本当は怖いウマ娘プリティダービー   作:電動ガン

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ウマ娘を誹謗中傷する意図は決してありません。


第2話 掛かるウマ娘

「次は掛かったウマ娘についてだ。」

 

「おう・・・」

 

「トレーナーは掛かったウマ娘についてどれほどの認識だ?」

 

「レースで・・・落ち着きを取り戻せたらな・・・と・・・」

 

「レースでか。」

 

「うん。」

 

掛かったウマ娘についてはそれほどの認識しかない。レースで追い抜かれたり、後ろから煽られたりして掛かり、我を忘れる様に走る事。それくらいだ。

 

「ウマ娘はレース外でも掛かる事があるんだ。」

 

「そうなのか?」

 

「うむ・・・どういう状況かと言うと・・・単純に興奮することだな。」

 

「うん。」

 

興奮したウマ娘か、確かに大変そう。でもそう言う場合って学園だとたづなさんがすぐすっ飛んできてくれて制圧されるのがほとんどだ。

 

「ウマ娘が掛かる・・・興奮する状況というのは・・・まぁ直球に言うと情欲を煽られたりした場合だ。」

 

「情欲・・・」

 

「例え話をしよう。」

 

「おう。」

 

「例えば、トレーナールームで君は着替え中だったとする。上半身裸の君を見て、ウマ娘が掛かる。するとどうなると思う?」

 

「え・・・襲われる?」

 

「2割正解だ。」

 

「2割・・・」

 

「ここでの正解は、殺されるだ。」

 

「えっ。」

 

「掛かったウマ娘というのは力のコントロールが効かない。ウマ娘が情欲のまま抱きついて来たら・・・良くて半身不随。最悪背骨をへし折られて死だ。」

 

「ええ・・・」

 

「ここでさっき言った3人行動の話に移る。」

 

「うん。」

 

「3人でいた場合、1人が掛かったとしても1人が取り押さえ、もう1人が助けを呼べるんだ。」

 

「なるほど・・・」

 

「2人掛かった場合は・・・最後の1人が死力を尽くして制圧する事になる。」

 

「・・・。」

 

「3人掛かった場合は・・・」

 

「・・・。」

 

「トレーナーはバラバラ死体だろう。」

 

「うぇ・・・」

 

「掛かったウマ娘の危険性が理解出来たか?」

 

「おう・・・」

 

「トレーナーという職業の危険性も。」

 

「おう。」

 

「トレーナーは保険の話を理事長としたか?」

 

「多分したなぁ・・・傷病保険とか入ったの覚えてる。」

 

「その時、死亡保険の話は出なかったんじゃないか?」

 

「・・・そういえば。」

 

しなかった。でもそれって俺が異世界人だから受け取る相手がいないから話が出なかったんじゃないのか?違うの?

 

「トレーナーは鳶職よりも危険な仕事で、死亡保険は掛けられないからなんだ。」

 

「ええ・・・」

 

「知ってるか?トレーナー君。トレーナーになった人間の男性が学園から出るには、寿退社か、棺桶に入るかどちらかしか無いという事を。」

 

「いや・・・それは知らなかった・・・」

 

「寿退社も・・・めでたいように聞こえるがこれも地獄だ。さっき言った様に結婚の話はまた今度にしよう。」

 

「おう。」

 

「棺桶に入る・・・というのも理解出来るな?」

 

「痴情のもつれで・・・ってことか?」

 

「そういうことだ。学園の生徒は、10代だが、女で、ウマ娘だと言うことだ。」

 

「こわ・・・」

 

「そう、怖いんだ。ウマ娘は。人間はウマ娘に勝てないというのは事実なんだ。ここまでの話で、勝てなかった人間がどうなるかも察しがつくだろう?」

 

「おう・・・」

 

「よろしい。」

 

「会長、戻りました。」

 

「おかえりエアグルーヴ、頭が冷えたか?」

 

「ええ・・・新聞、とりあえず1週間分手にいれました。」

 

「ご苦労。早速見ていこうトレーナー君。」

 

「おう。」

 

とりあえずある日の新聞を広げた。流し読みしていくと・・・出るわ出るわウマ娘による人間の事故。やれ骨折させた。意識不明にした。死んだ。出る出る。

 

「こえ〜・・・」

 

「見たか?ウマ娘は人間社会に馴染んでいるとはいえ、これだけの事故が後をたたないんだ。例え事故だとしても罪は重い。」

 

「そうなんだな・・・」

 

とりあえず次の新聞へ・・・そこでもウマ娘事故の死亡例や・・・気になったのはウマ娘による拉致という記事だった。

 

「なぁルドルフ。」

 

「なんだいトレーナー君。」

 

「この・・・ウマ娘による拉致ってなんだ・・・?」

 

「・・・それは掛かったウマ娘の最高に後味の悪い事件と言えるものだ。」

 

「ええ・・・」

 

「ウマ娘は基本的に人間の男性と交配し、子成す、ここまではいいか?」

 

「ああ。」

 

「ウマ娘が好意を抱いた時、そしてその好意が実りそうも無い時、他の誰かに掠め取られそうな時、ウマ娘は人間の男性を誘拐する。」

 

「自分だけの物にする・・・ってことか?」

 

「それだけだと愛されるだけで聞こえは良いが、実際行われる事は悲惨な物だ。」

 

「何が起きるんだ・・・?」

 

「愛し殺されるんだよ。」

 

「えっ。」

 

「掛かりに掛かったウマ娘が最高潮に達すると好意を抱いた男性を誘拐し、誰の手も届かない所で、殺すんだ。」

 

「な、なぜ???」

 

「自分以外の物になるくらいなら・・・いっそ自分の手で、と言うやつだな。」

 

「ヤンデレも良い所だ・・・」

 

「この愛が重すぎると言うのはウマ娘あるあるだ。」

 

「ええ・・・」

 

「私の両親も人間とウマ娘だが・・・よく上手く行っていると思う。」

 

「エアグルーヴ・・・」

 

「考えても見ろ。結婚は平等だと言いながら明らかにパワーバランスが狂っている。父が母を余程の愛情で思っていない限り成立しないんだ。」

 

「確かキングのとこも・・・」

 

「そうね。お父様は相当お母様の事好きよ。それも殺されても構わないくらい。」

 

「・・・。」

 

「ウマ娘の結婚は・・・どこか狂っているんだよ。」

 

「ルドルフ・・・」

 

「私のお父様とお母様も人間とウマ娘のカップルだ。だが名家という柵でお母様を縛っているから成り立っている。私は幼少期しかお父様とお母様が一緒にいる所を見たこと無いし、食事以外では一切顔も合わさない。それが私の家族だ。」

 

「それは・・・」

 

「ああ、気にしないでくれ。お父様はお母様に何も無くとも会いたい人でな。名家のあるあるで顔を合わせられないのを歯軋りしながら我慢しているんだ。愛はある。大丈夫さ。」

 

「それなら良いが。」

 

「さて・・・掛かったウマ娘だったな。」

 

「ああ。」

 

「新聞に何か例になる記事は・・・これが良いな。」

 

「どれ?」

 

「これだ。」

 

読むと・・・まだ8歳のウマ娘が同級生の男子に手を掛けて大問題になったという記事だった。同級生の男子は大怪我を負って転校。全く救いが無い結果となっている。

 

「この怪我をさせたウマ娘が諦めなかった場合・・・日本中、いや世界中を探し回って同級生の男子を見つけ出すだろう。」

 

「まだ8歳だぞ?!」

 

「トレーナー君、ウマ娘は何歳でもウマ娘だ。その独占欲の強さは大人でも舌を巻く。特にティーンエイジャーに最高潮に達するんだ。」

 

「え・・・」

 

「幸い、私達担当は君を無事定年退職させる為に動いている。この先も担当になる子には意思を継いでもらい、君を守ってもらうつもりだ。」

 

「今までの話からすると何も安心出来ないんだけど!?!?」

 

「そこは相互監視しているから・・・というので納得して欲しい。」

 

「ええ・・・」

 

「トレーナーという職業は難儀だ・・・人間の男性が何故か1番適職で、女性、ウマ娘となるほど下がっていく。これは私の持論だが、恋心がレースの熱を引き出しているんじゃないかと思っている。」

 

「はぁ・・・」

 

「君と勝ちたい・・・あなたに勝利を・・・そういう気持ちが強さに繋がっていると思う。」

 

「まぁ・・・そこは思うところが無いわけじゃないが・・・」

 

「君はなかなか助平だからな。流石に教え子には手を出さないという信念はあるから・・・」

 

「ちょっと待てルドルフ、なんだそれどこで知った。」

 

「風の噂だよ。ちょっと良い風が吹いたんだ。」

 

「やだもう・・・」

 

「ふふ・・・」

 

「たわけ、実際恋心に近い、loveでは無いがかなり大きなlikeを持っているウマ娘もいるんだ。」

 

「というかその感情が異常ですよね。普通男性はウマ娘と関わり合いになりたくない筈ですし。」

 

「え?そうなの?」

 

「そうよ。いくら見目麗しいからと言って近づいたら待っているのは死よ。まるで花に擬態するカマキリのよう・・・」

 

「それは言い得て妙だな。交尾したらオスを喰らってしまうと言うところもまた生々しい。」

 

「えええ・・・」

 

「たわけ、お前もわかっているだろうが、ウマ娘は、基本的には温和なのだ。その気性に火を付けたりしない限りは、良き隣人になれる。」

 

「言っただろう?天使の顔をした悪魔だと。」

 

「トレーナー、あなたは自覚に欠ける。悪魔に殺されてしまうのは時間の問題なの。」

 

「幸い、今気づいて良かった。我々も冷静に対処出来る。」

 

「私達も独占欲が無いわけじゃない。油断するなよ。」

 

「おう・・・」

 

「これでトレーナー君の態度が変わっても致し方ない事だ。それは私達も受け止める。」

 

「いや・・・流石に・・・怖い存在だとは理解したし納得もしたけど・・・そんなあからさまには変えないよ。」

 

「貴様・・・それが虎の前に生肉ぶら下げて踊る事だと言うことはわからんのか?」

 

「お前ら言ったじゃねーか。恋心がレースの熱になってるかもしれないって。俺が態度変えて恋心が冷めたりでもしたらお前達はレースに勝てなくなるってことだ。それは俺は死んでも嫌だ。俺はお前達のレースに心を動かされたんだ。命を賭けてもいい。」

 

「トレーナー・・・」

 

「たわけが・・・」

 

「トレーナー君・・・」

 

「まぁ・・・あんまりかっこいいことは言えないけど・・・気をつける事にする。ウマ娘とは1対1にならないようにするとか。ウマ娘との飲み会は避けるとかいろいろ出来る筈だし。」

 

「そうだな。」

 

「少しでも危機意識が芽生えたのなら話をした甲斐があるよ。」

 

「このおばか。」

 

「キングのはただの罵倒じゃないか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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