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───現代───
十数年前に異次元と現世界を結ぶ通路"ゲート"が現れた世界。
ゲートの出現以降、"ハンター"と呼ばれる超常的な能力を持った覚醒者たちが出現し、ゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒して大きな対価を得ていた。
ハンターはその内なる魔力を測定することで能力や力量を測ることができ、それによってS級からE級にランク付けされ、ハンターたちを管理するハンター協会から適したダンジョン攻略が斡旋される。
そしてその能力は一度覚醒すれば成長することはない。
1部例外を除いて。
その"例外"の一人こそが彼、水篠旬だった。
彼はいつものようにデイリークエストをこなし報酬を受け取っていた。
しかし、今日はいつもとは少しだけ違った。
アイテム:精神と時の部屋への鍵
ランダムボックスから出てきたのは純白に輝く鍵。
しかも入手難易度は今まで見たことの無い"S+"というランク。
今までの経験上、こういったダンジョンへの鍵の入手難易度はそのままダンジョンの難易度に直結する。
つまりこのダンジョンは難易度Sである悪魔の城以上となるのだ。
それに俺は思案する。影の兵士達のレベルも大分上がってきているし、あの悪魔王を倒してからもう随分と経っている。
そろそろ動き出してもいいのではないだろうか?
一瞬そう思考がよぎったが、やはり母と妹の事が心配だ。
特に母は最近目覚めたばかりだし、いくら妹が居るからといってあまり妹ばかりに負担をかけすぎるのも良くないだろう。
強くなるチャンスではあるが、今回ばかりはもう少し側にいてやろう。幸い、この鍵はいつでも使える訳だしな。
そう鍵をインベントリに戻そうとした時、とある物が目に入ってしまった。
「帰還石.....」
随分前に行ったダンジョンで余った帰還石。これがあれば即座に現世戻ってくることができる。
................
.........少し、様子を見に行くぐらいならいいだろう。
敵の強さがどんなものか、S級のそのまた上の存在に、俺の力は通じるのか。
俺はその鍵を、自分が先程まで居た空間へと使用した。
そして、いつもと何ら変わりなく生成されたインスタンスダンジョンのポータル。目の前立って少し観察してみるが特にこれといった変わりはなさそうだ。
一応何かあった時用にキバ兵の内三体を母と妹の護衛として残しておく。
「よし、行くか」
水篠旬はいざ、ポータル内へと足を踏み出した。
「ここは...室内か?」
ダンジョン内へ侵入して、最初に見た景色は殺風景な部屋の中だった。
窓やライトがなく、薄暗いその部屋には家具などといった物は一切見当たらない。ただ次の空間へと繋がっているのであろう廊下があるだけ。
もっと悪魔の城のような禍々しい空間を想像していたため、少し拍子抜けだ。
エリア:精神と時の部屋 へと侵入しました
このエリアでは内部時間が外部の時の流れと異なります
なるほど、"レッドゲート"のような物だろうか?まあともかく、これで多少の時間の問題は大丈夫だろう。
その時、警告音と共に赤いウィンドウが開かれた。
⚠警告
酸素濃度が低下しています
重力負荷が上昇しています
[重力操作]と[環境変化]を一時的に無効化しました
「な、なんだ...!?」
敵からの攻撃かと思い警戒するが、特にモンスターや生物の気配は感じない。そういう能力を持った敵なのではないかと考えたが、敵意を持つ者ならシステムが反応するはず。
という事は.....
「領域か?」
デイリークエストを時間内にクリア出来なかった際に発動する"ペナルティークエスト"。
魔物の群れが蠢く異世界へと転送され、そこで3時間生き残らなければならないペナルティーが課せられるのだが、ここはその空間に何処か似たようなものを感じる。
恐らくこのダンジョンはモンスターの他にも環境による影響も大きいのだろう。
マグマのダンジョンなら熱対策を氷のダンジョンなら寒さ対策をするのは当たり前だ。一応システムによって無効化はされているみたいだが、それも一時的。やはり一度戻って装備を整えてからにしよう。
そう考えていると、再度ウィンドウが開かれた。
[イベントクエスト]伝説の存在
精神と時の部屋で1週間過ごしてください
目標空白残り[168:00:00]
報酬──能力値ボーナス30
空白──ランダムボックス
やはりここは
「報酬は能力値ボーナスが30にランダムボックスか。能力値ボーナスは高いが...やっぱりイベントクエストだからか?そこまで豪華って訳では無さそうだな」
ならこのクエストは後に回してもいいが...今の所、この建物内にモンスターの気配はしない。それどころか、自分の呼吸音や鼓動すら感じ取れる程、とても静かだ。それこそ、不気味な程に。
「まあ、折角来たんだ。室内を少しだけ見て回るぐらいなら大丈夫だろ」
何があってもいいようにインベントリから帰還石を取り出し、俺はその部屋から繋がる唯一の回廊を進んで行った。
ある程度薄暗い廊下進むと、見えてきたのは光の降り注ぐ空間。
そこに出れば、光を受けてキラキラと光る噴水と水音。見上げた純白の柱はヒビ一つなく、刻まれた溝は美しく模様を描いていた。
噴水に近づけば、地面の青々とした芝生と直接降り注ぐ暖かい光が相まってとても心安らぐ空間となっていた。
ここは本当にダンジョンなのだろうか?そんな疑問すら湧いてくる程、"相応しくない"空間だった。
そんな空間に俺は軽く目を瞑る。
「客人とは珍しいな」
その瞬間だった。背後から二人の男の声が響いた。
即座にその場から飛び退き、インベントリから出した悪魔王の短剣を構えた。
「おっと」
「(気配を感じなかった...!)」
背後に立っていたのは一人の男。
「(隠密系のスキルか?二人居ると思ったんだが...)」
じっと相手を見据えるが、ソイツはモンスターというより人間に近かった。というか、少々奇抜な格好をしてはいるが肌や身体など殆ど人間のような見た目だ。
言葉を喋り、服を着る事ができるほどの知能を持った人型のモンスター。これは少々厄介そうだ。
「おいおい、そんなに警戒するなよ」
再び二人分の声が重複してその男から発せられた。
そこで、ふと思いつく。もしかしたら、こいつはエシル*1の様な存在なのではなかろうか?そうなら話は早いのだが...
何にしろ、先程気配を悟られる事もなく俺の背後に回ってきた事や、これだけ敵意を剥き出されても一切動じていない事から、きっと只者ではないのだろう。
底の知れない相手にスっと睨みを効かせると、男は段々タジタジになり、バツが悪そうに言葉を続けた。
「あー、驚かせたなら悪かった。何せ人と話したのは久々だったんでな。アンタと敵対する気はない」
最初から何となく気づいてはいたが、恐らくその言葉に嘘は無いのだろう。
敵意があればシステムが反応するだろうし、俺もこれまで何度も修羅場をくぐり抜けてきたため、こういった敵意には敏感だ。
俺はやっと警戒を解くと、男はホッとしたように頭を搔いていた腕を下ろした。
「オレはゴジータ。アンタは?」
「.....水篠旬だ」
「旬か、よろしくな」
そう言って手を差し出してくる男...ゴジータ。随分とフランクなんだなと、俺は少し警戒をしつつゴジータの手を取った。
「良かったら、お茶でも飲んでくか?」
そう親指でグイッと俺が出てきた通路の右隣の通路を指すゴジータ。だが、今はそんな悠長な事をしている暇はない。
「いや、悪いが遠慮させてもらう。それよりいくつか聞きたいことがあるんだが...」
「なんだ?」
「あんた、何者だ?」
その場に、沈黙の空気が流れる。
それに俺は"やはりか"と思った。
これまでの"システム"もそうだったからだ。今までにこうしてダンジョンで出会った知性のある奴らにもこうして聞いた事があるが、全員答えることができなかった。
いや、"答えさせなかった"。
少しでも"ソレ"について考えようとすればたちまちシステムから規制が入り、ゲームのようにその"
今回も同じだろう、と半ば諦めの気持ちで聞いたのだが.....
「んー、オレか?考えたことねぇな」
俺の予想とは裏腹に、ゴジータはなんでもないように言い放った。その様子に俺は多少驚きつつも、再度質問をする。
「なら、頭の中で声がする事は?」
「声?あー、さあなぁ」
「...あんた以外に仲間は?」
「ここに来た時からオレ一人だったぞ」
ここに"来た"時...?まるで元々は違う所にいたかのような言い草が少し引っかかった。
「その来た時...ってのは?」
「あー、あんま覚えてねぇな。ただ気付いたらここに居たって感じだったからよ」
という事は、やはりゴジータはシステムの一部なのだろう。さっきの質問で規制がかからなかったのはまぐれか、それとも、本気で考えていなかった?
いや、流石にそこまで楽観的な奴ではない、と考えたいが...。
「気にならないのか...?」
自分が何者なのか
いつの間にかそんな言葉が自分の口から漏れていた。
それにゴジータはこちらを振り向く。
「オレはゴジータ。それ以外でもないさ」
「.....そうか」
そいつは、なんとも不思議な奴だった。
「最後に聞きたいんだが」
「おう」
「ここは何処なんだ?」
俺の質問にゴジータは少し考え込む素振りを見せた。
「ドコ、なぁ...まああれだ、簡単に言えば修行部屋だ」
「修行部屋?」
「嗚呼、まあ簡単に説明するが...」
そうしてゴジータの話を聞く限り、此処は到底人間が生きていけるような環境ではない事が伺えた。
まず此処は地上に比べて酸素がとても薄く、重力は地球の十倍、更に気温の変化が激しいらしく、マイナスの極寒から真夏日を優に超える猛暑まで。
先程の警告はそういう事だったのかと思うついでに、俺はゴジータのあの鍛え上げられた肉体の秘密を知った気がした。
そして、その環境で1週間過ごすという、いつにも増して過酷なクエストに若干の怒りが湧く。しかしその反面、俺は確実に強くなれるという確信にも似た喜びを感じていた。
「他になんか質問は?」
ゴジータの声に俺の意識は一気に現実へと引き戻された。
「いや、もう大丈夫だ。助かった」
「そうか。.....んじゃあよ、お礼にいっちょ
──オレと戦ってくれよ」
この一瞬にして完全に気配が変わったゴジータに、驚いて目を見開く。
先程の親しみやすい雰囲気から一変、獲物を見つけた獣のような鋭い目付きへと変貌したその様子に、何処か納得した自分がいた。
「見たところ、お前も強くなりに来たんだろ?ここに来るのはそういう
「ほう、それが本性って訳か」
「いやなに、ただ
このダンジョンに来るにあたってできるだけ戦闘は避けるつもりだった。
「それにアンタ、強ぇだろ?」
だが、ここまでお膳立てされてんならな。
「へぇ...いいぜ、受けて立ってやる」
「フッ...そうこなくっちゃな」
ゴジータがニヤッと笑みを浮かべると共に、伸びた影が怪しげに揺らめいた。
ゴジータって合体じゃなくて融合だったんですね。
ベジット→融合
ゴジータ→合体
だと思ってました。でも実際は逆らしいです。
あと言われて気づいた、フュージョンって訳したら融合やんって。バカです。はい。
あとゴジータの一人称"オレ"らしいのでこれから書く時はオレになります。既に投稿してある話も修正しました。
それと今構想的に"俺だけレベアップな件〜ラグナロク〜"まで考えてはいるんですよね。ただ表現が追いつかねぇ!後でリメイク入るかもしれません。いつになるかは分かりませんけどね。
それと文字数少ないという意見も出ていたので増やしました。
コメント、お気に入り、評価して下さった皆様ありがとうございます!閲覧ありがとうございました!
クエストの報酬でブルーとか4とかなれちゃってもいいですか!?
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ダメに決まってんだろ
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一向に構わん!
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ブルー変身頼む!
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ゴジータ4が見てぇぜ!
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どっちも見てぇから出してくれ!!