13番目のプルと赤い彗星   作:サクラモッチー

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前回の続き。


来訪者:後編

アンネローゼさんにジャーヴィスの正体がバレてから数週間後、我が家にはある程度回復したクロエさんとアンネローゼさんの他に、トラヴィスおじさんやヴィンセントさん....そして、シャアがいた。

そして、みんなが揃ったことを確認したパパは一言、我が家で居候しているジャーヴィスはシャア・アズナブルだと伝えた。

それを聞いたアンネローゼさんはやっぱりという顔になっていたのに対し、ヴィンセントさんは驚いたような顔になっていた。

まぁ、行方不明のはずの男が目の前にいたら驚くよね。

 

そして、パパの口からシャアがここで居候している経緯を語ると、ヴィンセントさんは

 

「ベネット先生は何者ですか!?」

 

と尋ねていた。

うん、その気持ちはすごく分かるよ。

ちなみに....ヴィンセントさんの言葉に対し、パパは自分はただの町医者だって言ってた。

....いや、ただの町医者ならシャアがフツーに暮らせるようにする手筈はしないでしょ。

 

「というわけで....今、君達の目の前にいるのがシャア・アズナブル本人だ」

 

ヴィンセントさん達に対し、ニコニコ笑いながらあっけらかんな様子でそう言うパパ。

ねぇパパ、そういうのはもっと緊張感を持って言おうよ。

 

「....ジャーヴィス・キャメロン改め、シャア・アズナブルだ。最も、この名はもう使っていないがな」

 

シャアがそう言うと、本当にシャアだったのねと呟くクロエさん。

アンネローゼさんはアンネローゼさんで、やっぱりかと言う顔になっていて、ヴィンセントさんは未だに信じられないのか、呆然とした顔になっていた。

そして、シャアの顔を見ながらこう言った。

 

「......シャア・アズナブルを名乗る奴がハマーンのところに行ったっていう噂はデマじゃなかったのか」

 

あ、そういえば、あの時のシャアはハマーンのところに行ってたっけ?

んで、ボコボコにされた状態でトラヴィスおじさん達に救出されたんだよね。

 

「あぁ、そうだ。んで、俺がその時のシャアを救出したんだよ」

 

ヴィンセントさんに対し、自慢げにそう言うトラヴィスおじさん。

なお、トラヴィスおじさんのその言葉を聞いたシャアは苦い顔をしていたのは言うまでもない。

 

「はぁ!?それ、大丈夫なのか!?」

「心配すんな、そこはティターンズの仕業にしたわ」

「そこのどこに安心しろと!?」

 

あ、良かった。

ヴィンセントさんもトラヴィスおじさんのヤバさは分かってるんだね。

 

「あ、あの....シャア?さん」

「ジャーヴィスでいい」

 

クロエさんの言葉に対し、そう答えるシャア。

何だかんだで、シャアはこの名前が気に入っているんだよね。

 

「じゃ、じゃあジャーヴィスさん....あなたは普段、何をしているんですか?」

「普段はパン屋で働いている」

 

シャアがそう言うと、飲んでいた水を吹き出すアンネローゼさんとヴィンセントさん。

あ、そっか。

赤い彗星がパン屋で働いている時点で水を噴き出す案件だよね。

 

「ジャーヴィスの作るパンは美味しいんだよ!!だよね!!トラヴィスおじさん!!」

「おぅ!!何だったらジャーヴィスはパン屋の後継者候補だからな!!」

 

私とトラヴィスおじさんがそう言うと、ビックリしたような顔になるアンネローゼさんとヴィンセントさん。

アンネローゼさんに至っては

 

「あの赤い彗星が.......?パン屋.....?」

 

的なことを呟いていた。

....何かごめんなさい。

 

「....パンジー、それは本当なのか?」

「僕の娘が嘘をつくとでも?」

「ア、ハイ、ソウデスヨネ」

 

何やってるのパパ!?

分かりやすく圧をかけないで!!

 

「とまぁ、そう言うわけで....今のシャアには連邦と戦う意志もなければ、ネオ・ジオンに合流する意味も持ってない。だから、安心して欲しい。あ、このことは他言無用でね?」

 

パパはそう言った後....ニッコリと笑いながら、ヴィンセントさん達に対して、また圧をかけた。

その言葉に対し、ヴィンセントさん達はコクコクと頷いていた。

....パパが圧を掛ける時って、毎回ニコニコ笑ってるんだよね。

だから周りの人からは隠れ鬼医者って言われてるけど。

 

「しかし.......まさか、ネオ・ジオンの残党同士で潰し合いとはな」

 

お茶を飲みながら、そう呟くシャア。

その言葉に対し、アンネローゼさんは

 

「ネオ・ジオンにも派閥はあるのよ」

 

と言った。

.....大人の世界って大変だな。

 

「でも、今のジャーヴィスさんは....何というか、憑き物が落ちた気がします」

「.......そうか?」

 

クロエさんの言葉に対し、そう言うシャア。

そんなシャアに対し、私はこう言った。

 

「多分、ララァさんがあなたを目覚めさせてくれたおかげじゃない?」

 

その言葉を聞いたシャアは

 

「......そうかもしれないな」

 

フッと微笑みながら、そう呟いた。

一方、微笑むシャアを見たヴィンセントさん達はというと....彼が本当に変わったのだと理解したのか、これ以上は何も言わなかった。

かくして、ジャーヴィスの秘密を共有する仲間が増えたのだった。

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