史上最凶の女 TAKAMURA 作:ある日そこに居たであろうクマさん
巨人。それは本来、多種族とはあまりにもかけ離れた強大な力を持つ存在である。
だが、その事実はただの
この世界において、そんなものは...
「いくらでも、覆る...」
場所は巨人族の島エルバフの冥界。
その中の大地で泣きながら自身の不幸を呪い続けるこの国の王子でありハラルドの息子ロキ。彼の前に突如として現れたのは自身がまだ見たことの無かった人間族の姿と...
「なんだ...お前?」
「むぎゅ?...あっ失礼。貴方は巨人族ですか?パスタ食べます?」
「いらねえだろ!?それよりおれの話の邪魔すんなッ!!」
「うわ〜ん、ロックス様が虐めてくるぅー助けてーヒゲえもんー(棒)」
「誰がヒゲえもんだアホンダラ!!そもそも棒読みな上に相変わらず邪魔だ!あっちで遊んでろ!」
「あたしゃガキかッ!?」
「「「「「それ以外にあるかッ!?」」」」」
(何言ってんだ?こいつら)
一人だけその口から長い麺を垂らし、啜りながら話しかけてきた男。彼は自身の加えていた麺を高速で吸い上げ、そのままロキに話しかけた結果。その前に話しかけていたロックスの質問を無視させてしまい、彼から怒られていた。その後、ニューゲートに抱きつくもすぐに追い返され、海岸で砂の城を作りながら遊んでいた。解せぬ
「?.....確かにここはエルバフだ。だが、親父は今は居ねえ。えんせいに出てるからな」
「おまえたち、チビ人間か....?初めて見た、本当に動いてる」
「アハハッ可愛い♡」
「待て待て、親父と来たか!ハラルドのガキってことか!?」
そしてロックス達はロキに話を聞きながら、ロキがハラルドの息子である事、ハラルドが現在遠征中であることを知らされたのであった。
だが...
「遠征っつっても連絡くらい取れるだろう。お前、名前は?」
「...ロキ」
「よしロキ、おれの言うとおりにしろ。今から家に帰って親父に連絡を取ってもらえ。要件はこうだ!」
彼相手にそんなものは関係ない。
『謎のシスター服の海賊の襲撃でロキが大怪我を負った故、至急エルバフに帰還されたし』
「これで完璧だ!!」
「「ちょっと待て!!」」
「あれ、ロックス様!?そのシスター服って修道服ですよね?それって私の事ですよね?もしかして私を囮にしていち早くハラルドを呼び戻させようとしてます!?アレ、私もしかしてエサにされようとしてる!?」
「はあ!?ふざけんな!なんでおれが人間族の言うことを聞かなきゃならないんだ!!」
ハラルドの事情などを話すロキに対し、ロックスは彼の名前を聞いた途端にロキに彼が謎の修道服姿の海賊に奇襲を受けて大怪我を負ったと遠征中のハラルドに連絡する様に伝えると、少し離れた砂浜で巨大な砂の城を作っていたロンと眼前のロキが同時にロックスにツッコミを入れていた。
だが、彼等に反論する余地も無く...
「...!!」
「ッ!」
「?なんちょっおい!何してッ!?」
ドオォォォォォッッッ!!!!!
ロキの眼前で剣を構えたロックスが武装色の覇気を込めた斬撃を放とうとし、それを感知したロンがロキの頭上に移動し、彼の首根っこを掴み空中へと持ち上げたのである。響き渡る轟音とその斬撃の行く末を見たロキは文句を言おうとした途中で言葉を失ってしまった。
「言ったよな...はいと答えろって」
「いや、さっき二回答え「お前はどっちの味方だ!?」だって子供にそんな無駄に大振りな斬撃を放つなんて可哀想ですよ〜」
「っ!」
「うるせえ!悪かったなッ無駄にデカい斬撃で!!」
「だって私が持ち上げてないと彼、
「知るか!それ以外の方法だとハラルドを呼び戻せねえだろうが!」
ロックスの放つ斬撃をぎりぎりで回避したロンとロキ。通り過ぎた斬撃とその跡を見ながら彼らは宙から地上におり、ロンはロックスと言葉を交えさせる。ただ、その言葉の中には...
「おい、ロンの奴、瀕死の重症って言いやがったぞ」
「確かに、ロックスの奴の斬撃は案外力が入ってた。そこらの奴なら斬撃が届く前に意識が持っていかれちまうほどに...」
「覇王色を使ってないとはいえ、その威力。つまりはそれを食らったとしてもあのガキが耐えぬくとわかってた訳だ」
彼のロキへの評価。それはロンのセリフを聞いた他のメンバー達からすれば驚くべきものであり、改めて巨人族の強さへの認識をハッキリとさせるものであった。通常より大きいとは言え子供のロキがその頑丈さ。他の巨人族も皆そうなのか、それともロキが特別なのか?真相は謎のままだが、彼らはいざという時の事も考えながら動いていた。
そして...
数時間後...
エルバフ ウォーランド王国の城内では...
「おおっ無事か!ロキ!」
「親父...」
「冥界へ行ったのか?あそこには命に関わる危険がいっぱいある。あまり近づくんじゃあない...それに...」
その中の一室ではエルバフの王ハラルドが国からの緊急の連絡を受け、遠征から大急ぎで帰還しており、その場で眠るロキの姿を確認し、安堵の声をあげると同時に冥界などにはあまり行くなと忠告しつつ...
「ロックスッ!それにロン!!悪評は聞いてるぞ!何をしにきた!?」
「ハラルドォ!!会いたかったぜ!!!!」
「いや、私さっき貴方を釣るエサにされかけた上に貴方の息子さんを助けたのですけど...この対応って酷くありません?」
その部屋の中央に居座る彼等。自分や他の巨人族からしても明らかに小さく...そしてエルバフ全体からしても明確な『脅威』と判断せざるを得ない彼等。かつて、聖地から逃げる道中で出会ったロックスとロン。そしてそれと並ぶ様に居座り、その場で食事を摂る者達をハラルドはゆっくりと見つめ、そして皆の眼前へと足を運んだ。
「いや、それはすまなかった。例を言うぞ、ロン」
「...ハラルド、貴方...まさか
「?何をだ...」
「おい、ロン。これから「ですが、親が子の境遇を...妻が自身の子を生まれた時に気味が悪かったから冥界に捨て、戻ってきた息子を不気味がり、今では国中がロキを呪いの王子扱いしている事を親が知らぬとは」なに?」
「なんだと?まさか...ロキ!少し話をさせ「私が話始めた頃に出て行きましたよ」早く言え!!」
だが、ロックスとハラルド。二人の人物が早速本題に入ろうとしたその時、ロンがハラルドに憤怒の眼差しを向け、少しイラついた様に...それでいて彼を煽る様に現在ハラルドには隠されているロキの真実を彼に教えた。そしてそれを聞いたハラルドは何かに気づいた様に先程までロキの寝ていた方に声をあげるも時すでに遅し、彼は何処かに姿を消していた。
「ロックス!話は後だッ!先ずはロキを」
「おいおい、おれは後回しかよ!」
「仕方がないだろう!そもそもどんな話をされようとお前の提案は全て断るつもりだった」
「...ハラルド」
「なん「私が行きましょう」なっ!?」
「よく言ったロン!そのままあのガキを遠ざけ「馬鹿言うな!」チッダメか」
居なくなったロキを追おうとするハラルドに対し、それに少し不機嫌気味な態度で彼を止めようとするロックス。その二人の話に再びロンが割って入り自身がロキの元へ行くと名乗り出た。それに対してハラルドは驚愕し、ロックスはそのままロキを遠ざけろと指示を出し、他の一味のメンバーもハラルド同様驚愕していた。
「ジハハハハハ!!珍しいな。お前がロックスの命令以外で積極的に動こうとするなんて!」
「そんな事はありませんよシキ。私はいつでもロックス様の味方。そして私自身の味方でもある」
(ただ、彼に関しては...)
「...グラララララ!!好きにさせてやれよ!てめえの行動くらいてめえで責任を持つさ...なあ、ロン!」
「っええ、その通りです。それでは、生憎急ぎますので失礼致します」
一方のロンはシキの茶化す様な声を無視しニューゲートのフォローもありつつその部屋を飛び出て彼の気配がする方に向かって走り出す。冥界にてロックスの斬撃を避ける際、あの時彼はロキの身体に触れていた。その時に見聞色の覇気による記憶の読み取りを行なってしまった。そして読み取れたのは彼の母親とその他のエルバフの民達の記憶。
そして、それを見た時に...
ドゴォォォォォッッッ!!!!
「?これは...!!!!」
彼が城の中を飛びてた直後、ここから離れた地点にあるエルバフの東方面の村。そこから大きな煙が上がっており、ハラルドほどではないが、巨大な気配とその他大勢の気配...そして
「なるほど...そこですか。今行くので待っていて下さい」
距離にして一体いくらかかるか分からない村。巨人族に合わせた島とその中にある道や村。普通の人間ならそこまですぐに目的地に行くことなど、まず難しい。
ただ、それは...
「相手が普通の人間ならの話...」
「で・す・が・ねッ!!」
相手が普通の人間...もしくは
彼はその場からあたり一面、巨人族数百人をすっぽりと覆うような強大な土煙を上げ、その場から飛び上がり前方に見える巨大な村の上空まで飛び上がった。
そして...
「勝負しろオォォォォッッッ!!」
「いや、そうはならんでしょ」
赤と黒。二つの稲妻が広がった村にて...
「誰だ、お前は?」
「貴方こそ何者です?」
二人の強者。小さき強者と巨大な強者は出会った!
次回:
お楽しみにね