ただのんびり生きていたかった人生…半人生?   作:フリスリンク

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ネドラはあまり怒る事はありません。それ以外の感情が強いため、怒りを覚えても他の感情が基本的に上書きされていますが…誰しも限度というものがありますよね?


第10話 ネドラの逆鱗と後悔と前進

 

…今なんて言ったんだ?急に言われて理解が追い付くのに時間がかかった。エルフの女王という里のトップのメンツを汚したかったのか?

 

モブエルフ1「そんな化け物の事を信用するんですか!?女王様!!姫様もです!!魔物のいる村なんて普通じゃありません!!どうかお考え直しを!?」

モブエルフ2「そもそも人間と魔物のハーフだと!?どう考えてもイカれてるだろ!?そのくっついた人間も魔物もそこにいる化け物も俺たちを陥れるために嘘をついてるんだよ!!」

 

…………ふざけるなよ。俺の事は別にいいさ。そもそも魂からして異世界から来てる特殊事例だし、人と魔物のハーフはいたとしてもかなりの低確率だ。常識には当てはまらない事も多いだろう。村だって魔物がいるのも事実だ。嫌悪するのも仕方がない事だ。

 

……でも、人の親を侮辱するのは違うよなぁ!!!!!!!!!!!!

 

モブエルフ3「ちょっと!?そんな言い方はあんまりじゃない!?確かに魔物がたくさんいる村なんて今までなかったけど、姫様やドワーフが称賛するくらいの村なのよ!?」

モブエルフ4「そのテドンって所にいる魔物は友好的なんだろ?じゃあいいじゃねぇか!なんの問題があるってんだ!」

モブエルフ1「皆さん忘れたんですか!?女王様の旦那様は魔物によって殺されてしまったんですよ!?そこの化け物が騙していたとしたら、悲劇が繰り返されてしまいますよ!!」

モブエルフ2「みんな騙されるな!!あの化け物は俺たちを罠に嵌めるつもりだ!!」

モブエルフ5「言いすぎじゃないか!!姫様だってあんなに嬉しそうにしていたんだぞ!?話を聞いてなかったのか!?」

モブエルフ6「あの女王様が良いと判断されたのですよ!?女王様を信じられないと言うおつもりですか!!??」

モブエルフ7「正直不安だわ!!前例がないし、怖いじゃない!?」

モブエルフ8「反対しているヤツはその村の事詳しいのかよ?知ったかぶりで過剰反応しているだけじゃないか!!」

モブエルフ9「そう言うあなたはどうなの!?たまたま姫様が無事だっただけかもしれないじゃない!!」

 

……ああ、うるさい……

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………………………………!!!!!!!

 

 

森がざわついている。小鳥が逃げていった。池の水面も波紋をうっている。知った事か。

 

 

エルフの女王「静まりなさい!!!これはもう決定事項です!!!…………!?いったい何が!?」

旅のドワーフ「お、おい!?ネドラの坊や!?どうしたんだ!?目が赤いぞ!?」

アン「何が起こっているの!?ね、ねぇネドラ?どこに行くの!?」

「そこの男のエルフ……」

モブエルフ2「な、なんだ化け物!!とっととこの里から………ウグッ!!??」

 

このエルフの首を掴んだ。オモイシラセテヤル……!!

 

「確かに端から見たら俺は化け物さ。俺の感覚としては、龍になれる人のつもりだ。だが、他人がそう思うかは別だ。魔物がいる村だって、現状テドン以外に聞いた事がない。不安に思うのも当然だ。だけどな…」

 

「俺の家族やメタルスライム達を知らずに侮辱する方がイカれてるよなぁ!!!!!!!!!!」

 

モブエルフ2「ウグググッ!!??ガバッ!??」

「てめぇは頭に脳が入ってるのかって疑問に思うぐらいスカスカだなぁ。てめぇらが俺の目の前で侮辱しなければ、こんな事にはならなかったのによぉ。そんなに言いたければ、俺がいなくなった後に言いふらせば良かったなぁ。何もなければ女王様の言う通りにこのままテドンに帰ってたのによぉ!!!」

 

…….冷静になれ。冷静になれ。殺したラまずい。今の状態でもまずイが悪化させないようにしナいと…イライラがオサマラナい。クソ!

 

エルフの女王「ネドラ!!お止めなさい!!落ち着くのです!!」

アン「ねぇ、ネドラ!!いつもと全然違うよ!?怒るのは分かるけどダメ!!いつものネドラに戻ってよ!?」

旅のドワーフ「くそ!?力が強すぎる!?……一か八かだ!!!ネドラの坊や!!後で説教聞くからな!!」

 

「害する敵に種族は関係ないって言ったよなぁ?もし、陥れようとしてると思ってるなら本当に頭が弱すぎる…陥れるならこんな取り入るような面倒な事はしない。力づくで滅ぼすさ………」

 

ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

ガアアァァァァ!!!???痛い!!??何が起きた!!??何か掴んでたもの落としちゃった!?何!!??

 

モブエルフ2「ううう……はぁ、はぁ、この、化け物が…」

「……あ、いや、俺は……」

旅のドワーフ「ヨシ!!なんとか止まったな!!大丈夫か坊や!!!」

アン「あなた大丈夫!?何で酷い事を言ったの!!??何もしらないでよく偉そうに言えたわね!!!!」

モブエルフ2「ひ、姫様…そ、それは……」

エルフの女王「その者には厳しい罰を与えましょう。アン、今はそれくらいにして。ネドラ、正気に戻ったようですね。目の色も赤から戻りましたし。」

「ご、ごめんなさい…俺は、殺し…かけたんですか…?」

エルフの女王「………怒りに我を忘れている様子でしたが、殺す事までには至りませんでした。」

 

あのまま、俺が、腕に血、エルフの血、殺しかけた、俺が、俺が、…………気持ち悪い、きもちわるいきもちわるいきもちわるいきもちわるいきもちわるい……………………

 

俺は地面にうずくまり、吐き気に流されるまま吐いてしまった。

 

「おぇ……!!ゴホッ、ウグッ……はぁ、はぁ、はぁ、」

アン「ネドラ!!??しっかりして!!??……吐くもの全部出しちゃって良いから。ゆっくり、落ち着かせて。」

エルフの女王「これは重症ですね……ここで休ませましょう。皆さん良いですね!!!???」

 

「……いえ、帰ります。」

 

アン「…え?ネドラ?」

エルフの女王「何を言っているのです!?そんな状態で……」

「俺はここにいて良いヤツじゃなかったんです。……ごめんなさい。」

 

さっき俺が傷つけたエルフに、回復魔法や他の補助魔法もかけた。

「……許されるとは思ってませんが、すみませんでした……」

モブエルフ2「…え?お、おい!何で回復させた!?おい!?」

 

…………………………………………

 

エルフの隠れ里から出て、そのまま地底の湖の洞窟の最奥まで歩いて行った。道中の魔物に目もくれずに。

 

「…バカだな。俺は。……やってしまった。せっかくエルフの女王様と話せたのに、問題を起こしてしまった。」

 

俺がやってしまった事なのに、泣いてる。まるで俺が被害者みたいに泣いてしまっている。そんな俺に嫌悪感が募る……ん?後ろに気配が?

 

旅のドワーフ「仕方がないと思うぜ、坊や。大切なヤツを何も知らずに馬鹿にされたら誰でも怒ると思うぞ。度合いはともかくな!」

「ついてきたんですか…全く気がつきませんでした。」

旅のドワーフ「心ここにあらずって感じだったからな。魔物がたくさん出るこの洞窟に入って行ったから、心配でな…」

「ここは俺の庭みたいなもんなんです。勝手に思ってますけど、よく家族全員で魔物を倒す修行をしたものです。」

旅のドワーフ「へぇ!そうなのか!!どんな事をしてたのか興味があるな!!」

 

このドワーフさんに俺たち家族のやった修行を話した。魔物を食べた話は驚いていたが、その事すらもやろうかなと言うぐらい興味津々だった。

 

旅のドワーフ「お前さん、凄い修行してたんだな。絶対この洞窟やダーマだけじゃ収まらなかっただろう。」

「何で分かったんですか?」

旅のドワーフ「聞いている限り、坊やの両親が強くなる事に貪欲そうだったからな!苦労しただろう?」

「まぁ、はい。龍化の修行なんか特に大変でしたよ…」

旅のドワーフ「坊やの母親が龍だから、坊やも龍になれるのか!」

「最初は暴走しまくったんですけどね…すぐ母さんに鎮圧されました。母さんが俺の過ごしてきた中で一番強いんですよ。……………ありがとうございます。俺のメンタルケアをしてくれて。」

旅のドワーフ「落ち着いたんならなによりさ!それに興味深い話がたくさん聞けたからな!!今回の報酬って事で!!」

「興味があるならもっと話しますよ。…そういえば今さらですが、名前を聞いてませんでしたね。」

旅のドワーフ(以下コハビン)「ああ!!そうだったな、すまん!!俺はコハビンって名前だ。改めてよろしくな!!」

「ええ、よろしくお願いします!!ところでコハビンさん、俺がエルフの里で怒り狂ってた時、どうやって止めたんですか?」

コハビン「そりゃ、俺が持ってるハンマーで頭をガツン!!とな。あの時、お前さんスノードラゴンみたいな角と尻尾が生えてたんだぜ?色は黒かったけどな!」

「めちゃくちゃ効きましたよ。でも今まで尻尾まで生えた事はなかったんですが…」

コハビン「おそらく、怒りで眠れる力が出ちまったんだと思うぜ?怒りで強くなるなんてよくある話だ。火事場の馬鹿力かもしれないがな。」

 

そうか、怒りがきっかけで…あのタイミングで出てしまったのはよくない。もっと制御できないといけない…

 

コハビン「そういえば目も赤くなってたな…母親との修行の時に暴走したって言ってたよな?あの時目の色はどうだったか知ってるか?」

「赤い目をしていたと言っていました。あと、暴走しているときは普通の龍化よりも体が大きかったとか。」

コハビン「少なくとも赤い目をしている時は、理性がなくなってる可能性が高いんだな。俺が近くにいる時になったら、また止めてやるからな!今度は角を折る勢いでな!!」

「その時はお願いします。俺も暴走したくないので…今回俺の角って折れたんですか?俺が気づいた時は角も尻尾もなかったんですが。」

コハビン「いや、折れてない。だいぶ強度があったんだろうなぁ。削れても良かった威力だと思ったんだが…」

「まあ、折れても再生するので大丈夫です。…さて、落ち着きましたし、そろそろ帰ります。いろいろありがとうございました。」

コハビン「嬢ちゃんやエルフの女王様には会って行かないのかい?心配していたぞ?」

「あんな事をしでかしてしまったので、会いづらいんです…迷惑をかけて申し訳ございませんでしたと、伝えてもらえますか?」

コハビン「……分かった。伝えておくよ。任せとけ!」

「ありがとうございます。では、失礼します。」

 

この後、俺はリレミトで脱出してルーラですぐテドンに帰った。父さんと母さんに俺がやってしまった事を話した。

 

ネドラ父「そうか…まぁ、誰も死ななくて良かったじゃないか。でも、また暴走か…もうないと思っていたが…」

ネドラ母「怒りの感情に支配されたのよね?じゃあ、そうならないように修行しましょう?反省は十分にしてるみたいだし…私はちょっとエルフの隠れ里に行ってくるわね!!」

「え!?今から!?もう夜だし、しかも里には行っちゃダメだよ!?ってあれ?母さんは?」

ネドラ父「もう行ってしまったよ。サランは行動がいつも早いからな…何もなければ良いが…」

 

フラグみたいな事言わないでよ…ヤバイじゃん……

 

 

……………………………………………………………………

 

翌日、朝起きると母さんがいつの間にか帰ってきていた。どうやら、エルフの女王様と話をしたらしく、向こうから謝られたそうだ。母さんも別に怒っていなかったので、和解という形になったらしい。ただ刺激しないようにエルフの隠れ里には近づかないようにする約束をしたようだ。あと、懲りずに睨み付けてくるエルフ達だけを逆に威圧仕返して気絶させたらしい。…相変わらず話の内容が濃すぎる……!!アンは俺の様子を見に行きたいと言っていたそうだ。…アンは優しいね。

 

オルテガさんの所に行って、たねを届けに行って村に帰ってきたらアンがいた。

 

アン「ネドラ!!心配したのよ?体調は大丈夫?」

「俺はもう大丈夫。いろいろ迷惑かけてごめん…」

アン「元はと言えば、私が話しちゃったのが原因だから謝らないでよ。あ、そうだ!!ネドラに暴言を吐いたエルフなんだけど、お母さんが罰を与えるって言ってたわ!」

「罰?受けるのは俺の方じゃないか?」

アン「そんな事ない!!ネドラに味方をしてくれるエルフの方が多いし、あなたに罰なんか与えたらそれこそ問題が収まらなくなっちゃうわよ。それに、私たちの里に寄らないんだから、罰を与えようがないわ!!」

 

原作のノアニールの呪いの事を考えると、遠隔で罰を与えられるんだよな…俺は許されたのか。エルフの女王様も優しい。

 

「それで?俺が傷つけてしまったエルフにどんな罰が執行されたの?」

アン「もう、その事は気にしなくていいのに…罰は悪夢を見続ける呪いだよ!寝ると必ず悪夢を見るんだって!!」

 

精神攻撃かぁ。キツいなぁ…いや、物理攻撃もキツいけど今ならもう治せるし。精神崩壊したら、目も当てられないな…ん?この気配は…

 

「それ、発狂したらヤバくないか?」

アン「お母さんはそういう呪いの調整が得意だから、大丈夫よ!!」

コハビン「そういうことだ!気にするな!!」

アン「キャアアア!!??いつの間に後ろにいたの!?」

コハビン「ついさっきだ!嬢ちゃんに教えてもらったルーラで来たんだ!ネドラは気づいてたみたいだな!」

「ええ、もう体調は回復したので。コハビンさんはどうしてこの村に?」

コハビン「女王様に頼まれてな。里に入れない代わりに頼みたい事があったら言ってほしいとか、依頼を頼むかもしれないとか言っていたぞ!!ようは情報伝達係だ!!…単純にここは居心地が良いから、来ても良い理由として引き受けた。」

「そんな事しなくても、いつでも来て良いんですよ?」

コハビン「女王様も負い目を感じてるんだ。俺も手伝いたいだけだ!気にしなくて良い!早速だが何か伝言とかないか?」

 

…そうだなぁ。じゃあ、無理を承知で頼んでみるか!

 

「では、不死鳥ラーミアの卵を孵すためにオーブが必要なんですけど、心当たりがないか聞いてくれますか?」

コハビン「分かった。それを女王様に伝えるぞ!」

アン「不死鳥ラーミア?それにオーブってなによ?」

「ラーミアは…まあ、対魔王軍用の伝説の生物だね。それを復活させるには六つのオーブが必要で、一つはこの村にあったんだ。グリーンオーブがあったから、レイアムランドって所にある祭壇に捧げたんだよ。」

アン「って事はレイアムランドっていう所にラーミアの卵があるの?」

「そう。だから、復活させるには残り五つオーブが必要なんだ。」

コハビン「お伽噺だと思っていたが、本当に存在しているとはな…つくづく驚かされてばかりだな!!」

 

今度レイアムランドの修行場に案内しようかな?でもまずは、完全な理性ある龍化ができるようにならないとな!感情に左右されないように修行しないと…

 

なんか怒りで暴走とか超サイヤ人っぽいな。…超サイヤ人は一部の人しか暴走してなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エルフの隠れ里にいるエルフは、全員とは分かり合えません。ただ、今回の騒動で排他的なエルフは少なくなっています。エルフの女王とアンの存在が大きいですね。
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