13番目のプルと赤い彗星   作:サクラモッチー

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今回も毎度お馴染み日常回です。
ちょっぴりシリアス要素があるかも?


ジェラート

宇宙世紀88年5月。

季節が春から夏に移っていく頃、私とシャアは最近街に新しく出来たジェラートが美味しい店に来ていた。

アレッサによれば、その店のジェラートはとっても美味しいらしく、私はウキウキワクワクとした様子でその店に向かおうとしたのだけど......どういうわけか、シャアもその店に興味を示したので一緒に行くことに。

それにしても、ジェラートかぁ。

パパと一緒に観光牧場に行って食べたっきりだなぁ。

 

「いらっしゃいませ〜!!」

 

私とシャアが店内に入ると、元気良く挨拶をする店員さん。

その店員さんの前には色とりどりのジェラートがあって、私はその光景に思わず見惚れていた。

一方のシャアは、ジェラートが並ぶショーケースを一言も言わずジッと見つめていた。

 

「どれも美味しそうだな〜」

 

この店ではたくさんのフレーバーのジェラートが売りらしく....私はこの店の策略にまんまと引っかかったのか、どのジェラートにしようか迷っていた。

それはシャアも同じだったのか

 

「ミルクやチョコ、ピスタチオはともかく....変わったフレーバーもあるのだな」

 

きな粉や日本酒といった変わり種フレーバーを見ながら、そう言った。

....そういうところはちゃんと見るんだね。

 

「あ、本当だ。ジャーヴィスって細かいところまでよく見るんだね」

「.....まぁな」

 

私の顔を見ながらそう呟いた後、再びショーケースを見るシャア。

それから一分後....悩みに悩んだ末に私はチョコとミルクのジェラート、シャアはイチゴとコーヒーのジェラートを買った。

そして、私とシャアは店の近くのベンチでジェラートを食べ始めた。

ジェラートの味はとても美味しくて、私は足をバタバタとさせながらジェラートを堪能した。

そして、シャアもまた私と同じような感じだったのか....美味しそうにジェラートを食べていた。

 

「ねぇジャーヴィス、一口もらっても良い?」

「別に構わんが....」

 

そう言った後、ジャーヴィスのジェラートを食べる私。

うんうん、こっちも美味しい!!

私はジェラートを満喫しつつ、そんなことを思っていると

 

「.......」

 

シャアは何故か難しい顔をしていた。

 

「....どうかしたの?」

 

私がそう尋ねると、シャアは空を見上げながらこう言った。

 

「.......一ヶ月前、お前の家にトラヴィス・カークランドが来た時、私は自身が犯した罪を罰する時が来たのだと思った」

 

自身が明かした罪。

その言葉を発したシャアの顔は、自分が愚かだと言わんばかりの顔をしていて......その言葉を聞いた私は、シャアが過去に何かとんでもないことをやったのだと察した。

 

「私は、復讐のためにシャア・アズナブルという人間を演じてきた。いや、それだけではない。私は.......自分の目的のために、一人の少女の心を踏み躙った。だからこそ、私はその過去を蔑ろにして今を生きている自分が許せないのだ」

 

シャアがそう語る言葉一つ一つに今までやってきたことに対する後悔の感情が滲み出ていて、それはまるで、過去や今現在を含めた自分を許せないというような雰囲気だった。

そんなシャアの本音を聞いた私は、チョコ味のジェラートを食べると一言だけこう言った。

 

「....パパが言ってたけど、人生っていうのは後悔ばっかりなのが当たり前なんだって。でも、一番大事なのはやらかしたことをいつまでも後悔するんじゃなくて、そのやらかしを自覚して前を向くことだって」

「!?」

「だから、それが出来ているジャーヴィスは立派だと思うよ?」

 

私がそう言うと、ジャーヴィスはハッとした顔になると

 

「.....お前には助けられてばかりだな」

 

私に向けて、そう言った。

そう言うシャアの顔はとても柔らかく、優しげだったので、その顔を見た私は彼は彼なりに過去と向き合おうとしていることを理解したのだった。

 

「そう?」

 

シャアの言葉に対し、そう呟いた後....今度はミルク味のジェラートを食べる私。

そんな私を見たシャアはフッと笑うと、イチゴ味のジェラートをパクリと食べた。

 

世界はまだまだ争いの真っ只中だけど....たまには、こういう日があっても良いよね?

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