アズナブルツーはネオ・ジオンの残党によって生み出されたクローンである。
しかし....彼は記憶操作手術によって、自分自身がシャア・アズナブルであると認識させられていたのだが
(何故、ここにもう一人の私が.......?いや、そんなことよりも....あのモビルスーツは一体.....?)
自身のオリジナルであるジャーヴィスの登場により、彼は混乱状態に陥っていた。
そんな彼を尻目に、ジャーヴィスの乗るギルガメッシュとアムロの乗るνガンダムはサザビーに対し、攻撃を行っていた。
「くっ!!流石はシャアのクローンなだけはあるな!!」
そう呟きながら、サザビーの攻撃を避けるアムロ。
ジャーヴィスもジャーヴィスで、サザビーが放ったファンネルを自身の操るファンネルで撃墜していて、その光景を見たアズナブルツーは攻撃対象をアムロからジャーヴィスへと変更したのか
「.......来るか!!」
二本のビームサーベルを装備したサザビーは、ギルガメッシュの方に突撃していった。
一方的、ギルガメッシュはその攻撃をビームサーベルで防御していると
「お前は.......一体何者なのだ!!」
サザビーを操縦しながら、混乱した様子でそう叫ぶアズナブルツーの声が、サイコフレーム越しにジャーヴィスの耳に届いたのか....彼は、アズナブルツーに向けてこう言った。
「私はジャーヴィス・キャメロン。かつて、シャア・アズナブル.....そして、キャスバル・レム・ダイクンと呼ばれていた男だ」
ジャーヴィスの言葉を聞いたアズナブルツーは、彼の言葉に目を見開くと....激昂した様子でサザビーを駆り、ジャーヴィスの乗るギルガメッシュに対して激しい攻撃を行った。
「違う!!私こそがシャア・アズナブル!!私こそが赤い彗星!!お前の....お前の言うことが信じられるか!!」
ジャーヴィスが放った言葉がきっかけで、自身が信じてきたものが崩れ落ちたのか、それとも、自身がシャアであると思い込んだ原因である記憶操作の効果が薄れてきたのか、ズキズキと痛む頭を押さえながら、そう叫ぶアズナブルツー。
ジャーヴィスはその攻撃を避けつつ、ファンネルで攻撃していたのだが
「シャア、アイツと戦っているのはお前一人だけじゃない.......だろう?」
と言うアムロの言葉と共に、νガンダムはサザビーに接近すると
「はぁぁぁぁぁ!!」
サザビーに対して、頭部のバルカン砲を放った。
そんなアムロに対し、シャアはハッとした顔になると
「あぁ、そうだな......そうだったな」
フッと笑いながら言った後、νガンダムを援護するようにファンネルで攻撃した。
二人の連携の取れた攻撃に対して、アズナブルツーは、本物のシャアことジャーヴィスの戦いぶりを見たことにより、シャア・アズナブルとしての人格に揺らぎが見え始めたのか
「お前がシャア・アズナブルなら.......私は、僕は、俺は....何者、なのだ....?」
少しずつ、その自我が崩れ始めていた。
ジャーヴィスとアムロはその隙をついて、ギルガメッシュ・νガンダムの連携攻撃でサザビーをアクシズに叩きつけるのだった。
「まだだ!!まだ......私は....わ、たし、ハ?」
すると、その衝撃の影響なのか.....アズナブルツーに異変が起こった。
異変と言っても、そんな大規模なものではなく.......サザビーごとアクシズに叩きつけられたことにより、アズナブルツーは自身がアズナブルツーだった記憶を取り戻したのである。
その結果、アズナブルツーの中でシャア・アズナブルとしての人格が消え、代わりにアズナブルツーとしての人格が戻ったため
「....あぁ、そうか。私は最初から奴らの偶像として生み出されたのか」
アズナブルツーは、皮肉めいたことを呟いていた。
そんな言葉をサイコフレーム越しに聞いたジャーヴィスは、アズナブルツーがシャア・アズナブルの呪いから解放されたことを確認すると
「アズナブルツー、今ならまだ間に合う。その心を忘れないうちに....今すぐ降伏しろ」
と言った。
その言葉に続くように、アムロもまたこう言った。
「シャアの言う通り、今の君はもうシャア・アズナブルじゃない。だからもう、戦う必要はない」
その言葉を聞いたアズナブルツーは、かつて自分の身に施された手術の記憶を振り返ると、涙を流しながらこう言った。
「.....ありがとう。でも、私にはやらねばならないことがある」
やらねばならないこと。
その言葉を聞いた二人の脳内に、アズナブルツーがやろうとしていることのイメージが流れ込むと....ジャーヴィスとアムロはアズナブルツーが何をやろうとしているのかを理解したのか、こう叫んだ。
「お前.......まさか!?」
「アズナブルツー!!君は死ぬつもりなのかい!!」
そんな二人を尻目に、アズナブルツーはボロボロのサザビーを操縦し....アクシズを押し返すため、自らの命を犠牲にする覚悟の下、アクシズに向かっていったのだった。