「フォッフォッフォッ」
街を破壊しながら、粘液をばらまき人を消す。
そんな怪物が、白昼堂々現れた。
「撃って!撃って!撃ちまくれ!!」
「アビドスの連中に負けるなよ!」
アビドス高等学校の生徒と
カタカタヘルメット団所属の不良達が避難誘導をしながら、
ケムール人へと只管に撃ちまくる。
それが煩わしいのか、あろうことか民家を引き抜き生徒へ
投げ付けようとする。
「ひっ……逃げろ!逃げろ!!!」
いくら生徒でも、
質量物を30m以上の高さからぶつけられるエネルギーで
簡単に死ぬ。そう、死んでしまう
「アビドス高等学校へ、此方GUTS顧問イルマ・メグミ。
援護します」
「デギサスビーム!発射!!」
それはガッツウィング2から発射される怪獣を
一撃で屠る為に作られたビーム砲。
ケムール人の胴体を貫きそこを墓場へと変える。
デギサスビームはウルトラマンティガの世界でも、
怪獣を討伐し、ましてやネクサスに登場した
フィンディッシュタイプ・ビースト『ノスフェル』すら、
瞬時に倒してみせたほどの火力を有する機体だ。
しかもマッハ4と高速飛行も可能な万能機。
それに、ミレニアムが埃をつもらせる筈がない。
「……ティガ」
「凄い……ガッツウィング2号のデギサスビームだ。
ケムール人を一撃だなんて」
「ん……GUTSは凄い」
ケムール人を倒し、落ち着いた話をする為アビドス高等学校の
校庭に着陸をする。すると先生は歓喜の声を上げた。
皆生徒だろう、しかしその身に纏うそれはGUTSの制服だった
からだ。
「はじめまして、シャーレの先生。
私は、GUTS2代目顧問イルマ・メグミと申します」
「えと、シャーレの先生です。
あの、ユウカからはそのオペレーターしか」
「そいつは嘘です。
我々はGUTS解散後キヴォトス各地へ赴き、
各学園で対怪獣災害及び異常事件の顧問やアドバイザー
となり秘密裏に活動していたんです」
そういうのはセイとローマ字で背中に名前が記載された隊員だ。
「始めまして、ムナカタ・セイ。
基本はゲヘナで活動しています、部長。お久しぶりです」
「チーフ、部長は止めて。私達はもう卒業した身分よ。
今はミレニアムに養われているに過ぎないわ」
「しかし、今回の一件を顧みればGUTSの再結成は」
「SRTも閉校間近、今の連邦生徒会に私達が働きかけるのは
難しいわ」
ムナカタとイルマは辛そうな目をする。
しかし、そこに一人の大人が居た。
「なら、私が動こうか?シャーレの権限なら」
「駄目、多分無理」
しかし、それをバッサリと斬り捨てたのはホシノだった。
「先生、先生は確かにシャーレという超法規的立場に居るね。
でも、GUTSもそうだった。判るかい?
潰される時は潰されるのさ、それに新生したGUTSは何処の
管轄になるのかな?」
「それはシャーレの」
「無理だね、君は連邦生徒会長直々に選ばれた存在だ。
もし、GUTSの任務、超常現象や怪事件の捜査をだ。
でも、そこでシャーレの先生まで付き添うのかい?
それに、これらの武装はあくまで怪獣や宇宙人にのみ
向けられるもので、人類同士の争いへの使用は
禁じられている」
「何でホシノはそこまで」
「マドカ・ダイゴは私の…私達の先生だ。
アビドスにとってGUTSはある意味姉妹なんだよ。
だからこそ言える、シャーレが独自の武力を持つのは危険だ。
それが人類に向けられる事が無いとしても、
持っているのは駄目なんだ」
「なら、何故ミレニアムは」
「アドバイザーという立場だからです。
我々はあくまでも各学園のアドバイザー、
ミレニアムからは装備を貸し与えられているに過ぎない。
という事です」
「それに、GUTS解散に伴って連邦生徒会は各種メカニックを
接収しようとしていましたが、マドカ先生の根回しにより、
それは不可能でありました」
「不可能?」
「はい、契約時に総ては管理者及び開発者に帰属する。
この一文が連邦生徒会だけでなく、各学園に送付されており、
GUTSの装備が連邦生徒会ではなく
ミレニアムとオデュッセイア管理と成りました。
無論、その後に連邦生徒会を通してではなく各学園と協議し、
アドバイザーという名目でGUTSも存続されていますが」
「…とりあえず、とても面倒な立場だと言うのは理解できたよ」
ホシノはらしくない事をしたとでも言いたげな顔で再び話す。
「気を付けな、シャーレもGUTSと同じく狙われるよ。
先生、腹芸とか苦手で人を直ぐに信じようとするタイプと見た」
「え?…何で」
「それぐらい判るさ。信じようとして、裏切られたと思って
責任転嫁して、もっと言えば大切な人を失うタイプだ」
「え?何の」
「……違う、これは関係ない。気にするな。
それよりもだ、GUTSが来たんだ。アビドス生徒会長として
要請する。エイリアンもとい、誘拐宇宙人ケムール人に
の母船の発見及び、被害者の救出に力を貸して欲しい。
シャーレの先生、そしてGUTSの顧問イルマ・メグミさん」
「うん、私はできることをするよ!」
「我々はもとより」
そして一瞬だけだったがホシノの視界に見慣れた制服が映る。
白を基調とし《DAIGO》と背中に描かれたGUTSの制服。
「え………」
その制服を来ていた存在が振り返る。
「ホシノ?どうし」
「先生……マドカ先生!!!」
ホシノは駆け出す、何故?どうして?疑問は付きない。
でもそこにいるのだ、大切な人が目の前に。
「……これは」
しかしダイゴが立っていた所にあったのは、
机に飾られている筈のティガの人形だった。
ダイゴが大切に所持していた人形。
それが何故かここにある。
「………それ、ティガの人形だよね」
「マドカ先生の遺品だよ、何でここに」
理解ができないが、今はそれを考えている余裕は無い。
「シロコ、アビドス自治区全域に厳戒態勢を!
分校に残るメンバーはGUTSのバックアップ要員と、
戦闘要員を必要最低限。他は皆帰宅させて」
「ん!」
「セリカは私達と戦闘要員。
アヤネはバックアップチームのリーダーとして、
オペレーションをお願い」
「はい!」「了解です!」
「イルマさん、GUTSは」
「私も向かいます。
ガッツウイング2号機にはアレも積んでありますから」
そう言うとガッツウイング2号機の格納スペースが開き、
中から見慣れたハンヴィーがでてくる。
「……おかえりなさい」
「このハンヴィーも、やっと出番です。」
「始めまして、シンジョウです。射撃なら、SRT、1。
キヴォトスでもですがね」
「ホリイ・マスミです。科学者してますわ。
宜しくお願いします。本当は、後二人居るんですが、
ミレニアムでお留守番です」
「皆、わかっているわね。既に被害者は出ている。
確定しているのは2人、
でももっと居ると仮定して良いでしょう。
レナは今」
「ガッツウイング1号機で哨戒をしています。
ソナーも搭載していますから、見つけられるはずです」
「ヤズミ、ミレニアムの方は」
『ミレニアムは現在、各学園からGUTSが動いた事で
説明を求める連絡が……今、私が対応していますが』
先生は聞こえてくる声が恐らく最後のGUTSの隊員だと判る。
ヤズミ、皆、原作に似た名前をしている。
『部長、エイリアンの宇宙船らしき物を発見!』
「よくやったわ、ホシノさん」
「うん、アビドスの攻撃部隊。
私、シロコ、セリカはバギーへ!
今回は大暴れしていいよ!ノノミを取り戻す!」
「ん!!」
「セリカは何時でもミサイルかロケット撃てるようにして!
宇宙船が飛んだ時、確実に落とす準備を!!」
「え?!落とすの?!」
先生の言葉にホシノは目線を向けて話す。
「侵略者は倒さなくちゃいけない!ましてや、
誘拐宇宙人なんて生かす理由がないよ!」
キヴォトスはここ数年で、
怪獣や宇宙人による被害で数多の死傷者が出ている。
きっと優しい宇宙人も居るだろう。
だが、少なくとも今回の宇宙人は敵だ。
「イルマ部長!ハンヴィー、用意できました!」
「ん!!ホシノ先輩、何時でも行ける!」
「先生はもう一台あるバギーで来て!
ユメ先輩、宜しく!!」
「ちょっと、ホシノちゃん!?」
「ムナカタリーダー、任せたわよ」
「任せてください、部長」
銃座に座るシンジョウ、運転席のムナカタ、
助手席で通信機を操作するホリイ。
「GUTS出動!」
ハンヴィーもバギーを追いかけるように走る。
イルマはそれを見送るとガッツウィング2号機に乗り込む。
「……先生、どうしました?」
「あっ…えと……格好いいなと」
「でしたら、作戦後に。ミレニアムに来て頂ければ、
搭乗も可能ですので」
「ぜひ生きます!!」
そう言いながらガッツウィング2号機が飛ぶのを見送る。
「先生、私達もいきましょう!」
「うん!ユメ」
こうして、ケムール人宇宙船制圧作戦が始まった。