史上最凶の女 TAKAMURA 作:ある日そこに居たであろうクマさん
戦闘無し 文字数少なめ
前回までのあらすじ。
エルバフにやってきたロックス達一行。彼等はロキ(ついでにロン)を使い、遠征中のハラルドをエルバフに呼び戻すことに成功する。
そしてロックスとハラルドの会話中、ロンの言葉を聞いて走り去ったロキだったが、自身の腹違いの弟であるハイルディンやその母イーダが住む村に向かう途中にエルバフでハラルドと自身以外の古代巨人族の子孫である存在 スカンジアナが冥界からその村へ向かっていると言う情報を掴んでしまう。
彼はエルバフから自身が嫌われている事を承知しながらも、ロンの言葉やロックスの強さ。父 ハラルドの事。そしてイーダの顔を思い出し、イーダやハイルディン。二人と二人が住む村を守る事を決意し、スカンジアナに立ち向かった。そしてその途中、駆けつけてきたロンがスカンジアナの攻撃を受け止め、彼女との戦闘を開始し...
そして...
ロックスのエルバフ来訪より数時間。
スカンジアナ襲来とその当人とロンの激闘。
そしてそれを止めたハラルドとロックス一行はというと...
「今回はいいが、また気が変わったら連絡しろ」
「少なくとも今のおれにその気は無い。前にも言ったが敵が強大過ぎる。それにおれはエルバフを加盟国にしたいんだ」
「だからこそお前らと一緒なのはまずい。世界政府から一、二を争うほど危険視されている奴らなら尚更だ」
「おいおい、まだそんな事言ってんのかよ...まあ、良いさ。いずれお前にも分かる」
現在、エルバフに存在する冥界の海岸。そこでロックス達が『ある人物』を除いてエルバフを去ろうとしていた。
それは...
「あの〜ロックス様!もしかして、私を置いていく気ですか?」
「あぁ?当たり前だろ?」
「えぇ〜〜〜〜〜!?そんな、他の皆はともかくシキにすら負けた!嘘だ!あのロックス様があんなシキを選んで私を置いてくなんて!?どうせ頭は回るのにくだらない事で感情むき出しになって肝心なところで失敗するであろうシキに負けるなんてッ!!」
「おい、てめえ!最近おれに対して当たりが強くねえか!?おれがそこまで言われる事したか!?」
「眉毛が変」
「理由になってねえよッ!?」
ロン・R・クロイツ。少しの間エルバフに残留決定。その理由はシキの眉毛が濃いから、シキの性格が悪いから、シキの声優が凄く似合い過ぎてるから、作者がストロングワールドを好きだったから...
では無く...
「ね〜え〜早くもう一戦しようよ〜♡♡♡」
「この人、お酒くさいんですが...」
「我慢しろ、ハラルドよりは弱いかもしれねえが古代巨人族の子孫であの時の覇気や攻撃はそれに匹敵するかもしれねえものを秘めてやがった!」
「そんな奴がお前次第では仲間になるって言ってんだ!後日には帰ってきていいからそいつと一晩寝てやれ!!」
「そんなッ!私の純潔はロックス様、もしくはステューシーに見せつける様にわざとらしくニューゲートに捧げるって決めているのに!?」
「「お前も大概正確悪いよな」」
数刻前に戦ったハラルドと同じ古代巨人族の子孫。スカンジアナ・デモン・クライム。彼女が全ての原因だった。
というのも、彼女は戦闘が終わった後に突如としてロンに求婚するという謎の奇行に走り、そのままロックスを大爆笑させ、ハラルドや住民達に本日何度目かの衝撃を与え、シキの眉毛を更なる形にするほどの刺激を与えた。
そしてそれを聞いたロンは...
『私にその様な気は無いし、私はロックス様にお仕えする身。ロックス様のご意見無しに勝手には動けない』と語った...
のだが。
実は戦闘を見ていたロックスも途中から彼女がハラルドと同じ古代巨人族の子孫か何かであると勘付き、とある事を口にしたのである。
それが...
『ロンと一晩寝させてやるし、なんなら永遠に一緒に居させてやっても良い。その代わり、エルバフでは一晩限りで、それ以上ならおれの目的のために動いてもらう』...と。
これを聞いた彼女は大喜び。実は彼女は今まで冥界に篭り、危険な生物達を知らぬ、存ぜぬと言った具合で叩きのめし、若き日には当初のハラルドと肩を並べた事もあるという実力者であった為、世界政府も天竜人もなんのその。ただ、ロンと一緒ならばなんでも良いとロックスの誘いを受けたのであった。
「という訳だ。後は頼んだぞ、ロン」
「そんな、ロックス様、ロックス様ァァァァッッッ!!!!!」
「じゃあな、ハラルド。そいつは勝手に帰ってくると思うからほっといて良いぜ!また来る」
「はあ...出来ればあまり来ないでほしいのだが...」
そして数分後、ロックス達はエルバフから出航し、ロンはエルバフに置き去りにされた...
そして深夜 エルバフの冥界にあるスカンジアナの家の中では...
「クゥ〜クゥ〜」
「なんということでしょう。海賊人生約三、四年目。何故か巨人の島に置き去りにされ、更に巨人。それと古代巨人族の子孫?とアレやコレやソレをさせられるとはこれ一体?」
その中の巨大なベットではロンとスカンジアナが二人で寝そべっており、スカンジアナの方は眠っているが、二人とも一糸纏わぬ姿の上に布一枚をかけている状態であり、ナニがあったかはお察しである。
「やれやれ、今回は私悪くない筈なんですけどね〜」
「ただ、最近は随分と調子が悪い...
「現時点でこの力。制限をかけて抑えていますが、彼女の感情と私の感情。リンクすることで我々の『分離』は早まっている」
布団の中。隣で眠る巨大な彼女の頭を撫でながら、彼は一人何かを呟く。それは自身の中に眠るもう一人の自分。どこまでいっても厄災でしかない自身を形作るもう一つの
その『彼女』の事を彼は思っていたのだ。
そして...
精神世界では...
「やっほ☆久しぶりだね〜」
「お久しぶり。大丈夫ですか?お身体が消えかけるなどと言った事は?」
「ううん。今のところは無いよ。貴方のお陰...ありがとね☆」
「とんでもない...貴女がいるからこそ私は保たれている」
真っ暗な何も見えぬ様な空間。その中でロンは自身の中の『彼女』と話す。その内容は体調に関する事か、精神に関する事か。
それとも...
「どれだけ経とうとも貴女の怒りは止まる事を知らない様で...こちらにも相当な影響が...」
「へぇ〜一心同体の身であの巨人女とイチャついてた人が何を言ってるのかな〜?」
「...いえ、なんでもありません」
「よろしい...それと心配はありがとう。ただ、貴方も無理をしないで、ロンさん...いや、ロン。
「そうですね。ですが、いずれはこの肉体も含め、全てを貴女が決定していかねばなりません。遠く無い未来...貴女は私を踏み台とし、また選択を迫られるでしょう。そして、それは貴女にとっての最後の選択となる」
肉体、精神、魂。ある事情から全てが同一と化して...否、その直前で止まっている二人。強大でありながらも未だ不安定であり、制限を外し、現在の100パーセントの力を出せたとしても、それは本来の100パーセントには遠く及ばない。推定でも宇宙の一つや二つ滅ぼすのに一時間は掛かるほどの出力しか出ないのだ。
だか...しかし
「本当はイヤなんだよ...でも、貴方とは...」
「そう思ってくれるだけでもありがたい事ですよ。貴女と共に過ごせるこの短くも温まる時間。私は大切にしていきたいのです」
たとえどれだけ時間がかかろうとも、たとえどれだけ離れても。
貴方の気持ち、貴女の想い。
「「
全てを抱いて、我々はいつか答えを出さねばならない。
だから...
「いつまでも...一緒だからね」
次回:海賊島と龍の息吹