新生ネオ・ジオンともう一人のシャア
宇宙世紀93年2月。
この日、ネオ・ジオンが地球連邦に対して宣戦布告をした。
しかも、それを宣言したのはジャーヴィスそっくりの男の人、年齢的には20代っぽい感じで、彼は自身のことをシャア・アズナブルだと名乗った。
彼は宇宙にいる人々を虐げる地球連邦に憤慨し、宇宙の人々のために戦うと演説していて、その演説を聞いていたジャーヴィスは思わずコップを落としていた。
そりゃそうだ。
何しろ、テレビにもう一人の自分が映っているのなら、本人が戸惑うのも無理はないよ。
マリーダはマリーダで、ネオ・ジオンにまだそんな戦力があるのかと驚いていて、パパはパパでまた戦いが始まることを察したのか....厳しい顔になっていた。
あと、テレビでもう一人のシャアが出た一時間後にトラヴィスおじさんがやって来た。
「トラヴィスおじさん.......あのテレビに映っていた人って何者なの?」
「....今のところ、奴が何者なのかは分からん。だが、連邦の連中は奴を本物のシャア・アズナブルだと認識しているみたいだがな」
トラヴィスおじさんがそう言うと、だろうなと呟くジャーヴィス。
....その顔には、苦い表情が映っていた。
そんなジャーヴィスを尻目に、マリーダはこんなことを呟いた。
「.......アズナブルシリーズか」
マリーダがそう呟くと、ピクリと反応するジャーヴィス。
それはトラヴィスおじさんも同じで
「.....アズナブルシリーズだと?」
何か知っているのかと尋ねるようにそう言った。
その言葉に対し、マリーダはこう答えた。
「私も噂程度でしか聞いたことがないが......一部のネオ・ジオン関係者が、シャア・アズナブルのクローン・タイプの強化人間を生み出していたらしい。最も、その計画はハマーンにも知らされていなかったみたいだが」
マリーダが語った言葉。
それは、ネオ・ジオンでシャアのクローンが生み出されていたという事実だった。
その言葉を聞いたパパやトラヴィスおじさんは信じられないという顔になり、ジャーヴィスは目を見開いていた。
「....ということは、もう一人のシャアはその一部の連中の極秘計画が生み出した産物ということなのか?」
「恐らくはそうかもしれない」
トラヴィスおじさんの言葉に対し、そう言うマリーダ。
その言葉を聞いた瞬間、私はあることが脳裏に浮かんだ。
もし......あのシャアがクローンタイプのシャアなら、私と同じような失敗作がいるはず。
....ネオ・ジオンは、相変わらず命を軽く扱っている。
その事実があるだけでも、私は胸が苦しくなった。
「なるほど....つまり、その一部のネオ・ジオンの連中はクローンシャアを自分達のリーダーとして担ぎ上げたというわけか」
腕を組みながら、そう言うトラヴィスおじさん。
....その視線は、とても厳しくなっていた。
「だとしても......まさか、ネオ・ジオンがシャアのクローンを生み出すとはね」
「ジオンにはシャアのようなカリスマ性を持った奴が必要ってことか」
パパがそう呟くと、その言葉に続くようにそう言うトラヴィスおじさん。
一方、ジャーヴィスの方は
「.......」
拳をギュッと握りながら、その話を聞いていた。
そして
「....トラヴィス、一ついいか?」
「ん?何だ?」
「.....連邦政府は、奴をどう対応するつもりなのだ?」
トラヴィスおじさんに対し、そう尋ねた。
その言葉に対し、トラヴィスおじさんはため息を吐いた後、こう言った。
「さぁな?だが.......アイツらのことだ、ろくでもないことになりそうな予感がするぜ」
トラヴィスおじさんがそう言うと、ジャーヴィスは自分を落ち着かせようとしたのか....椅子に座ると、コップの水を飲んだ。
.........多分、ジャーヴィスもネオ・ジオンやクローンシャアのことで悩んでいると思う。
でも、だからといって私が何か出来るわけではない。
それでも.....私は、シャアに対して何かしてあげたいと思うのだった。
「....事態がどう転ぶかは連邦政府の対応次第というわけか」
トラヴィスおじさんの言葉に対し、そう呟くパパ。
それはジャーヴィスも同じだったのか
「いずれにしても......今のネオ・ジオンは正気ではないのは確かだな」
ネオ・ジオンに関するニュースで持ちきりなテレビを見つめながら、そう言った。
結局、トラヴィスはパパと数時間ぐらい話した後....私達の家を後にした。
でも、このときの私達は知らなかった。
このネオ・ジオンの宣戦布告によって、ジャーヴィスが再び戦場に立つことを....
いよいよ始まりました!!新生ネオ・ジオン編!!
果たして、シャアはどうなるのか!?
パンジー15歳
マリーダ16歳
シャア34歳