「風、張角達の様子はどんな感じだい?」
「討伐軍に見つからないように少々変装させて捕虜の中に混ぜています、みなさん素直に受け入れてくれました。」
「良かった、このままだと色々まずいからな。」
董卓軍、北郷軍の連合によって黄巾賊は崩壊した、賊などの残党なども出没するだろうが今の連合の太守達の敵ではない、
しかし、戦功を上げた片方の軍、北郷軍の総大将、北郷一刀は今まさに人生の瀬戸際に立たされていた。
「・・・ところで、風。」
「何ですかお兄さん。」
「このいかにも女性が着る服はなんだ?」
「祝勝会でお兄さんが着る服ですがー?」
「この服じゃなきゃ駄目なのかよ!?しかも採寸がしっかりとれてるし!」
「ふふふーお兄さんが太守になった時から作った服でして、採寸は風がやっておきました。」
「まじかよ・・・。」
頭をがくりと落として服を手に取る、少なくとも生地としては上質で並みの服ではないだろう。
今着ている服は女性風だがどちらかと言えば男が着るような服だった。
「あー気持ち的にはまだ男のつもりなんだけどな・・・。」
「諦めてください、男性物の服だとそれはそれで目立ちますがー。」
「明らかに悪目立ちするだけって話だよな、わかってる、わかってるさ。」
仕方なく今まで着ていた服から着替えようとする一刀だが・・・。
「おい風、なんでこっち見たままなんだ?」
「いえいえ、中々の、と思いまして。」
「何がだ!?」
しかし元男性なのもあるが外史特有の服なだけあって着つけを泣く泣く風に手伝ってもらった裏話があるが割愛する。
「しかし祝勝会か・・・董卓もでるのかな。」
「出ざるを得ないですねー他の軍に軽く見られてしまいますし。」
(あれ?つまりそれって、前回賈駆が使った董卓の亡命の成功率が思いっ切り下がらないか・・・?)
曹操軍の自分達は後で知ったことだが、董卓は顔を知られていないのもあって他の死体を董卓として代わりにした、
その後、劉備たちが董卓らを保護し、呂布なども合流する、しかし今回の祝勝会で顔を出すのならばその手は使えない、
服を着替えながら今回の戦での重大な事実に気がついてしまった一刀はこの先の展開に頭を悩ませた。
◆
袁紹の作った豪華な天幕、そこで黄巾討伐の祝勝会が開かれており、他の将兵たちも天幕の外で賑わっている。
「おーっほっほっほ!本日はお手柄でしたね董卓さん!」
「へ、へぅ、そのありがとうございます・・・。」
(姫あんな感じにごきげんに見えるけど内心穏やかじゃないよな?)
(う、うん、ゆっくりと前進してたから手柄とか雑兵をなぎ倒しただけで他の手柄は無かったようなものだし・・・。)
袁紹が董卓と話をしている中、顔良と文醜が密々と話をしていた。
そんな中、太守の一人曹操はある一人の太守をじっと見ていた。
「北郷様、あまり気分が良くないようですがなにかあったんですか?」
「聞かないでくれ、こういう服の着替え方もわからない自分の無知に呆れているところだ・・・。」
「ふふふー♪」
(北郷一刀・・・。)
祝勝会の中、董卓軍に混じって少し沈んでいる一刀とそれを見守る護衛の黄忠と風。
他の太守達からしてみれば一刀達の存在は董卓軍の猛将、呂布の存在で霞んだが曹操には逆に興味を惹かれた。
(推測とはいえ、いくら呂布という将が強くてもあそこまでの速度で到達したのは董卓軍だけではまず不可能、
強い将単騎で戦況が覆るなどまずありえない、地形を把握し、将を率いる統率がなければ暴れまわる獣と何ら変わらない。)
一人思考に耽る曹操、考えて見ればいつの間にか頭の中は一刀への興味が尽きなかった。
(おかしいのよね、董卓軍があれほどもてはやされているのに従軍した彼女達は全く触れられていない、
もし董卓軍だけが手柄を手に入れたのなら彼女達のあの落ち着き様はなんなのかしら?
周りを見渡せば戦功を奪われて心中穏やかでない太守達が尽きないというのに。)
この戦で朝廷への忠を示し、あわよくば領地の増加、恩賞にありつこうとしていた太守達の面目が丸つぶれだ、
自分や劉備は敵将張宝を打ち破り、孫堅も多数の将を討ち取った功績こそあるが董卓軍の前にはそれも霞む。
それに何故か、曹操にはある確信があった、今回の董卓軍の行軍の速さに北郷軍が絡んでいると。
「桂花、あなたの知謀を持ってすれば、我が軍はあの速度で本陣まで行けたかしら?」
「無論です、と言いたいのですが、それにはかなりの準備が必要です、事前に進みやすい地形の把握、
それを含めて襲撃や伏兵など周囲の予測と警戒、行軍用の装備、様々なことをしてようやくです。」
「そう・・・桂花、董卓軍と平行して北郷軍の情報もできるだけ集めなさい、それと今外で北郷軍に属している
楽進と言う将に真桜と沙和を接触させなさい、運が良ければ此方側に来るかもしれないわ。」
「・・・・・・はっ。」
「あら、不満かしら?」
「め、滅相もありません!この桂花が華琳様にご不満など・・・!」
「ふふ、相変わらず嫉妬をしていても愛おしい子ね、桂花。」
「華琳様ぁ・・・。」
(さて、桂花に調べるように言ったけど、やっぱり直に接触してみないとね、覚悟していなさい北郷一刀。)
艶麗に笑い陶酔した荀彧を愛でながら一刀を見る、どうやら董卓軍の張遼に絡まれてるようだ。
「ははは、中々可愛くなっとるやんか一刀!」
「張遼殿、からかうのはやめて欲しいんですけど・・・。」
「まあまあ、ほれ、つれないこと言わんとあんたも飲めや!」
「ちょ、ま、俺はあまり呑まないんですって!?」
(他軍の将だというのにあんなに馴染んでいるのね、ふふ、本当に面白い娘ね、楽しみだわ。)
◆
祝勝会が終わり、それぞれの軍が戦後処理や撤収準備を始める中、一刀は再び刀を振るっていた。
思い知った気がする、歴史を変えるというのがどれほどの事かを、前回は魏が保護した張角達は此方で保護することになり、
董卓も表には出てこなかったが今回の黄巾討伐で名が上がり、祝勝会が開かれて彼女の存在が明るみに出た。
これが後にどう響くかは分からないが、少なくとも大なり小なりの変革が起きるのは確かだろう、
この状態で反董卓連合が起きるのか、もしかしたらを考えるだけでも予想がつかない。
「結局、どんな事だって一筋縄じゃいかないんだよな。」
「あら、一人で何の話をしているのかしら?」
「っ!?」
後ろから突如聞こえた懐かしくも威厳に溢れた声、振り向けば彼女は居た。
(華琳・・・。)
突然の曹操の訪問に意表を突かれたがすぐに佇まいを直して向き直る。
「不躾に済まないわね、私の名は曹操孟徳、陳留の太守をしているわ。」
「ご丁寧にありがとうございます、新野の太守をしている北郷一刀です。」
「あなたは董卓に従軍していたようだけど、随分早い到着だったわね。」
(流石・・・いきなり其処に切り込んでくるか。)
「軍に地理に詳しい者がいたんです、あれほどの速さで本陣までいけたのはほぼ偶然でした。」
「へえ、もしそれが真実なら大した知識人ね、連合の地図だって精巧とは言えずともたった一人が
あんなに広い戦場の地形を把握してるなんてね、私の所に欲しいくらいよ。」
「・・・そうですね、正直驚きました。」
ある程度言葉を交わすと曹操は鋭い視線で一刀を見つめている、品定めをされているのか、器を測っているのか。
「なるほど、ところであなた、随分と斬新な政治をしているのね、太守になって間もなくいきなりこんな戦に出るなんて。」
「元々、太守になった街はある程度自立出来ていましたからね、俺はその後押しをしただけです。
兵にも畑を耕してもらいながら商人から買い付けて兵糧の確保もしまして十分な準備をしてきました。」
「兵に畑を耕すか、あなた面白いわね、近いうちにこの戦が起きると思った先見にそれを行うだけの手腕もね。」
「買いかぶりすぎです、俺は今はまだ未熟ですから。」
「まだ、ねぇ・・・。」
「いつまでもそのままではいられませんからね、俺は俺のやり方でまだまだ強くなります。」
「ふうん、あなたは強くなったその先に何を目指すのかしら?」
「成し遂げたいことがあります、たとえだれが立ちふさがろうとも、俺はそれを超えてみせます。」
「ふふふ、ならば、その生き様貫いて見せなさい、いずれ私がその前に立ちふさがろうともね。」
「・・・言われずとも、やってやりますよ。」
(そうだ、例え華琳が立ち塞がっても、俺は止まれないんだ。)
「楽しみだわ、もしあなたが私に敗れたなら可愛がってあげるわよ?」
「それは、どう受け取ればいいのでしょうか・・・?」
「言葉のままよ。」
艶やかに笑った曹操が去った後に改めて刀を握り、空を見上げた一刀だった。
(それにしてもさすが華琳というべきか、護衛も付けずに俺に会いに来るとはなぁ・・・秋蘭とか一緒に来ると思ったけど。)
去った後に思わず苦笑い、話そのものはとても短く、曹操にとっても挨拶程度に軽く言葉を交わしただけだろう。
しかしその会話の最中に感じた威圧は並のものではなかった。
(これが、曹操孟徳と対峙するってことか・・・。)
この手が震えるのは、恐怖から来るのか、興奮から来るのか、一刀は小さく笑うと刀を握り、素振りを再開した。
(そうだ、まだまだ!こんな程度じゃ、華琳には届かないんだ・・・!)
かつて見た彼女の姿、誰よりも強く、誇り高く、気高く、されど覇王という重荷がなければ一人の繊細な少女だった。
(絶対に譲れない、二度と華琳にあんな思いをさせてたまるものか!)
できることならすぐにでも彼女のもとで一人の将として働きたい、しかし、それが許されない、
支えられないもどかしさ、やるせなさを感じながらも一心不乱に刀を振るっていると突如聞こえた声。
「あの、一刀様、鍛錬中に申し訳ありません、少しよろしいでしょうか?」
「・・・楽進か、どうしたんだい?」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、少し悩みを感じるような顔で此方を伺う楽進が居た。
◆
時は少し遡る、楽進は外を歩きながらこれからの事を考えていた。
(今まで行動していた黄忠殿と魏延殿はこのまま北郷軍に残るようだ、だが私は・・・。)
先ほどの祝勝会で予想外の出来事、賊徒の遭遇ではぐれた仲間であり友人でもある李典と于禁との再会、
二人はあの後曹操軍に保護され、一軍の将として活動をしているそうだ、そして楽進も此方に来ないかと誘われた。
(正直に言って二人の元に行きたい、しかし、私の中の何かが必死に何かを訴えている。)
放浪の所を保護してもらいとても世話になった人物であり、戦場で生死を共にした少し変わったお人好しの女性、
北郷一刀は関わった時間は短いがその為人は素直に好感を持てるし、去るといっても無理に引き止めはしないだろう、
「だというのに、何故私の気はこれほどにも乱れている・・・?」
こんなことは初めてだった、体中の気がざわめくような乱れ、まるで自分の選択が間違っているような錯覚。
恩を返しきれていないのもあるのだろう、それでもこれほどの気の乱れはおかしい。
「あ・・・。」
外を歩いていると一刀と曹操の二人を見かけた、何かを話しているのだろうか、しかし話は終えたのか曹操が去った・・・が。
曹操が去った後に気が付いたことがある、一人立っている一刀を見ていると、乱れていた気がすっと落ち着いた。
(?・・・何故、先程まで不自然に乱れていた気が。)
様子を窺ってみれば刀を握り真剣な顔で振る姿は、普段の穏やかさはまるで無く、戦場に立つ強かな武人の気を感じた、
そして、そんな気に当てられれば己が武人の気が先ほどとは違うざわめきを見せる。
(らしくない、いったい私は一刀様に何を感じている・・・?)
楽進は自分に起きた不可解な事情がわからないまま前に進む、暇を貰うために・・・。
◆
「そうか、探し人が見つかったのか、よかったな楽進。」
「ありがとうございます、ですが少し悩みがありまして・・・。」
「悩みかい?」
「はい、私は一刀様に恩があります、その恩も返さないままに此処を去るのは・・・。」
「なるほどな、でも俺はそういうのは気にしないかな、寧ろ俺のほうが楽進には世話になったよ。」
「ありがたいお言葉です。」
「それでも、未だ少し迷いがあるかい?」
「・・・はい。」
「よし!じゃあ少し俺に付き合って欲しい、すぐそこだから。」
「え・・・解りました。」
一刀は楽進を連れて陣の外に出た、伝令に風への伝言を忘れずに。
◆
夜、月と近くの陣にある松明の明かりが照らす中、一刀と楽進は向かい合っていた。
「さて、ここならいいだろ、始めようか。」
刀を木に立てかけて素手で構える一刀。
「え、いやその、何をですか?」
「見れば解るだろ、悩みがあるなら一度体を動かすのが一番さ、俺で良ければ相手になるよ。」
「・・・え!ですがそれは流石に!」
「遠慮することはないさ、俺は素手でも戦える、それにもしかしたら、次は敵同士も知れないぞ?」
「!!」
構えたまま笑う一刀、しかし楽進には一刀を通してある人物が見えた。
(い、今見えたのは・・・わた・・・し・・・?)
幻覚にしてははっきりと見えた、一刀の姿に、自らの姿が重なった。
(何故だ、何故私が見える?一刀様、あなたは一体…!?)
「えっと、どうしたんだ楽進、なんか凄い驚いてるけど?」
「・・・いえ、確かに体を動かすのも大切かも知れませんね、お手合わせを願います。」
武を交えれば、彼女のことが知ることができるのか、拳を構え、一刀に向かい合う楽進。
夜の冷たい風が二人を撫でると、楽進が先に駈け出して仕掛ける。
(様子見も大事だが、まず此処は一気に打ち込む!)
牽制を意識した一撃を繰りだそうとしたがその手を一刀に取られた。
「甘い!」
取られた手をそのままに引かれ繰り出した拳の勢い以上の速度で投げ出された。
「なっ!?」
思わぬ反撃に驚き、辛うじて受け身を取るも地に叩きつけられ、起き上がった身体には若干の痛みが走った。
「俺の故郷の武術でね、覚えるのにかなり苦労した。」
笑いながらも油断なく構えを解かない一刀、相当な修練を積んだのだろう、其処には一切の驕りがない。
「くっ!」
もし戦場での一騎打ちであのまま刀を使われていれば終わっていた、それぐらいの隙を晒した。
更に何度も仕掛けるも当たった攻撃にはあまり手応えはなく、見切られ反撃を受ける楽進。
(強い・・・!しかし、一刀様の強さは一体どこから・・・。)
それと同時にある違和感を感じる、まるで此方の手の内が最初から相手に筒抜けのようで一方的な展開。
更に言うなら一刀の攻撃中に自らと似たような攻め手があることを、その攻撃に面食らいもしたがなんとか捌けていた。
「楽進、俺には仲間であって師匠といえる人たちに恵まれていてね、俺がここまで来れるのはあの人達がいたからだ。」
「俺に今できるのはただ、ひたすら前に進むこと、彼女達の思いを胸にその先へと行く、それが俺の夢だ。」
自分と違い気を纏ったわけでもない、しかし彼女から発せられる覚悟の度量は並のものではない。
そしてまたしても聞こえた、見えた、一刀の声と姿に、何故か自分の声が姿が混じっていた。
「ただ、ひたすら前に・・・。」
手合せの最中なのにふと自らの拳に目が行く、今まで以上に気が満ちている、今の一刀の言葉が染みわたるように、
思わず笑いが漏れる、世話になった恩人だというのにこうして武を交えていれば自然と気が昂った。
今なら出せる気がする、今までの自分よりも、もっと強く、もっと速い一撃が。
「一刀様、次で・・・決めます!」
「ああ・・・来い楽進!」
気を集中させて一撃に全てを込めるように、迷いがこれで振りきれるように、全身全霊、全ての力で一刀に向かう、
そして一刀もそれを迎え撃つべく待ち受ける、その時楽進ははっきりと見えた、一刀の姿に自分が映った、
自分よりも一回り武人として習熟した、楽進の繰り出した拳が・・・。
その自分に、一刀に拳が届きそうな時、楽進の意識は白く染まり、そのまま闇に沈んだ。
◆
「う、うう・・・あれ、私は・・・?」
意識がようやく戻った時、楽進は周囲を見渡した。
「こ、ここは、一刀様は・・・?」
そこに一刀は居らず、先程まで夜だった景色は夕闇に包まれ、周囲の景色はまるで知らない場所だった。
『『はぁぁぁああぁ!!』』
「!?」
その景色の突然の声、声のする方を向いてみれば驚くべき光景が広がっていた。
「あ、あれは、私!?」
先ほどの一刀との手合せの時に見た一回り大きく見えた自分、その自分が兵たちが見守る中、誰かと一騎打ちをしていた。
『魏の将楽進、その首貰い受けるぞ!』
『やれるものならやってみるがいい甘寧!この楽進、華琳様の覇道のため一歩も退かぬ!』
圧倒だった、呉の将の強さもだが自分も全く引けを取っていない、互いに傷だらけだがそれでも気炎は寧ろ燃え上がっている。。
『ほざけ、天下を統べるのは蓮華様唯一人だ、赤壁で大敗し勢いを無くした曹魏に何ができる。』
『・・・これだけは覚えておけ、この楽進、隊長と華琳様のためにこの身全てを捧げている、
私が何を言われようとも構わないが、華琳様と隊長の築き上げてきた曹魏を侮辱するのは許さん!』
それからは只々打ち合うだけだった、自分の武器と甘寧の武器の交差する音のみが戦場に響いた。
(なんて・・・世界が違う・・・!)
自分はあれほど早く動けない、強い一撃を繰り出せない、瞬時に気を高められない、あそこまでの域に達するまで
一体どれほどの修羅場や死地をくぐり抜けてきたのだろうか。
何合打ちあっただろうか、互いに疲労困憊、だが尚も覇気衰えず、気がつけば瞬きを忘れて手汗握り戦況を見守っていた、
しかし互いに出せる一撃は後一太刀だろう、互いに踏み出してその一撃に残り全てを懸けるように。
『終わりだ、楽進!』
『これで最後だ、甘寧!』
互いの一閃、二人の姿が重なった刹那、最初に動いたのは楽進、否、【斃れた】のは楽進だった・・・。
『全ての、武を尽くした・・・悔いは、無い・・・だが、すまない、真桜、沙和、申し訳ありません、一刀さ、ま・・・。』
(私が、あの楽進が負けたのか・・・。)
『敵将楽進、甘興覇が討ち取ったぞ!』
甘寧の兵たちが勝鬨をあげる、自らが率いていた兵たちは倒れた自分を助けだすと足早に撤退、
進軍を始めようとした甘寧の軍を命懸けで引き止めていた。
(兵にまであそこまで慕われている、あの私はどれほどの高みに・・・。)
しかしその楽進は甘寧に討たれて死んだ、だが死んだにもかかわらずその顔はとても穏やかだった。
その後、どこかの陣に自分は運ばれた、兵たちが帰還すると陣の入り口で数人が待っていた、
兵も少なく、将も僅か、だが陣で待っていたのは、張遼、真桜と、一刀によく似た男性だった。
『凪!』
『凪・・・嘘やろ・・・なんで、目ぇ開けへんねん?』
真桜が信じられずに凪を抱く、その様子を張遼と男性が見守っている。
『楽進様は、敵将甘寧と一騎打ちとなり、善戦空しく、お見事な散り際でした・・・。』
『黙らんかい!凪が、凪が死ぬなんてありえへんやろ!?』
泣いていた、真桜が泣きながら兵に食って掛かった、それを男性が止める。
『やめろ、真桜。』
『隊長!』
『凪は帰ってきただろう、それもこんなに、穏やかな顔でさ・・・。』
男性が自分を抱いて起こす、その体に数滴の雫が落ちながら。
『う、うぅ・・・凪、なぎぃ・・・なんでや、なんでやぁぁぁ・・・!』
兵を降ろしその場に崩れ落ちる真桜、やり場のない怒りが地面を叩く。
『一刀・・・。』
張遼も近づいて凪のそばに寄る。
『霞、なんでこうなってしまうんだろうな、俺はまた・・・!』
『一刀が悪いんやない、戦場で戦い死ぬのは武人の本望や、羨ましいで、見てみぃ、こんなに満足そうな死に顔しおって。』
『・・・ああ、眠るように、今にも起き上がってきそうだ。』
少しの間、一刀達が祈るように凪の前でただ静かに過ごすのを、楽進は見ていた。
(一刀・・・一刀様と同じ名、偶然なのか?)
『・・・行ってくるで。』
『霞・・・?』
『ウチらの大事な仲間を討たれて黙ってられんわ、華琳が来る前に、呉の奴らに思い知らせたる。』
『待てや霞、だったらウチも行くで。』
『ええで、なら凪っちの弔い合戦と行こうや、調子に乗りに乗った呉軍の鼻っ柱へし折ったる。』
『へし折るだけじゃ足りひん、文字通り砕いたるわ・・・!』
『ならまずは準備せんとな、呉の連中が前線の砦に来たら一気呵成に奇襲するで。』
『『応!』』
『凪、見守っていてくれ、三羽鳥は一人欠けてしまったけど、凪の思いは俺達といつまでも一緒だ!』
3人は立ち上がり凪に一礼すると、来るべき時に備えて牙を研いた。
『伝令!孫権軍が合肥城付近に布陣、攻城兵器などを揃えて合肥城に攻撃を開始しようとしています!』
『来おったな、行くでお前ら、溜まりに溜まったもんと凪っち殺られた分の怒り、余すこと無くぶつけたれや!』
『『『『うおおおおぉおおぉおおおおおぉおお!!!』』』』
手勢というにはあまりに少数、しかしその少数の奇襲が攻城兵器を砕き、呉の将兵たちを尽く討った。
(凄い、圧倒的な大軍を、真桜や一刀様、張遼殿だけで・・・!)
『まだまだぁ!凪を殺ったお前らへの怒りはこんなもんやないでぇ!?』
『真桜!怒るなとは言わない、だが絶対に凪の後を追うようなことはするなよ!』
『当たり前や隊長!凪と沙和の分まで暴れてやるで!』
『その意気や一刀、真桜!』
その後も、魏軍と呼ばれた軍は呉軍相手に圧勝、大軍であった孫権軍を追い返した、
戦が終わり、曹操が率いる魏軍の本体らしき軍が来ると、張遼らを労い、凪を丁重に弔った。
数日後、一刀と呼ばれた男性が真桜とともに花を持って凪の墓に供えた。
とは言っても一刀と真桜は毎日のように手を合わせに来たが。
『凪、俺達はそろそろ行かなくちゃならない、漢中に蜀軍が迫ってるって伝令が入ってな、秋蘭だけじゃきっと危険だ。』
『漢中には沙和もおる、呉と和睦すんのは正直しんどかったけどな。』
『今までありがとう凪、こんな俺を隊長と慕ってくれてありがとう、好きだって言ってくれて・・・ありがとう・・・!』
『凪、見ててな、ウチ凪の分まで頑張って、絶対隊長と一緒に魏に天下取らしたるからな・・・!』
二人は凪の墓に深々と頭を下げると、手を上に掲げて最後にこう咆哮した。
『魏の三羽鳥はまだ死んでいない!凪の思いも、俺達の胸の中にある!』
『凪と一緒に過ごした時間、ウチらは死んでも忘れへん!』
(・・・。)
二人が去った後も正直顔が赤かった、あそこまで思われている自分自身が羨ましく思えた。
『随分と面白い顔をしているな、【楽進】。』
(な!?)
振り向けば、今までの景色はどこにもなくて、先程まで見ていた自分が、甘寧に討ち取られた凪がいた。
『これが私の死に様だ、隊長を、一刀様を慕い華琳様の下で武を振るった凪としての生き様だ。』
「慕い・・・!?」
『そうだ、愛している、たとえこの身合肥に朽ちようとも、隊長をお慕いする心は一切変わらん。』
笑いながら恥かしい事を臆面もなく言い出す凪に顔が赤くなった。
『ははは、初なことだ、これなら真桜達がからかうのも無理はなかったか。』
「うぐっ。」
身に覚えがあるがそれを自分と同じ顔にそれを指摘されるとなんだがやるせない気持ちになる。
『だが、その中で自分が最初に散ってしまったがな・・・。』
『北郷隊の楽進は最後まで前に進み死んだ、凪として一刀様の側で添い遂げられられなかったのが唯一の無念だが、
武人としての楽進ならば、あれほどの武人と戦い最期を迎えられたのは悔いはない。』
「北郷隊・・・北郷一刀。」
楽進は思う、今自分が世話になっている一刀と同じ名、女性なだけで姿もよく似ている。
そして、彼女が言っていた、多くの師のうちの一人は・・・もしかしたら・・・。
『ふっ、お前がどういう道を歩もうと自由だ、于禁、李典と共に曹操様に仕えるのも、一刀様に着いて行くのもな。』
「ま、待ってくれ!私が見たのは、これからの未来なのか!?」
『違うな、あの未来を変えるために一刀様は戻ってきた、軍師とともにな。』
「軍師・・・まさか!」
『進め楽進、お前にはそれが似合いだ、迷わず、唯前に進む道を信じろ、どんな道でも一刀様は応援してくれるぞ。』
凪から創りだされた一発の気弾、見たこともないほどに精錬された気だった。
『これは、私なりの手向けだ、遠慮なく受け取れ、楽文謙!』
凪から繰り出された気弾が自分に当たった時、再び楽進の視界は白く染まった。
『もし、覚えていたのならば伝えてくれ。』
『「隊長、私も一刀様と共に居られて幸せでした」と。』
◆
「うっ・・・。」
「お、気が付きましたよお姉さん。」
目が覚めてみると仰向けで寝ていたようで上から風がジト目で見下ろしていた。
「ああ、楽進、大丈夫か?」
「一刀様、程昱殿?」
「楽進さん、あなたはお姉さんと手合わせして気を失ってしまったんですよー。」
「すまない、いい具合に技がかみ合ってしまってな・・・。」
「女の子を平気で投げ飛ばすなんてお姉さんは人でなしですねー。」
「ちがうからな!?」
「ふふふ。」
「おおう、楽進さんが笑いました、まあ風の定位置にいますし当然ですが。」
「・・・え?」
「あーいやその、ちょうどいい枕がなかったからな?」
頬を掻く一刀、その時楽進はようやく一刀に膝枕をされていることに気がつく。
「あ、あわわわ!すみません!?ってうわ!?」
思い切り起き上がって頭を下げる・・・つもりだった、しかしどういう訳か距離を取ろうとしたら予想以上に身体が動いて転んだ。
「おおう、すごい反応ですよー。」
「おいおい、楽進、本当に大丈夫か?」
「あ、私は大丈夫です、でも、これは・・・?」
不思議なことに身体に力が漲る、気が満ち渡る、先ほどとは比べ物にならないほどのこの力・・・。
『私なりの手向けだ、遠慮なく受け取れ、楽文謙!』
「・・・!」
(ただの夢じゃ、無かったのか・・・。)
そして楽進の中で何かが融解した、夢の中であった凪の話が全て理解できた。
「一刀様、程昱殿、お二人にお話があります、でもこれは内密にして欲しい話なんです。」
「・・・?なんだかわからないけど、風、人払いを頼めるかい?」
「お任せくださいお姉さん。」
風が少し出てくと、見張りの兵に言付けをして人払いを頼んだ。
「さてこれで安心です、どうしたんですか楽進さん?」
「実は・・・一刀様に投げ飛ばされて、気を失った時、不思議な夢を見ました。」
「夢ですか、風みたいにお日様でも持ち上げましたか?」
「いえ、戦場にいました。」
「戦場?随分と物騒な夢だな。」
「そこで、将達の一騎打ちを見たのですがその将は、甘寧と、楽進でした。」
「!?」
「何!?」
一刀もそうだが風も珍しく驚いた顔で楽進を見る。
「戦場の場所は合肥と言う地で、兵たちが見守る中、二人が互いに武を尽くした戦いをこの目で見ました、
そして、最後に倒れたのは楽進でした。」
「「・・・。」」
「不思議な気分でした、自分が死んでいるのに、それを別の視点から見ていて、真桜や張遼殿、そして、
一刀様に似た人に自分の死を悲しんでもらった事も。」
「それは・・・。」
一刀にとっては、忘れ得ぬ記憶、しかし、何故それを楽進が見たのか・・・。
「その後、自分に会いました、色々と話しをしましたが、最後に思いっきり気弾をぶつけられました、ただ前に進めと。」
「それはまたすごい夢だな・・・。」
少し懐しそうに笑う一刀に楽進は確信する、夢で見た楽進が慕った一刀と、この一刀は・・・。
「一刀様、教えてください、あなたは、あの【隊長】と呼ばれ、私達三人を従えた、北郷隊の一刀様なのですか?」
「そこまで、知ったのか・・・。」
頭を押さえる一刀、その後、意を決したように向き直る。
「解った、説明させてもらうよ、確かに俺は曹操軍にいた男だ、なんで女なのかとか、説明すると長いけどね。」
「構いません、私は知りたいです、あの楽進が、凪が慕った北郷一刀様のことを。」
「おおう、熱烈ですね、とふざけてられませんか、それは風も知っているので解らないことがあれば補足させてもらいますよ。」
そして楽進は知った、目の前の二人はあの曹操に仕えて、魏という国の衰退を見守り無念ながらにその生を終えたことを、
その中には、自分達凪、真桜、沙和も居て、魏の三羽鳥として一刀の下で働いていたが、最後の残った一刀以外は・・・。
それから、ある仙人(?)の力で女として黄巾の乱が始まる前に戻ったこと、合流した風が前回の事を思い出したこと。
「俺はずっと悔やみ続けてきた、皆を助けられなかったのもそうだけど、何もできなかった無力な自分が許せなかった。」
「お兄さんはずっと皆の心の支えでした、それでも、華琳様も稟ちゃんも・・・。」
「ありがとうございます、でも、少なくとも私は、凪は後悔はしていませんでしたよ。」
「え・・・?」
「だって言ってましたから、私も一刀様と共に居られて幸せでしたと。」
自分の事でもないのに、まるで自分が言っているようで顔が赤くなる楽進。
「私の心は決まりました、曹操様の天幕に行き、断りを入れてきます、一刀様、これからもこの凪の武、お役立てください。」
吹っ切れた顔で笑って一刀の陣から楽進は去っていった。
「は、はは、俺ってほんとに幸せ者すぎるよなぁ、あーくそ、年取ると涙腺脆くてやってられねえ・・・。」
「そういえばお兄さんはおじいさんになってたんでしたっけね。」
「見た目身長は華琳と同じくらいだけど、実際年齢全部足したら中身は軽く三桁行くんじゃないかなぁ。」
「おおう。」
自分でも不思議な気分になる、余命僅かの爺さんから女に若返ったのだ不思議体験もいいところだ。。
「さてお兄さん、凪ちゃんが戻ってくるまで少し枕になってもらえますか、眠気が来てまして。」
「やれやれ、いいけどさ。」
しかし一刀は知っている、この寝ている間にも、風という少女は考えている、この先の展開を。
「・・・頼りにしてるよ、風。」
「任せて下さい、お兄さん。」
◆
「そう、それは残念ね、振られちゃったわ。」
「申し訳ありません、ですが自分で決めたことです、後悔はしていません。」
「それにしても律儀ね、何も言わずに去ればよかったのに。」
「どんな形であれ、私を欲してくれたことには変わりありません、ならばその礼には答えなくてはなりませんから。」
「本当に残念だわ、あなたが私の下に来れば大きな躍進になっただろうに。」
「「か、華琳様、華琳様にはこの桂花(春蘭)が・・・ああん!?」」
全く同じ台詞を言って互いに睨み合う二人とそれを諌める夏侯淵。
「落ち着け。」
「全く、済まないわねこんな騒がしくて。」
「いえ、忠義に厚い素晴らしい方々だと思います。」
「・・・臆面もなくそういうことを言えるなんてね。」
「本心ですから、もし機会があれば二人にお伝え下さい、例え敵として会っても後悔はしないと。」
「上等ね、その言葉、確かに伝えさせてもらうわ。」
「ありがとうございます、曹操殿。」
「そして私からも伝言をお願いするわ、北郷一刀、あなたは必ず私が手に入れるってね。」
「承知、必ずお伝えします。」
夢で見た誇り高く気高い魏の王、曹操孟徳、その覇気には確かに惹きつけられるものがある、あの楽進が仕えたのも頷ける。
(それでも、こんな私にだって、進むべき道が見つかった。)
曹操の陣から出て空を見上げる、あの高み、必ず到達し超えてみたい、理由はそれだけで十分だった。
(ああ、やっぱり私はどうしようもない、友との友情よりも、武人としての高みと、あの人と進んでいきたい気持ちに逆らえない。)
体中で高揚する気、それらを拳にかき集めて集中する、そして・・・。
「はぁぁあああ!」
天を衝くように撃ちだす気弾、今まで放ったどの気弾よりも力強く遠くに飛んで行く、空に溶け込み消えていくまで・・・。
「もしも天が続いているのなら、お前もどこかで見守っているのだろうな、見ていてくれ『楽進』、私は一刀様と共に行く。」
「迷わず真っ直ぐに、唯前に突き進むのみ!」
力強く歩き出す凪、彼女もまた運命に逆らい、自らの道を行く。
◆
楽進が去った後、曹操の陣に劉備一行が入ってきた。
「曹操さん本当にお世話になりました、兵糧の提供や共同での進軍で私達はとても助かりました!」
「そう、処で劉備、あなたはこれからどうするの?」
「えっと、とりあえず皆と相談して一旦どこかの村に身を寄せようと思ったんですけど・・・。」
「ならば劉備、行くあてがないのなら私の客将にならないかしら?」
「曹操さんの、ですか?」
「何も配下になれとは言ってないわ、あなた達が寄るべき地を見つけるまで、私のもとで働きなさい。」
「うーん、確かに村に寄っても長い間皆を養える自信はないし、皆と相談はしますが、よろしくお願いします!」
「ええ、此方こそよろしくお願いするわ。」
◆
数日後、ほとんどの太守達が去った後、一刀達も新野の街に戻ろうとしていた。
「さて、戦後処理と撤収準備も終わったことだし、帰るとするか!」
「ねえねえ一刀さん、だっけ、これから行く一刀さんの街ってどんなところなの?」
顔が隠れるほどのフードに身を包んで一刀に話しかけるのは元黄巾賊首魁、張角達。
「んーそこそこ栄えた街だよ、広い街だしここにいる降伏した観客さん達を受け入れることはできるかな。」
「そっか、皆を受け入れてくれてありがとね!」
「でも、働かざる者食うべからず、降伏してくれた人達もやってもらうことがとても多いよ。」
「まっかせて!私が疲れた皆を歌で応援してあげるんだから!」
「はは、頼もしいことだね。」
「お姉さん、準備が出来ましたよ。」
「ああ、ありがとう風。」
「天和姉さんも言っていたけど、ありがとうね、保護してくれて。」
「張宝さんが勇気を出してくれたからだよ、本陣への近道を教えてくれたからあそこまでいけたんだ。」
「でも、ほんとうに助かったわ、あのままだったら最悪捕まって処刑もされていたかもしれないし。」
「3人が完全に悪くないってわけじゃない、だからその分、償っていく道も探していこうな。」
「・・・うん、私頑張るね!それと、これからは天和って呼んでね一刀さん!」
「私は地和よ、よろしくね一刀さん。」
「・・・人和よ、姉共々よろしく頼むわ。」
「解った、しっかりと預からせてもらうよ。」
天和三姉妹の真名を預かる一刀、その後ろから魏延が声をかける。
「おーい大将、こっちも準備出来たぞー!」
「おお、って魏延、何だその大将って?」
「・・・ワタシ達もこれからもあんたの所で世話になるからな、それなりのけじめってやつだ、これからは焔耶って呼んでくれ。」
「おいおい、そんなに簡単に・・・。」
「簡単な気持ちで預けるわけ無いだろ、それぐらい知ってるはずさ、なあ紫苑様。」
「そうですよ、女の子の気持ちはそんなに気軽ではありませんよ北郷様?」
「あーいや、黄忠、俺も一応女なんだが?」
「あら水くさい、紫苑と呼んでいただいていいのですよ?」
「君もか・・・。」
「お姉さんモテモテですねー。」
「解って言ってないか風、だから俺女だからね?」
「一刀様、早く行かなければ、新野で待つ郭嘉殿の負担が増えますよ。」
「凪もかよ、うう、俺の味方が少ない・・・。」
「大丈夫でしょう?お姉さんは強い子ですから。」
「あーもう、これから賑やかになりそうだな、本当に。
じゃあ皆、帰ろうか!俺達の街、新野に!」
「「「「「おぉぉおおぉお!!」」」」」
新野から出立して、何故か出立前よりも倍近く戦力が増えている不可思議な現象を稟は信じてくれるだろうか・・・?
自分が思っている以上の急速な軍の強化を御せるのか、少しばかりの不安を胸に一刀達は新野へと戻る。
(でも、華琳だって同じ道を歩いているんだ、俺なりの方法で、絶対に追いついてみせるさ。)
その不安もある心に確かな意志を宿らせて。
ちなみに凪は記憶はなく経験値だけ持ち越した感じです。