今回曇らせ要素があります
アビドス対策委員会はカイザーコーポレーションの目的を知るためにアビドス砂漠に向かっていた
「先生はカイザーコーポレーションの目的は何だと思いますか?」
カイザーコーポレーションの基地があると思われる地点まで時間があったので、そう尋ねてみる
『うーん。1つの会社として動いてるわけだし、相当な規模と利益を得られるものだよね……きっと』
みんなの注目が集まる中、先生はそう答えた
「利益になるといったら、やはり鉱物や財宝でしょうか?」
「事業が宝探ししてるってわけ!?」
いったい何を目的でいるのか、思考を巡らせながら僕らは進んでいく
「……みなさん!前方に大きな施設が!」
突然奥空さんからそう声がかかった
「こんなところに施設?」
ホシノさんがそんな疑問を口にする
カイザーコーポレーションのようなでかい組織が動いているのだ、これがカイザーの拠点だとしてもなんらおかしいことではないのか
「取り敢えず肉眼で確認できる距離まで行きましょう!」
十六夜さんの提案で全員が速やかに移動する
「昔はこんなのなかった」
唖然とするホシノさんを横目に、僕は張り巡らされた塀と有事鉄線を見渡した。数キロメートル先まであるであろうそれと……
「みなさん!カイザーと思われるマークを確認しました」
そう声をかけると皆が一斉に僕のもとへと揃う
「本当だ、カイザーの奴らもここまでして探すなんて」
『取り敢えず、中の状況が分かりそうな場所を探ろうか?』
「うへ〜、今はそれがいいかもねー」
「それじゃあ探しま……?」
僕はそう言いかけた時、有事鉄線と塀で囲まれた曲がり角を通り過ぎるのが見えた
「憂太?どうしたの」
「今、何かが動いてたような」
「そんな、でも近くに反応はありません……」
「僕、確認してきます」
奥空さんには確認出来なかったようなので、自ら確認することを提案した
『憂太!気をつけてね』
「はい!」
僕は何があってもすぐに反応できるよう、愛銃となった拳銃を構えて向かった
ーー
曲がり角から飛びたし素早く銃を構えるとそこには
「おやおや、気づいていただけてよかったです」
黒服さんが立っていた
「僕に何かようですか?」
「いえ、ですが……間一髪、といったところでしたね」
「へ?」
ドゴガアアアァァァア!!!!
直後僕の真後ろの地面が大きく吹き飛んだ
「な、なんですか……こ、れ……」
急な状況に理解が追いつかず黒服さんの方を振り返ると、彼は不適な笑みを浮かべていた
「クックック、デカグラマトン。第三の預言者ビナーが目覚めました」
「デカグラマトン?、て、それよりも先生!みんなが!」
急いで皆のもとへと行こうとするが、それを黒服さんに止められる
「さすがの私でもあなたを見殺しにはできません。今行ったところでもう手遅れでしょうし」
「そん、な……」
駄目だ。頭が回らない、手遅れって先生は?みんなは?もう、死んだの?
「しかし、困りましたね。ここにいてもいずれ彼に見つかりあなたは殺されてしまうでしょう。なにせ、第三の預言者ビナー、彼はあなたという存在を感知して動き出したのですから」
「……僕?」
「ええ、以前お話した通り乙骨憂太という存在が現れたことによってこの世界のパワーバランスは崩壊しました。故に本来パスを使わなければ動き出すはずのないビナーが動き出し、攻撃を初めたのです。世界の均等とバランスを保つために」
「僕の、せい?」
「いえ、今回のことは知り得なかったことですし、不可抗力かと──」
「違う、違う!違う!先生を、みんなを、助けなくちゃ!」
僕は黒服さんを振り切ってみんながいた場所に向かって走った
「止めても無駄でしたか……」
ーー
「はっ、はっ、……先生、みなさ──っ!?」
僕は目の前の光景に絶望した。目に映るすべてを否定した。
「そんな、わけ。嫌だ!こんなのって……!」
僕の目線の先、そこには血塗れで動かない黒見さんと十六夜さんが横たわっていた
そして、その奥に黒服さんがビナーと呼んでたのであろう全身を装甲で覆ったヘビのような機械が佇んでいた
「お前が!」
ビャアッヒュウウォオオオ!!
ビナーは僕を見るなり雄叫びを上げ、口腔内に大量のエネルギーを溜め始めた
「っく!」
僕は覚悟を決めて拳銃を向けてる。ビナーが再びさっきの熱線を放つ、死ぬ……これを受けてて生き残れるわけがない
『憂太っ!逃げろ!!』
最後に見えたのは必死の形相で僕を突き飛ばす先生
「えっ……?なんで、先生?」
熱光線が通った後、先生は跡形もなく消えていた
「……うっ、……嘘、……嘘だぁぁぁぁああああ!!!!」
僕は泣き叫びながら、必死にビナーから遠ざかるように走った。逃げる途中に、ビナーから追い打ちのミサイルをあびせられ右手が吹き飛んだが、そんな事はもう関係なかった
砂埃がまっていたためビナーが見失い、やっとの思いで逃げきった。そして僕は広い広い砂漠の中、一人で遭難した
ーー
あれかれ3日たった。しかし頻繁に起こる砂嵐もあり、僕は未だアビドス砂漠に囚われていた
「……。」
「……。」
「……。」
喉が渇いた。このまま行けば僕は脱水症状で干からびて死ぬだろう。僕は手に最後のペットボトルを持っていた。この3日間で温存してきたのだ、もう一度奴と合う時に備えて
走る体力も等になくなり視界もぼやけてくる
(ああ、死ぬんだな……せっかくだし、最後の水も飲み干して少しでも生き足掻くか……)
「……。」
「……?……!……っ!!」
そう思った矢先、砂漠ではよく目立つピンク色の髪が見えた。まだ運命は僕を見捨てていなかったようだ
とっくに気力がなくなっていたのにも関わらず、僕はできる限り足を動かして駆け寄った
「ホシ、ノさん!!」
「……?憂太くん?」
僕はホシノさんの状態を見てから、ペットボトルの水を差し出した。無言のままホシノさんが半分くらい飲んだ辺りで僕へとペットボトルを返す。僕は残った水を飲み干して、ホシノさんに有りもしない希望を尋ねた
「方位磁石、は……?」
「あいつが来た時に荷物は全部やられた。最初の一撃でセリカちゃんが死んで、3人で応戦したけど私とシロコちゃんはあいつの尻尾で吹き飛ばされてバラバラになった」
「……僕が戻った時には、黒見さんと十六夜さんが倒れてて、先生は僕を助けて死にました」
「絶対にあいつだけは!殺してやる!」
表しきれないほどの憎悪と怒の感情を込めてホシノさんが言い放つ。丁度その時、あの雄叫びが聞こえてきた
ビャアッヒュウウォオオオ!!
奴は、ビナーはこちらを見るなり、すぐに攻撃のために口腔内にエネルギーを溜め始めた
僕はホシノさんと見つめ合っていた
「ホシノさん……」
「考えてることは一緒かな……?」
僕は呟いた
「死ぬくらいなら」
「「やってやりましょう やってやろうよ」」
二人の意見が一致した。ならばやることは1つ、
命をかけてこいつを殺す
(ごめん、里香ちゃん。僕じゃ里香ちゃんの呪を解くことは出来なかった)
(でも、こいつだけは許せない)
(僕の大切なものを奪って、滅茶苦茶にした)
「里香ちゃん」
(なあーに?)
「お願い。僕に力を貸して……」
「行くよ、憂太!」
「はいっ!ホシノさん!」
イ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙!!
雄叫びを上げながら顕現した里香が発射寸前のビナーの熱光線を殴り上げる形で阻止する
ビギュア゙ア゙ア゙ィ゙ア゙!!
ビナーは再び叫びながらも側面からミサイルを飛ばしてくる
(まずいっ……!)
ドゴガアアアァ!!
間一髪のところでホシノさんの持っていた盾に助けられる
「ありがとうございます!」
「熱光線の発射部分になってる口腔内を狙えばダメージを与えられるかも」
「できる限りの援護をします」
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙!!
里香の連続打撃を浴びながらも、チャージ時間を短縮して熱光線を撃ってくる。狙いは里香と僕だ
僕はなるべくビナーの注意を反らしながら、ミサイルの発射口に片手で撃ち込む。対した威力にはなっていないがダメージは入っているはずだ
「ホシノさん!行ってください!!」
ホシノさんは僕の合図を頼りに閃光弾を1つ投げつけてビナーの視界を奪う。それと同時に視界を失った里香は僕のもとに引っ込んだ
「くたばれ!」
ダアッーン
ホシノさんの攻撃を口腔内に受けたビナーは今までで1番の叫びを上げたが倒すまでには至らなかった
「はぁ、はぁ、駄目……ですか……」
「流石にキツイかもね……」
僕らが疲れ切っているのに気づいたビナーは熱光線のチャージを始めた
「あれだけ口腔内にダメージを入れてもすぐにチャージするなんて……」
「……っく、里香……」
ドゴガアアアァァァア!!!!
「ふぐっ!!」
ホシノさんが盾でビナーの攻撃を防ぐ、だが既に盾はボロボロになっていた。それでもビナーは熱光線を放ち続ける
ビナーの攻撃を受け止められるのも時間の問題。でも、まだ切り札が1つ残ってる……
僕は息を吸って叫んだ
「お返しだっ!!」
僕は銃口には到底合わないサイズの熱光線を放った
これが僕の術式「
僕はこの術式を熱光線を放つビナーに行い「
した
当然のように手は焼けて全身に痛みが響く、しかしその熱光線は確実ビナーの装甲を削っていた
「あああっ!あああああああああぁぁぁぁああ!!」
最後の力を振り絞って限界まで身を削った熱光線はビナーの腹部を見事に貫通していた
ーー
その場に崩れ落ち、視界が暗転する
(ホシノさん)
口をパクパクしながら必死にでない声でホシノさんに呼びかける
ビナーが力尽きるよりも先に、盾と自分の身で熱光線を防いでくれたホシノさんが力尽きてしまったのだ
(ああ、駄目だ。もう目も開けてられない、何も思考できない……)
(……。)
(もし、もしもこんな終わり方を変えられるなら……僕はもう一度やり直したい)
そう心のなかで願った
end1 砂漠の復讐者
今回はバッドエンディングルートでした
もちろん分岐点なので本編は続きます