「狐は妖怪ですよ・・・・・・トレーナーさん・・・・・・」
そうカフェから教えられ、困惑した。俺の知ってる狐と違う。
「とりあえず狐ならなんとかなるねカフェさん。」
「ですね・・・・・・物理で取り押さえれば・・・・・・いいので・・・・・・」
「ええ・・・・・・」
さっきまでの鬼気迫った感じとは異なり、なんだか狩猟の獲物を見つけた様な雰囲気になった。大丈夫なのか妖怪って。
「スカイさんは・・・・・・一緒にいたので・・・・・・標的になってる・・・・・・可能性があります・・・・・・なので・・・・・・トレーナーさんの・・・・・・囮になってください・・・・・・」
「がってん。」
「そしてスカイさんや・・・・・・トレーナーさんに夢中になってるところを・・・・・・私が仕留めます・・・・・・」
「その作戦で行こう。」
「お、おおう。」
そしてカフェは俺にベッドに入り寝たふりをしろと言ってきた。狐は寝込みを襲うのだという。
「あー良かった。悪霊とか山の神とかだったらどうしようかと思った。」
「ええ・・・・・・この近くの住職さんを掻き集めても・・・・・・対抗出来るかわかりませんでした・・・・・・」
「狐め〜トレーナーさんを狙うなんて百年早いわ〜」
「狐鍋にでもしますか・・・・・・?そうすれば・・・・・・この辺りの狐に・・・・・・威嚇になるかもしれません・・・・・・」
「あ〜いいね。狐鍋食べるの初めて。」
なんか物騒な話してるぅ。そして何かに気付いたスカイが俺を起こした。
「トレーナーさん、ちょっと。」
「なんだ?」
「タバコ持ってる?」
「持ってるが・・・・・・スカイには渡せないぞ。」
「わかってるよ。マックイーンちゃんは部屋の中禁煙って言ってたけど緊急事態だから。この部屋タバコの煙で充満させて欲しいの。」
「え?なんで?」
「狐はタバコの煙を嫌うから、部屋中タバコの匂いがすればノコノコやってきても部屋の中で身動きが取れなくなるってわけ。」
「へぇ〜」
そして俺はさっそくタバコを取り出し一服やり始めた。マックイーンごめん。
「ふぅ〜〜〜〜〜」
「うわ結構匂い強いね。」
「しかた・・・・・・有りません・・・・・・」
「すぅ・・・・・・ふはぁ〜〜〜〜〜〜」
スカイとカフェのいる前でタバコの吸うのは抵抗があるが緊急事態と言うことで飲み込んだ。
「あ、トレーナーさん、私とカフェさんにもタバコの煙吹き付けて。」
「は!?」
「狐の嫌う匂いを付けてれば簡単に制圧出来るからだよ。」
「お願い・・・・・・します・・・・・・」
「お前ら絶対他では言うなよ。」
タバコの煙をパタパタとスカイとカフェにまとわせる。そして俺は七本目のタバコに火を付けた。
「うお〜〜〜タバコの匂いすご。」
「とりあえず・・・・・・20本・・・・・・くらい吸ってもらえれば・・・・・・大丈夫でしょうか・・・・・・」
「だね。そして迎え撃とう。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
そしてタバコを一箱吸いきって追加で葉巻も三本吸って部屋をタバコで充満させた。スカイとカフェはあまりのタバコ臭に苦々しい顔だがしろと言ったのはこの二人だ。そして俺は寝たふりへ。
「トレーナーさん寝ててもいいよ〜」
「こちらで・・・・・・やりますので・・・・・・」
「お、おう。」
スカイとカフェは少しだけ開いた入り口の両サイドに鈍器を持って隠れている。そしてしばらくするとあの匂いが強くなった。
「スカイ、カフェ、匂いが・・・・・・」
「来たみたいだね。」
「ええ・・・・・・」
そして次の瞬間だった。入り口の隙間から真っ黒な何かが現れたと思うと、カフェが思いっきり角材を振り下ろした。
「ぎゃぎゃん!!!」
「スカイさん!!」
「がってん!!!」
スカイが追撃を仕掛け、謎の黒い物体を滅多打ちにした。ぎゃおぎゃおと騒がしかった何かはしばらくすると静かになり、動かなくなったようだった。
「ふぅ!」
「仕留め・・・・・・ましたね・・・・・・」
「スカイ!カフェ!無事か?!」
「ええ。」
「トレーナーさんも大丈夫ですか・・・・・・?」
「ああ・・・・・・あ、匂いが無くなった。」
「じゃあもう大丈夫ですね。」
して、二人がボコボコにした、狐とやらを見る。
「なんだこいつ・・・・・・」
「これが狐です。」
「妖怪初めてみましたか・・・・・・?」
狐とやらは、真っ黒な毛で、犬の様な顔で尖った耳があり、頭が二つあって、尻尾が蛇になっていて、大きさは柴犬くらいの動物だった。
「これが、妖怪の、狐か・・・・・・」
「ではトレーナーさん、他の狐を威嚇するためにこいつ食べるよ。」
「は?」
「味は・・・・・・イノシシ鍋の方が美味しいそうですが・・・・・・私も初めて食べます・・・・・・」
「ええ・・・・・・」
「私も食べるの初めて〜」
そうして・・・・・・妖怪・狐は次の日の晩飯になった。スカイとヒシアマが二人で捌き、フラワーが味付けをして結構な量の鍋になった。こうして狐を食べることにより、他の狐にこいつは狐を食べるくらい強いやつだと匂わせることで被害を防ぐのだという。味はまぁ。すき焼きとかの方が美味いが、まぁまぁワイルドでなかなかの味だった。
「狐ってあたし初めて食べたよ。」
「意外と美味しいですね〜!」
「んふふ〜〜絶品ではないけど美味しい〜〜」
「はむ・・・・・・もぐ・・・・・・」
ウマ娘達は狐鍋は結構好評だが俺は普通のすき焼きとか食べたいと思った。でも抑止としての効果が見込めるなら食うしかなかった。見た目がグロくてちょっと食べるのに苦労した・・・・・・これが俺の神秘体験の全貌である。