ACE COMBAT SW2 ―The Journey Home―   作:skyfish

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明けましておめでとうございます

今回は難産過ぎた。疲れました。どうぞ


第10回「あいつの美声」

ブレイズからの報告を受けウルスラはジェットストライカーの精密検査を実施した。必要な整備員はこれが送られた際一緒に来ていたためより詳しい検査ができる。細かく見ていくとあるおかしな点が見られた。それは『部品の負担が見当たらないこと』だった。さらに付け足すなら、実験前の簡易検査に比べても今の方が良くなっているというおかしな現象が起こっていた。それをミーナに報告した。

 

「どういうことかしら?」

 

「恐らくですが………ストライカーがウィッチに使用されることで操縦者の魔力を代償に多少の耐久増加が見込めることは御存知かと思います。この場合、速度が時速900㎞を超えたのを境に機体の負担が増加し、それを直すために魔力が異常消費される………と考えられます。実験前よりも損傷が減っているのはバルクホルンさんよりも魔力が多いブレイズさんだからこそより多くの魔力が消費され、その分機体の回復に回された……と考えられます。もしこの仮説が正しかった場合、ストライカーの操縦よりも機体の回復に魔力が持っていかれる危険があるかもしれません。もしこのまま実戦投入すると作戦時間の大幅な短縮などの影響が出ると考えられます」

 

「そう………これでは諸刃の剣ね。大幅な性能の変わりに操縦者の力を吸い取るストライカー………これでは実戦投入はまだまだ先ね」

 

ミーナは決断する。

 

「ジェットストライカーの使用を禁止します。ウルスラさんはこの後どうしますか?」

 

「明日ストライカーを回収するチームに同行します。航空機回収チームもこちらに来るよう手配します」

 

「でしたら彼女(ブレイズ)は私たちが504までおくるわ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、次の日。

 

「じゃあもう一度確認するぞ。ジェットストライカーの運用するにあたって一番重要なのはスピードの維持だ。求められるなら、ターゲットの上空2000mから下降しつつ接近し強襲。それにより得たスピードでそのまま敵から逃げつつゆっくりと上昇。また、上から攻撃を仕掛けるを繰り返す。これがジェット機の戦法だ」

 

 黒板に書いたイラストと手で表現し説明して教鞭するのはブレイズ。ブレイズによるジェットストライカー使用の戦術を教えていた。そんな中宮藤が手を挙げる。

 

「巴戦(格闘戦)してはダメなんですか?」

 

「それは絶対にやってはいけないことだ」

 

 ジェットのスピードは低く見積もっても最速レシプロ機より100㎞も速い。その状態では旋回が当然大きくなる。さらに急旋回するとスピードが落ちてしまう。今の技術のジェットエンジンは非情にデリケートで加速減速の調整が難しい。

 

「航空機のジェットで説明するけど、ジェット内部では圧縮した空気と燃料を爆発させてその排気を推進力にしています。でも、今のこれはまだまだ開発途上でエンジン出力調整が非常に難しいんだ。安定した空気の供給も重要になる。もし、急旋回でもしたら供給する空気に乱れが生じて不完全燃焼が起こる危険性があり失速する。速度を活かしての一撃離脱。これが鉄則だ」

 

 リーネが手を挙げる。

 

「ジェットエンジンが搭載されたネウロイだった場合どうすればいいですか?」

 

「ああ、それなんだけどねー……もし狙われた場合は急降下して緊急回避。仕留めるなら低空に引きずり込むのが定石だけど………そもそもネウロイにこっちの常識通用するかが問題なんだよなぁ。空力学的におかしいのに飛び続けるし。エンジンもないのに………」

 

 ブツブツと呟く。ブレイズから見ればネウロイは非常識の塊である。聞いた話だとネウロイは鉄を好み、その体も外見的には鉱物だと考えられている。なのにまるで生きているかのように行動し、人間を殺戮する。

 

 物事には必ず原因と目的、手段があって結果が生じる。ネウロイの動きが結果として人類の殺戮とすると必ず目的と原因が無くてはおかしいのだ。仮にネウロイが生物的な意識があったとすると、何故人類を攻撃するのか? 何のために攻撃するのか? が一切不明なのだ。目的も無しに行動するのか? そもそもできるのか? それも分かっていないのだ。それに資料を見た限り、大戦初期はその圧倒的な物量で蹂躙していったが今ではその兆候は見られない。大部隊であっても少なからずの連携を確認している。もし常識が通用しないのであれば、速力大、急旋回可能なトンデモナイ敵と相対することになる可能性も出てくる。いくら何でもそれは勘弁したいものだ。

 

「とにかく、ジェットの性質を理解していればやる場合ヤラレル場合も対処が出来るから………」

 

そこまで説明した時、それを中断させるように基地の警報がなった。

 

「敵襲―!」

 

「ストライカーの起動準備! 宮藤とリーネ、バルクホルンは基地待機だ!」

 

「坂本少佐! 私も!」

 

「お前はジェットの疲労が残っているだろう。今回は我慢しろ!」

 

「………すまない」

 

 彼女たちが飛んでいくのを見てブレイズはふと思い出した。今の自分に愛機(F-14など)は無い。今の状況はまずいのではないか? 嫌な予感を感じた彼女の行動は早かった。

 

「ウルスラ中尉。まだジェットは運んでないよな?」

 

「はい。積み込み中ですが、まさか?」

 

「ああ、嫌な予感がする」

 

 

 

 

 迎撃に向かった坂本は魔眼でネウロイを視認した。

 

「敵を確認した。複葉機? あの巨体では機動性など最悪だろうな」

 

 今回のネウロイは複葉機のように翼を重ねた大型ネウロイだった。複葉機は初期の航空機の完成形である。まだ、機体を構成する素材や強度にエンジン出力が未熟だった時代に出回っていた形だ。スピードはないが機動性は零戦よりある。だが、あの巨大さでは意味ないのではないかと思えた。そんなことを思っていることに怒りを覚えたのか、ネウロイが先制攻撃を仕掛けた。その見慣れないものを見て坂本の表情が強張る。

 

「!? 散開急げ!」

 

 突然の指示に即座に動けるのは訓練の賜物か。それとも戦場にいるという意識があるおかげか。ともあれ、坂本の命令にすぐに反応した彼女たち。さっきまでいた空間に白い光が通り過ぎ、遅れて衝撃波と轟音が襲い掛かる。

 

「きゃあ!」

 

「な、なんだ? 攻撃!?」

 

「そうだ。あのネウロイ、まだ40㎞も離れているのに撃ってきた!」

 

「ねえみんな。後ろ見てよ」

 

 ハルトマンの言葉に坂本を除く皆が後ろを振り向く。そこには海から上る巨大な水柱が立っていた。その高さは今自分たちが飛んでいる高さにまで達している。高度3000mにも関わらずだ。だが、ネウロイの通常攻撃であるビームではない。

 

通り過ぎた光

後から襲い掛かった衝撃波と轟音

立ち上がる水柱

 

 この3つの要素から導き出されるものはただ一つ。

 

「もしかして……砲撃?」

 

「そんな! 坂本少佐が言ってからここまで10秒……いえ5秒も経っていませんわ!」

 

 シャーリーから出た言葉にペリーヌが声を上げる。ネウロイとの距離が40㎞も離れているのに弾着まで時間が短すぎる。戦艦の砲撃でも弾着まで最大射程で30~50秒かかる。それを5秒未満でできるネウロイが相手になる。

 

「あんなものがローマに辿り着いたら大変なことになる。仕留めるぞ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 大型ネウロイに攻撃を開始した。接近を許すまいとネウロイは赤いビームの弾幕を張る。だが、多くのネウロイを仕留めてきたストライクウィッチーズにとって脅威ではない。

 

「へっへ~ん。図体でかいだけだね」

 

「でも全然きりがないよ」

 

 巨体とは動きそのものがのろくなり的になる欠点があるがその分頑丈になる。こちらの攻撃は当てられているものの半分は弾かれているのが現状だった。

 

「少佐。コアの位置は?」

 

「いや、まだ見つからない。だが、形状から見れば中央部分にあるはずだが……」

 

 翼は思ってたより薄くコアがあるとは思えない。なら必然的に分厚い中央にあると思われるが装甲が厚く剥がれないうえ魔眼でも中を見えない。

 

「よし。私が奴を切り裂いてみる」

 

 そう言って坂本は改めてネウロイを見る。巨体の割にそこそこ速い。だいたい時速600㎞くらいか。それに横に滑ったりして攻撃を回避するなど意外な動きをする。長引くとこっちが不利になると確信した。敵ネウロイの正面に出る。ネウロイの先端から光が集まる。

 

「さあ。来い!」

 

 放たれる光弾。戦艦よりも圧倒的に速い弾速。それを完全に見切っていた。

 

「烈風斬ッ!」

 

 鞘から抜くと同時に放たれる白い斬撃。坂本美緒から放たれた白い斬撃とネウロイから放たれた白い光弾がぶつかる。しかし、それも刹那。烈風斬は光弾を綺麗に横一線に切り裂いた。斬撃は止まることなくネウロイへと向かう。だが、その攻撃は当たらなかった。何故なら―――

 

「なに……!?」

 

「分裂した!」

 

 大型複葉ネウロイが上下に分裂し坂本の攻撃を回避した。大型複葉機1機から大型単葉機2機になっただけだが、その動きは前とは完全に違っていた。

 

「こいつ! さっきよりも動きが速いぞ!」

 

 横幅が100mを超えるのにそんなことお構いなしに動きが良くなったネウロイ二機。横に滑る動きが大くなった。

 

「おいおいおいおい! 横滑りとか空中ドリフトかよ!?」

 

 レースに精通しているシャーリーがネウロイの動きに口を出す。いくらネウロイとはいえ、その動きはどこか航空機のそれに似ていたからだ。だが、今回のネウロイの動きは今までのそれとは異なっていた。あまりにも不規則な動きに対応が追いつかない。

 

≪こちらバルクホルン。少佐聞こえるか?≫

 

「なんだ?」

 

≪今から私も参戦する≫

 

「な、待て。体は大丈夫なのか!?」

 

≪心配いらない。今私が乗っているのはストライカーじゃないからな≫

 

≪ストライカーに乗っているのは自分です。無断ですいません≫

 

 プロペラ音ではない。違う音が聞こえ近づいて来る。上空を見るとそこには二筋の飛行機雲。

 

≪アタックフォーメーション≫

 

≪了解≫

 

 Me262v-1シュヴァルベの初陣。戦場にジェットの鼓動が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストライカーの方のMe262を操縦しスピードに気を付けながらブレイズは横にいるバルクホルンと共に降下を始めた。

 

「さっきの講義は?」

 

≪覚えている≫

 

「機動戦しないで、万が一の時は降下で回避だ。よし、いくぞ!」

 

 両手にはMK108 2連装30mm機関砲2門。レヌスメタルBK-5 50mmカノン砲を背負い、文字通り完全武装だ。実を言うとブレイズはこの武器を使ったことは一度もない。完全にぶっつけ本番だが、いろいろ問題のあるストライカーに自分が乗ったほうが非常時に対処できると判断した。今の技術だと30mmは初速が遅いはず。十分に近づいてから撃ったほうが良い。

 

「まだ……まだ…………ファイア!」

 

 引き金を引き30mm機関砲が火を噴いた。隣のMe262に乗るバルクホルンも20mm機関砲を発射する。30mmの弾丸は威力が大きく、初めの一発で堅いネウロイの装甲を凹ませ、2発目で穴をあけ、3発目で貫通させる。そのできた損傷箇所にバルクホルンの20mmが集中。内部からネウロイの翼を破壊、すぐに離脱した。

 

「よっし! デカいから狙いやすいな」

 

≪いや、ダメだ。あれを見ろ!≫

 

「ん………あの損傷も回復するのか。厄介だな」

 

 後ろを振り返り確認する。さきほど攻撃し傷を負わせたネウロイはそのほとんどが直っていた。しかも、さっきの攻撃で怒ったのかこちらを追いかけている。

 

≪このまま振り切って≫

 

「!? ダメだ。右に回るぞ!」

 

 すぐさま右へと旋回する。先ほどいた場所に赤い光が通過する。もう一機のネウロイも攻撃するウィッチたちを無視してこちらを狙っていた。

 

≪どうする?≫

 

「バルクホルンは降下しながら振り切ってくれ。ストライカーの方は多少無茶な動きでも動いてくれる」

 

≪了解した!≫

 

 右にブレイズ、左にバルクホルンと編隊を組んでいた2人は交差する様に左右へ別れる。ネウロイも二手に別れる。と、思っていたが2機ともブレイズを追跡した。ビームの他に機銃なら何やらいろいろばら撒いて攻撃してくる。それにブレイズも30mmで応戦しながら回避する。航空機と違いストライカーは足についてる分細かな動きが可能だ。体を少し曲げるだけで動かせる。いわば、推力偏向ノズルの役割を担っていると言ってもいい。

 

「せー、のっ!!」

 

 体を大きく曲げ、前屈した体勢になる。ジェットの推力エネルギーのベクトルが後方から前方下方へと変化する。それにより強引なコブラで追っていたネウロイ二機をオーバーシュートさせた。すぐ30mmを構え撃とうとする。が、ブレイズは信じられないものを見た。

 

「な、にぃ!?」

 

 前方のネウロイ2機は八の字を描くように動き始めたのだ。しかもどちらかを狙おうとすると片方の攻撃が苛烈になる。どっちも狙うなど火力が減り論外。2機は連携を取ってブレイズを翻弄していた。100.mもの巨体のくせに。

 

「あの図体で連携!? なんてやつだ!」

 

 思わず汚い言葉で罵倒してしまうが、あまりの非常識のため許してほしい。さらにもっとありえない動きを見せる。ブレイズの前方、上と下に並んだネウロイはその体を同時に上に向け、制止した。前後にある赤い部分からビームが集中する。急な動きに驚愕しながらも紙一重で躱し続ける。

 

「コブラ機動だと? そんなもの見せて誰が喜ぶかこの変態が!!!」

 

 コブラ機動の始めが航空ショーだっただけに黒い巨体が見せるコブラに思わず怒鳴ってしまう。濃くなる弾幕から逃げるため増速。2機の間を抜けようと試みる。

 

 それに合わせる様にネウロイはコブラを止め、一気にその幅を狭める。

 

(ヤバッ! そう言えば分離してたんだった!)

 

 合体しようとするネウロイに挟まれる。冷や汗をかいたところで通信が入る。

 

≪ブレイズ掴まれ!≫

 

 後方からバルクホルンが操るMe262が最大出力で接近していた。ブレイズは両手の30mm2連装機関砲を捨て背面になり、Me262の機首に掴まり脱出した。

 

「すまない! 助かった」

 

≪それはいい。もう燃料が持たない。まだ15分しか経ってないぞ≫

 

 初期のジェットは総じて燃費が悪い。それに出力を最大にしたためさらに燃料を消費してしまったのが原因だった。

 

≪少佐! コアの位置は?≫

 

≪駄目だ。まだ分からない!≫

 

「これ以上長引くのはまずいぞ」

 

 奇天烈な動きに翻弄され皆も疲労が溜まっている。これ以上の戦闘は分が悪い。すぐ決着を付けなければ。起死回生は50mmカノン砲があるが、初速が遅い上に弾も少ないから無駄には出来ない。あのトリッキーな動きの相手に当たるかどうか。頭を悩ませていると、突然通信が入った。

 

≪あ、あー? 聞こえるー? 501の皆さーん?≫

 

「? 誰?」

 

 知らない声に皆が頭を傾げる。

 

≪話は後で、私がネウロイの皮を剥がすから耳を塞いで。合図したら攻撃して。3秒待つ≫

 

≪おい。名前は!?≫

 

≪アリシア・H・ダヴェンポートだよ!≫

 

≪!? 全員耳を塞げ!≫

 

「!? ダヴェンポート――――!!!!?」

 

 ブレイズが驚く中急ぎ耳を塞ぐ。そして

 

L a a―――――アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

 

 

空に、歌声が、甲高い、プロペラも、ジェットの音も、全てを飲み込む音の津波が方向性を持ってネウロイに襲い掛かった。音の余波でも彼女たちは顔を歪め耳を力強く抑える。

 

 これが彼女の固有魔法『音波砲』

 自らの口から放つ大音量の音でネウロイの装甲を原子から振動させ分解させる能力。メリットは射程内のネウロイを一網打尽にできる。デメリットは味方への被害である。有効範囲外でも相当の音量なため周りに気を付けないこと。また、使うと喉がつぶれて声が枯れてしまうため実質一回の戦闘で一度、直すのに1日かかる。

 

 音の津波をもろに喰らったネウロイの表面装甲に歪みが生じる。自身を支える力と重力のバランスが崩れ、形が保てなくなる。次第に亀裂が生じ始める。

 

≪今よ!≫

 

≪全員! 総攻撃だ!≫

 

 綺麗な女性の声は、男性の声に変わっていた。坂本の指示で全員が今持つ火力の全てを撃ちだす。弾かれていた弾丸も柔らかくなった装甲を難なく貫いた。修復されているが形が崩れネウロイはなんとか空中に留まっているのが精一杯だった。今しかない。そう判断したブレイズは50mmカノン砲を構えしっかりと狙いを定める。目標は機首、砲口ど真ん中!

 

「ファイアっ!」

 

 バスンッ!

 

 本来航空機に搭載するには大きすぎる大口径砲。反動で後ろに下がる。放たれた弾丸は少ししたに当たったがネウロイ底部を抉り取った。

 

「もう一発!」

 

 角度を修正しもう一度撃つ。今度のはネウロイの砲口に命中。貫通。コアを撃ちぬいたのか、大型ネウロイは白い光の欠片となった。

 

≪ネウロイの完全消滅を確認!≫

 

≪いよっしゃー!≫

 

≪やったー!≫

 

 歓声が上がる中、ブレイズはカノン砲を背負うと喜び合う彼女たちから離れる。

 

≪ブレイズ?≫

 

「ごめん。少し気になることが」

 

 エンジンを吹かし、援軍に来たもう1人のウィッチへ向かう。それほど離れていなかった。超高燃費のジェットストライカーに魔力を吸い取られ続けてさすがのブレイズも疲労が溜まっている。でも、確かめたかった。確かめられずにはいられなかった。赤毛が混じった茶髪のロングヘアー、顔立ちはオーシア人のそれと似ている。履いているストライカーがなんとなくヘルキャットに似ていた。

 

「どうしたどうした? 私の顔じっと見て。何かついてるのか?」

 

 女の子だが、能力を使った影響で男の声になってしまったのだが、そんなことがブレイズには重要だった。

 

 

 

似ていた。あまりにも、似すぎていた。心の中にスッと入る。しかし、もう聞くことが出来ない、あいつの声に。

 

「一つ……確認させて」

 

「うん?」

 

「オーシア国防空軍 第108戦術戦闘飛行隊 サンド島分遣隊ウォードッグ  この言葉に聞き覚えは………?」

 

「うんにゃ。知らないね。というかオーシアってどこさ?」

 

「そう、か……」

 

 そしてブレイズは彼女を抱き寄せる。

 

「なんだなんだ?」

 

「ごめん……少しだけ、このままでいさせて」

 

 アリシアの方からはブレイズの顔は見えない。懐かしい声を聞いて、静かに、静かに、涙を流していた。

 




アリシア・H・ダヴェンポート
年齢:18歳
使い魔:ラブラドール・レトリバー
原隊:リベリアン海軍航空隊ミッドウェー島分遣隊
所属:第507統合戦闘航空団サイレントウィッチーズ
階級:大尉
通称:騒音娘
固有魔法:音波砲(モデルは指向性大音響発生装置)
使用機材:F8F-1Bベアキャット
使用武器:M1918BAR自動小銃
     M1A1トンプソン短機関銃

 趣味は音楽、作曲。また音感が非常によく、歌が完成したらそれにあった曲を自分で作るほど。歌うのも上手。持ちネタは男性声でリリーマルレーンなど男性パートアレンジを歌うこと







今回のネウロイの元ネタ

分かる人にはすぐわかったと思います。エースコンバットX2に出てきたオルゴイとスピリダスです。
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