やぁ。俺はトレーナー。なんと異世界から召喚されたトレーナーだ。スマホでウマ娘やってたらスマホに吸い込まれちまった。まぁそれはいいか。男の自分語りなんてそんな興味無いだろうし。それより!遂にライトハローさんとサシ飲みが実現したぜ!!!ライトハローさんやけに緊張してたけど楽しかった。やっぱ可愛い女性とお酒を飲むのは楽しいぜ!!!
「ふんふんふふ〜ん」
まぁ翌日は普通に出勤なんだけどな。でも昨晩10時まで飲んでたから結構頭痛い。俺そんな酒強くね〜からなぁ〜。
「あら、おはようトレーナー。」
「おはよー!!トレーナー!!!」
「おはようございますトレーナーさん。」
「お!キングにウララ!スズカもおはよう!」
俺はチームを設立して・・・なんと100人近く担当する羽目になってる。理事長は慌ててなんとかしようとしてたけど来ちまったもんはしょうがねぇ。全部担当してやる!!!と息巻いて全員担当した。まぁそれでも俺1人にそんな100人も面倒見るのは不可能なわけで。結構自主性に任せたトレーニングと管理になった。まぁ仕方ないな。なんとか全員分のトレーニングメニュー考えて渡すくらいは出来てる。
「・・・あら?」
「ん?どうしたキング。」
「あなた、昨日お酒飲んできたの?ちょっとお酒臭いわよ。」
「え?ちゃんと風呂入ったんだけどな・・・ウマ娘は匂いに敏感だなぁ。」
「ふふ。そうよウマ娘は匂いに敏感なの。身嗜みはちゃんとしてね?」
「ああ。すまん。ファブリーズしとくわ。」
「ねーねートレーナー!お酒ってことは美味しいご飯も食べて来たの?」
「おう!天ぷらが美味い店でな?」
「えー!いいなー!私も天ぷら食べたい!!」
「ははは!ウララが大人になったら行こうな!」
「うん!・・・あ。」
「ウララさん。」
「ご、ごめんね・・・」
「すんすん・・・トレーナーさん、お一人で行かれたんですか?」
「え?ライトハローさんと2人でだけど。」
「え。」
「は!?」
「ええ!?」
スズカ、キング、ウララが急に血相を変えた。顔を青くして震えている。さっきまで和気藹々と話していたのにどうしてだ?俺が女の子とサシ飲みしたのが気に入らないのか?
「・・・トレーナーさん。」
「ばかばかばか!!!ほんとおばか!!!あなた何考えてるの!?」
「うらー・・・トレーナー、危ないよー」
「え?ええ?なんだお前ら、そんなに外部の女性と飲みに行ったの気に入らないのか?」
「違うわよ!!!あなた!!!ウマ娘と1対1で飲みに行くのがどれだけ危険かわかってないの!?!?」
「ええ・・・ライトハローさんはそんな飢えた人じゃないから大丈夫だよ。」
「わかってない・・・あなた本当にわかってないわ・・・!!」
「ね・・・トレーナー、私、ママから大人になっても男の人と絶対お酒飲んじゃダメって言われてるんだよ?」
「トレーナーさん、かなり不用心ですよ・・・なるほど。異世界出身だから自覚が無いのね・・・」
担当の子達やそのほかスタッフには俺が異世界出身だという事は知られている。というか、このウマ娘の世界は結構異世界人がいるらしく、寛容だ。それどころか手厚く保護されている。俺がトレーナーになると言った時も別な職業にしないかと随分説得された。だがこのウマ娘世界でトレーナーにならないという選択肢は無い。それもトレセンの生徒達に呼ばれたからな。前の世界に未練はあるがこの世界での未来に心躍らせていたんだ。
「・・・授業が始まるから、今の所はここまでにしておくわ。トレーナー、午後になったらトレーニング前にお説教よ。逃げるんじゃないわよ。」
キングは耳を絞り、前かきをしている。そうしたらスズカがキングを羽交締めにして教室に連れていった。ウララは心配そうな顔をしながらも着いて行った。
「・・・俺何かやっちゃいました?」
やっちゃったらしい。
・・・・・・・・・
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・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
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午後。トレーニングの前にトレーナールームでコーヒーをしばきながらパソコンで書類作業をしていた。するとドヤドヤと担当の子達が入ってきて、シューズやスポーツドリンク、カロリーバーを手にとりトレーニングへ向かった。キング達はまだ来ない。
「ずず・・・うんめぇ〜」
ブラックのコーヒー。カフェにたっぷりコーヒーの淹れ方を仕込まれたので美味いコーヒーを淹れる事が出来る。これにはもう万歳だ。そうこうしているとキングたちが来た・・・何故かルドルフとエアグルーヴも一緒に。
「逃げなかったわね。お説教よ。」
「トレーナー君。話は聞いた。君は自覚が無いとはいえ危険な事に身を置くのは見過ごせなくてね。」
「このたわけが・・・まぁそういった教育を施さなかった我々にも非はあるな・・・」
「お、おう・・・」
「このあんぽんたん!!!私達がどれだけ苦労して・・・!!!」
キングが顔を真っ赤にしてわなわなと震え出したの見てすかさずエアグルーヴが羽交締めにした。そこまでしなくてもいいのに・・・しかしキングがこれだけ怒るとは・・・そんな付き合いたての彼女みたいな事するなんてキングも可愛いとこあるじゃん?
「まぁ待てキングヘイロー。お説教の前にトレーナー君にウマ娘がどれだけ危険かを教えなければならない。」
「・・・そうですね。」
「さて、トレーナー君。君は先日・・・昨日か?ライトハローさんと2人きりでお酒を飲みに行った。間違いないかい?」
「あ、ああ・・・いつもはたづなさんと3人で行くんだけどな?」
「その時ライトハローさんとたづなさんはどれだけお酒を飲んでいた?」
「ライトハローさんはかなり・・・たづなさんは下戸だって・・・」
「・・・なるほど、たづなさんがストッパーになっていたわけか。」
「???」
「君はどうして、たづなさんが行けないとわかった時に、飲み会を中止にしなかったんだい?」
「いや・・・俺も飲み会楽しみだったし。」
「本当にそれだけかい?」
「・・・それだけだよ。」
「本当に?正直なその時の気持ちを言ってくれ。私達はそれについて怒ったりしないから。」
「・・・。」
「トレーナー君。」
「・・・正直、可愛いライトハローさんとサシ飲みは嬉しいなと、思ってましたぁ・・・」
「・・・ありがとうトレーナー君。やはりそういう自覚だったか・・・」
「そういうとは?」
「トレーナー君。これからはウマ娘に対する認識を改めて欲しい。」
「どういうこと?」
「ウマ娘は、天使の顔をした悪魔だという事だ。」
天使の顔をした悪魔?確かに見目麗しくスタイルも良い。だが悪魔は言い過ぎだろう。ルドルフは・・・ジョークの顔をしていない。レース前のような緊張感だ。どうした?え?どうした?
「良いかトレーナー君、我々ウマ娘は容易く男性を殺める事が出来るという事を覚えておいて欲しい。」
「え?」
「いい?トレーナー、平時のウマ娘でもうっかり人間を殺してしまう事はよくある事なの。」
「は?」
「たわけは新聞やニュースを見ていないのか?」
「そ、そうだな・・・テレビは朝のロケ中心のやつか・・・新聞もレース新聞しか・・・」
「はぁ・・・このたわけ!!!少しは情勢に敏感になれ!!!」
「ま、待て、エアグルーヴ、落ち着け、流石に私1人では君達2人は取り押さえられない。」
「ふぅ・・・ふぅ・・・すみません会長。」
「うむ。ちょうどいいからエアグルーヴ、新聞を取ってきてくれないか。ここ数日分をだ。」
「わかりました。」
エアグルーヴが出ていった。どうしよう・・・ニュースって堅苦しいからあんま見てなかった。そういやそうだよな。異世界来てその世界の情報を知るにはニュースや新聞を見るのが1番だ。それを俺はウマ娘のレースヒャッホウ!!となって見落としていた。しくったなぁ・・・
「とりあえず・・・トレーナー君にウマ娘と1対1でお酒を飲む事がどれだけ危険か教えよう。」
「おう・・・」
「まず、酔った大人のウマ娘を取り押さえるのに必要な人員は最低でもウマ娘4人だ。」
「そ、そうなのか。」
「両手両足を1人ずつというわけだな。」
「おう。」
「おそらく後ほどエアグルーヴが持ってくる新聞にも書いてあるが・・・酔ったウマ娘が人間を殺してしまうという事件は後をたたない。」
「え?」
「ライトハローさんはすごい人だ。昨日もお酒をたくさん飲んでいたのか?」
「い、いや・・・昨日は控えめだったかな・・・?」
「そうか、かなり理性の働くウマ娘のようだ。命拾いしているよトレーナー君。」
「・・・。」
「いい?トレーナー、酔ったウマ娘の危険性はかなりひどいわ。うちでもお父様が酔ったお母様にしてやられて2年も車椅子生活になった事があるの。」
「2年も!?!?」
「ええ、単純骨折なら良かったんだけど・・・お父様がしたのは粉砕骨折。今でも足にボルトが埋まっているわ。お父様は健気よ。そんな大怪我を何度も負わされているのにまだお母様を愛しているもの。」
「そ、そうなの・・・」
「ウマ娘との結婚の話はまた今度にしよう。キングヘイロー。」
「わかりました。」
「今日はお酒を飲んだウマ娘の危険性についてだ。トレーナー君、先ほども言った通り、酔ったウマ娘の危険性はわかったか?下手に抱きつかれでもしたら首の骨を折られて死んでしまうんだ。」
「・・・。」
「昨日は、ライトハローさんにとっては苦痛の飲み会だっただろう。」
「・・・。」
「しっかり頭に刻んでくれ。酔ったウマ娘は、暴走する自動車より危険だという事を。」
「わかった・・・」
「それと、君は気づいているか?」
「え?」
「君の周りにはウマ娘がたくさんいる。だが決して1対1の状況にならないよう、3人行動を心がけている事を。」
「え・・・?」
「次は・・・掛かったウマ娘について教えよう。」