ブルアカに生徒以上の神秘を入れてみた   作:影後

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表裏の巨人

「……シェア」

 

ファイティングポーズを解いたティガダークは

光のエネルギーをウルトラマンティガに与える。

カラータイマーの点滅が消えた事に驚き、

ティガはティガダークから一瞬だが視線を逸らした。

 

「シェア!」

 

ティガダークはそのままティガパワータイプの顎を砕かんと、

光の力を持ったアッパーカットを叩き込む。

ティガダークは闇の巨人だ。

しかし変身者たるマドカ・ダイゴは『光』であり、『人』、

そして『ウルトラマン』である。

相反する力だが、ダイゴの知ったことではない。

少なくとも、俊敏性は此方が上なのだ。

 

ふらつきながらも起き上がるティガパワータイプの足元に

蹴りを入れ、再び転倒させる。

 

「ウェア?!」

 

そして、ティガパワータイプの頭を掴むとそのまま

連続して膝蹴りを与えていく。

 

「デュア!デェア!」

 

「ジェア!」

 

だが、ティガパワータイプも負けては居ない。

顔面に迫る膝を頭で受けた瞬間、ティガダークの

片足を腕で薙ぎ払う。

 

「?!」

 

攻撃力と防御力で勝っていても、俊敏性では負けている。

ならば、全てが勝っている上位互換ならばどうだと。

一度距離を取り、ティガマルチタイプへと

タイプチェンジを行う。

 

「ハッ!」

 

「……!」

 

ティガダークは遠距離攻撃は持っていない。

得意の肉弾戦で相手を倒して居たからだ。

今回もティガマルチタイプに向かって走る。

 

「ハッ!」

 

だがハンドスラッシュがティガダークに向けて迫る。

両腕をクロスさせ、防御しながら走るが、

ティガダークは火花を散らしながら倒れ込む。

 

「ジェ………ア………」

 

「ハッ…」

 

ティガダークが立ち上がり、

ティガマルチタイプに迫ろうとすれば距離を取り、

遠距離から攻撃を与えこむ。

ティガダークに防ぐ手段はない。

もし、心から闇の巨人であればこのようなダメージも

気にすることなく進むことができただろう。

今更ながら、何故敵に塩を送ったのかと過去の自分を

殴りたい。

だが、負けられない。

ここで自分が負ければホシノの未来がない。

マドカ・ダイゴの偽物と訴えたところで、

信用するのはシロコのみ。

他の人間はティガに変身したマドカ・ダイゴこそ、

本物だと言うだろう。

だから、負けられない。

あの偽物を倒し、完全に元に戻る必要がある。

ティガダークは砂を手に掴みながら、勢いよく立ち上がる。

どんな卑怯な手だろうと、勝たなければ意味がない。

今、ティガダークが相手に生きているのは、

超古代最強の巨人なのだから。

 

「ハッ!!」

 

砂漠の砂を巻き上げながら、ティガダークは回る。

ティガダークを中心に砂嵐が巻き起こり、

ティガの視界を奪う。

 

「ウェア?!」

 

「ダァ!」

 

砂嵐となったティガダークはティガマルチタイプを捕まえ、

砂嵐の中で殴り合う。そう、ここはデスマッチの会場。

巨人を入れる棺桶だ。

 

「フッ」

 

だが、デスマッチとなればこの男。

マドカ・ダイゴが負ける事はあり得ない。

 

「ジュア?!」

 

ティガマルチタイプを遥か上空へと吹き飛ばす。

そして、自分の肩の上にティガマルチタイプを仰向けに乗せ、

顎と腿を掴み、自分の首を支点とし相手の背中を弓なりに

反らせながら落下する。

 

(アルゼンチン・バックブリーカーいや……

彼の技の名を借りよう。タワーブリッジだ!)

 

「ウェア?!!!」 

 

砂嵐が消え、ティガダークの上で海老反りになる

ティガマルチタイプ。

 

「アレって……アルゼンチン・バックブリーカー?!」

 

「知っているのか?!」

 

「うん、背骨を折る程に強力な技だよ」

 

「そんな…だとしたらティガの偽物に」

 

悲痛な声と頑張れという声が聞こえる。

ホシノに対する罪悪感、他の生徒達への哀しみ。

其れ等全てを晴らす為に、

ティガダークはより力を込めていく。

ゴギュリという音が響くが、ティガダークは更に

タワーブリッジを仕掛けて行く。

 

「そんな……止めて………止めてぇぇぇぇ!!!」

 

「ウェア?!」

 

それはマドカ・ダイゴのハイパーガンだ。

梔子ユメはただ、ティガをマドカ・ダイゴを護ろうと、

ティガダークへ、マドカ・ダイゴへハイパーガンを撃つ。

それが目だった。

肉体への攻撃ならティガダークも耐えられた。

しかし、目となれば別なのだ。

目は守るものがなく、激しく痛む。

そのせいでタワーブリッジが弱まってしまう。

 

「ンンンン……ハッ!」

 

そして、ウルトラマンティガの額が輝いた。

再びのパワータイプにタイプチェンジすると、

ティガダークの懐に強烈なパンチを叩き込む。

 

「ウゥ……」

 

両者ともにカラータイマーが点滅し始め、

少しずつタイムリミットが迫っていく。

ウルトラマンティガは光の力で回復したと言っても、

イーヴィルティガに足を折られるなどの怪我は完全に

治っていない状態で更に背骨に激しいダメージ。

ティガダークはそもそも完全に回復していない状態かつ、

麻酔状態な上、光の力とデバフの嵐。

正直、マドカとしては先に音を上げるのは自分だと

理解できている。

それに先程の狙撃で視界が悪い。

何とか起き上がると、ティガダークの死は目の前だった。

ウルトラマンティガは再びマルチタイプへと

タイプチェンジし、両腕を腰の位置まで引く。

前方で交差させた後、左右に大きく広げて光を変換した

破壊エネルギーを集約し、L字型に腕を組んで

右腕全体から放つ白色の超高熱光線『ゼペリオン光線』を

ティガダークに向けて放った

 

(……俺は、光だ)

 

「ティガダークが……光って」

 

それはマドカ・ダイゴという人間の光。

闇すらも光に変える、真の光。

 

「先生…マドカ先生!!!」

 

ホシノが叫ぶ、知っているからだ。

その光と、その最期を。だが、今回は違う。

 

「ティガダークが……ゼペリオン光線を……吸収してる」 

 

闇から光に変えるなら、

闇を光に変えるために光を使ってもできるはずだ。

そう、マドカ・ダイゴは光であり、人であり、ウルトラマン。

 

「……帰ってきた。アビドスへ…!ウルトラマンティガが!」

 

シャイニングティガ。

金色の光、グリッターではなくマドカ・ダイゴ個人の光。

護りたい、守りたい、衞りたい。それだけの心。

自身を顧みず、誰かの為に立ち上がる。

犠牲に涙しながらも、その犠牲を最小限にしたいという

男の心の哀しみと、優しさの光。

 

「「フッ………トゥア!」」

 

そして、2人のウルトラマンティガは同時に

ゼペリオン光線を放つ。

だがただの光の巨人と、

光になる事を恐れない一人の男では力には激しい差があった。

 

「デュァァァ?!!!」

 

激しい爆発と光りに包まれアビドスは夜にも関わらず、

昼並みに明るくなる。

 

「………ティガだ」

 

「ティガの巨神」

 

それは神々しく瞬き闇を照らす神秘の光。

 

「シャイニングティガ、人の至る究極点。

キヴォトスの外から来た貴方の見出した神秘ですか!

あぁ、素晴らしい……温かく、優しい光だ」

 

黒服もそう思えるほどに慈愛に満ちた光。

それがシャイニングティガから放たれる。

 

「マドカ先生?」「お義父さん?」

 

ーコクリ

 

シャイニングティガは頷くと、

ホシノとシロコを掌に乗せアビドスへと戻る。

 

「……ホシノちゃんに…シロコちゃんも」

 

「梔子ユメ……お前は、お前は偽者も判らないのか!

あんなに一緒にて!私よりも…マドカ先生の愛を受けたのに」

 

「そんな……ティガは先生で」

 

シャイニングティガが消え、

襤褸布をまとった男が姿を見せる。

 

「…う……そ……先……生」

 

ウルトラマンのダメージがフィードバックしているのか、

左目からは血が滴っている。しかし、男は、

マドカ・ダイゴはそこに居た。

 

「……俺は倒す、闇を……闇の眷属を……

ユザレとの……約束を」

 

だが、もう一人ボロボロの男、ティガがそこにいた。

 

「ホシノ、リボルバーを返してくれ」

 

「はい……先生」

 

「……貴様」

 

「貴方の事は、先人として尊敬する。

だが……俺の生徒を傷つけた奴を、許しちゃおけない」

 

「よせ!やめろ!!」

 

ウルトラマンタロウがウルトラ念力を使うが、

謎の力に防がれリボルバーから弾丸が放たれる。

そして、放たれた弾丸はティガの心臓を一発で撃ち抜いた。

 

「眠れ、光の中で……」

 

ティガはGUTSの制服を残し、塵となって消えた。

血もなく、ただ塵としてアビドスの大地に帰ったのだ。

 

「………マドカ……先生?」

 

「帰ってきた、俺は。闇の中からな」

 

慣れた手付きでリボルバーから弾を抜き、ホシノに手渡す。

 

「Welcome to Abydos.

シャーレの先生、そしてウルトラマンタロウ。

アビドス高等学校校長マドカ・ダイゴだ。

よろしく頼む」

 

マドカはシャーレの先生とタロウへ手を伸ばした。

 

 

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