予想よりキャラが濃かったため驚きを隠せない。なんだ愛の伝道師って、
「ふむ、驚いているようだね。無理もない、僕がいきなり現れたんだ、すまない、いきなり扉を開けたりして」
そう言い、初月さんは頭を下げた。いや、驚いたのは君のキャラに対してなんだが……てか、頭あげて、気にしてないから。
「そ、そうか? ならいいのだが。君は優しいんだね」
とりあえず中入っていいかな? 荷物置きたいし。
「ああ、すまない。実は女性が来ると聞いて緊張してたんだ。僕も今は女性だけどね? 荷物持つよ」
そう言って、初月さんは荷物を中へ運んでいった。確かに今の僕は戸籍上女性だけど中身は25の男性なんだよな。初月さんに続き室内に入るとオレンジ色の髪をした子が座っていた。その子はこちらに気づくとヨッと手をあげ、声をかけてきた。
「お? もしかして勝の同室になった子か? 俺は三島幸村、今は陽炎っていったほうがいいか? コイツとは昔ながらの友達ってヤツだが、中々面白いヤツだろ?」
カラカラと笑う。確かに初手愛を謳うのはアレだった、ちなみに彼、艦娘になる前はかなりのプレイボーイだったのか?
「プレイボーイとは違うな、アイツ結構モテるが告白してきた人達、全員と真摯に向き合うタイプだ。なる前は3人と付き合ってたんだが……」
そこまで言い、ハッとなり口を摘むんだ。初月さんの方を見ると、真顔でこちらを見ていた。なにやら事情があるみたいだ、深くは詮索しないほうがいいな。とりあえず話題を変えねば
「そういえば、自己紹介がまだだったね。僕は吉川伊織、白露型の江風としてここにきたんだ。気軽に接してくれると助かるよ」
「さっきはちゃんと挨拶していなかったね、改めて僕は白上勝。これから頑張っていこう」
さっきまでの真顔はどこかへ消え、すこし柔らかな表情でそう言う。自己紹介を終えると幸村こと陽炎は立ち上がり
「そろそろ自室に戻るわ、明日から訓練らしいからな。あんまし夜更かしすんよ〜」
そう言い残し、部屋から出ていった。
「君の部屋はあっちの方で、洗面所はそこだよ。他になにか気になることがあるならいつでも聞きにきてくれ」
一つだけ質問がある。漣さんにも聞いたことなんだけど、転換ってどんな感じなの?
そう聞くと、初月は少し悩むように腕をくみ出した。しばらくすると、この場に僕たち以外いないしと言い、答えてくれた。
「これは女性組には他言無用で頼む、適性検査の後、僕はある場所に連れられてね。そこで艦娘転換手術に同意するかの紙を渡された、色々あってね、それに同意したな。んで、また別室に案内されて、明石って艦娘に最終確認を含めた質問に答えて、麻酔で眠らされて目覚めたらこの姿ってわけなんだが」
強制ではないみたいだけど、少し疑問がある。明石といえば工作艦であるけど……
「そういえば、夢で誰かが語りかけてきたな。内容までは覚えてないけど」
語りかけてきた? 艦の魂なのだろうか、僕にはそういったこと今までなかったし、僕が艦娘……江風になった原因はまた別物なのだろうか。
「いまのところの質問はもうないかな? 明日早いだろうし、もう寝ることにしようか。ベット自体は部屋にあるからそれを使うといい」
確かに明日から訓練らしいし、支障をきたさないうちに寝るか。久しぶりにまともなベットで寝れるよ。それじゃおやすみなさい
「ああ、おやすみ」