FAIRY TAIL 才禍の怪物 作:XAI
いつの間にか評価バーが赤に…!!!
皆様ありがとうございます!!
今回もぜひお楽しみに!
ルーシィは驚愕していた。
つい先程、ここではナツとエルザ、そして
ナツとエルザの強さはギルドに入ってからの
しかし、結果は違った。蹂躙……その表現しか思いつかない程圧倒的だった。ナツは手も足も出ず、最強だと思っていたエルザは木刀1本で相手された挙句一撃も入れられずに負けた。そんなものを見てしまったら誰だって驚愕してしまう。
「さっきの試合凄かったね! シャルル!」
「ええ、ナツはともかくあのエルザが負けるとは思わなかったわ」
「シャルルもそう思う? 私もまさかエルザまで負けちゃうとは予想外だったわ……」
先程の決闘を振り返りながらウェンディ、シャルルと話していると、気絶していたナツが目を覚ました。
「んん……ッ! ……あれ? ここは! 勝負はどうなった!!」
「あ! ナツ〜! 起きたんだね!」
「ハッピーか! アルとの勝負はどうなった!!」
「あい! もう終わりました! アルの勝ちです! ちなみにナツがやられた後エルザとも戦ってたんだけどエルザもアルに負けちゃったんだ」
「なにぃー!? ……ん? て事はエルザに勝ったアルに勝てば俺が最強ってことか! よし! アルー!! もう1回勝負だー!!」
「めちゃくちゃだよナツ……」
ナツが騒いでいるとグレイが近づいていく。
「お前じゃ何回やっても無理だってのクソ炎」
「んだと! 挑んでもねぇやつが偉そうなこと言ってんじゃねー!」
「俺は無駄な戦いはしねぇんだよ!」
「負けるのか怖ぇのか! 軟弱野郎!」
「あ? 気絶してたやつに言われたくないね!」
「「……やんのかこの野郎!!!」」
段々とヒートアップしていく口論。やがて殴り合いになるかと思った時、その2人の後ろからエルザが近づくと__
「喧嘩をするな! このバカ共!!」
『ドカッ!』
「「ギャーー!!」」
予想通り拳骨が落ち、ナツとグレイは頭を抑えながら床を転げ回る。
このやり取りにも慣れてきたと思っていると、意外な事をエルザが話し始めた。
「それにしても流石は師匠だ。私も強くなったつもりだったんだが、一撃も入れられないどころか遊ばれる始末だ」
「え!? アルさんってエルザの師匠だったの!?」
「そうだったんですか!?」
驚きの事実に驚くルーシィとウェンディ。だが確かに、エルザを簡単に倒せるアル。それなら師匠だったとしても納得だとルーシィが考えているとエルザが続ける。
「ん? いやまぁ師匠といっても幼い頃の一時だけだ。それに私が一方的に押しかけて仕方なくという感じだったからアルからすれば弟子でもなんでもないかもしれんがな。私が勝手に呼んでるだけだ」
エルザは幼い頃、楽園の塔での出来事で自身の魔法……
そんな中、当時から
「へぇ〜そうだったんだ」
「ねぇ、その後に言ってた遊ばれたってどういうことなの?」
ルーシィが納得していると、シャルルが質問をする。
「あ、確かに」
「とてもそんな風には見えませんでしたけど……」
「……ッテテ……ん? なんだ3人とも気づいて無かったのか?」
するとさっきまで床に転げ回っていたグレイが痛そうに抑えながら話し始める。
「気づくって?」
「何がですか?」
「アルはナツとエルザの2人の試合の時、攻撃をする時を除いてその場から1歩も動いて無いんだよ」
「「……えぇ〜!?」」
「嘘でしょ……?」
グレイのその言葉に驚くルーシィとウェンディにシャルル。
そしてルーシィは先程の2つの試合を頭の中で思い返す。実際に見ている時には圧倒的な様子に目を奪われていたが、よくよく思い返してみると……確かに足がその場から全く動いていないことに気づき、背中に冷や汗をかいてしまう。
「付け加えるなら魔法もほぼ使っていない。武器の召喚ぐらいで後は単なる技術だ」
「それだけでナツとエルザに勝っちゃうなんて……ならアルさんの魔法って一体どんなものなの?」
「確かに……気になりますね」
「「「……」」」
「ど、どうしたの? ……え、もしかして聞いちゃダメだった!?」
ルーシィがアルの魔法について聞くとエルザ達は途端に黙り込むため、ルーシィは慌てるがエルザが口を開く。
「いや、そうでは無い。ただどんな魔法と聞かれても何と言えばいいのかが分からなかったんだ」
「俺もだ……お前もだろ? ナツ」
「ああ……」
「オイラもだよ」
皆がエルザと同じ意見の中、エルザは1呼吸置いて話し始める。
「アルの使う魔法は全てだ」
「全て??」
「ああ、全てだ。アルは私やグレイ、そしてナツの魔法など様々な魔法を使える。だから何と言えばいいか分からなかったんだ」
「「「!?」」」
それを聞いたルーシィはありえないと思った。エルザの比較的多い、換装などの魔法ならともかく、グレイの造形魔法、更にはナツの滅竜魔法という
「さすがにそれはうそよね?」
「フッ……そう思う気持ちも分からなくないが、ホントだ。私も以前うそだと思いアルに聞いたが、1度見た動きや魔法は模倣できると言われその場でナツとグレイ、そして私の魔法まで再現してみせた」
「まさか俺の造形魔法まで使うとは思わなかったさ……」
「あん時はビックリしたよな〜!」
あの時は驚いたものだとエルザ達が笑いながら言うのを見ながら、ルーシィはアルの姿を見ようとするがギルド内に姿が見えない。
「ねぇ、そのアルさんはどこ行ったの?」
「そういえばいませんね……」
「「さぁ?」」
「アルなら評議院に呼ばれたみたいでついさっき出ていったわよ?」
周りの誰も知らない中、ミラがきてアルの行き先を教える。
「評議院?」
「それって確かジェラールの時の……」
「ああ、あの嫌な連中ね」
シャルルの言い方が悪いがそれは、評議院がウェンディを悲しませたことから来る言い方である。
「何の用なんだろ? ……まさかこれまでのナツ達の問題行為についてなんじゃ……!」
「ふふっ……そうかもしれないわね」
ルーシィは思い当たるのがそれしかないので言ってみるが、ミラも否定しない為大丈夫かなとアルを心配していた。
「「大変だーーーーーーー!!!!!」」
そうこう話しているとギルドに慌てた様子で2人のギルドメンバーが入ってきた。
どうしたんだろ? と思った時大きな鐘の音がマグノリア全体に響き渡る。
──ゴーーン! ゴゴーーーン! ……───
「なに?」
「「鐘の音??」」
突然の鐘の音にルーシィ、ウェンディ、シャルルの新人三人は疑問を浮かべる。
「この鳴らし方は!」
「あい!」
「おおっ!」
「まさか!」
一方、ナツ、ハッピー、エルフマン、グレイ等昔からギルドにいたもの達は嬉しそうに叫んだ。
「「「「「「「ギルダーツが帰ってきたーーーー!!!!」」」」」」」
ルーシィは聞き覚えのある名前に近くにいたミラに尋ねる。
「ギルダーツって確かS級の人でしたよね?」
「そうよ? 大体3年ぶりね。帰ってくるの」
「3年も!?」
「ええ、ギルダーツもアルと一緒で100年クエストに行ってたからね」
「また100年クエスト……このギルドに100年クエストに行ける人って何人いるんだろ?」
「流石にそんないないわよ。せいぜいアルとギルダーツの2人だけね」
こうも100年クエストに行っている人が続くと、後はどんな人が行くのか気になってしまったルーシィ。だがミラからアルとギルダーツの2名である事を伝えられ安心する。そんな難しいクエストをあと何人も受けれるとは思いたくなかったのだ。
すると街からアナウンスが聞こえ始める。
──『マグノリアをギルダーツシフトへと移行します。住民の皆様は速やかに所定の位置に着いてください。繰り返します……』──
「ギルダーツシフト?」
「何のことでしょうか?」
「さぁ?」
「うふふ。外に出て見ればわかるわ」
ルーシィとウェンディ、シャルルはミラに言われて外に行くと……街が真っ二つに割れており、ギルドから街の入り口が一直線になっていた。
「な、なにこれ!? 街が割れてるー!?」
「ギルダーツはクラッシュって魔法を使うんだけどね? ボーっとしてると民家を突き破って歩いて来ちゃうの♪」
それだけの魔法を使うのにボーッとして民家を破壊することに驚くも、1番驚いたのは……
「その為だけに街を改造したのね……」
「スゴいねシャルル!!」
「えぇ……スゴいバカ……」
何と言っても、その為だけに街全体を改造したという何とも言えない事へと驚きだった。
────ガシャン……ガシャン……
「来たーーーーー!!!!」
「ギルダーツ! オレと勝負しろォ!!」
「いきなりかよ!?」
「おかえりなさい」
やって来たのはオレンジ色の髪をオールバックにし、少し薄汚れたローブを着ている40代程の……所謂おやじだった。
「む……お嬢さん、確かこの辺りに
「ここよ、それに私はミラジェーン」
「ミラ……? ──ずいぶん変わったなお前ー!? つーかギルド新しくしたのかよーーーー!?」
──外観じゃ気づかないのね……
心の中でそうツッコミを入れたルーシィは悪くないはずだ。
いっつもボーッとしているので、前とは見違える程に綺麗になった
「ギルダーツーー!!」
まだ来ないのか早く来い……とウズウズしていたナツがとうとう我慢の限界となり、やって来たギルダーツに炎を拳に灯しながら突っ込んで行った。
「おぉ!! ナツか! 久しぶりだなァ」
「オレと勝負しろって言ってんだろーー!!」
近付いたナツは、下限も全くしてない全力の拳を顔目掛けて放つのだが……
─────バチイィン……!!
「ごぱっ!?」
「はっは! また今度な」
ナツは上に軽々と片手で弾き飛ばされ、天井まで吹き飛んでからめり込んだ。
実力は確かであるナツがたった1発でやられたことに、ルーシィとウェンディは驚いたがアルも似たような事をしていたのでやっぱりと思ってしまった。
「いやぁ~、見ねぇ顔もあるし……ほんとに変わったな~」
「ギルダーツ」
「おぉ! マスター!! 久しぶりーーーー!!!」
「仕事の方はどうじゃった?」
「がっはっはっはっはっは!!!!」
頭をかきながら大声で笑っていたギルダーツは、周りを驚愕させる事を口にした。
「ダメだ。オレじゃ無理だわ」
なんと……
「何!?」
「ウソだろ!?」
「あのギルダーツが……」
「クエスト失敗……!?」
アルと同じくギルドの最強筆頭であるギルダーツのクエスト失敗に、ギルド内にいるメンバー全員が言葉を失った。
ギルダーツとはそれ程の実力者なのだ。
「そうか……ぬしでもダメか……」
「すまねぇ……名を汚しちまったな」
「いや、無事に帰ってきただけで良いわ。ワシが知る限り……このクエストから帰ってきたのはお主だけじゃ……それにアルが先日、別の100年クエストを達成させおったからな。ギルドの名も安心じゃ」
「へぇ〜! アルがか! そいつはめでてぇな! ……にしてもアルのやつやっぱ強ぇーな……!」
今度はギルダーツが驚いていた。自分のいない間にアルが100年クエストをクリアしていたからだ。そしてアルの強さを認めているような事を言っている。その事に疑問を持ったマカロフが尋ねる。
「ん? お前さんとアルは戦ったことなんてあったかのう?」
「ああ、3年前のクエスト前にそこそこ広かったバル島で戦ったんだよ。そん時は決着が着く前に島が粉々に……あ」
言ってる途中で分かりやすく「しまった」と表情にでるギルダーツ。
ちなみにバル島とは3年前に突如として消えてしまった島だ。故に当時世間では話題となり、色々な噂が広がり雑誌にも掲載されていた為ルーシィも知っていたが、まさかアルとギルダーツの2人の仕業とは思わず驚く。そしてマカロフもその事を知り驚いていた。
「なんじゃと!? あれをやったのはお主らだったのか!?!?」
「い、いや〜ハハハ! よ、よーし……疲れたから帰るかな〜……ナツ〜! 土産があるから来いよー!」
「壁壊すなよ!」
ギルダーツは焦りながら言うと、壁を壊しながらさっさと帰っていく。
「全くギルダーツめ! 後でアルにも聞かんといかんな……」
マカロフはギルダーツが帰ってしまった為、アルに事情を聞くことを決めていた。
--アルさんでも問題起こすことあるんだ……--
ルーシィは好印象だったアルの意外な一面を知ってしまった。
──評議院
「くしゅん! ……風邪か?」
「アル殿、どうされた?」
「いや、何でもない」
「そうか」
ギルダーツがギルドに帰ってきているその時、アルは呼び出され評議院に来ていた。
--いきなり何で呼ばれたんだ? やっぱり問題起こしまくったからかな……はぁ……--
アルはそれしか無いと思い、心の中でため息をついていると1つの門の前に着いた。
「ではアル殿。この中にお入りください。中に議員の皆様がおられますので」
「分かった」
そう言ってアルは門を明け、中に入る。
中には中心に塔のようなものがあり、その上に人が立っている。その周りには4体の翼を持った女性の像が塔を囲むように建てられており、それぞれ手のひらに人が立っている。
「来たかアル」
そうアルに話しかけたのはグラン・ドマ。新生評議院の議長だ。鎧を全身に纏っており、老人でありながらその佇まいは武人そのものだ。
「ええ、急に呼び出されて驚いきましたが……それで要件は?」
「うむ、では単刀直入に言おう。アル。お前を聖十大魔導士に任命する」
「ほぉ……」
聖十大魔導士……それはこのイシュガル大陸の中で最も優れた10名の魔道士に与えられる称号だ。その称号を得ているのは
そしてその称号が今アルに与えられた。
「なぜオレが?」
「うむ、お前は100年クエストをたった1年で達成してみせた。その偉業を称えたまでだ」
ドマ議長の言い分は至極正当だ。だが、この聖十授与の真の狙いは評議院にとって不確定要素になり得る危険人物に首輪を付けることで、評議院の立場を守るといった事だ。
「なるほど……一応聞きますが拒否権はありますか?」
「なに? どういうことだ?」
思いもしない言葉にドマ議長が聞き返す。
そもそも聖十大魔導士という称号はもらおうとしてもらえるわけでは無く評議院が認めた人間にしか与えられない称号だ。それを拒否する者など一部の例外を除きいるはずがない。
「ですから拒否権です。だってオレは称号なんていらないですもん」
だがアルはその一部の例外の内の1人であった。
アルにとって聖十とは、単なる飾りにしか思えず興味が全く無いのだ。だからこそ、そんなものをもらっても全く嬉しくなく、むしろ邪魔と考えていた。
しかし、そんな事を言われて黙っている評議院では無い。
「何だと!?」
「何て無礼なやつだ!!」
「身の程を弁えろ!」
アルの発言に対して、ドマ議長の周りにいた議員達から怒りの声が湧く。
「静まれ」
だがドマ議長の一言でさっと静まり返る。
「アルよ……これは強制だ。拒否権など無い。大人しく受けてもらおうか……でなければ
「それは脅しですか?」
「そうだ。さぁどうする? アル」
「……」
その言葉にアルは黙る。それを見た議員達はアルが怖じけずいたと思ったのか次々に罵詈雑言を浴びせる。
「ふん! 所詮はただの小僧か!」
「黙りだなんて随分臆病なこと!」
「
「いっその事今からギルドを潰してもいいんぞ!」
「……いい加減にしろよ? お前ら」
「「「「「……ッ!?」」」」」
そのアルの言葉と同時に膨大な魔力がアルの身体から放たれ、周囲に突風が吹き荒れる。その口調は先程までと違い敵意に満ちていた。
「これ以上
瞬間、議員達に殺気が放たれる。
「「「「「「……ッ」」」」」」
その直後、1人、また1人と身体に異常をきたす。ある者は膝を着きながら座り込み身体を震わせ、ある者はあまりの恐怖で失神し倒れ込む。
「まぁ、うちのギルドが問題行動を起こしているのは否定出来ないからな……聖十の称号は貰っとくよ。これでいいか? 議長?」
「……あ、ああ」
アルの言葉に返事を返すドマ議長。だがその顔は汗だくであり、息も乱れていた。
返事を聞いたアルは帰ろうと入り口に行き、門を少し開けると何かを思い出したかのように議員達のいる方へ振り返る。
「……これは警告だ。もし本当にギルドに手を出すつもりなら次はその程度じゃすまないからな……覚えとけ……!」
そう言い残すと今度こそアルは出ていく。
お気に入り登録者も100人を越えましたのでオリジナル回を執筆したいと考えてます!(ミラとのデート回、ギルダーツとの過去の戦い)等