13番目のプルと赤い彗星   作:サクラモッチー

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シリアスが続いたので日常編。
あと、宇宙世紀88年編はもう少しで終わるかも?


クリスマス

宇宙世紀88年12月。

シャアの怪我は完全に回復し、前と同じようにジャーヴィスとしてパン屋の仕事に復帰した。

ミルドレッドおばさんはシャアに対して何も聞かなかったものの、居なくなった分の仕事をシャアにやってもらったとか。

....ミルドレッドおばさんって色んな意味で凄いなぁ。

 

そして....あの日以降トラヴィスおじさんはシャアと仲良くなるという名目で、我が家でやって来てはシャアと一緒にお酒を飲むようになった。

でも、その度に酔い潰れているから、パパに怒られているけど。

それでも、シャアとトラヴィスおじさんは少しずつだけど仲良くなりつつあるみたい。

この前なんか、トラヴィスおじさんはシャアに対して彼女が出来ないって愚痴ってた。

 

パパはパパで、相変わらずのんびりゆっくりお医者さんとして頑張っている。

ただ....いつ戦時派遣医師団に参加するかは分からないって言ってたから、ひょっとしたらパパはしばらく家を空けるかもしれない。

まぁ、世界は今戦争真っ只中だから仕方ないけどね。

 

とまぁ、そんなわけで....私とシャアはいつも通りの日常を謳歌していて

 

「メリークリスマス!!」

 

今はパパ・シャア・トラヴィスおじさんと一緒にクリスマスパーティーをしている。

テーブルにはチキンやケーキ、サラダやスープなどのご馳走が並んでいて....みんなそれぞれ料理を堪能していた。

 

「いや〜....しかし、今年は色々あったとはいえ、無事にクリスマスが過ごせて良かったな」

「だね!!」

 

トラヴィスおじさんの言葉に対し、そう答える私。

うん、確かに今年は色々あったけど....それでも、毎日楽しかったな。

そう思いながら、ガーリックトースト(シャアお手製)を食べる私。

ふと、シャアのことが気になった私は彼の方を向くと.....シャアはチキンをモグモグと食べていた。

........何か食べ方が上品だなぁ。

 

「....何だ?」

「あ、いや、ちょっとジャーヴィスの食べ方が綺麗だなって思っただけ」

 

シャアの言葉に対し、私がそう答えると.......彼はしばらく黙った後

 

「....そうか」

 

フッと笑いながら、そう呟いた。

....そういえば、最近のシャアは何かしらの意味を含めた笑みじゃなくて、純粋に楽しそうにしている方の笑みを浮かべることが多くなった。

それはきっと、シャアを縛っていた何かから解き放たれたってことなのかな?

 

「ところで....このガーリックトースト、マジで美味いな」

「それは僕も思った」

 

シャアの作ったガーリックトーストを美味しそうに食べながら、そう言うトラヴィスおじさんとパパ。

確かに、シャアの作ったガーリックトーストは美味しい。

というか、本当に悔しいって思うぐらい美味しい。

 

「別に大した材料は使っていない」

「てことは....愛情をたっぷり入れたのか?」

 

シャアの言葉に対し、トラヴィスおじさんはふざけた様子でそう言うと

 

「..........」

 

シャアは分かりやすく顔を背けた。

その様子を見たトラヴィスおじさんは、ニヤニヤと笑いながらシャアに対してこう言った。

 

「まぁ、料理には愛情が不可欠って言うもんなぁ」

 

トラヴィスおじさん......間違いなく酔ってるね。

てか、お酒を何杯飲んだんだろ?

この様子だと悪ノリしそうだなぁ。

と、そんなことを思っていたら.....シャアがおもむろにラッピングされたプレゼントのようなものを渡してきた。

これって.....!?

 

「もしかして、クリスマスプレゼント!?」

 

私がそう叫ぶと、シャアはフッと笑うと.......こう言った。

 

「メリークリスマス、パンジー」

 

もぅ!!カッコ良すぎるよ!!

てか、シャアの渡し方が大人すぎて大人の世界を垣間見てる感じがしちゃうな。

しかも、ラッピングも可愛い感じだし......どんな物なのかな?

そう期待しつつ、プレゼントを開けると

 

「わぁ....!!」

 

そこには、可愛くて綺麗な髪飾りが入っていた。

 

「何これ!?めっちゃ可愛い!!」

 

髪飾りを手に持ちながら、そう叫ぶ私。

そんな私を見たパパとトラヴィスおじさんはニコニコ笑っていて、そのプレゼントを渡した張本人であるシャアはクスッと笑っていた。

 

「ねぇジャーヴィス、これって高かったんじゃないの?」

 

私が恐る恐るそう尋ねると、シャアは優しい笑顔を浮かべたかと思えば....私に向けてこう言った。

 

「心からの贈り物に値段など関係ない。だから、受け取って欲しい」

 

......心からの贈り物、か。

何だか、カッコつけたことを言ってるなぁ。

まぁ、シャアはカッコいい部類の男だから許されるかもしれないけど。

そう思いながら、髪飾りを付ける私。

 

「....どう?似合う?」

 

私はシャアに対してそう聞くと、彼はフッと笑ったかと思えば.....こう言った。

 

「あぁ、よく似合っている」

 

私の髪飾りを褒めるシャアに対し、完全に酔っ払っていたトラヴィスおじさんは肘でちょんちょんとしながら、こんなことを言った。

 

「おいおい、クリスマスだからってパンジーを口説いてるんじゃねぇだろうな?」

 

トラヴィスおじさんがそう言うと、パパはニコッと笑いつつおじさんを牽制した。

そんなパパの視線を感じ取ったトラヴィスおじさんは、悪かったよと言った後.....水を飲み始めた。

 

クリスマスプレゼントか.....あっ!!

 

「ジャーヴィス、ちょっと待っててね!!」

 

私はそう言うと、みんながいる部屋を出ると.......別の部屋にあったプレゼントを手に元の部屋に戻った。

そして、そのプレゼントをシャアに渡すと

 

「これ、私からのクリスマスプレゼントだよ!!」

 

彼に向けて、そう言った。

一方、シャアの方はそのプレゼントに驚いていて....

 

「....いいのか?」

 

と言っていた。

 

「もちろん!!良いに決まってるでしょ!!」

 

私がそう言うと、シャアは少しだけ嬉しそうな顔になった後、プレゼントを開けた。

そのプレゼントの中には、星の形をしたネックレスが入っていて

 

「これは....」

 

それを見たシャアは目を見開きながら驚くと、私に対して微笑みながらこう言った。

 

「パンジー、ありがとう」

 

シャアのその顔には、嘘偽りのない笑顔が写っていて.....それを見た私は不覚にもドキッとしたのは言うまでもない。

そんなわけで、クリスマスパーティーを楽しむ私達なのだった。

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