乙骨くんの憂鬱アーカイブ   作:イルカライフル

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あの、3話くらい投稿してるんですけど全部反映されてなかったみたいですね。マジ?

もう一度書き直しなんて気が失せますが思い出しながら書き直します……

この作品は完結させるって決めてんだよ!


Not Ending ターニングポイント2

 

 

ーー

 

 

僕と先生は今、カイザーコーポレーションとの戦いに備えて、支援要請のためトリニティに来ている

 

 

「あの、先生。僕必要でした?」

 

 

『憂太はトリニティに所属していたんだよね。それなら優太のために、協力してくれる生徒も増えるかもよ!』

 

 

「そ、そうですかね……」

 

 

やけに自身有りげな先生の言葉によって、僕は再びトリニティ総合学園へと足を踏み入れた

 

 

ーー

 

 

「先生?やっぱり護衛とかあった方がよくないですか」

 

 

『うーん……』

 

 

「なんか周りの目線から悪意しか感じないんですけど」

 

 

僕が先生にそう伝えると先生は少し考えてから僕に向き直った

 

 

『ちょうど憂太の助けになってくれるような生徒をがいるよ』

 

 

「えっと?」

 

 

先生に助けになってくれるという生徒と連絡をしてもらい、入り口付近で待っているとその生徒が現れた

 

 

「……!乙骨さん」

 

 

現れたのは黒くて大きな羽が特徴的な正義実現委員会の羽川ハスミ先輩

 

 

「先生が言っていた生徒って羽川先輩だったんですね」

 

 

「久しぶりになりますね。もちろん我々正義実現委員会は既に例の件は冤罪だったと理解しております、辛い時に力になれず申し訳ありません」

 

 

「いえ!そんな……」

 

 

ーー

 

その後トリニティはシャーレの名目を背負った僕が代わりに、支援要請をすることになった

 

 

「噂とは人知れず広まっていくもの、1年生の中にも既に乙骨さんの事を悪しと見なす者がいるのが悔しながらの現状です」

 

 

「……。」

 

 

無言の優太に対して前を向いたままハスミは続ける

 

 

「もちろん我々正義実現委員会の中に噂を信じる者はいませんので、困った時には迷わずお声掛けください」

 

 

「すみません。僕が招いた結果なのにも関わらず羽川先輩達にまで迷惑がかかってしまい」

 

 

絶対とは言いきれないが、噂が広まってしまうのは仕方がないことだ。どんなに火種が小さくとも燃えやすい藁と触れれば大きく膨れ上がる。そんな火種を一つ一つ見つけて消していくなど、不可能に等しい

 

 

「気にすることはありません。それが正義実現委員会としての仕事ですから……それよりもどちらに伺うのですか」

 

 

羽川先輩は隣を歩く僕の方に目を向けて訪ねてきた

 

 

「ティーパーティーの部室へ、桐藤先輩の協力を得られるのが一番心強いので」

 

 

ーー

 

「お入りください」

 

 

ティーパーティーの部室の前まできて、ノックをすると中からすぐに声がかかった

 

 

「失礼します」

 

 

中に入ると1年前とほとんど変わらない配置のティーテーブルとそこに添えられた椅子に腰をかける桐藤先輩がいた。普段周りに仕える生徒たちがいないのは僕を気遣ってだろうか

 

 

「乙骨優太さん、お久しぶりです。立ち話といのもなんですから、そちらの席にどうぞ」

 

 

桐藤先輩が椅子を手の平で指し示しながら僕に座るよう促す

 

 

「お気遣いありがとうございます。ただ、急ぎの用件なので手短に済まさせてください」

 

 

「そうでしたか、では本題にはいりましょう」

 

 

僕は今のアビドスの現状とシャーレへの貸しという名目で力を貸して貰えないかとうことを伝えた

 

 

「……なるほど」

 

 

「トリニティの部隊に動いてもらう為にも桐藤先輩の力が必要なんです」

 

 

僕の言葉を聞いてから少し考え込み、桐藤先輩は僕に向き直る

 

 

「申し訳ありませんがお断りさせていただきます」

 

 

そうだ、いつだって物事が良い方向に向かうとは限らない。期待こそしていたが桐藤さんはティーパーティーの1人であり、トリニティをまとめている人物だ

 

 

「……わかりました。忙しい中お時間を作ってくださりありがとうございました」

 

 

「……?優太さん。私は先程のお願いをお断りしました。ですがそれは支援要請についてではありませんよ」

 

 

「どういう意味ですか?」

 

 

「我々トリニティはシャーレの貸しではなく、乙骨優太さん。あなたの為に力を貸しましょう」

 

 

「……!ほんとにいいんですか!?」

 

 

「ええ、前の件では助けることができませんでしたが今回こそは、持てる力を最大限に活用して協力させていただきます!」

 

 

この世に奇跡というものは存在するらしい

ーー

 

 

「この辺ですかね……」

 

 

僕ら対策委員会の面々はホシノさん救出のためにアビドス砂漠に来ていた

 

 

『みんな、気を引き締めていくよ』

 

 

「「はい!」」

 

 

こないだのアビドス地区への侵攻で散々な目にあったのだ、かなり守りも強化されていて突入するとすぐにカイザーの兵が集まってきた

 

 

「想像以上の量ですねー」

 

 

「無視してでも先に進むべき」

 

 

たくさんの銃弾が飛び交う中で敵を無視してホシノさんの居場所を目指すのはあまりにも難しかった

 

 

「先生!援軍要請しましたよね!?」

 

 

『大丈夫、信じて戦い続けよう!』

 

 

ドドドドドドドドドドドドッ!!

 

 

先生がみんなに呼びかけた直後銃声がなり、辺りのカイザー兵が倒れ道ができた

 

 

「この銃声は!」

 

 

「先生、お待たせ。みんな、さっさと終わらせるよ」

 

 

みんなの視線の先に立っていたのはゲヘナでも最強と名高い風紀委員長空崎ヒナだった

 

 

「あれはゲヘナの風紀委員長さんです!」

 

 

「来てくれたのね!」

 

 

「今のうちにホシノ先輩の元へ急ごう」

 

 

シロコ先輩を先頭に、対策委員会のメンバーはゲヘナ風紀委員会が作ってくれた道を通り抜けて先を急いだ

 

 

ーー

 

 

「リーダー、ホントにこの辺りに乙骨優太がいるの?」

 

 

「ああ、マダムからの情報だ。間違いない」

 

 

(しかし、いくら情報があろうとこの広い砂漠の中から乙骨優太を見つけ出すのは時間がかかりすぎる)

 

 

「シュ、シュシュシュ」

 

 

「どうしたの姫ちゃん?」

 

 

「リーダー、あれ」

 

 

「あれはトリニティの……かなりの大部隊で動いているが、どこが目的地だ?」

 

 

「どど、どうしましょう!今トリニティの大勢力と衝突するのはマズくないですか!?」

 

 

「ここで戦いになってしまってはエデン条約での作戦に支障が出る。ここは一度退くしか無さそうだ」

 

 

ーー

 

 

「だいぶ道はできましたけど……」

 

 

「次から次へと出てきますね」

 

 

対策委員会のメンバーはカイザーの圧倒的な数の力を前に、停滞状態にあった

 

 

「いくらゲヘナの風紀委員会がいてもこの数じゃ」

 

 

ズドォオオオオン! ズドガアアアン!

 

 

「アビドスの皆さん!助けに来ましたよ!」

 

 

「「ヒフミ(さん)!」」

 

 

「トリニティの部隊の指揮は私が取ります。ミカさん、敵陣の方へ突っ込んで暴れてきていいですよ」

 

 

「ちょっとナギちゃん!その言い方は酷くない!?」

 

 

そうナギサに抗議するのは同じくトリニティのティーパーティー所属、聖園ミカであった

 

 

「では我々も行きましょう」

 

 

剣崎先輩と羽川先輩が率いる正義実現委員会も参戦した

 

 

ーー

 

遂にプレジデントの目の前までたどり着いた僕らは、なにやら喚くそいつを見つめながら呆れていた

 

 

「バカな!どうやってこの短時間でここまでの戦力を味方につけたんだ!!」

 

 

「あんたには教えないわよっ!」

 

 

「少しズルしました」

 

 

「「?」」

 

 

「まあいい、アビドスの市街地のようにいくと思うなよ!」

 

 

『それフラ──』

 

 

ズドオオオオオオオオオオオオン!!

 

 

直後、プレジデントの真上から一機のヘリが墜落してきた

 

 

「ぬおぁっ!」

 

 

プレジデントの短い悲鳴が聞こえる砂煙の中から現れたのは

 

 

「対策委員会!ここは私たちに任せて先に行きなさい!」

 

 

「便利屋!」

 

 

「ん、ありがとう」

 

 

「なんかもう倒れてそうだけど……いっか」

 

 

(颯爽と助けに入ろうとしたら操縦ミスで墜落しちゃったなんて言えないけど!今のセリフ、完全にアウトローだったわ!!)

 

 

僕は囚われているホシノさんの元へ向かう対策委員会のメンバーを眺めて先生に目をやった

 

 

「先生、ここからは別行動です」

 

 

先生は無言で頷き他の対策委員会のメンバーを追いかけた

 

 

アビドス砂漠に来てからずっと感じてた違和感。これは僕が止めなくちゃいけない相手だ

ーー

 

アビドス砂漠を縦断するように砂がかき分けられ、砂埃が舞い、それは僕の前に現れた

 

 

ビャアッヒュウウォオオオ!!

 

 

(コイツが僕が感じていた違和感の正体!)

 

ヘビのような形状の巨体、機械のようか見た目で冷たい白色をしたそいつ

 

 

「ここで僕が止め──」

 

 

瞬間、ムチのように素早く重いヤツの尻尾が僕の体へと直撃し、僕ははるか後方へと吹き飛ばされた

 

 

「いづ、たい……」

 

 

(あの見た目からは予想外の速度、対応できなかった)

 

轟音が響く中、体に力を入れようとも痺れているようで立ち上がることすらできない

 

 

「動けっく、動けっ」

 

 

ーー

 

 

「今の音は?」

 

 

私、空崎ヒナは破壊音と雄叫びが聞こえてくる方向へと急ぐ。現場に着き一番に目に入ったのは白い機械でヘビのような見た目の巨体、さらにそれと交戦するトリニティの正義実現委員会の姿だった

 

 

「ここはトリニティに協力した方がよさそうね」

 

 

ヒナはすぐに加勢しに向かうがそれを良しと思わない生徒が当然いる

 

 

「ゲヘナの生徒が邪魔に入ろうとしてる!止めないとね☆」

 

 

ミカは勢いよく地面を蹴って動くが、すぐにミカの動きを止める声が聞こえてくる

 

 

「ミカさん。落ち着いてください、今ゲヘナと争ってしまえば例の条約に影響が出てしまいます」

 

 

「でっでもー!」

 

 

「はぁ、やはりミカさんをこの場に連れてくるべきではありませんでしたね……しばらくはその場でジッとしていてください」

 

 

ナギサは自らの過ちを振り返りながらそう呟いた

 

 

「えぇええーー!!」

 

 

ミカは驚きのあまり声を上げて抗議しようとするが既にナギサに通信を切られていた

 

 

ーー

 

 

(結構長い間動けなかったけど、手足に感覚が戻ってきた)

 

動けるという確信のもと体を起こして状況把握を急いだ

 

(みんな強いし僕がいなくてもなんとかなってるはず)

 

そんな期待を持って辺りを見渡すが戦況は乙骨の思考に反して、より悲惨なものになっていた

 

 

「地面のこれガラス!?砂が焼けたってこと……?」

 

 

辺りの砂は黒焦げになり今もあの機械質の巨体は暴れ回っていた

 

 

「あいつがまだ動いてるってことは、こちらの陣営は全滅ですかね……」

 

 

「優太さん!無事でしたか、現状の共有をします」

 

 

「……お願いします!」

 

 

辺りを歩いて数歩した頃に桐藤先輩からの無線が入った

 

 

「現在シャーレの先生とアビドスの皆さんは白いヘビのような機械が放つ熱線により建物ごと生き埋め状態です。こちらには正義実現委員会のツルギ以外を派遣しております。カイザーの理事は討伐、残党はゲヘナの便利屋?を名乗る方々が倒しまわっています。」

 

 

「次に優太さんを吹き飛ばした白いヘビのような機械、あれには我々正義実現委員会のツルギ、それとその他トリニティ生達による砲撃、ゲヘナの風紀委員会の方が戦っています。」

 

 

「今どのくらい残ってます?」

 

 

「砲撃を行っていた生徒たちは砲台を破壊されて、ほとんどが戦闘不能に、ゲヘナの風紀委員会の方はおそらく風紀委員長が敵の熱線に被弾。その他のゲヘナの風紀委員会の方はツルギと一緒に交戦中です」

 

 

(未だに交戦中なら思ったよりも状況は悪くない)

 

 

「ありがとうございます。自分も加勢に向かいます」

 

 

「お気おつけて」

 

 

もしあの巨大な機械がここまで強いのに、僕がこの世界に来たことが影響しているのなら……

 

望んだ転移ではなかったが、確かにここに来てから楽しい思い出をたくさん貰った

 

せめて、僕は責任を持ってあいつを倒さないといけない

 

 

「いた!」

 

 

僕が奴のもとに辿り着くと奴はすぐに狙いを変えた

 

 

ビャアァァアアギギギァァァァァ!!

 

(うぅ、めっちゃくちゃ怒ってるんだけど!ここは里香を……駄目だここじゃ人が多すぎる。まだまともに制御できない里香を呼んだら他のみんなにも被害がでる)

 

 

考えている隙に先程と同じく尻尾で振り払おうと憂太に向って攻撃をするビナー

 

憂太は瞬時に反応してその場から飛び退く

 

隙かさずビナーは無数のミサイルを体から発射しながら連続で振り払い攻撃を行う

 

 

ドドドドドドドドドドガアアア!! ドドドガアァン!!

 

「うわぁっ!ぐっ」

 

 

爆風を受けながらも攻撃の直撃は避けて反撃に数発撃ち込む

 

カキンッ ガキンッ゙

 

しかしそれもビナーには大したダメージを与えることなく鉄壁の皮膚に防がれる

 

 

「攻撃が入らない!」

 

 

「きええええええええええええ!」

 

 

爆風の中から奇声を上げ、正義実現委員会の剣崎先輩が突撃する

 

(あの人雰囲気怖いんだよなあ……)

 

もちろん無意味な突撃ではなく体から発射するミサイルの発射口を狙ったようだ

 

 

ギュォォォォォオオオ!!

 

 

発射口に被弾すると奴は悲鳴を上げ、体を大きく揺らした

 

 

「なるほど、発射口のように装甲がない箇所なら当然ダメージが入る」

 

 

(それなら僕でも……)

 

 

そうして再び向き直りビナーの側面に回り込もうと走り出す

 

それを見たビナーも憂太に向って再びミサイルを発射する

 

 

「これならいけるっ!」

 

 

発射が終わったタイミングで発射口を捉える

 

 

「はぁあ!」

 

 

ビギャアアアアォォォォォオオ!!

 

 

近距離での射撃にビナーは再び悲鳴を上げて暴れ回る

 

 

「うわっ」

 

 

その拍子に振り落とされてしまったが、上手く受け身をとり損傷を避ける事ができた

 

(地道ではあるけどこれならいつかは倒せる……!)

 

少しの希望を持って再び走り出そうとするが足が止まる

 

(流石に喰らいすぎたかも)

 

必死に足に力を入れ踏み込もうとするが動かない。当然ビナーはその隙を見逃す訳もなく口腔内に膨大な量のエネルギーを溜め込む

 

 

「そ……んな……」

 

 

やがて辺りは眩い光に飲み込まれる

ーー

 

 

「はぁ、はぁ、生きてる!?」

 

 

「大丈夫ですか?!」

 

 

「これは戦車、ヒフミさんあいつは!」

 

 

「まだ動いてます!今はツルギ先輩と合流した正義実現委員会のハスミ先輩とイチカ先輩が、アビドスの皆さんと先生は救出されたものの体力の消耗が激しく動かせる状態ではなかったので、救護騎士団の皆さんが診てくれています」

 

 

戦車を操縦しながらヒフミさんは僕に説明した

 

(無理だ、勝てない、勝てるはずない)

 

 

「ヒフミさん!!このまま逃げよう!あんなの勝ち目がないよ!」

 

 

「憂太くん!?でも、まだみんなが戦っていますし、それに先生やアビドスの皆さんだって!」

 

 

「大丈夫だよ!剣崎先輩だってあの熱線を受けても耐えられてるんでしょ!僕たちがいなくてもなんとかなるよ!」

 

 

「憂太くん……」

 

 

僕は必死に奴の危険性を訴えてみるがヒフミさんは納得の表情を示さない

 

 

ズドガアアア!!

 

 

今も尚戦闘音は聞こえているが、銃声は少なくなっていた

 

 

「奴の狙いは確実に僕、僕が離れればいなくなる可能性だってある!そしたら──」

 

 

「憂太くん!!」

 

 

ハッとしたヒフミさんは涙ぐみながら僕の肩を掴み僕の瞳を見つめていた

 

 

「皆さん、憂太くんのために戦ってくれているんですよ!アビドスの皆さんも先生もまだ動けずここに残っているんですよ!私だって!憂太くんの力になってあげたかった!だからここにいるんです」

 

 

「僕のため……」

 

 

「どうしてそんなに自信がないんですか!みんなと一緒にいた時の憂太くんはもっと楽しそうで!何だってできるって!そんな顔をしてたじゃないですか!」

 

 

「違う!逃げてるんじゃない!こんなの無駄な戦いだ!負けると分かっているのに挑むなんて死ぬって分かっているのに戦うなんて!自信があってどうこうなる問題じゃないんだよ!」

 

 

「そんなことありません!!」

 

 

「っ!」

 

 

「憂太くんならきっと勝てます」

 

 

「負けるなんて、死ぬなんてまだ決まっていません!」

 

 

「本気で戦ってください憂太くん」

 

 

「私は、私たちは憂太くんを信じて一緒に戦います」

 

 

(本気、僕の本気ってなんだろう。怒り任せに銃を撃つこと?それともどんなに攻撃を受けようとも倒れない不屈の精神?)

 

(そんなの……関係ないや)

 

僕はヒフミさんを見つめ返し叫んだ

 

 

「ヒフミさん!僕は本気で戦うよ!でも僕だけじゃ勝てない、手を貸してくれないかな?」

 

 

「はい!もちろんです!」

 

 

その言葉を聞いたヒフミは満面の笑みで憂太にそう返した

ーー

 

 

キーン

 

 

あ、あーー今、僕の声が聞こえている方々!僕の援護をお願いします!!

 

 

戦車は迷うことなくビナーの方へと向かい進んでいく。その戦車の上で憂太は拡声器を使い皆に協力を仰いでいた

 

 

奴のもとに着くと傷だらけで倒れる正義実現委員会の3人が目に入る

 

 

「ヒフミさん3人をお願いします」

 

 

「はい!」

 

 

(出し惜しみする気なんてなかったんだ、でも心のどこかでストッパーをかけてた。使わずに勝てたら、使うわけにはいかない。そう思っていたんだ、でも違った。使ってでも勝たないといけない時が来たのだ)

 

 

 

         アビドス砂漠にて

 

        折本里香 完全顕現

 

 

 

「こいっ!里香!!」

 

 

ギギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 

ビナーは口腔内に膨大な量のエネルギーを溜め込む

 

 

「里香!」

 

 

「はァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァイ!」

 

 

ガゴオオォォン!

 

 

里香の攻撃によって溜めていたエネルギーは分解され、熱線を防ぐことに成功する

 

 

「里香!僕を上に!」

 

 

憂太は素早く里香に指示をして宙に放り投げられる

 

 

「今だああ!」

 

 

呪力を銃が壊れない限界まで込めて空中からガラ空きとなった口めがけて発射する

 

聞いたことのないような甲高い悲鳴を上げて暴れるビナー

 

 

「皆さん今です!」

 

 

そしてナギサの指示でカイザーから武器を奪った砲台担当の生徒達と残った正義実現委員会の生徒が胴体に向って一斉射撃を行う

 

 

「こ、これちゃんと効いてるのよね!?」

 

 

「いいから社長撃ち続けて」

 

 

「はるかちゃーんいつでもいいよー!」

 

 

「死んでください!死んでください!アル様の為に死んでください!」

 

 

ハルカが銃を乱射すると、いつの間にか仕掛けられていた爆弾が爆発しビナーの下部7割を顔と分断して吹き飛ばしたを

 

 

「まずい、着地が」

 

 

憂太は着地の事を考えていたがビナーはまだ動く力を残していた

 

 

ゴゴゴゴガガガガ

 

 

ビナーは最後の力を振り絞り地面を掘りながら逃走を開始したのだ

 

 

「待て!っとうわぁあ!」

 

 

落下していく中、空崎さんが滑空しながら僕を抱えて地面に下ろす

 

 

「里香は!……もう戻っちゃったのか」

 

 

周りに被害が出なかったことに安心しつつも、制御しきれない部分が残っている里香は戻ってしまった

 

 

「ここまで削ったのにっ!」

 

 

カヒューン!

 

 

そんな事を考えていると真横を何かが物凄いスピードで飛び去る

 

 

「えっ?ん?」

 

 

「憂太さん行ってください!ミカさんには指示を出しました」

 

 

桐藤先輩の無線を受けっとった次の瞬間僕の体は宙に浮いていた

 

 

「えっ?」

 

 

「きええええええええええええええええ」

 

 

僕はビナーが逃げて行った方角へと吹き飛ばされる

 

(今度こそ着地どうすんの!?)

 

そんな事が頭をよぎりながらも砂が盛り上がっている部分を追い続ける

 

 

「いっくよー☆」

 

 

ある程度ビナーを追い越したタイミングで先に飛んでいた聖園先輩が急降下して拳を叩き降ろす

 

想像以上の威力で地面が抉れ、奴の頭部が露わになる

 

 

(キヴォトスにおいてヘイローを持つものを絶命に追い込む方法、それは決まっている。ヘイローの破壊だ狙うは聖園先輩が隙を作ってくれた頭部)

 

 

「これで!ホントの終わり!!!」

 

 

ズバアアァァアア!

 

 

ビギィ゙ビュガガガガアアアアアアアアアアアアア!!

 

強力な一撃を受け、奴(ビナー)は力尽きた

 

 

ーー

これでこの世界における僕の波乱の一幕は終わった。アビドスは安泰だ、僕には里香の呪を解く必要があるけど、先生とだったら大丈夫だろう

 

あの後僕は聖園先輩にお姫様抱っこされて皆のもとに連れ帰られた。それぞれが目的を果たして各々の学園に戻る中、僕は先生と一緒にシャーレに帰還する

 

 

その日の夜、シャーレに設置された自部屋に戻ると突然空間に裂け目ができた

 

 

「クックックお見事でしたよ。乙骨憂太さん、まさかビナーを倒してしまうとは」

 

 

そう称賛しながら裂け目から出てきたのは黒服さんだった

 

 

「黒服さん?どうしたんですか」

 

 

「いえ、大した用ではありませんが忠告をと思いまして」

 

 

「乙骨優太さん。これからあなたは今回よりもさらに苦しい事態に巻き込まれることでしょう。そんな時、あなたは自分の正しき道を貫き通すことは出来ますか?クックッ見ものですね」

 

 

「……?未来のことはよくわかりませんが、それでも僕は自分で道を切り開いて進んでいくと思います。それが間違いだったとしても、悔いがない終わり方をできるように」

 

 

「その相手が先生であっても、ですかね?ククックククク」

 

 

黒服は憂太の返しを満足そうに聞き、憂太に聞こえない声で呟いた

 

 

「何か言いましたか?」

 

 

「クククッそれでは失礼致します。また会う機会があればよろしくお願いしますね?乙骨優太さん」

 

 

そう言い残すと黒服さんは着た時と同じように空間に亀裂を作り出し、その中に消えていった

 

(確か無名の色彩の技術がなんとかって言ってたっけ?)

 

憂太は足を止めて振り返りだんだんと消えていく亀裂を見つめた

 

 

「……。里香ちゃん──」

 

 

ズズックガッガガ

 

 

声をかけると里香の顔だけが現れる。僕は閉じかけている裂け目に向かい、頭の中に浮かんでいた言葉を発した

 

 

「「模倣」」

 

 

 

対策委員会編 完




次回 時計じかけの花のパヴァーヌ編
エデン条約編をお待ちの方々、もうしばらくお待ちを
あんまりSSで2章みないんだよね

一応補足
ビナーがやたらと強いですが、この世界では乙骨優太の敵対者に回るものは、乙骨優太がブルーアーカイブの世界に来たことによるパワーバランスのインフレにより、超強化されています。
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