「す、すごい」
先生の指揮を受けたアビドスの生徒達も先程の戦闘の感想を口々に話していた
『私は戦いだとこのくらいしか手伝ってあげられないからね』
先生は優しい笑みでそう言っていた
(やっぱりこれが大人というものなのか)
ーー
対策委員会の部室に戻ると奥空さんが対策委員会の現状について話してくれた
「ご説明いたします。対策委員会とは……このアビドスを蘇らせるために有志が集った部活です」
「全校生徒で構成される校内唯一の部活なんですよ〜全校生徒といっても、私たち5人だけなんですけどね☆」
「こんな有様だからさっきのカタカタヘルメット団みたいな連中にも標的にされるわけ」
「きっとまた攻めてきますよね……」
「そこでおじさんが1つ策を思いついたんだけど」
そう言いながらさっきまでダラダラとしていた小鳥遊さんが立ち上がる
「どんな作戦ですか?」
「簡単にいっちゃえば、奴らが一番消耗してるのは返り討ちにあったばかりの今、だからこのタイミングで奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって」
ーー
『あ、あのみんな運転とかできたの?』
「はい、キヴォトスでは戦車なんかも乗り回すくらいなのでこのくらいの車なら簡単に操縦できます!」
「みんな着いたよ〜」
戦いで疲れ切った状態のカタカタヘルメット団への奇襲、これは簡単に成功し僕の出番が来る前に拠点をまるごと潰すことができた
ーー
「あんまり共闘とかしたことないけどみんな強いな……」
そんな事を呟いているとお前が言うなといった目をみんなから向けられた
(本当に戦いはド素人なのに!)
「火事の事案だったカタカタヘルメット団の件が片付きましたね。これで一息つけそうです」
「そうだね。これでやっと、重要な問題に集中できる」
「うん! 先生のおかげだね、これで心置きなく全力で借金返済に取り掛かれるわ」
何気ない会話だったが少し妙な単語が聞こえた気がした
「借金返済?」
『借金返済?』
思わず聞き返した声が先生と重なる。奥空さんがなにかを言おうとするがそれを黒見さんが制止する
「ま、待って!! アヤネちゃん、それ以上は!」
「いいんじゃない、セリカちゃん。隠すようなことじゃあるまいし」
「今までだって私たちだけでやってきたのに!今更急に来た大人を信用できるわけないでしょ!?」
そんな感じにセリカさんとの言い争いに発展してしまった。最終的には「"私は認めない!!"」と言い捨て黒見さんが部屋をでていってしまい、それを十六夜さんが追いかけていった
「えーと、簡単に説明すると……この学校、借金があるんだー。まあ、ありふれた話だけどさ。でも問題はその借金が9億ぐらいあるんだよねー」
(きゅ、9億!?全然ありふれてないんですけど)
『それにしても9億か……なんでこの学校はそんな借金をしてるの?』
先生の疑問はもっともだった。普通の学校ではこんな額の借金をしないだろう
「借金をすることになった理由、それは数十年前この学区の郊外にある砂漠で砂嵐が起きたのです。以前から何度か砂嵐が起こることはありましたが、その時は想像を絶する規模のものでした」
「それでこの学校が多額の資金提供をしてる内にお金がなくなってきて、悪徳金融業者に頼るしかなくなった」
「……まあ、そういうつまらない話だよ。もしこの委員会の顧問になってくれるとしても、借金のことは気にしなくていいからねー」
『私は対策委員会の顧問になる。もちろん借金返済も手伝わせて貰うよ』
「ぼ、僕もできる範囲にはなると思うけど手伝うよ!」
『ありがとう憂太』
「そっかぁー先生も憂太くんも変わり者だねぇ」
そんな会話で今日は解散となった。近くに寝泊まりができるところがあるというので、しばらくは先生とそこで暮らすことになるだろう
ーー
「黒見さん、大丈夫ですかね?」
『うーん……また明日話しかけてみよう。先生として生徒からの信頼は大切だからね』
「そうですね。先生ならきっと信頼してもらえますよ」
台本形式じゃないと書き分けが難しいですね