江風になった男の話   作:海江山風

2 / 6
江風、気づく

 自分が江風になってしまっている可能性に気付いた後、僕は風呂場にて検証をする事にした。何を検証するかって? もし本当に江風、艦娘になっているならば水の上に立てるはずだからだ。風呂に水を満たし、水面に立つ様に入ると足は沈まず、まるで地面に立っているかのように立つことができた。

 

「マジで、江風になっちまったのか」

 

 しかし、これ湯船に入れるのか? 常時水の上に浮けるとしたらシャワーしか浴びれられなくなる。水面に浮く意識をやめるとドボンと水に落ちた。なるほど、意識さえすれば浮けるのか。

 

 艦娘になったかの確認は終わったが、まだまだ問題は山積みだ。衣類と仕事に関しての問題がある。前者はこの後買いに行くとして、仕事はどうしようか。今日のところは休みにはなっているが、明日以降の対応をどうしたものか。とりあえず、パソコンを落として……? 

 

 おかしい。シャットダウンができないぞ? まさか変なウイルスに罹ったか? でも昨日も今日も艦これしか開いてない。しかも艦これを開いたブラウザすら閉じれなくなってる、それどころか表示がところどころバグってもいる。唯一バグっていない編成を押すとそこには江風しか表示されなかった。

 

 どうしていきなりこんなことに? 思考を回していると、スマホに一通のラインが来た。確認すると学生からの友人からだ。

 

『今すぐ俺ん家来て! 大変な事になった!』

 

 なんだろうか、大変な事って。てか僕の方が大変な事になってるが? そんなことを思いつつも新しいズボンを履き、友人宅へ向かう事にした。

 

 

 

 ◯

 

 電車を乗り継ぎ友人宅に着く、予備ベルを鳴らすと返事はラインで帰ってきた。

 

『玄関空いてるから入ってきて』

 

 ふむ、手が離せない状況なのだろうか。言われた通り、玄関扉を開け中に入る。入った先には、金髪のグラマラス美女がいた。

 

「「え?」」

 

 

 

 

 とりあえずリビングの椅子に僕と見知らぬ女性が座る。さてあんた、誰だ? 

 

「ちょ! 俺だよ、霧島光実! ていうかお前こそ本当にあいつか?」

 

 失礼な、正真正銘僕だよ。いや今ちょっと自信ないけど。つまりあれか? 大変な事ってのは

 

「起きたらこうなってたってわけだ。まさかお前も同じ状況だとは夢にも思わなかったが」

 

 こんなことを予測する方がおかしいからな? 

 

「にしても、お前のその姿江風みたいだな」

 

 みたいもなにも江風だが。そういうお前は……誰だ? 金髪でナイスバディで目に星がある……Iowaか? 

 

「やけにネイティブだな。待って、今アイオワって言ったか? 俺アイオワになっちまったってか?」

 

 僕が知る限り、その見た目の特徴に当てはまるのはアイオワぐらいしかない。

 

「マジか……。いや嫁艦になれたわけだろ? さいっこうじゃねぇか!」

 

 友人はガッツポーズを取る。その時豊満なものが揺れた、服新調するの大変そうだ。

 そいや、艦これ開いたらバグっててさ。

 

「バグ? それって今この姿になってる艦娘以外いないってやつか?」

 

 そうそれ、お前も同じ状況か。そうなるとこのバグとこの状況、繋がりがあるかもしれないな。

 

「まあ偶然にしてはおかしいよな。公式はなんで言ってるかな……ん?」

 

 スマホを持ち、艦これ公式を調べる友人だが指が止まり体が震えだした。どうした? 

 

「艦これが検索にヒットしねぇ……!」

 

 

 その言葉と同時に、スマホから緊急事態宣言が入った。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。