透き通る世界の終末三鳥シスターズ   作:新緑葉

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エイプリルフールなんで、書きました
最初はカンナ視点です


実から出た嘘

 

 

 

「これで、終わりか……」

 

時計を見れば、日付が変わる頃だった

 

「……結局、日を跨いでしまったな」

 

積み重なった書類を片付け、ふと顔を上げるとカレンダーが目に入った

 

誰かが先んじて捲っていたのだろう

カレンダーの日付は4月1日を指している

 

「……あぁ、今日は確か……エイプリルフールだったか」

 

エイプリルフール

年に一度の、嘘をつく日

 

「この報告書の山が、嘘であったのなら、どれほど良かったか……」

 

そんな起こり得ないことを願いながら、局長室を後にした

 

「エイプリルフール……か」

 

自室へたどり着いた後

思い浮かべるは、副局長にして最も親しい友人であり、

……恋人であるシンの姿

 

「せっかくだ、何か嘘でもついてやろう」

 

そしてあの澄ました顔に、驚きが浮かぶ瞬間をこの目で見てやろう

そう思い、ベッドへと身体を預けた

 

 

 

「シンは居るか?少し話が」

 

翌朝、朝の訓練を終えると、普段なら居るはずのシンの姿が無いことに気付いた

シンに限って無いだろうが、寝坊したのかと思い部屋を訪ねる

……嘘を一つ用意して

 

 

 

……返事が無い

 

「……シン?」

 

鍵は開いている

少し迷い、結局は入ることにした

 

入ってすぐ、『それ』は居た

 

2メートルは優にあるであろう長身、

異常なまでに細い身体、

手に天秤を持った、

鳥のような姿の『それ』は、

 

驚き固まる私を優しく抱き寄せ、ソファに座らせた

『それ』は別の部屋へと向かった

 

……なんだ?あの……『怪物』は?

何故シンの部屋に居た?

なんだ……何故だ?

 

疑問が尽きない

 

何故、あの怪物はシンと同じ動きをした?

何故、私はあの怪物からシンを感じた?

もしや……

 

怪物が何かを持って戻ってくる

 

「……コーヒーか?」

 

飲め……ということだろう

恐る恐る口を付ける

 

熱くはあるが飲みやすい温度のそれは、

 

「そうか……やはり」

 

……いつもシンが淹れてくれるコーヒーと同じ味がした

 

「シン、お前なんだな。……その姿はどういう事だ?」

 

確かによく見れば、シンとこの怪物は似ている

背が高く線が細いこと、

天秤を常に携帯していること、

目を閉じたままなこと、それでも周りが見えていること、

 

怪物……シンは首を傾げ、カレンダーを指さした

 

「……なるほど、エイプリルフール、か。だが……シン、一つ勘違いしていないか?」

 

 

 

「エイプリルフールとは、嘘をつく日だ。ただ人を驚かす日ではないぞ?」

 

私はソファに押し倒された

 

目を翼で覆われ、視界を塞がれる

 

「……いつ、いつから。どうやって……どうして?」

 

……いつも通りのシンの声

 

「どうした?余裕が無さそうだが」

「答えて、答えてください。どうか、お願いします」

「……ふと感じただけだ。お前と、お前の妹たちは、どこか私たちと違うと」

「それなら、なぜ?なぜ指摘しなかったのですか?異常だと分かっていて、なぜ泳がしたのですか?」

「異常だなんて、思っていないさ。『違う』と感じたとしても、お前はお前で、私と同じ、ヴァルキューレの一員だ」

「そう、ですか」

「……私も一つ、嘘をつこう」

 

心からの、揺るぎのない本心を秘めた嘘を

 

「シン。お前の正体が何であろうと、私はお前を恐れたりしない」

「……そう……ですか…………」

 

程なくして、顔に冷たい液体が落ちてくる

……まさかここまで効くとはな

 

「……言っただろう。今日はエイプリルフールだと」

「えぇ。ですから、そういう事なのでしょう……?」

「ふっ……まだ気づかないか、お前らしくない」

「え……?……あっ」

「さぁ、どうもエイプリルフールの嘘は午後には本当の事を言わなければならないらしい。が、そんな堅苦しくする必要も無いだろう」

 

 

 

「……私の嘘は、『一つ、嘘をつこう』という発言自体だ……どうやら、しっかりと騙されたようだがな。嘘をつくのなら、あんなふうに宣言したりしないだろう?」

「……ずるいです。こんな、こんな……酷い嘘をつくなんて……」

「今日はエイプリルフールだからな。嘘をつくのは当然だ。それに……」

 

私の目を塞いでいた手をのける

そこに怪物の姿は無く、

 

「その澄ました顔、いつかは崩してやろうと思っていたんだ」

「……ほんと、ずるいです」

 

いつも通りのシンの姿があった

 

 

 

 

 

「……すみません。落ち着きました」

「謝る必要は無い。しかし……しばらくは、忘れられそうに無いな」

「いつもの意趣返しのつもりですか?」

「そうだな。でも、まぁ。嘘では無いさ、さっきの言葉も」

「……話さねばなりませんね。私たちの、正体について」

「あぁ。だが、ここでは何だ。いつもの場所で話そう」

「いつもの?……何故抱えあげ……まさか、まだ朝ですよ?これから仕事の時間だというのに……」

「こういう事は、早いほうがいい。それに、さっきの言葉の証明をしなくてはだからな」

「……まったく、仕方がない人ですね」

 

 


 

 

 

「……グゥ(……完全に二人の世界だね)」

「ピィ!(話に入る事が出来ません!)」

「ググゥ……よっと!はぁ〜、折角元の姿に戻ったのに、出番無いまま終わっちゃった」

「出番と言っても、ミワ姉さんの体が大きすぎて部屋から出られなかっただけですけどね!」

「うぐっ……悪口だと思ってないから余計に効く……思ってないよね?わざとじゃないよね?」

「?何がですか?」

「……まぁいいや。それにしても、流石カンナさんって感じだね。あの姉さん……審判鳥を乙女にするだなんて」

「シン姉さんは、どうするつもりなんでしょうか。まさか本当に、カンナさんと添い遂げる気なんでしょうか」

「どうだろうね。私たちはいつかは森に帰らなきゃだし、カンナさんを連れて帰るつもりなら。森に入れるわけにもいかないし、審判鳥を失うわけにはいかないし……カンナさんを救済するしかないかな」

「……シン姉さんも、カンナさんも。敵にはしたくないですね」

「……まぁ、今はまだ。人として普通に暮らしていこうか。案外私たちも相手が出来たら姉さんみたいになったりしてね」

「……そんな未来も、あるのかもですね」

 

 





ちょっとだけ設定の補足を、
・シン、ミワ、チヨのはそれぞれ。審判鳥、大鳥、罰鳥が人に化けた存在であって、血のつながった本当の姉妹ではない
・キヴォトス人ではないのでヘイローは存在しない(人の姿には化けられても神秘であるヘイローまでは再現できない)
・人間への興味から人に化けて生活している
・学園都市のため敢えて学年を分けており、背が高い鳥ということ以外にも、人と近しい考え方ができる・人への理解度が高い鳥から上の学年にしている

全部の部活書ききらないと駄目?(ゲヘナのキラキラ部とか救急医学部とかの細かいの)

  • 駄目
  • 別いいよ
  • 書け
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