13番目のプルと赤い彗星   作:サクラモッチー

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宇宙世紀93年編その2。


予期せぬ来訪者

クローンシャアがネオ・ジオンの総帥として宣戦布告をしてから数日後....ラサに5thルナが落とされた。

政府のお偉いさん達は逃げたみたいだけど....逃げ遅れた人達はそのまま犠牲になったらしい。

そのニュースを見た時、私達は衝撃を受けた。

だって、この出来事は一年戦争の時のコロニー落としと同様の出来事だったのだから。

 

「.........」

 

5thルナ落としのニュースを見たジャーヴィスは、その事実へのショックがあまりにも大きかったのか......顔に動揺の表情を浮かべながら、持っていたスプーンを床に落としていた。

パパはそんなジャーヴィスを心配しつつ、なんて酷いことをとネオ・ジオンに対して憤慨していた。

マリーダもまた、信じられないという顔になっていて.......心配そうにしている私の手をギュッと握っていた。

 

.....ネオ・ジオンは本気で地球連邦や地球の人々を潰すつもりなんだ。

だから、あんなことをしたんだ。

だとしても、そんなことのためにジャーヴィスのクローンを担ぎ上げるなんて....連邦も連邦でろくでもないけど、ネオ・ジオンもネオ・ジオンだから、どっちもどっちだね。

 

と、そんなことを頭の中でグルグルと考えていたその日の夜....私達の家に外套を着た女の子と男の人を連れたネオ・ジオンの軍人が現れた。

でも、私はその軍人に見覚えがあった。

この人は....かつて、私を助けた男の人だ。

軍人は私の方を見て優しい表情になったかと思えば、パパに対して二人を頼むと言った後、その場を後にした。

外套を着た女の子は、私達に対して自分のことをこう言った。

 

「私はミネバ・ラオ・ザビである」

 

ミネバ・ラオ・ザビという言葉が出た瞬間、目を見開く私達。

それもそのはずで.......何しろ、目の前にいる女の子はあのザビ家の生き残りを名乗っていたので、私達がそうなるのも無理はなかった。

ミネバちゃんはミネバちゃんで、ジャーヴィスの方を見ると......ジャーヴィスの正体がシャアだと気がついたのか、嬉しそうな顔になっていた。

.......ジャーヴィスってミネバちゃんと知り合いなのかな?

 

一方、その隣にいた男の人はジャーヴィスとそっくりな見た目で....本人によれば、自分は11体目のシャア..........アズナブルイレブンだと名乗った。

何でも、アズナブルイレブンは最高素体ではないために廃棄処分されそうになったんだけども、すんでのところであのネオ・ジオンの軍人に助けられ、ミネバちゃん共々ここに来たらしい。

 

そして、アズナブルイレブンは新生ネオ・ジオンの総帥を名乗っているクローンシャアのことも少しだけ話してくれた。

新生ネオ・ジオンを率いているクローンシャアは、アズナブルツーという名前で、アズナブルシリーズの中で最もシャア・アズナブルに近いことから、新生ネオ・ジオンのハリボテとして担ぎ上げたのだとアズナブルイレブンは語った。

その話を聞いたジャーヴィスは、他のアズナブルシリーズはどうなったのかと聞くと....アズナブルイレブンは、自分以外は廃棄処分されたとジャーヴィスに告げた。

それを聞いたジャーヴィスはアズナブルイレブンを見つめながら、パンジーやマリーダのように彼らにも生きる権利はあると言い、パパは、ネオ・ジオンは命を何だと思っているんだと怒ってた。

 

それから一時間後、5thルナのことで話をしに来たトラヴィスおじさんが家にやって来たんだけど....トラヴィスおじさんはミネバちゃんとアズナブルイレブンを見た時、ビックリした表情になっていた。

まぁ、あのミネバ・ラオ・ザビとジャーヴィスそっくりの男がいたらビックリするよね。

んで、トラヴィスおじさんはジャーヴィスに向けて一言

 

「お前.......ネオ・ジオンと戦う気だろ?」

 

と言った。

その言葉を聞いた私は、ジャーヴィスが戦場に戻ろうとしていることを理解した後、どんなことを言ってもジャーヴィスは止まらないだろうなと思いつつ、こう言った。

 

「ねぇジャーヴィス、帰ってきた時は何が食べたい?」

 

私がそう言うと、ジャーヴィスは私が背中を押しているのだと思ったのか、フッと笑うと......こう言った。

 

「そうだな....出来ればカレーが食べたい」

「それは甘口?辛口?」

「出来れば、間をとって中辛で頼む」

「了解!!」

 

そう言った後、ニコッと笑う私。

それを聞いていたトラヴィスおじさんはニヤッと笑うと

 

「んじゃ、俺も準備をしますかね」

 

私とジャーヴィスの方を向きながら、そう言った。

準備....ハッ!?まさか!?

 

「トラヴィスおじさん.......もしかして、ジャーヴィスと一緒に行くの?」

「あぁ、そうだ」

 

ですよね!!

 

「確かに....ジャーヴィスが一人で行ったら、またあの時のようなことになるかもしれないしね」

 

私がそう言うと、図星だったのかヴッという顔になるジャーヴィス。

一方、その話を聞いてマリーダも行く気になったのか

 

「トラヴィスおじさま、私も行ってもいいか?」

 

と言ってきた。

ま、マリーダ?

 

「マリーダ。いくらお前がニュータイプだとは言え、まだ子供だ。だから」

 

マリーダの言葉に対し、当然ながら宥めるようにそう言うトラヴィスおじさん。

でも、マリーダは一歩も引かなかったのか....トラヴィスおじさんに向けてこう言った。

 

「私はプルシリーズの一人!!モビルスーツの操縦とファンネルを扱うことぐらいは出来る!!それに....」

「それに?」

「私は、妹を悲しませるネオ・ジオンをボコボコにしたいだけだ!!」

 

その言葉を聞いたトラヴィスおじさんは、目を丸くしたかと思えば.......パパの方を向いた。

その視線に気がついたパパは、トラヴィスおじさんに対して

 

「トラヴィス.........僕としては、ジャーヴィスを人殺しにはさせたくない。だから、反対だよ」

 

と言った。

.........パパもパパで、ジャーヴィスのことが心配なんだ。

私がそう思っていると、ジャーヴィスは

 

「.......ならば、人を殺さなければ良いのか?」

 

パパに対して、そう言った。

 

「だがジャーヴィス、君の正体がバレたら」

「その時はその時だ。だから行かせて欲しい」

 

ジャーヴィスがそう言うと、パパはため息を吐くと.......こう言った。

 

「そうか....君はどうしても戦場に行くんだね」

「....すまない」

 

どうやら、パパの許可が降りたみたいだ。

 

「んじゃ、決まりだな」

 

こうして、トラヴィスおじさんwithジャーヴィス&マリーダが出撃することが決まるのだった。

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