廃人ハンターのテイワット生活   作:バルファルクの襲撃に怯えるゴリラ

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金欠でワイルズ買えてません。って事は初投稿です

今日は短め


”狩人”渦中へ

「ごめんなさい」

 

 誰かが俺に謝っている。どうしたのだろうか、よく解らない、覚えていない。

 

「ごめんなさい」

 

 また誰かが俺に謝る。どうか謝らないでほしい、解らないけれど、お前には笑って居て欲しい。

 

「……私は我儘よ。400年我慢出来ていたのに、たった1年で我慢出来なくなるくらい我儘」

 

 誰かが俺の頬に触れる。小さい手だが、確かに温かい。

 

「これは呪い。■■■と私が、必ず再会するという神の呪い」

 

 誰かの手にはガラスで作られた物が握られている。何かは解らないけど、とても大事な物だった気がする。

 

「ごめんなさい。さようなら……またいつか」

 

 

 


 

 

 

 合戦だ。

 

 大勢の兵士が槍や刀で殺し合う。既に砂浜は赤く染まり、海には鉄の匂いが充満する。

 

 血は海を流れ、広く広がり――その血の匂いに誘われて、”狩人”が現れる。

 

【ほう、面白い】

 

 魂の底の底まで凍ってしまったのかとすら思えるほどの圧。生存本能からその場に居た全員が、敵味方など関係なくただ1人へと視線を向ける。

 

【フハッ】

 

 笑う男は正に幽鬼であった。海乱鬼なぞとは違う、そこに居るだけで命が揺らぐ感覚を覚える存在がその男――”狩人”であった。

 

「何をする気なの?」

 

 ”狩人”の腕に抱かれていた少女の声が戦場に響く。風と波と男と少女……それ以外の全ては音を出すことすら恐れている。

 

【人と人、との争い、に、は手を、出さぬ、主義故、な。ナニカをする、気は、あまり、無い、が】

 

 ”狩人”の見るは互いの旗。片や幕府、片や珊瑚宮……そういえば、珊瑚宮は魔神戦争の最中に雷神とは異なる神を信仰していた者達の生き残りである。男はハンターノートを取り出し、珊瑚宮の旗を過去の自信が記した絵と比較する。

 

【……フハッ、どうやら人と、人の、争い、と、言う訳では、無いらしい】

 

 ”狩人”はハンターノートをしまう。そして背負った双刀の内、片方を抜刀する。

 

【魔神オロバシの、信者、か……】

 

 青と白を基調とした刀。青い炎がゆったりと刀身を覆う。

 

【長旅、で、体が凝って、いる……ちょうど良かった】

 

 ”狩人”は少女――ナヒーダをしっかりと抱きなおす。青い炎が激しく燃える。

 

狩猟開始(皆殺し)、だ】

 

 踏み込む音。それを誰かが認識した時には、既に10人は斬られていた。

 

「な、なんだ!?」

「誰かは知らんが味方らしい。行くぞ! 反乱軍を倒せ!!」

 

 ナヒーダを片腕に抱いているというのに、”狩人”は敵陣の中央突破を行う。逃げる者の足を斬り、向かって来る者の腕を斬り……あっという間に後衛の弓兵へと到達する。

 

「ヒィッ!?」

『……サブウェポンも無いのかよ』

 

 ならばと”狩人”は弓と指を斬り落とす。脇差や刀を弓の他に持ってる奴は念入りに指を斬る。殺した方が早いとは考えたが、つい昨日甘雨に問題を起こすなと言われたばかりなので人殺しはしばらく我慢する。

 

「お、俺の指がぁッ!」

「助けてくれぇえええ!!」

 

 どう考えても殺した方が楽なんだけどなぁと”狩人”が考えるのは仕方がの無い事だ。モンスターと違って人間は一撃で殺せるため、捕獲や無力化よりも殺した方が早いのは事実なのだから。

 

「すげぇ、たった一人で弓兵を潰しやがった!!」

「誰なんだ一体……てかどうして子連れ?」

 

 反乱軍はたった一人の人間によって総崩れに陥った。連携なぞ出来る訳もなく各々が自分の命を守るために逃げて行く。時間にして僅か2分と言ったところか。少なくとも5分針には達していない。

 

【まぁ、こんな、もの、か】

「……終わったかしら?」

 

 文字通り戦況を変えた”狩人”の腕の中。ギュッと目を閉じていたナヒーダがもう終わったのかと”狩人”に聞く。

 

【終わったぞ。目を、開けても、良い】

「解ったわ……――ッ!」

 

 ナヒーダは息を呑む。残ったのは死体と、もはや動けずに捕虜になるのを待つのみの反乱軍の兵士。体のパーツもそこらに散乱しているし、地面は血で真っ赤だ。辺りに漂う生臭さは海の香りでは無いであろう。

 

【戦争を見るのは、初めてか?】

「……ええ。本物を見るのは、初めてよ」

 

 納刀し、ナヒーダを抱きなおした”狩人”は自身が加勢した側の兵士たちを見渡す。傷こそ見えるが大多数が無事に見える。あぁ、良かったと”狩人”は胸をなでおろした。問題をよく起こすが、”狩人”は割としっかり七神に良い感情を持っているのだ。彼ら彼女らの臣民が傷付いて欲しくないと考えるくらいには。

 

 まぁ、優先順位が臣民より上のナニカがあるのならさほど悩まずに切り捨てるのだが。結局”狩人”は自己中心的である、自分が嬉しいから好ましいモノの利になる行動をしているだけである。

 

 まぁ、どちらかというと人間嫌いだから理由を付けて殺してるだけな気もしなくはないのだが。

 

【さて、我らは、ズラかる、と、しよう】

「そうね、冷静に考えたら私達は密入国者だものね」

 

 隠れ身の装衣で自身を隠し、隠れた自身でナヒーダを覆う。よく見ればバレるだろうがよく見られる前にトンズラすれば問題ない。

 

「あれ!? 消えた!?」

「どこからともなく助太刀して、名も名乗らずに去っていく……カッコいいぜ……!」

「まさかあの見た目で仲間とは思わなかった……人は見かけによらないんだな

「九条様に報告しなければ、今は味方だがあれが敵に回ったと考えると……恐ろしい」

 

 なんやかんや言って、褒められていて悪い気はしないなと思いながら、クローと蟲を使ってさっさと”狩人”はその場から離脱した。

 

 

 


 

 

 

「服を変えたいわ」

 

 そこらの森の中に身を隠し、破邪之双刀ツルギタテハに付着した血液を拭っているとナヒーダがそんな事を言って来た。

 

【弥怒の、服は、お気に召さなかった、か?】

 

 閉じ込められていたとはいえ不明な手段で俺の死体に干渉していたのだから、スメールの服装に見慣れていて璃月の服が気に食わなくてもおかしくはないだろう。弥怒の作った服に関しては着心地が抜群だから見た目しか気に食わないところはないだろうしな。

 

「いいえ、とても気に入ってるわ。けれど、こんなに分かりやすい璃月の服を着ていたら密入国者だってバレてしまいそうじゃない」

【なるほど、一理、あるな】

 

 確かに。普段から狩猟用の装備の俺には思いつかない視点だった。璃月の時は単純に身分隠しのつもりだったしな。あの白菜みたいな服、マハールッカデヴァータ様によく似てるし。

 

 話が逸れたな。稲妻風の服か……

 

【分かった、なんとか、しよう】

 

 適当な紙を1枚とりだす。装備を破邪之双刀ツルギタテハからサジタル=ダオラに切り替える。

 

「なんとかって……どうするの?」

 

 文面は……こんなもんで良いか。

 

【こう、する】

 

 矢に手紙を括り付け、弓に番えて引き絞る。そんで放つ。

 

 クシャルダオラの力で手紙を保護しているから、途中の嵐で濡れる事は無いだろう。

 

【これ、で、よし。今日の、ところは、野宿、と、行こう】

「わかったわ! 私、野宿って大好きよ」

【そうだろうさ】

 

 マハールッカデヴァータ様も野宿というかキャンプに誘うとウッキウキだったからな。

 

 

 


 

 

 

《前略 草神の稲妻風の服を至急作れ 後略》

「ん~~~~~????????????」




”狩人”:神の目が無い相手に負けることはほぼ無い……訳もなく。今回は上手く場を掌握出来ただけである。

ナヒーダ:合戦はちょっとだけ怖かった。

弥怒:はぁ~~~~~~????
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