乙骨くんの憂鬱アーカイブ   作:イルカライフル

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気になるじゃんね☆


暗い会話

 

 

朝、目が覚める。昨日のことはまだ鮮明に覚えているが、ここまでしっかりと眠れたのは珍しい

 

 

「ふわぁ……」

 

 

あくびをして学校に行くための身支度を済ませる

 

(今日も学校か……何事もなく過ごせるといいな……)

 

玄関に行き昨日置いていった拳銃を護身用として持って行く

 

(里香がいなくても自分の身を守れるようにならなくちゃだよね……)

 

相変わらず気分は沈んだまま、それでも前に通っていた学校よりは何倍もいい生活をしている。なぜなら

 

 

「おはようございます!憂太くん!」

 

 

「お、おはよう……阿慈谷さん」

 

 

友達と呼べるかは分からないが、話をする人ができた。そこまで話すことがないときでも、お得意のペロロ様の話を永遠と語ってくれるため気まずくならない

 

 

ーー教室

 

 

「……そうですねー、あっ!良ければ今日一緒にペロロ様グッズを買いに行きましょう!!」

 

 

「え、えっ!?僕とぉ!?」

 

 

突然の誘いに困惑するが友達仲は大切なので両省する

 

 

「じゃあ何処で待ち合わせする?」

 

 

「うんー……どちらからも近い場所をと思いましたが難しそうですね……学校終わりにそのまま行ってしまいましょう!ブラックマーケットに!」

 

 

「……それって大丈夫なやつだよね?」

 

 

なんとなく名前からして怪しいので聞いてみるが

 

 

「ペロロ様のためなら絶対に上手くいく自信があるので安心してください!」

 

 

僕はこの言葉を素直に信じる他なかった

 

(お願いですから何も起きませんように……)

 

そんな祈りを心の中でしたころ授業の始まりを告げる鐘が鳴る

 

 

ーー昼休憩

 

 

昼休憩になり、朝自前で作ってきた弁当を食べる

 

 

「手作りですか?」

 

 

「うん、そうだよ。こう見えても自分の弁当くらいは作れるんだ」

 

 

「ところで!朝話したペロロ様のことなんですけどーー」

 

 

バァッッン!!

 

 

そう阿慈谷さんが、話し出そうとすると突然大きな物音が教室中に響いた。驚いて音のした方を振り向くと、ドアが勢いよく開かれており、ピンク髪の女子生徒が立っていた

 

(今のって扉を開けた音!?あんなの絶対ヤバいに決まってるじゃん!)

 

何事もなく通り去ってくれることを願っていたが、無情にもその女子生徒はこちらを見つけると声を上げた

 

 

「わーお!本当に男子生徒がいるじゃんね!」

 

 

終わりだ、確実に僕のことを言っている

 

 

ザワザワ「あれってティーパーティーの……」

 

ザワザワ「あれがあの聖園先輩?……」

 

ザワザワ「あれだよ、パテル分派の……」

 

ザワザワ「すごい……でもなんでこのクラスに……」

 

 

周りがすごくざわついている。もしかしなくてもかなりの有名人のようだ、この学校の広さは初日で十分知れた。ここまで大勢に認知されている時点で普通の生徒ではない

 

 

「んー?ちょっとうるさいかな☆」

 

 

(めっちゃストレートに言ったぁー!?)

 

 

「えっとね……君、そう君に用があってきたんだ」

 

 

「ぼ、僕に……いったいどんな用が……」

 

 

頭は完全にパニック状態、周りからの視線も辛い

 

 

「私はトリニティ総合学園ティーパーティー所属の聖園ミカ、トリニティの新入生に男子生徒がいるってのを昨日ナギちゃんに聞いてーそれで気になって見に来たんだ☆」

 

 

「あっはは……そうでしたか……」

 

 

コソコソ「ティーパーティーって何!?」

 

コソコソ「トリニティをまとめる言わば生徒会のようなものです!」

 

 

(せ、せせ生徒会!?……危害を加えてくる感じは無さそうだし、里香ちゃんも反応してないから大丈夫かな……?)

 

 

気になって見に来ただけならすぐに帰ると思ったが、どうやら相当なおしゃべり好きのようだ

 

必死に相槌を打って応答することしか出来ない

 

 

「あれ?コレって指輪?誰かと結婚してるの!?」

 

 

「結婚してるというより、するハズだったんですよ……」

 

 

それでもこの質問だけはしっかりと答えなければと思い答えた

 

 

「つまりつまりー……どういうこと?」

 

 

できる限りの最悪の返答が返ってきた

 

 

「……。」

 

 

「今ではかけがえのない僕の宝物です……」

 

 

(……ダメだ空気が重すぎる)

 

 

「えっと……なんだかごめんね?」

 

 

事態に気づいたのか話を切り上げてくれた

 

 

「いえ、こちらこそ変な空気にしてしまってすみません……」

 

 

「私の話に最後まで付き合ってもらったのナギちゃん以来かもね☆」

 

 

「そ、そうだったんですね……」

 

 

どうやら彼女の長すぎるおしゃべりに付き合ってくれる人はあまりいないらしい

 

(僕は逃げられなかっただけなんですけど……)

 

 

「君面白いし今度ティーパーティーに遊びに来てよね☆」

 

 

そう言うと聖園先輩は去っていった

 

今の自分のどこがそんなに面白かったのかは分からないが、なんとかやり過ごせたらしい

 

 

「はあぁぁーー」

 

 

安心のあまり一気にため息がこぼれでる

 

 

「す、すごいじゃないですか!トリニティの先輩それもティーパーティーの方に声を掛けてもらうなんて!!」

 

 

「僕はすごくつかれたよ……」

 

 

「あはは、私もティーパーティーがどんな人達かは気になりましたね……」

 

 

「僕一人じゃ到底行けないから一緒に来てくれるとありがたいな」

 

 

「わかりました!じゃあ今度一緒に行きましょう。その前に……今日のペロロ様探しが先ですね!!」

 

 

そうして過ぎ去った危機に安堵して弁当の残りを平らげた

 

 

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